会員・会友レポート

パウル・バドゥラ・スコダ 91才のバースデイ リサイタル/犬飼和子Jankowsky

2018/11/20
パウル・バドゥラ・スコダ
91才のバースデイ リサイタル

第2次世界大戦が終わった直後、ウィーン出身の若いピアニスト達が大きな国際コンクールで優勝し、ピアニストとしてのキャリアを築き始めました。 パウル・バドゥラ・スコダやイヨルク・デムス、フリードリヒ・グルダ達です。

スコダ先生は80才を超えてからも毎年秋のバースデイ・リサイタルは欠かさず。ウィーン楽友協会のブラームスザールでピアノリサイタルを続けられてきました。2017年に90才になられた時、大ホールでベートーヴェンの最後のソナタ3曲を立派に弾き遂げられました。その際もホールは一杯でした。

そして2018年はシューベルト最後のソナタ3曲を満員の楽友協会の大ホールで披露してくださいました。世界中で何度も弾かれた曲です。若いピアニストでもクタクタになりそうなプログラムです。91才になって、さすがにおぼつかない足どりでステージに出ていらしたのに、ピアノの前に座ったら凄いエネルギーのこもった、ウィーン子の感情に溢れたシューベルトが流れてきます。どうなっているのでしょう。ピアニストの根性でこんなことも出来るのかしらと思わされました。会場全員がスタンデイングオベーションでした。

バドラ・スコダ教授のレパートリーはピアノのソロから室内楽まで膨大です。世界の隅々までまわってマスターコースを開き生徒におしみなく教えを伝えていかれます。大変な数の生徒が教えを受けています。そしていつまでもピアノが弾けることを証明してくださるのです。

お歳を重ねられて、まさにシューベルトの境地に近づかれていらっしゃるのかしら。すべてぴったりの感情で表現されていました。

ウィーンにて 犬飼和子Jankowsky


ピティナ編集部
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