【実施レポ】モーツァルト 「天才の美学と演奏慣行を踏まえて」~仙台・久元祐子先生~

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2006/06/12

060612hiroshima.jpg 久元祐子先生による~モーツァルト~『天才の美学と演奏慣行を踏まえて』の講座が6月12日(月)いよぎん広島ビル7階スタジオにて行われました。その日の広島は、早朝5時に震度4から5弱の地震があり、交通機関が麻痺していたため多くの先生方が参加を断念せざるを得ない状況でしたが、それでも多くの熱心な指導者や学生が集まりました。
 講座はまず、先生の素晴らしいファンタジーの演奏で幕が開き、そのファンタジーのお話を皮切りに次々とモーツァルトの人となり、当時の楽器、楽譜についてを詳しくそして本当に流れるように話してくださいました。次に、楽譜を読む際の姿勢「マクロからミクロへ」というお話に移り、まずバロックと古典の音楽の違いから。その説明がまた簡潔で的確。あらためて頭の整理が出来たと感じました。
 またモーツァルトが残した書簡をもとに、当時書かれた各ソナタについての説明があり、お話を聞いているだけでモーツァルトの心情が手に取るようにわかり、何故こんなに深く痛みを伴うのか・・・何故この曲は喜びにあふれているのか・・・を知ることが出来ました。と同時にこういうバックグラウンドを知らないで演奏をすることの罪を大きく感じました。
 休憩時間に先生の書かれた本やCDを求める行列が出来ていたのは、きっと講座に参加した皆さんも同じ気持ちだったからではないでしょうか。後半も先生の素晴らしい演奏で始まり、お話は具体的なタッチや形式・和声楽まで及びどんどんミクロの部分に近づいていきました。演奏同様、先生のお話は流暢で、無駄がなく、どれだけ時間があっても話しきれないほどの知識をお持ちでありながら、要点だけをテンポよく話され非常に勉強になりました。話し方と演奏は同じなんだと再認識。先生のやわらかい声が心地よく、時折混じるユーモアの間も絶妙で、演奏にもお話にも魅了されたあっという間の2時間でした。(Report:重野美樹)


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