【実施レポ】(秘)スーパーレッスン術(石井なをみ先生)

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2009/04/24

blog_090427hikone_nawomi.jpg2009年4月27日 彦根市みずほ文化センター(JR稲枝駅下車)にて、石井なをみ先生 (秘)スーパーレッスン術-自分から進んで練習したくなる-  の講座が開かれました。


頭と耳と心を活かした演奏とは?
自分から練習するためには、どうしたらいいのか、
自分から考えてピアノを弾く生徒に育てるために、
多数のコンクール入賞者、音大合格者を輩出されてきた
石井なをみ先生の実体験に基づいた楽しいレクチャーでした。

特に芸大合格を勝ち取るためには、ピアノでどう音色を作れるか を要求されるそうですよ。

声楽の人には発声練習があり、管楽器の人にはロングトーンやタンキングがあり、
バイオリンなどの弦楽器にはボーイングの練習があって、音を安定的に出すまでには、
相当の訓練と日々の鍛錬が欠かせないのに、どうしてピアノだけは、いきなり曲を練習したり
指の運動ばかりするのか?
ピアノではどうして出てくる音色が問題にならないのか?
ほかの楽器をしている人からは不思議なことなのに、ピアノ弾きにどうして音色に、
こう無頓着な人が多いのはなぜなのか?
という私の長年の疑問に石井先生は明確に答えていただきました。

♪ それはね、ピアノって どんなふうに弾いても、とりあえず音が出てくるからなんです。
(ピアノってネコが鍵盤を踏んでも音がでるんですよ。フルートを吹くネコなんていないよね!)
それと、管楽器のような単旋律の楽器とちがって、ピアノの楽譜には音がたくさん出てくるので、
それを処理して、暗譜して弾くのが忙しくて「音色?忙しいのにそれどころじゃないわよ」
というのが主な理由なんだそうです。

♪ 石井なをみ先生が大学1年のときに井上直幸先生にレッスンをつけていただいた時の
エピソードをお話になりました。

「モーツァルトの曲のこの部分でスコーンと音がこのようにこういう音がでるまで2時間半
同じところをスコーン スコーンってひたすら弾くんです。」

「それまでは、音量とかを気をつけるぐらいで、ピアノの音色などに気をつけるなんて
考えてもいなかったの、それで、その問題をずっと追及していくために、留学することに
なったという訳なんです。ザルツブルグでの最初のレッスンはひたすら、このように
腕を持ち上げていてピアノのふたの上にに、いきなり落とすという訓練から始まったの」

実際にピアノのふたの上にご自身の腕を持ち上げてバーンと落とす実演をして見せて
くださいました。

「これをひたすらやったら手のひらに青黒いあざができるのよ」
「これが出来るようになると鍵盤の上に腕をおとすの、ドカーン、ドカーンってほら、力でなく
腕の重みを開放することで、ピアノをこんな鳴らしきることができるの」
実際にピアノを弾いて下さいました。

♪ 腕の重みをつかえるようになると、指から肩までの各関節を使って、コントロールできるようになるのだそうで、いろいろなタッチで弾きわけをしていくのだそうです。
ザルツブルグ
では、自分がどう考えてこの1曲を分析して、ここの部分をどうしてこういう風に
このタッチを使って表現するのかを説明しながら、先生のまえで演奏する 
のだそうです。

♪ 先生は無味乾燥としてピアノ学習者から嫌われているチェルニー 無味乾燥kパターン と
脱力して美しい表現でひくピアノ を交互に弾いて下さいました。
「こんな風に弾くと チェルニーの中のハーモニーの流れ が見えてくるわね。」
チェルニーってこんなに美しい曲だったんだあ、チェルニーさんゴメンねという感じです。

♪ 日本では、師匠の芸をそのまま受け継ぐという古典芸能のような伝承が理想とされていて
とくに少年のときに先生からピアノを習って全国コンクールで活躍したような生徒が
後年ぱったりと伸びなくなって姿を消すのは、自分で音楽を分析して弾くということが
小さいうちから訓練されていないということが、その原因では無いだろうかというお話を
いただきました。

「左手の音大きすぎるよ、小さくしてね」っていうと、その生徒はそのときは左手のほうの音量を
小さくしてくれるけど、その生徒が自分の耳で聞いてバランスをとっている訳では決して無いので
次の週になるとまた同じ間違いをくりかえす。
自分で考えてピアノを弾く訓練を小さいうちからしなければならない事が重要だ
という事を教えていただきました。

♪ のどを絞めたまま歌う声楽家がいないように、完璧な脱力を出来ないでピアノを弾く
一流のプロの演奏家はいないこと。そして、ピアノの演奏にはとてつもない可能性があることを
目の前で教えていただきました。

先生の講座をきいただけで、ピアノがうまくなるような気がしてきました。

「大好きなピアノを仕事にして、ピアノを教えることができるのはとても幸せなことなのよ。」
先生のお言葉にまた、がんばってピアノ教室をして行こうと思う受講生の皆さんなのでした。

(Rep:ピティナ彦根ステーション
 


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