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ピティナ

今週のコラム

2025/07/17 公開
夏休みは「やってみたい!」が芽生える特別な季節です。ピアノの中を覗く、ホールで音に包まれる、自分の手で楽器をつくってみる──そんな初めての体験が、子どもたちの「できるかも」という小さな自信を育みます。 自信はモチベーションとなり、次の行動へとつながります。「やってみた」という経験のなかに、小さな発見や手ごたえがあり、それが「もっとやってみたい」という気持ちを育てます。音楽との出会いも、そんな循環のきっかけになるかもしれません。 ピティナではこの夏も、

全国で多彩なイベントを開催します。なかでも特級ファイナルは、若きピアニストが人生をかけて挑む特別な舞台。オーケストラとの共演によって生まれる渾身の演奏を、ぜひ会場でご体感ください。 音楽と出会うひとときを、どうぞたくさん味わってください。素敵な夏休みを。

執筆:専務理事 福田成康

2025/07/10 公開

言葉を覚えるのは私たち人間にとって、最初の学びの一つです。赤ちゃんを対象としたある実験では、人間の先生と対面で学んだグループは音を聞き分けられるようになり、同じ音声をテレビやオーディオで聞いたグループはほとんど学習できませんでした。 この結果は言語学習には音声だけでなく表情や視線などが不可欠であることを示唆していますが、ピアノの学習にも同じことがいえそうです。コンペティションに向けて指導する先生方へのアンケートでは、全体の99.5%の先生がレッスン中にご自身で演奏しながら指導していることがわかりました。先生の演奏によって、呼吸や声部のバランスなど音楽をするのに不可欠な感覚を身に着けることができ、生徒さん自身の聴く力や主体性も育つことが期待できます。 先生の演奏は学びの宝庫です。ぜひ生徒さんの前で弾いてあげることを続けていただきたいと思います。

執筆:専務理事 福田成康

2025/07/03 公開

今年も特級二次予選進出者25名が決定しました。8月22日のファイナルに向け、それぞれの準備が始まっています。 ピティナ・ピアノコンペティションには49年の歴史があります。グランプリはじめ入賞者たちの活躍は、若いピアニストたちの励みとなっています。 2025年のクラウドファンディングではピアニストを全国に派遣し、これまで足を運べなかった地域にも演奏を届けます。各地で応援の声に触れることは、演奏家にとって大きな力になります。皆さまのご支援は活動を支える力となり、次世代の音楽文化を育てることにつながります。 誰かの挑戦に心を寄せることで、ともに歩む感覚をもつことができます。 音楽家たちを応援し、成長を見届ける楽しさを、ぜひ皆さまと分かち合えたら嬉しく思います。 どうか今年も、あたたかな応援とご支援をお願いいたします。

執筆:専務理事 福田成康

2025/06/26 公開

ステーション・准ステーションの活動は、ステップ開催にとどまらず、地域交流に繋げる大切な役割を担っています。
各種コンサート(トークコンサート・学校クラスコンサート)の開催や、学校で継続表彰を表彰してもらう為の働きかけ、企業広告の募集など、ステーション独自の行動は多岐にわたります。
540ものステーション・准ステーションの様々な活動の広がりを知るために「ステーション活動白書」を作成しました。 ステップ開催に関するデータはもちろんのこと、ステーション代表の取り組みにかける想いや、直面する課題についても紹介しています。
このような1つ1つの取り組みが、ピアノを続ける動機へ繋がったり、後に「あの時の学びは良いものだった」と振り返ってもらえるものを作り出しているのではないでしょうか。
ますます、地方自治体や地元企業の協力も得ながら、交流の場を広げて行きたいです。

執筆:専務理事 福田成康

2025/06/19 公開

提携コンクールは今年で15周年を迎えます。その夏から秋にかけての開催情報が出揃いました。ここ一年で新たに9つのコンクール/イベントと提携して全体数は50を超え、企画内容も多彩です。

たとえば大学生(音大ではない)が3人1組で挑む「全国大学生ピアノ選手権」は、動画再生回数と「いいね」の数も評点として加えられます。ブルグミュラーコンクールには25の練習曲を連弾アレンジした課題曲による「2人でブルグ部門」が新設され、より気軽に挑戦できるようになりました。

