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第10回 電子ピアノでもコンペに挑戦できる? 厚地和之先生

2018/06/07
自宅で電子ピアノで練習する生徒がコンペ参加を希望しています。電子ピアノでの練習のせいか、指も弱く、瞬発力が乏しく、演奏に磨きをかけることに苦労しています。本人の意欲はありますが、家庭の都合で電子ピアノしか置けないとのこと。 コンペに出るのは諦めさせるのか、または出るとしたらどのように仕上げさせたらよいのでしょうか。
厚地和之先生にお答えいただきました。
あつじ・かずゆき◎当協会評議員、栃木県支部長、宇都宮マロニエステーション代表、組織委員この先生の詳細を見る

生徒本人が、コンペ参加に意欲を示しているとのこと、本人のモチベーションが高いというのはとても素晴らしいことですね。

家庭での練習環境が電子ピアノであっても、コンペにチャレンジすることは可能です。
「電子ピアノだからできない」という先入観を捨てて、「電子ピアノでも出来る練習」を考えてみてはいかがでしょうか。

例えば、指のトレーニングは、ボールなどの器具を使うと良いでしょう。手のひらより少し大きめのボールを使って、掴む動作で指の筋肉を鍛えることもできますし、机の上でタッチの練習をすることもできます。テレビを見ながらでも構いません。指を動かすという動作は、楽器を使わないところでも十分可能です。

実際に電子ピアノで弾く際には、少し触ると音は出ますが、タッチを深めに、きちんと鍵盤の底まで打鍵することを意識すると、良いと思います。
ただ、電子ピアノで弾く場合には、左右の音量バランスが取りづらいのが難点です。レッスンの際に、具体的に分かりやすく「右:左=9:1」などと、数値で示すと音量のイメージをつかみやすくなるでしょう。

ピアノを演奏する上で何より大切なのは、音楽表現です。
どのようにイメージを膨らませて表現するか、弾く楽器に関わらず、演奏者にとっては、そのイメージの持ち方が大切です。 生のピアノで演奏する際には、いつも音が出ている状態ですが、電子ピアノでは、電源をオフにして弾くと、音を立てないで練習することが出来ます。そうすると、実際の音が聞こえない分、心の耳で音を聞こうとしますので、よりイメージを膨らませやすい、という効果もあると思います。

海外のピアニストは、出張先の練習ピアノとして、好んで電子ピアノを使うケースも多いです。彼らも「表現のイメージ」を持ちながら電子ピアノを弾き、「電子ピアノだからできない」のではなく、電子ピアノで補えることを意識して、効果的に使っています。

是非、電子ピアノを上手に活用されて、豊かな音楽表現を深めてください。

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