PTNA
ピティナ

今週のコラム

2025/08/14 公開

才能豊かなピアニストたちが全国から集う季節を迎えました。来たる8月17日より、予選・本選を勝ち抜いた約900名が参加する ピティナ・ピアノコンペティション全国大会が開幕します。

昨年、浜松国際ピアノコンクールで見事優勝を果たした鈴木愛美さんも、かつてこの舞台で挑戦を続けた一人です。鈴木さんは就学前のA2級から、2023年にグランプリに輝くまで全ての級に参加しました。

コンペを受け続けると、上手くいかなかったときの悔し涙や、努力が実ったときのとびきりの笑顔とともに、様々な経験を重ねることになります。先輩の快挙は、今まさに頑張っているコンテスタントにとって大きな目標となり、希望の光となるはずです。

たゆまぬ努力にもとづく自信と、支えてくださった方々への感謝を胸に、ステージではご自身の力を存分に発揮してください。情熱溢れる演奏が聴く人の心を震わせ、未来への飛躍となることを願っております。

執筆:専務理事 福田成康

2025/08/07 公開

ピティナ・ピアノコンペティションでは選曲も重要です。ソロ部門は予選で2曲、本選で2曲、そして全国大会では4曲の課題曲を演奏します。そのために「どの曲とどの曲を組み合わせるか」を考えるのは、多くの方にとって最初のプログラム作りとなります。

プロのピアニストは、リサイタルのために膨大な数のピアノ作品から演奏する曲を選び、聴衆を惹きつける流れを考え抜きます。プログラムそのものが、ピアニストとしての個性やメッセージを表現します。コンペで2曲、4曲を選ぶ経験は、そのようなプログラムを目指すための大切な入口となります。

今回のニュースでは、恒例の課題曲組み合わせランキングを発表しています。自分と同じプログラミングを選んだ人、同じ曲でも全く違う曲と合わせた人など、多様な選曲のヒントが見つかるのではないでしょうか。

執筆:専務理事 福田成康

2025/07/31 公開

特級セミファイナリストが決まりました。毎年、私も皆さんと同じようにドキドキしながら結果発表を待ちます。 今年は、金﨑瑞希さんと津野絢音さんが昨年に続くセミファイナル進出、稲沢朋華さん・加藤皓介さん・高見真智人さんは昨年のPre特級全国大会出場者でした。また、仁宮花歌さんは育成企画としても力を入れているJr.G級の入賞者です。出場者の皆様がそれぞれに熱い思いをもっていることは、実際に話を聞いたり、SNSの投稿を読むことから伝わります。自分の成長のきっかけとしてピティナを活用し、特級という舞台にチャレンジされていることを、とても嬉しく思いました。 今回はドイツの一流オーケストラで活躍する弦楽器奏者をお迎えした室内楽の共通課題が加わるなど、皆様に新たな音楽の楽しみ方をお感じいただけると思います。特級のクライマックスをぜひ現地や配信で応援してください。

執筆:専務理事 福田成康

2025/07/24 公開

日本バッハコンクールで「バッハ全曲コンプリート賞」が創設されました。インヴェンションとシンフォニア、それぞれ全曲を公式ステージで演奏することで授与される新しい表彰制度です。 この賞をとるには長い時間を要しますが、動画提出で実績を積み重ねることができる「コンプリートチャレンジ」という新たな企画を提携コンクールでスタートしました。「今日からでも遅くない」という気持ちで参加でき、「あと○曲でコンプリート」という具体的な目標が見えます。コレクションのように学びを「貯める」楽しみがありますし、段階的な達成感を味わいながら、体系的な学習が自然に行えるのではないでしょうか。 インヴェンションとシンフォニアは300年前の作品ですが、練習曲として極めて優秀です。ピアノが上達することはもちろん、生涯ピアノを続ける確率が各段に上がる、言わば「奇跡の教材」です。 新しい方法で古典に触れられる、ピアノの世界で楽しく学んでみませんか。

執筆:専務理事 福田成康

2025/07/17 公開
夏休みは「やってみたい!」が芽生える特別な季節です。ピアノの中を覗く、ホールで音に包まれる、自分の手で楽器をつくってみる──そんな初めての体験が、子どもたちの「できるかも」という小さな自信を育みます。 自信はモチベーションとなり、次の行動へとつながります。「やってみた」という経験のなかに、小さな発見や手ごたえがあり、それが「もっとやってみたい」という気持ちを育てます。音楽との出会いも、そんな循環のきっかけになるかもしれません。 ピティナではこの夏も、

