スタート!ピアノ教室

スタート!ピアノ教室 Vol.07 大勝 千緩先生

2018/04/26
新天地で開いた指導者の道

地域に、目の前の生徒に...寄り添う教室を目指して

結婚を機に意識したピアノ指導者という仕事

子どもの頃から「ピアノを仕事にしていきたい」という思いを持っていました。そこで東海大学芸術学科に入学。卒業後の進路については一般企業への就職も頭をよぎりましたが、音楽を仕事にしたいという思いを捨てきれず、同大学大学院音響芸術専攻へ進学しました。大学院修了条件の一つが「学外でのソロリサイタルの開催」。大学からのサポートはありつつも、企画から演奏まで1人で行うのですが、これが非常に良い経験になりました。大学院修了後は演奏を中心に活動し、副科のパイプオルガンの技術も活かしながら、教会の奏者・ブライダルの仕事などをしていました。

ピアノ指導者を志したのは、結婚によって生まれ育った鎌倉を離れ、新潟県の湯沢町へ移り住むことが決まったときでした。指導経験があまり無かったので、当初はノウハウを学ぶ意味で大手音楽教室への就職を考えましたが、周辺の音楽教室に募集枠が無かったことや勤務地が遠いこと、また嫁ぎ先の家業の手伝いをすることもあり、嫁ぎ先の会社事務所の2階で個人教室を始めることを決意しました。2013年10月に結婚し、3ヶ月後の2014年1月に教室をオープン。自分の想像よりずっと早いタイミングでスタートできたのは、嫁ぎ先の家族や夫の協力があってのことで、本当に感謝しています。

目標に据えた「生徒一人ひとりに寄り添う教材づくり」

子どもとマンツーマンでの指導経験が無かったため、恩師のレッスンを見学させていただいたり指導法講座に参加したりしました。それから、今後の展望や教室の方向性、発表会のイメージをクリアにすることにも時間をかけました。その過程で生まれた目標の一つが、「教室のオリジナルテキストを作る」こと。数多ある教材の研究を通して見えてきた教材ごとの長所・短所と、自分自身の経験を踏まえて生徒一人一人のためのテキストを作成していきました。この時期に大変だったのは、湯沢町近隣には楽譜を取り揃えた楽器店が無いこと。上京しては楽器店に何時間も入り浸り、気になる教材を大量購入したのをよく覚えています(笑)

試行錯誤して自作したテキストの数々
東京まで通ったリトミック講座で広がった世界

湯沢に移り住む前から「ピアノの先生が来るらしい」と噂になっていたこともあり、オープンして2ヶ月後には15名ほどの生徒さんに恵まれました。ですが、それぞれの年齢や進度に即したテキストを作りながら、ピアノ未経験の子たちに一から指導をするのは予想以上に大変で、とにかく試行錯誤の日々でした。

オープンして半年ほど経った頃、年少の生徒さんが入会しました。初めての年少さんの指導にウキウキしたのも束の間、ピアノの前に3分と座っていられず、何をしても上手くいかない...。自分の力不足に悩んだ末、東京までリトミック講座へ通うことを決めました。私自身が幼少期に習っていた時にはあまり好きになれなかったリトミックですが、講座に通い始めると、レッスンで活用できそうなヒントがたくさんあり、「リトミックってこんなに楽しいんだ!」と気づくことができました。リトミックをレッスンに取り入れ始めてからは未就学児の入会も増え、現在では未就学児のグループレッスンと子供~大人の個人レッスンとで40名ほどの生徒さんが在籍しています。

地域の方も楽しめる発表会を
一年間の目標を書いた旗が飾られている

教室を開く際にもう一つ掲げた目標は「地域の方も一緒に楽しめるような発表会を開く」こと。湯沢町近隣ではクラシックコンサートがとても少ないため、発表会を行うのであれば、地域の方もクラシック音楽に親しみ持っていただける会にしたいと思ったんです。

例えば背景に地元南魚沼の四季折々の写真を投影しそれに合わせて演奏するなど、毎年テーマに趣向を凝らすとともに、3年に1度はプロの演奏家をゲストにお招きしています。第1回の頃は地域の方にあまり知られていませんでしたが、回数を重ねるにつれ、「発表会はそろそろかしら?」と声を掛けて頂けるようになり、とても励みになっています。

趣向を凝らした発表会。いつでも振り返れるように、手作りのアルバムを毎年作成
成長を間近で感じられる喜び

指導者の立場になってから、音に対してより深く耳を傾けられるようになりました。音の出し方や曲の盛り上げ方を客観視できるようになり、生徒さんに分かりやすく説明するために楽譜を細かく読み込むなど、私自身もピアノを弾くことが更に楽しくなったと感じます。

教室を開いて5年目に入った今、指導において大切にしているのは「自主性を重んじる」こと。なるべくその子の言葉で理解して、イメージしてもらえるように、たびたび質問を投げかけてみたり、調べてもらったりしています。生徒さんがレッスン中に「先生ちょっと待って!今の書き込むから!」と言ってくれるととても嬉しくなりますね。また音楽面での上達だけでなく、背が伸びて足台が不要になったとか、先週あった前歯が抜けたとか、お喋りが上手になったなど、子どもたちのちょっとした成長を目の当たりにできることに幸せに感じています。

今後はコンクールや他楽器とのアンサンブル体験、大きなホールでの演奏機会など、生徒たちが外の世界に触れてさらに成長できる環境を作りたいです。そして、地域の方に長く愛される教室にしていきたいと思います。

大勝 千緩

東海大学教養学部芸術学科音楽学課程卒業。東海大学大学院芸術学研究科修了。ピアノ専攻、副科でパイプオルガンを学ぶ。モーツァルテウム音楽大学夏期国際音楽アカデミー参加。2011年横浜みなとみらい小ホールにて、ピアノソロリサイタルを開催。2012年プリマ・ヴィスタ弦楽四重奏団と共演。NPO法人こども教育センターリトミック認定講師。大勝ピアノ教室主宰。
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