【実施レポ】ピアノ教本、かしこく選ぼう(山本美芽先生)

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2015/09/30
ピアノ教本、かしこく選ぼう
文・西野聡子(ピアノ講師、「ソレイユピアノ教室」主宰)

日程:2015年9月4日
会場:ヤマハミュージックリテイリング横浜店

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山本美芽先生のピアノ教本セミナー第2回、「ピアノ教本、かしこく選ぼう」というタイトルに惹かれ、普段自分が選び使用している教本が他の先生方はどういうお考えで使われているか、自分が使用していない教本もどんなメリットがあるのかなど、ここで1度教本を見直したいと思い参加しました。 最初にヤマハの方の挨拶で、「今の忙しい子供たちにとって効率よくピアノを学ぶにはどんなテキストを選べばよいか」という投げかけを受けて、山本先生のレクチャーが始まりました。

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今回は「教本のりかえポイント徹底マスター」ということで、バイエルから現在よく使われている「バスティン」や「ピアノランド」「ピアノひけるよ!ジュニア」などの参考テキストをもとにまずは各テキストの「学ぶ範囲」や「特徴」、「つまずきやすいポイント」を山本先生の視点から伺いました。 そしてどの教本でものりかえるきっかけになりやすいのが、「ポジション移動」の壁です。わかりやすい具体例として、「ピアノひけるよジュニア2」から「ジュニア3」に移る場合を挙げていました。

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私も使っていて感じていましたが「ジュニア3」に入るとポジション移動がどんどん変わったり、指がえやリズム、アルベルティバス...など急に学ぶことがてんこ盛りになって生徒にブレーキがかかることもあります。それを山本先生は自己の考察により、ジュニア2から乗り換えるにはどれを選ぶとよいか生徒のレベルに合わせたものを提案くださいました。 私自身は今まで「ポジション移動」重視の教本をほとんど使わず、そのことについて深く考えずにきました。ですが、山本先生のお話を伺って「ポジション移動」が生徒の大きな負担になりやすいこと、生徒が教本のどこでつまずきそうか事前に把握しておくこと、そして今の忙しい子供たちができるだけ負担なく進めるには教本の乗り換えは必要不可欠であることがわかりました。

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今回のセミナーを受講して、自分が使用している教本を色々な角度から見直すきっかけを与えてくださいました。教本は教える先生、学ぶ生徒によって使い方や考え方が様々だと思うので、使い続けて自分なりに進化していければと思いました。 是非また教本セミナーの続きを聞きたいです!





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山本美芽

や まもと・みめ◎音楽ライター、ピアノ教本研究家。東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了。中学校(音楽)、養護学校にて教諭と勤務したのち、執筆活動をはじめ る。ピアノ指導者としても大学在学中から現在までレッスンを行う。
『ムジカノーヴァ』『ジャズジャパン』等の音楽専門誌にて、国内外の一流アーティストに多数取材。「もっと知りたいピアノ教本」(大半を執筆、音楽之友 社)「21世紀へのチェルニー」(単著、ショパン)などを執筆、ピアノ教本についての研究をライフワークとして続け、多くのピアノ教本の著者・訳者に直接 取材した経験を持つ。中村菊子、呉暁、樹原涼子などピアノ教本の著者・訳者からは厚い信頼を得ている。2006年~2010年の間、夫の転勤のためアメリカ・カリフォルニア州在住。州立シエラカレッジにて単位取得。アメリカのピアノ教本事情を研究。
帰国後、2013年より著書「自分の音、聴いてる?」(春秋社)をテーマにしたセミナー、また音楽指導者のためのライティングセミナーを全国各地で行う。音楽教育学の知識と、音楽ライターとしてプロの音楽家・教育者との膨大なインタビュー経験、自分自身のピアノ指導・子育て経験、ピアノ学習、全国のピアノ指導者との密接な交流から得た現場発の問題点など、理論と実践を融合しながらピアノ教育が進むべき道を先導している。ピアノを多喜靖美氏に師事。室内楽を多喜靖美、松本裕子の両氏に師事。
2015年には「ピアノ教本、かしこく選ぼう」セミナーを関東・関西・北陸など全国で行っている。あわせて指導者向けのブログライティング・フェイスブック活用セミナー、地元・相模原市のホールにおいて隔月セミナー「21世紀へのチェルニー」、門前仲町シンフォニーサロンにおける「自己肯定感を育てる聴き方セミナー」(自分の音、聴いてる?)なども開催中。
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西野聡子(ピアノ講師、「ソレイユピアノ教室」主宰)

国立音楽院卒業後、カルチャーセンターでピアノ講師勤務を経て、2011年横浜市青葉区の自宅にて「ソレイユピアノ教室」を開講。 現在、2児の子育てをしている経験とコーチングで学んだ知識を取り入れながら、「親子にやさしいピアノ教室」をモットーに主に未就学児、小学生のレッスンを行っている。 PTNA 全日本ピアノ指導者協会指導者会員。


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