第41回:草加市立花栗小学校 2006年6月14日(水)

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2006/06/14

団地の中にある草加市立花栗小学校の音楽室を訪れたのは、佐藤展子さんとトランペットの上田仁さん。トランペットってどうやったら音が出るかな?友達の出した音がどんな風にピアノに伝わるのかな?と、楽器の実験をしながらコンサートが進んだ。


ビデオを見てみよう(WMV5分43秒)

吹けば鳴るのかな...?

まずは『トランペット・ボランタリー』という曲の演奏からスタート。音楽室に、華やかなトランペットの音が響きわたる。「これはトランペットという楽器なんだけれど、これは"ピッコロトランペット"と言います。"ピッコロ"って、どういう意味かわかる?」と上田さんが言うと、「ピッコロ大魔王なら知ってる。」「小さいっていう意味じゃない?」と誰かが答える。「そう!小さいっていう意味で、小さいトランペットっていうことなんだ。」と答えを教えると、「おーすごいじゃん、よく知ってたなー。」と友達がほめるわきあいあいとした雰囲気。

「じゃあ、このトランペット、どうやって音を出していたか知ってる?」と言うと、「息を入れて吹く。」「ボタンを押す。」と答える。「じゃあ、息を吹き込みながら、ボタンを押してみよう。」と、上田さんが実演してみると...「フゥーーー」と、ピストンを押しているのに息の流れる音しかしない。「あれ?出ないねぇ。」「じゃあ、吸う?」「吸わないよ~」とみんな笑う。吸ってみても音は出ない。「わかった、ぶるぶるって唇をふるわせるの。」「そう!口だけでやると、ぶぅぅぅぅ、という音が出ます。」と言うとみんな「ぼくもできる!」とまねをする。「これにマウスピースをつけるとこんな音。」プゥー。「これにさらに管をつけて、ボタンを押しながらやると、こんな風に色々な音が出ます。」と吹いてみると、ようやくトランペットらしい音が出てみんなも一安心。

「みんな、夜遅かったけど、一昨日見たかな?」と問いかけると「見た!ワールドカップのサッカー。負けちゃったけど。」と口々に答える。「オーオーオオオ オオオ...」と口ずさむ子も。「そう、そこで聞いたことがあると思うけど、アイーダの『凱旋行進曲』という曲を吹きます。」と言うと、トランペットとピアノで格好よく演奏。体をゆらしながら聞いている。


友だちの弾いた音、聞こえた?

「ピアノの大事な部分は、この鍵盤と弦と、そして実はこの弦の下に隠れている板なのです。探してみて。下からも見えるよ。」と言うと、弦の脇、丸く開いた穴の中、そして下にもぐって手を伸ばして板を探す。「そこを触っていてね!」と言って音を出してみると「びりびりふるえた。」とびっくり。

「もう一度やって!」の声に、「じゃあ、誰かに一緒に弾いてもらおうかな。今日は6月14日だから...14番の子!」と指名し、一緒に椅子に座る。「このキーとこのキーを押して...」と弾くと、「ジャ・ジャ・ジャ・ジャーン」と運命のテーマに。友達の弾いた音を、ピアノを触って確かめる。

ショパンの『小犬のワルツ』を演奏する間も、下にもぐっていた子が「ほら!ここ、触ってごらん!」と友達を誘う姿も。すごく近くで聴いた後は席に戻って、ドビュッシーの『月の光』の曲で、ピアノのふたで反射して飛んでくる音を聴く。さっきまではしゃいでいた子たちも、静まりかえって聴いていた。

最後には、コルネットでアーバンの『チロル民謡による変奏曲』を演奏。ゆったりとしたメロディがだんだん速く変わっていく様子を息をのんで見守り、終わると「すごーい。」と拍手。その後、リコーダーで『エーデルワイス』と『オーラリー』を共演。「ぼく、上のパートがいい!」「2回やって1回ずつパート分けようよ!」などと、積極的に分担する。みんなの奏でる二重奏に、さらにトランペットでやさしい旋律が加わった。

