第27回:東久留米市立第七小学校 2006年3月10日(金)

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2006/03/10

東久留米第七小には、コントラバスが初参加!ピアニストの伊賀あゆみさんとともに、コントラバス奏者の前田芳彰さんが演奏。見たこともないような大きな楽器に、みなあぜん!その後生徒さんたちが書いてくれた感想とともにご紹介。


ビデオを見てみよう(WMV3分06秒)

どんな気持ちがこめられているでしょう

伊賀あゆみさんは、ピアノで『エリーゼのために』と『革命』を演奏。『エリーゼのために』は、みんな「知ってる!」と笑顔で答えるが、「エリーゼさんて、どんな人のことか知ってる?」と言うと「そういえば、知らない...どんな人?」と。伊賀さんは持ってきた本で"エリーゼ"のモデルになった女性を見せながら、「ベートーヴェンはこの人のために一所懸命につくった曲なので、どんな気持ちがこめられているか、想像しながら聴いてみてね。」と話す。

私は『エリーゼのために』という曲の由来は何かな?と思っていて、来てみたら、「え、そうだったんだ。」と思いました。エリーゼのためにを聞いた時は、音色がきれいだったので、私もやってみたいと思いました。伊賀さんの曲をきいて、夢と希望が持てました。(4年2組)

『革命』では、ショパンの怒った気持ち、悲しい気持ちがこめられている。ピアノで表すと、どんな音になるのかな?生徒たちはピアノをぐるっと囲んで、間近で聴く『革命』の爆発的な勢いを感じるとともに、『エリーゼのために』を弾いていた時とは全く違う表情でピアノに向かう伊賀さんの表情にも注目していた。ピアノでこんな表現ができる、そのことは、子どもたちの心に強い印象を与えたようだ。

『革命』は、大きい音と低い音などを使っているので、怒りやかなしみのきもちが、音になったような気がしました。(4年2組)

『革命』はすごく指がはやくて、ピアノをひいているどころか、ただピアノをさわっているように見えました。ピアノはこんなに大きな音が出るんだなと思いました。(4年1組)

私はピアノを習っていて、むずかしい曲なので、なかなか合格できませんでした。でも伊賀さんのおかげで、合格できました。それは、伊賀さんが「曲は、心をあらわしているのが多いよ。」と言って下さったからです。気持ちをよく考えたら、かんたんにひくことができました。ありがとうございました。(4年2組)


コントラバスって重いの??

次にはコントラバスの登場。みんな、その大きな楽器が気になってしかたない。まずはその音を聴いてみようと、『動物の謝肉祭』から、何かを演奏してくれることに。「ライオン」かな?「犬」かな?「ゾウ」かな?伊賀さんの伴奏で、のっそり、のっそりとした感じの低~いメロディが鳴ると、その音の響きは、振動となって椅子から伝わってくる。「ゾウだと思った人!?」と尋ねると、「はいっ!」とたくさんの手が挙がった。みんなのイメージしている"ゾウ"とつながったようだ。

ある生徒から「他にどんな動物の曲があるんですか?」と質問。「ライオンとかカメとか色々とあるんですよ。実は朝学校に来たら、その中の1曲の『白鳥』がかかっていました。あれもそうなんだよ。」というと、「へぇー、知らなかった!実は聴いてたんだ!」とおどろく。「中には"ピアニスト"っていうのもあって、私たちもこの動物たちの中に入っていたりするんです。今度聴いてみてね。」と伊賀さん。

サン=サーンスが、ぞうの足音や声みたいですごかったです。(4年2組)

サン=サーンスの『動物の謝肉祭』では朝にきいている曲が、まさか『白鳥』だと は思いませんでした。ほかには『カメ』なんてのもきいてみたいです。カメかってますし。(4年2組)

次は、のっそりとした音楽から一転、コントラバスの速い弓さばきが見られる、ゲーンズの『スケルツォ』だ。「あんなに大きいのにあんなに素早く弾けるなんて!」と目を見張る。

前田さんはダニエル・ファン・ゲーンズの『スケルツォ』が一番でした。プログラムに「はやい弓の動きに注目!」と書いてありました。でも前田さんの弓の動きは、予想以上にすごかったです。(4年2組)

「どうやって音を出してるの?」との質問に、前田さんは目の前で弓や楽器の表面を示しながら説明する。「この楽器は約250年ほど前にイタリアで作られたもので、色々な人の手を通って、今ぼくの手元にあります。」と言うとみんなびっくり!!「そんなに古いの!?」「ほら、この表面のところに穴や傷が見えるでしょう?これは、この長ーい間に、虫に食われた痕なんだよ。」「えーっ、虫って、コントラバスを食べるの!?」「コントラバスも木でできていて、木も生き物だからね。」「ふぅーん。知らなかった!」

