海外の音楽教育ライブリポート/菅野恵理子

ジーナ・バックアゥワー国際コンクール(1)山崎さん等6名が決勝進出

2012/06/23
20120622_GinaJunior_6finalists.jpg6月18日から始まったジーナ・バックアゥワー国際コンクール。11~13歳対象のジュニア部門は第一次予選・第二次予選が各2日ずつ行われ、先ほど31名全ての演奏が終了した。第一次予選20分、第二次予選30分、合計50分のフリープログラムとあって、各自が熱のこもった演奏を披露した。レベルは高く、 深い呼吸、長いフレージング、的確な運指、適度なテンポ、多彩な音質、曲の特徴を捉えた演奏、堂々としたステージングなど、この年齢にしては成熟した演奏もいくつか見受けられた。 

審査の結果、山崎亮汰さんを含む6名がファイナルに進出した。ファイナル進出者と決勝で演奏するコンチェルト曲目(第1楽章のみ)は以下の通り。

・Muzi Zhang (13, China) :Beethoven No.2 
・Xingyu Lu (13, China) : Tchaikovsky No.1
・Allison To (11, USA) : Beethoven No.1
・Pavel Verkaturov (13, Russia) : Ravel
・Ryota Yamazaki (13, Japan) : Prokofiev No.3
・Tony Yike Yang (13, China/Canada) : Chopin No.1

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繊細な感性が冴える見事な演奏を披露し、ファイナル進出を決めた山崎亮汰さんに、一次・二次予選の感想をお伺いした(発表前)。
「一次と二次予選を合わせて50分という長いプログラムでしたが、どちらも自分が納得できる演奏ができたと思います。得意なベートーヴェンのワルトシュタイン(ソナタop.53)と、昨年ピティナでも弾いたバッハの平均律(BWV866)とラヴェルのクープランの墓(プレリュード、リゴドン、トッカータ)を入れました。予選の結果がどちらになっても、自分の全力をつくせたので良かったです。もしファイナルに行けたらもっと自分の演奏を追い求めて頑張っていきたいです。国際コンクールは初めてですけれども、あまり緊張せずに、気持ちよく演奏できました」と力強いコメント。ファイナルにもぜひ期待したい。(写真は山崎さんとホストファミリーのご夫妻)

なお、ファイナルは6月23日19時より(日本時間24日10時より)。ライブ配信も行われるので、ぜひご覧ください!

菅野 恵理子(すがのえりこ)

音楽ジャーナリストとして各国を巡り、国際コンクール・音楽祭・海外音楽教育などの取材・調査研究を手がける。『海外の音楽教育ライブリポート』を長期連載中(ピティナHP)。著書に『ハーバードは「音楽」で人を育てる~21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育』(アルテスパブリッシング・2015年)、インタビュー集『生徒を伸ばす! ピアノ教材大研究』(ヤマハミュージックメディア・2013年)がある。上智大学外国語学部卒業。在学中に英ランカスター大学へ交換留学し、社会学を学ぶ。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会勤務を経て現職。2007年に渡仏し「子どもの可能性を広げるアート教育・フランス編」を1年間連載。ピアノを幼少・学生時代にグレッグ・マーティン、根津栄子両氏に師事。全日本ピアノ指導者協会研究会員、マレーシア・ショパン協会アソシエイトメンバー。 ホームページ:http://www.erikosugano.com/

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