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リスト  :  12の歌(シューベルト)
Liszt, Franz  :  12 lieder (Schubert)  S.558
ピアノ独奏曲 [pf/ リダクション/アレンジメント

作品概要

楽章・曲名 演奏時間
1 挨拶を贈ろう  /  Sei mir gegrusst  4分 40秒  -- 
2 水に寄せて歌う  /  Auf dem wasser zu singen  4分 27秒  -- 
3 君こそわが憩い  /  Du bist die ruh  5分 57秒  -- 
4 魔王  /  Erlkonig  5分 00秒  -- 
5 海の静けさ  /  Meeresstille  2分 27秒  -- 
6 若い尼僧  /  Die junge nonne  4分 45秒  -- 
7 春の想い  /  Fruhlingsglaube  3分 35秒  -- 
8 糸を紡ぐグレートヒェン  /  Gretchen am spinnrade  3分 22秒  -- 
9 セレナード「聞け、ひばり」  /  Standchen "horch, horch! die lerch"  2分 46秒  -- 
10 休みない愛  /  Rastlose liebe   1分 39秒  -- 
11 さすらい人  /  Der wanderer  6分 12秒  -- 
12 アヴェ・マリア  /  Ave Maria   6分 12秒  -- 
51分 2秒
作曲年:1837-38

楽曲解説

総説 2016年1月  執筆者: 長井 進之介
 先人や同時代の作品を数多く編曲したリストだが、中でも「最も詩的な音楽家」と述べたフランツ・シューベルト(1797-1828)の歌曲の編曲にはかなりの意欲を見せ、57曲を残している。
 「12の歌曲」は1837年から38年の間に編曲され、1838年に出版された。リストがヴィーンでこの作品を演奏した際は、「シューベルトへの冒涜」だと批判されたという。原曲にはない技巧的なパッセージの挿入や和声の複雑化により、一見もしくは一聴しただけでは技巧の誇示とも取られかねない難渋な演奏技巧が見受けられることが主な理由として挙げられる。しかし、華やかな編曲は、リスト自身の演奏技巧の誇示やショー・ピースとしての外面的効果の為に行われた訳ではない。リストはシューベルトについて、「大切な英雄」、またその作品について「私たちピアニストはシューベルトのピアノ作品に込められた偉大な宝を演奏によって具体的にしていかなくてはならない」と述べており、リストのシューベルトに対する強い敬意や、音楽に込められたものを注意深く読み取ろうとしていた姿勢が見えてくる。
 批判や指摘はあるにせよ、リストは、あくまでも作曲家とその作品への純粋な尊敬から編曲とその演奏を行っていたように思われる。実際に彼は原曲、またテクストに対して常に誠実であろうとし、編曲作品が出版される際には、出版譜の冒頭、もしくは作品中の旋律の下にテクストが印刷されるよう主張していたのである。また、編曲にあたって、リストは原曲の前奏や歌曲の第1節の旋律をほぼそのまま忠実に移し替えている。節を追うごとに音が増えたり、この曲集の第9曲「セレナード(聞け聞け雲雀を)」の終結部で見受けられるように、旋律そのものにも変更が加えられたりすることもあるが、変更した旋律箇所にもテクストが明記されており、変更した旋律が、あくまでもテクストの内容、またシューベルトの音楽からの着想であることを示す役割を果たしている。リストによる、原曲の表現力を一層高めた編曲は、歌曲の解釈者として彼が得た作品からの着想、またそれを如何にして表現しようと試みたかという、リストの導き出した答えを読み取ることができよう。
 原曲の旋律を変更したり、原曲にないパッセージを追加して作品の雰囲気や演奏効果を高めるといった行為が、原曲崇拝者に「冒涜」と捉えられてしまうことは避けられないことであろう。しかし、演奏効果に富んだ編曲は、リストが述べているところの、作品に込められた「偉大な宝」の発掘作業の一環だったのではないだろうか。さらに、発した音の強弱や音色を後から変更できる声楽と、減衰楽器であるピアノにおいては、歌唱旋律を奏する為の表現方法が大きく異なる。歌曲をピアノ一台で奏する為には、ある程度、誇張とも取れる表現を行うことも必要だったのであろう。
その他注記事項
(シューベルト歌曲の編曲)

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