100のレッスンポイント

004.鍵盤の構造を考えた弾き方

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2009/12/18
♪試してみよう
003の「試してみよう」と似ていますが、今度はミファ#ソ#ラシの場所で同じことをしてみましょう。1と2、3と4の指の間を移動するときが、白鍵から黒鍵への移動です。鍵盤の他の位置でも、同じことをしてみると良いでしょう。早くから、いろいろな音階や調性を体験して、黒鍵をこわがらず、美しく弾くことに慣れて欲しいですね。

ピアノの鍵盤を見てください。
黒鍵と白鍵。高さと位置が違います。
黒鍵は、8ミリほど高く、奥まった場所にあります。
黒鍵と白鍵を同じタッチや重さで弾くには、この「高さと位置の違い」を頭に入れておく必要があります。

ここで、お風呂場の椅子に足をのせるという場面をイメージしてみてください。椅子が少し離れた場所(4、50センチ前方)においてあるとすると、足を伸ばしてのせることはできますが、それだけでは、重さは移動していません。地面についた方の足に体重のほとんどが残っています。重さを移動するには、椅子の真上に立つことになります。黒い鍵盤にきちんと指の重みが移動する、という感じは、指を足でたとえると、「椅子の真上に立った」状態ではないでしょうか。

鍵盤上でも、きちんと指が黒鍵の真上で弾くつもりで弾きましょう。黒鍵と白鍵の違いはあっても、ピアノの中(弦やハンマー)はなんら変わりません。同じ状態でタッチしてあげないと同じ音質にはならないでしょう。
気をつけたいポイントは、やはり、、、「つめ」が見えないこと(連載の「002」ご参照)でしょう!

★エピソード
黒鍵と黒鍵にはさまれた白鍵を弾くとき、指が浮いてしまうことがあります。黒鍵から移るときには、穴の中に沈むくらい!と言うとやっと音がそろうことがあります。

また、たとえば、ミレ#ミと弾くとき#の音が残ってにごった響きになることがあります。指を上げたつもりでも、黒鍵はもともと位置が高いので、次の低い白鍵に移った後でも、まだ位置が戻っていないことがあります。これも黒鍵と白鍵の高さの違いを意識できるようになると、音が濁らなくなります。このような「刺繍音」はきれいに弾くと、おしゃれに響きますよね!

池川 礼子(いけがわ れいこ)

武蔵野音楽大学ピアノ専攻科卒業。武田宏子氏・吉岡千賀子氏に師事。バスティン・ メッソードの講師として全国各地で講座を行う一方、地元鹿児島ではピアノ指導法研 究会を主宰。生徒育成においては、ジュニア・ジーナ・バックアゥワー国際コンクー ル第2位輩出のほか、長年にわたりピティナ・ピアノコンペティションにて高い指導 実績を全国にアピール。特に1999年度は、ピティナ全国決勝大会のソロ・デュオ・コ ンチェルト部門に計7組の生徒を進出させ、ソロF級で金賞、コンチェルト初級で優 秀賞などを受賞した。導入期から上級レベルの生徒までまんべんなく育て上げる指導 法は、全国のピアノ指導者の注目の的となっている。ピティナ正会員、コンペティシ ョン全国決勝大会審査員。ステーション育成委員会副委員長。

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