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ピティナ

今週のコラム

2025/06/26 公開

ステーション・准ステーションの活動は、ステップ開催にとどまらず、地域交流に繋げる大切な役割を担っています。
各種コンサート(トークコンサート・学校クラスコンサート)の開催や、学校で継続表彰を表彰してもらう為の働きかけ、企業広告の募集など、ステーション独自の行動は多岐にわたります。
540ものステーション・准ステーションの様々な活動の広がりを知るために「ステーション活動白書」を作成しました。 ステップ開催に関するデータはもちろんのこと、ステーション代表の取り組みにかける想いや、直面する課題についても紹介しています。
このような1つ1つの取り組みが、ピアノを続ける動機へ繋がったり、後に「あの時の学びは良いものだった」と振り返ってもらえるものを作り出しているのではないでしょうか。
ますます、地方自治体や地元企業の協力も得ながら、交流の場を広げて行きたいです。

執筆:専務理事 福田成康

2025/06/19 公開

提携コンクールは今年で15周年を迎えます。その夏から秋にかけての開催情報が出揃いました。ここ一年で新たに9つのコンクール/イベントと提携して全体数は50を超え、企画内容も多彩です。

たとえば大学生(音大ではない)が3人1組で挑む「全国大学生ピアノ選手権」は、動画再生回数と「いいね」の数も評点として加えられます。ブルグミュラーコンクールには25の練習曲を連弾アレンジした課題曲による「2人でブルグ部門」が新設され、より気軽に挑戦できるようになりました。

ピアノに向かう道筋も、演奏者が輝ける場所も様々です。演奏者の個性や成長段階に応じて「あなたの魅力を最大限発揮できるステージ」と出会い、ぜひ挑戦してみてください。

執筆:専務理事 福田成康

2025/06/12 公開

2025年6月、ピティナ学校クラスコンサートは、記念すべき20周年を迎えました。

鑑賞コンサートは体育館など大きな会場で実施するのが一般的なイメージだと思います。しかし学校クラスコンサートは、できるだけ子どもたちと近い距離で音楽を届けたいという思いから、1クラスずつ1日に複数回の演奏を行います。演奏者は楽ではありません。それでもこの20年間で466人の演奏者が、延べ1,430校の各クラスに音楽を届けてきました。子どもたちのみならず、演奏者にとっても得るものがあるからでしょう。

アーティストたちのほかにも学校、保護者、自治体、コーディネーター、そして多くの皆様からの寄付・協賛という多様な応援に支えられてきました。感動とともに感謝が沸き起こります。今後も、多くの方々へ音楽の素晴らしさを届けてまいります。

執筆:専務理事 福田成康

2025/06/05 公開

2024年度の指導者賞が発表されました。指導者賞にはコンペ指導歴による「夏基準」と、生徒のステージ参加と指導者自身の研鑽を評価軸とする「春基準」があります。春の受賞者は233名で、対象者全体の2.09%という狭き門です。

幼少期から高校生までの成長を長く見守れるのは、ピアノ教育ならではの価値です。家族とは異なる立場の大人として、生徒と深い信頼関係を築けるのも大きな特徴でしょう。

生徒の個性や年齢に応じた指導を行いながら先生自身も学び続ける。 お互いの成長を実感し、挑戦し続ける 。ピティナでは、そうした「個性」「向上」「継続」の循環を称え、奨励しています。

本日のトップニュースでは、指導者賞・新人指導者賞を受賞された先生方のインタビューを紹介しています。音楽が人生を豊かに彩ることを、あらためて感じていただけるでしょう。

執筆:専務理事 福田成康

2025/05/29 公開

2025年度月刊ピアノ×編曲オーディションの結果が発表されました。入賞結果を見て、改めて思うのは、指導者に求められる役割が広がっているということです。今回は昭和歌謡を題材とした作品が多く入賞し、SNSなどで若い世代が昭和歌謡を再評価している潮流を的確に反映していました。

私たちは日々、クラシックを中心とした教材に向き合っていますが、生徒の「弾きたい!」という気持ちに応えるには、それらとは異なるレパートリーやアプローチも必要です。時代の流行に敏感になり、生徒個々の関心に寄り添い、編曲という手段で音楽の入り口を広げることが、ますます重要になるのではないでしょうか。

ぜひ日々のレッスンに編曲の視点を取り入れ、生徒の「弾きたい!」を叶える指導を目指していきましょう。

執筆:専務理事 福田成康

2025/05/22 公開

日々進化するAI技術は、ピアノ指導のありかたも大きく変える可能性があります。

既にAIを活用する先生方へのインタビューからは様々な可能性を感じました。多忙な先生方にとって、レッスン準備や教材作成の時間短縮は大きな恩恵です。また、動画からの演奏分析など、AIならではの客観的視点が指導の幅を広げつつある様子もうかがえました。