アンコールでは、偶然にもみんなが歌ったことのある「となりのトトロ」の『さんぽ』で、足を行進させながら、一緒に歌ってくれた。お礼の言葉と花束の贈呈があると、握手をした代表の子を見て、「ぼくもしたい!」と次々に席から手をのばした。


"思わず口が開いたままになってしまいました"

『チロルの民謡による変奏曲』では、最後らへんのコルネットの早さでは、思わず口が開いたままになってしまいました。(4年)

私は、今までトランペットは、全部名前なんてなくて、ただ、金と銀の色だけわかれていると思いました。でもいろいろ名前がありました。とてもよくわかりました。(4年)

私は、佐藤さんと上田さんがやさしくしてくれたので、ちゃんときけました。(4年)

上田さんは、ボタンをおしたまま速くいきをふいて、すごく速かったです。(4年)

一番心に残った歌は、サッカーの歌でした。(4年)

トランペットはくちびるをぶるぶるさせないと音が出ないということを教えてもらいました。(4年)

ぼくは演奏をちゃんときいていたのは、はじめてです。一回大きな会場でえんそうを見ました。でも、いねむりをして少ししか聞きませんでした。だから、今日の演奏はすごかったです。(4年)

弟はピアノをならっていますので、今度は弟の時には教えてやってください。(4年)

ピッコロトランペットでふいていて、すごくはやいところがあったし、ふくのもむずかしそうでした。(4年)

となりのトトロをいっしょに歌えてとってもうれしかったです。(4年)


演奏者紹介

♪ ピアノ 佐藤 展子(さとう のりこ)
東京音楽大学付属高校、同大学ピアノ演奏家コースを経て、2002年同大学院修士課程修了。在学中、特待生奨学金を得る。
1997年モーツァルテウム音楽院サマーアカデミーに奨学金を得て参加、A.ヤシンスキ氏に師事。
1998年彩の国埼玉新進音楽家オーディションに合格。マラソンコンサートに出演。 2000年卒業演奏会、讀賣新人演奏会に出演。東京音楽大学シンフォニーオーケストラと共演。英国王立音楽院に奨学金を得て短期留学、C.ベンソン氏に師事。
2001年ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ受賞。
2002年沼尻竜典氏指揮・日本フィルハーモニー交響楽団と共演。越谷、ヤマハ銀座店にてリサイタル開催。2005年越谷市にてリサイタル開催
♪ トランペット 上田 仁(うえだ じん)
京都市立堀川高校音楽科、東京芸術大学卒業。在学中、トランペットを早坂宏明、蔵野雅彦、北村源三の各氏に師事。2000年第69回日本音楽コンクールトランペット部門第1位、併せて松下賞受賞。協奏曲を東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、セントラル愛知交響楽団、多摩ユースオーケストラ、堀川高校オーケストラ、ドヴォルザーク室内オーケストラ、レヴォリューションアンサンブルと共演。リサイタルを東京、京都、岡山、宮崎で開催。2004年ソロCD「カレイドスコープ」発表。2004年度青山音楽賞受賞。現在、金管五重奏団Buzz Five、ズーラシアンブラス、Brass Extreme Tokyo、スキマ産業GmbH、The Sliders、各メンバー、シエナウィンドオーケストラ団員。

プログラム

クラーク「トランペットボランタリー」(ピッコロトランペット)
ヴェルディ「凱旋行進曲(グランドマーチ)」(トランペット)
ショパン「小犬のワルツ(ピアノ)
ドビュッシー「月の光」(ピアノ)
アーバン「チロルの民謡による変奏曲」(コルネット)
ロジャーズ「エーデルワイス」(リコーダー)
プールトン「オーラ・リー」(リコーダー)
アンコール:『となりのトトロ』より「さんぽ」

協力: 草加市立花栗小学校/後援:草加市教育委員会/主催・問合:ピティナ学校クラスコンサート係

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