【実施レポ】現代ピアノで四期を弾き分ける(小倉貴久子先生)

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2015/12/01
現代ピアノで四期を弾き分ける
小倉貴久子
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去る11月2日(月)iichiko総合文化センター・オアシス地下リハーサル室にて、小倉貴久子先生による講座が行われました。
「現代ピアノで四期を弾き分ける」というテーマのもと、バロック、古典、ロマン、近現 代の曲目を取り上げながら、それぞれの時代背景を踏まえた演奏方法を解説して下さいました。

バロック期ではインヴェンションの曲を使いながら、JSバッハがオルガン奏者でありながら、チェンバロを使って作曲しており、また、当時としては前衛的な和声を使っていたそうです。強弱のつかないチェンバロでどうやって歌わせていたか?それは、音の優劣関係にあるとおっしゃっていました。良い拍と悪い拍があり、良い拍は明るい、広がるイメージを持って演奏すると良いそうです。また、通奏低音はとても大切で、Bassが音楽を支えている。ピアノでは、左手がいかに大切か。左手で音楽は作るべきだともおっしゃっていました。通奏低音を研究することの重要性もおっしゃっていました。

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古典では、モーツァルトの ピアノソナタ(トルコ行進曲付き)を使って解説して下さいました。モーツァルトはクリスチャン・バッハが大好きだったそうで、彼の影 響を大きく受けていることが、モーツァルトの曲からも伺えるそうです。作曲家がどんな作曲家から学んだのか?を知ることの重要性を知りました。また、モーツァルトの使用していたフォルテピアノは、タッチが軽く、モーツァルトの細やかなアーティキュレーションがつけやすいそうです。現代のピアノでもなるべく当時に近い音での演奏を目標にしたいと思います。

ロマン期はショパンのバラード第1番。ショパンはエラールという楽器を愛用していたそうで、現代のピアノに近い楽器だそうです。ショパンの曲はハンマーが使われていないような弾き方が求められ、またtempo rubatoを伴った拍子感が大切。カデンツァは、自分で作らせると面白いともおっしゃっていました。

近現代はドビュッシーのベルガマスク組曲より。音色を右手だけで作るのは難しく、やはり左手の重要性をおっしゃっていました。

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古楽器や当時の時代背景を 熟知されている小倉先生だけに、一貫して、当時の様子や楽器の特性を踏まえながらのお話は興味深く、新鮮で大変勉強になりました。
今回の小倉先生の講座は大変好評で、受講して下さった先生方から感銘を受けた内容の言葉をたくさんいただきました。
私は講座中に紹介して下さった書籍を読んだり、小倉先生執筆の書籍やCDから、知識を深めていきたいと思いました。そして、生徒の演奏につなげていきたいと思います。

                        
Rep:大分YUMEステー ション 佐藤 美緒

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