ピアノに向かう道筋も、演奏者が輝ける場所も様々です。演奏者の個性や成長段階に応じて「あなたの魅力を最大限発揮できるステージ」と出会い、ぜひ挑戦してみてください。

執筆:専務理事 福田成康

2025/06/12 公開

2025年6月、ピティナ学校クラスコンサートは、記念すべき20周年を迎えました。

鑑賞コンサートは体育館など大きな会場で実施するのが一般的なイメージだと思います。しかし学校クラスコンサートは、できるだけ子どもたちと近い距離で音楽を届けたいという思いから、1クラスずつ1日に複数回の演奏を行います。演奏者は楽ではありません。それでもこの20年間で466人の演奏者が、延べ1,430校の各クラスに音楽を届けてきました。子どもたちのみならず、演奏者にとっても得るものがあるからでしょう。

アーティストたちのほかにも学校、保護者、自治体、コーディネーター、そして多くの皆様からの寄付・協賛という多様な応援に支えられてきました。感動とともに感謝が沸き起こります。今後も、多くの方々へ音楽の素晴らしさを届けてまいります。

執筆:専務理事 福田成康

2025/06/05 公開

2024年度の指導者賞が発表されました。指導者賞にはコンペ指導歴による「夏基準」と、生徒のステージ参加と指導者自身の研鑽を評価軸とする「春基準」があります。春の受賞者は233名で、対象者全体の2.09%という狭き門です。

幼少期から高校生までの成長を長く見守れるのは、ピアノ教育ならではの価値です。家族とは異なる立場の大人として、生徒と深い信頼関係を築けるのも大きな特徴でしょう。

生徒の個性や年齢に応じた指導を行いながら先生自身も学び続ける。 お互いの成長を実感し、挑戦し続ける 。ピティナでは、そうした「個性」「向上」「継続」の循環を称え、奨励しています。

本日のトップニュースでは、指導者賞・新人指導者賞を受賞された先生方のインタビューを紹介しています。音楽が人生を豊かに彩ることを、あらためて感じていただけるでしょう。

執筆:専務理事 福田成康

2025/05/29 公開

2025年度月刊ピアノ×編曲オーディションの結果が発表されました。入賞結果を見て、改めて思うのは、指導者に求められる役割が広がっているということです。今回は昭和歌謡を題材とした作品が多く入賞し、SNSなどで若い世代が昭和歌謡を再評価している潮流を的確に反映していました。

私たちは日々、クラシックを中心とした教材に向き合っていますが、生徒の「弾きたい!」という気持ちに応えるには、それらとは異なるレパートリーやアプローチも必要です。時代の流行に敏感になり、生徒個々の関心に寄り添い、編曲という手段で音楽の入り口を広げることが、ますます重要になるのではないでしょうか。

ぜひ日々のレッスンに編曲の視点を取り入れ、生徒の「弾きたい!」を叶える指導を目指していきましょう。

執筆:専務理事 福田成康

2025/05/22 公開

日々進化するAI技術は、ピアノ指導のありかたも大きく変える可能性があります。

既にAIを活用する先生方へのインタビューからは様々な可能性を感じました。多忙な先生方にとって、レッスン準備や教材作成の時間短縮は大きな恩恵です。また、動画からの演奏分析など、AIならではの客観的視点が指導の幅を広げつつある様子もうかがえました。

興味深いのは、AIを使う過程で「人間にしかできないこと」の価値が再認識されていることです。生徒との信頼関係構築や、言葉を超えたコミュニケーション、個性を引き出す感性は、AIでは決して代替できない指導者の強みです。

教育格差の解消という明るい展望も見えてきました。地域や環境に関わらず、質の高い音楽教育へのアクセスが広がることは、ピティナの理念にも通じます。

AIという新たな協力者と「2人3脚」で歩みながら、人間だからこそできる温かな指導の価値を再発見したいと思います。

執筆:専務理事 福田成康

2025/05/15 公開

今年は多くの音楽ファンが注目する5年に一度の「ショパン国際ピアノコンクール」が開催されます。

ピティナは長年同コンクールと深くかかわってきました。2000年から現地レポートを継続しており、ポーランドの国立ショパン研究所と協力してチケット販売も担ってきました。また、過去3回の本大会に出場した日本人32名のうち、31名がピティナ・ピアノコンペティションの参加経験者です。

そんなショパンコンクール真っただ中の10月8日。1次と2次審査日程の合間に、サントリーホールでコンチェルトを中心としたプログラムの特別なコンサートを開催します。出演は同コンクールに出場・入賞歴がある横山幸雄さん、関本昌平さん、古海行子さんです。

どうぞ、生徒さんやご家族、ご友人とお誘い合わせのうえ、秋のひとときをお楽しみください。

執筆:専務理事 福田成康

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