約200年前って言ったらかなり昔ですね。虫にくわれたりしてもこわれないってすごいです。(4年1組)

「ほかに何か質問あるかな?」と聞くと、「コントラバスって、大きいけれど重いの?」と質問。「重そうに見えるけれど、実はこの中はからっぽなんだ。だから軽くて、10キロくらいしかないんだよ。ほら。」と持ち上げてみせると「おぉーっ」という声。ほかにも「実は最初から気になってたんだけど、その"f"の穴は、何で"f"なんですか?」「よく見ていたね。これは適当についているのじゃなくて、この"f"の切れ目にあわせて、この弦を支えている"こま"を立てるという大切な役割も持っているんだよ。」などと、特等席の子どもたちは次々に楽器の不思議な形や仕組みを発見した。

最初、コントラバスを見て、よしあきさんの背の高さより大きくてすごくびっくり しました。重たいと思っていたけど、中がくうどうで軽いということがわかりまし た。(4年2組)

弓は、馬のしっぽを使っているというので、「すごい!」と思いました。私は弓はかたいと思っていたので、わかってよかったです。(4年2組)

せんいで音がでるなんて・・・。(4年 2組)

何でfの形なのかと、とても気になっていました。でも前田先生に教え てもらいとてもよかったです。そのことを家の人に言ったら、「へぇ~」と言っていました。(4年2組)

コントラバスは、なぜはっぱが虫にくわれたような形をしているんですか。(4年2組)


「一緒にやっているんだなぁ」と感じた

最後には、手拍子で参加する『ラデツキー行進曲』、そして、みんなの練習していたリコーダー曲『シンクロBOM-BAIYE』でも、元気な手拍子で始まった。歌では、『心の中できらめいて』を合唱。

質問をしたり、近くで聴いたり、共演やクイズで参加したり、と進めてきたクラスコンサート、「『心の中にきらめいて』や『シンクロBOM-BAIYE』を一緒にやってもらった時は、一緒にやっているんだなぁと思いました。(4年2組)」という実感もこみあげてきたようだ。家に帰ってからももう一度曲を聴いて思い出してくれた子のように、またいつかこれらの曲や楽器を前にした時に、この実感を再び思い出してくれる日が来るだろう。

『ラデツキー行進曲』は、すごく感動しました。1回聞いたことがあって、「あ っ。」と思いました。伊賀さんがピアノでひいたのを聞いて、大好きになりました。 家に帰ってCDで聞いてみて、伊賀さんが弾いたときを思い出しました。(4年2組)

あゆみさんとまえださんの『シンクロBOM-BAIYE』をきいていると、いつもとちがうシンクロがきこえてきました。(4年2組)


演奏者

♪ ピアノ 伊賀 あゆみ(いが あゆみ)
福岡県出身。3歳よりピアノを始める。東京音楽大学付属高等学校を経て、東京音楽大学卒業、同大学院修了。在学中特待生奨学金を得る。大学院在学中、奨学金を受けイギリス王立音楽院に短期留学。これまでに居石聰子、杉山千賀子、播本三恵子、倉沢仁子、クリフォード・ベンソン、土田英介の各氏に師事。新人音楽コンクールジュニア部門小学校の部グランプリ。全日本学生音楽コンクール中学校の部奨励賞、高校の部第2位。ピティナ・ピアノコンペティションG級、特級金賞受賞。ソロや室内楽の演奏活動の他、NHKFMラジオドラマの音楽担当、雑誌ピアノスタイルのCD演奏やコラム執筆など幅広く活動中。「ピアノで奏でる日本の抒情歌」でCDデビュー。現在、「ピアノ・トリニテ」メンバー、東京音楽大学伴奏助手。
♪ コントラバス 前田 芳彰(まえだ よしあき)
桐朋学園大学音楽科ディプロマコースを経て、1987年東京フィルハーモニー交響楽団入団。在団中1991年より1年間オーストリア、ウィーンに留学。1995年同団を退団し、フリーのコントラバス奏者としてソリスト、室内楽奏者、オーケストラおよびオーケストラの客演首席奏者などで活動する傍ら、古楽器の奏者としても活躍しており、数多くの団体でのコンサート、レコーディングに参加している。 2001年より東京佼成ウィンドオーケストラ団員。これまでに檜山薫、故 小野崎充、アロイス・ポッシュの各氏に師事。

プログラム

1.ベートーヴェン:エリーゼのために
2.ショパン:革命
3.サン=サーンス:動物の謝肉祭より「象」
4.ダニエル・ファン・ゲーンズ:スケルツォ
5.シュトラウス:ラデツキー行進曲
6.合唱:心の中にきらめいて
7.合奏:シンクロボンバイエ(リコーダー)
アンコール バッハ:メヌエット

協力:東久留米市立第七小学校/後援:東久留米第七小学校4年生PTAの皆様/主催:ピティナ学校クラスコンサート係

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