100のレッスンポイント

082.本物の良い音、良い音楽にたくさん出会おう

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2011/07/08

ピアノの音を美しく出すため、ぜひ本物の美しい音に数多く出会って欲しいです。

CDなどではやはり本物とは違います。実際、生の音が空気中を伝わって来る振動をその瞬間感じる事ができるため、「生」の音に触れるのが良いです!

音も表現もすばらしい、本物の音楽家による演奏に何度出会えるか!音はその瞬間消えてしまいますが、感動はずっと残ると思います。

「鳥肌が立つ演奏」「涙が出る演奏」に何度、出会いましたか?これから、何度出会えるでしょうか?

そこまでの演奏は珍しいかもしれませんが、良い演奏会には度々出会えます。終演後、よい気分で、豊かな心で、美味しいものやワインなど頂いたりすると、至福のときを過ごせます。共感する人と一緒にならなおさらです。

それは楽しい思い出であると共に、良い音楽の経験となります。ステキな音を聴いて、あこがれたり、感動したりする経験を心の引き出しにたくさんためていく事は、すぐには自分の演奏に反映しないかもしれませんが、必ず影響があります。

前回の「他の楽器を知る」ということとも関係しますが、室内楽を子供に体験させる時には、いつも感じる事があります。室内楽体験は、本物の音を聴いて即、効果があらわれる貴重な事例です。

子供たちは、2~3日前あるいは前日に一度だけリハーサルをします。初体験の人も毎回多いです。たった1度、15分くらいの短いリハーサルをするだけなのに、何故こんなに音が変わるのでしょうか。いつもびっくりします。弦の音を間近で聴き、その特徴を体で感じることができるからなのか、あわせることの幸せなのか、ホッとするのか。必ず、全員音がやわらかくなります。

もちろん、プロの弦楽器奏者の方が技術も経験もありますので、一緒に一つの音楽を作るとなると、子供たちの音楽性が高められることは確かです。

そればかりでなく、自分も演奏しながらアンサンブルを聴いて気分がよくなり、波長をあわそうとして(?)、自然とやわらかい伸びのある音になるのかもしれません。奇跡のようですが、本当におきることです。毎回「すごい!」と思っています。耳の経験、感動が素直に、そのままピアノの音に出てくるということです。

先の震災では、自衛隊の音楽隊が慰問先で演奏したのを聴いて、多くの方が涙をあふれさせていた光景が印象的でした。心が温かくなり、音楽が安らぎになる、自然な現象なのでしょう。音楽の持つすばらしい力を感じます。

多くの演奏を聴く機会を大切にして、純粋に感動できる自分でありたいと思います。そういう経験なくして、人を感動させるものは生み出せないのではないかと思います。


池川 礼子(いけがわ れいこ)

武蔵野音楽大学ピアノ専攻科卒業。武田宏子氏・吉岡千賀子氏に師事。バスティン・ メッソードの講師として全国各地で講座を行う一方、地元鹿児島ではピアノ指導法研 究会を主宰。生徒育成においては、ジュニア・ジーナ・バックアゥワー国際コンクー ル第2位輩出のほか、長年にわたりピティナ・ピアノコンペティションにて高い指導 実績を全国にアピール。特に1999年度は、ピティナ全国決勝大会のソロ・デュオ・コ ンチェルト部門に計7組の生徒を進出させ、ソロF級で金賞、コンチェルト初級で優 秀賞などを受賞した。導入期から上級レベルの生徒までまんべんなく育て上げる指導 法は、全国のピアノ指導者の注目の的となっている。ピティナ正会員、コンペティシ ョン全国決勝大会審査員。ステーション育成委員会副委員長。

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