興味深いのは、AIを使う過程で「人間にしかできないこと」の価値が再認識されていることです。生徒との信頼関係構築や、言葉を超えたコミュニケーション、個性を引き出す感性は、AIでは決して代替できない指導者の強みです。

教育格差の解消という明るい展望も見えてきました。地域や環境に関わらず、質の高い音楽教育へのアクセスが広がることは、ピティナの理念にも通じます。

AIという新たな協力者と「2人3脚」で歩みながら、人間だからこそできる温かな指導の価値を再発見したいと思います。

執筆:専務理事 福田成康

2025/05/15 公開

今年は多くの音楽ファンが注目する5年に一度の「ショパン国際ピアノコンクール」が開催されます。

ピティナは長年同コンクールと深くかかわってきました。2000年から現地レポートを継続しており、ポーランドの国立ショパン研究所と協力してチケット販売も担ってきました。また、過去3回の本大会に出場した日本人32名のうち、31名がピティナ・ピアノコンペティションの参加経験者です。

そんなショパンコンクール真っただ中の10月8日。1次と2次審査日程の合間に、サントリーホールでコンチェルトを中心としたプログラムの特別なコンサートを開催します。出演は同コンクールに出場・入賞歴がある横山幸雄さん、関本昌平さん、古海行子さんです。

どうぞ、生徒さんやご家族、ご友人とお誘い合わせのうえ、秋のひとときをお楽しみください。

執筆:専務理事 福田成康

2025/04/24 公開

街が音楽で満ちる「ラ・フォル・ジュルネ(LFJ)」。今年もゴールデンウィークに実施されます。テーマは「Mémoires ―音楽の時空旅行」です。17世紀のヴェネツィアや18世紀ウィーン、19世紀のパリから21世紀の東京へ。音楽は時代と国境を越えます。

数世紀前の地球の裏側で生まれた一曲が誰かの人生の記憶となり、未来の誰かの心に刻まれます。音楽には時空をつなぐ力があります。街角でふと出会った一曲が、あなたの「思い出の音楽」になるかもしれません。

「LFJ丸の内エリアコンサート」 には ピティナから多くの音楽家が出演します。その数は79名(のべ113名)に達します。特級入賞者をはじめ、グランプリ3名も出演予定です。風にのって響く音色に、耳を傾けてみてください。丸の内でお待ちしています。

執筆:専務理事 福田成康

2025/04/10 公開

発足3年目を迎えたピティナ音楽研究所(PRIM)の「研究経過報告会」を2025年3月20日に開催しました。

PRIMは音楽文化の振興に資する研究を実施するとともに、研究員のキャリアや研究活動の支援を通じて、様々な領域でピアノや音楽に関する研究を活性化することを、目的の一つとしています。

たとえば、広範な学部・学科を持つ総合大学の中で、音楽研究に携わる研究員がいることで、音楽研究の現場が維持できます。ピアノ教育に関する膨大なデータセットを公開すれば、情報学などの先端的分野でピアノ研究に興味を持つ人が現れる可能性もあります。

PRIMに在籍する研究員たちの研究領域は、音楽学、教育学、情報学と多彩です。当日は学際的な雰囲気のなか活発な議論が交わされ、参加者からは「楽しかった」「刺激的だった」というお声もいただきました。

今後ともPRIMの動向にご注目ください。

執筆:専務理事 福田成康

2025/04/08 公開

多くの指導者が考え、受け継いできた貴重な知恵を広め、教育に携わる皆さんが共有するツールにしたいという思いから生まれた連載「指導のいろは」が、が、「指導のいろはnew」としてリニューアルしました。

ベテランの先生方は長年の経験をもとに生徒さんを指導されます。そこには教育学や心理学など、さまざまな分野の知見が「暗黙知」として息づいています。

「指導のいろはnew」では、音楽教育学、認知科学、脳科学などの研究者に加え、演奏家、作曲家など多彩な専門家が執筆陣に名を連ねています。それぞれの専門分野からの視点により、ピアノ指導に必要な知識や技術を体系的に整理するとともに、これまで見えなかった新たな側面も照らし出していきます。

ピアノ指導を様々な角度から考察するこの連載が、皆様の日々のレッスンに新たな気づきをもたらし、指導の幅を広げるきっかけとなれば幸いです。

執筆:専務理事 福田成康

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