【実施レポ】チェルニー30番に浸る一日(岳本恭治先生)

文字サイズ: |
2015/02/03

150201秦野_岳本1.jpg2015年2月1日(日)タウンニュースホールにおいて、講師に岳本恭治先生をお迎えし、「チェルニー30番に浸る一日」セミナーを行いました。 

第1部 10:00~12:00  セミナー

1.セミナー概要
チェルニーの生い立ちと歴史。ベートーヴェンの一番弟子であったこと。ベートーヴェンは練習曲や音楽理論書を書きたかったが時間がなく、彼に託した。チェルニーはベートーヴェンの練習するための大切な練習書。

2、脱力奏法のために必要な知識
鍵盤の構造を知ることにより自然な奏法が見いだされます。指を上げて切るのではなく、鍵盤が自然元の位置に戻るのを意識することが大切である、と教えていただきました。MP関節、DIP、IP関節は重要で、それを鍛えることによって脱力は初めて可能になります。身体のフォームは非常に重要です。

3、脱力奏法に必要なトレーニング
♪ 手のトレーニング~拳骨を作り、音を出してみる(脱力した腕の重さを感じる)
♪ 両手の手のひらを鍵盤に当てて、ゆっくりと押したり持ち上げたりする。その時に鍵盤が自然に戻ろうとする力を感じる。
♪ ノン・レガート、アクセントのついたレガート、スタッカート等、テンポを遅くして練習する。
♪ DIP、IPを鍛える~指先を固定して1本ずつ手前に引っ張る。こする動作もよい。MPを鍛えるためにしっかりさせ手全体を持ち上げる(指の逆立ち)

4、チェルニー30番で脱力奏法をするための練習
♪ 小節線を超えないスラーで練習する。(入力と脱力を拍子に合わせて行うため)
♪ 音量を上げ過ぎないでトレーニングすることが大切。
♪ 脱力とともに大事なのが上手な入力の仕方。肩、ひじ、手首お余分な力を抜き、腕の重さを鍵盤にかける。
♪ 具体的には、ノン・レガート練習、アクセル練習、アルベルティバスの特別練習、ポジション移動の練習、同音を一気に弾き切る練習、トリル特有の練習等。

150201秦野_岳本2.jpg第2部 13:00~16:30  公開レッスン

 第2部の公開レッスンでは、小学生13人(1人風邪欠席)が実際にチェルニー30番から演奏し、1部でお話しされたことを実際に実践しました。練習方法などをじっくり教わり、はっきりと生き生きした演奏に変わっていきました。聴講の指導者の方々には大変参考になったことと思われます。昼休みに全く帰られることなく、皆様、午後の部も興味津々に勉強されていました。

 岳本先生は熱心に、尚且つユーモアを持ってお話して下さったので、皆さんの集中力も途切れることなく、あっという間に時間が過ぎました。興味深かった点は、ピアノの構造から弾き方を考えてみるという点、チェルニーを一音楽家としての視点から考察して奏法研究を行うことの新鮮さ、具体的な合理的練習法、等でした。惜しみなくご教授される岳本先生に盛大な拍手が送られました。

当日の様子はこちらにも掲載しております。お写真もたくさん掲載しておりますので、どうぞ合わせてご覧下さい。

(Rep:ピティナ秦野Green Leaf ステーション 石井晶子)


【GoogleAdsense】
ホーム > ピアノセミナー > ニュース > 02レポート> 【実施レポ】チェルニ...