全国で多彩なイベントを開催します。なかでも特級ファイナルは、若きピアニストが人生をかけて挑む特別な舞台。オーケストラとの共演によって生まれる渾身の演奏を、ぜひ会場でご体感ください。 音楽と出会うひとときを、どうぞたくさん味わってください。素敵な夏休みを。

執筆:専務理事 福田成康

2025/07/10 公開

言葉を覚えるのは私たち人間にとって、最初の学びの一つです。赤ちゃんを対象としたある実験では、人間の先生と対面で学んだグループは音を聞き分けられるようになり、同じ音声をテレビやオーディオで聞いたグループはほとんど学習できませんでした。 この結果は言語学習には音声だけでなく表情や視線などが不可欠であることを示唆していますが、ピアノの学習にも同じことがいえそうです。コンペティションに向けて指導する先生方へのアンケートでは、全体の99.5%の先生がレッスン中にご自身で演奏しながら指導していることがわかりました。先生の演奏によって、呼吸や声部のバランスなど音楽をするのに不可欠な感覚を身に着けることができ、生徒さん自身の聴く力や主体性も育つことが期待できます。 先生の演奏は学びの宝庫です。ぜひ生徒さんの前で弾いてあげることを続けていただきたいと思います。

執筆:専務理事 福田成康

2025/07/03 公開

今年も特級二次予選進出者25名が決定しました。8月22日のファイナルに向け、それぞれの準備が始まっています。 ピティナ・ピアノコンペティションには49年の歴史があります。グランプリはじめ入賞者たちの活躍は、若いピアニストたちの励みとなっています。 2025年のクラウドファンディングではピアニストを全国に派遣し、これまで足を運べなかった地域にも演奏を届けます。各地で応援の声に触れることは、演奏家にとって大きな力になります。皆さまのご支援は活動を支える力となり、次世代の音楽文化を育てることにつながります。 誰かの挑戦に心を寄せることで、ともに歩む感覚をもつことができます。 音楽家たちを応援し、成長を見届ける楽しさを、ぜひ皆さまと分かち合えたら嬉しく思います。 どうか今年も、あたたかな応援とご支援をお願いいたします。

執筆:専務理事 福田成康

2025/06/26 公開

ステーション・准ステーションの活動は、ステップ開催にとどまらず、地域交流に繋げる大切な役割を担っています。
各種コンサート(トークコンサート・学校クラスコンサート)の開催や、学校で継続表彰を表彰してもらう為の働きかけ、企業広告の募集など、ステーション独自の行動は多岐にわたります。
540ものステーション・准ステーションの様々な活動の広がりを知るために「ステーション活動白書」を作成しました。 ステップ開催に関するデータはもちろんのこと、ステーション代表の取り組みにかける想いや、直面する課題についても紹介しています。
このような1つ1つの取り組みが、ピアノを続ける動機へ繋がったり、後に「あの時の学びは良いものだった」と振り返ってもらえるものを作り出しているのではないでしょうか。
ますます、地方自治体や地元企業の協力も得ながら、交流の場を広げて行きたいです。

執筆:専務理事 福田成康

2025/06/19 公開

提携コンクールは今年で15周年を迎えます。その夏から秋にかけての開催情報が出揃いました。ここ一年で新たに9つのコンクール/イベントと提携して全体数は50を超え、企画内容も多彩です。

たとえば大学生(音大ではない)が3人1組で挑む「全国大学生ピアノ選手権」は、動画再生回数と「いいね」の数も評点として加えられます。ブルグミュラーコンクールには25の練習曲を連弾アレンジした課題曲による「2人でブルグ部門」が新設され、より気軽に挑戦できるようになりました。

ピアノに向かう道筋も、演奏者が輝ける場所も様々です。演奏者の個性や成長段階に応じて「あなたの魅力を最大限発揮できるステージ」と出会い、ぜひ挑戦してみてください。

執筆:専務理事 福田成康

2025/06/12 公開

2025年6月、ピティナ学校クラスコンサートは、記念すべき20周年を迎えました。

鑑賞コンサートは体育館など大きな会場で実施するのが一般的なイメージだと思います。しかし学校クラスコンサートは、できるだけ子どもたちと近い距離で音楽を届けたいという思いから、1クラスずつ1日に複数回の演奏を行います。演奏者は楽ではありません。それでもこの20年間で466人の演奏者が、延べ1,430校の各クラスに音楽を届けてきました。子どもたちのみならず、演奏者にとっても得るものがあるからでしょう。

アーティストたちのほかにも学校、保護者、自治体、コーディネーター、そして多くの皆様からの寄付・協賛という多様な応援に支えられてきました。感動とともに感謝が沸き起こります。今後も、多くの方々へ音楽の素晴らしさを届けてまいります。

執筆:専務理事 福田成康

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