ピアノ連弾 2台ピアノの世界

第01回 ご挨拶/新しいチェルニー

2009/05/23

このたび、ピティナのホームページ上で連載を開始するはこびとなりました。グループPCCの西原と申します。
私たちがこれまでに出合い、演奏してきた2台ピアノの名曲の数々を広くご紹介できることを大変うれしく思います。

世界には、いったいどれくらいの2台ピアノ楽曲があるでしょうか。私たちは、一つでも多くの曲と出合いたいと願って活動を続けています。名曲に時代や国境はありません。私たちは、少しでも心にひびくものを感じれば、どのようなジャンルの音楽でも積極的に演奏し、生きた音を聴き手の皆様にお届けしてきました。これまで百余回のコンサートを開き、数百曲以上の楽曲に取り組みましたが、それでも、数え切れないほどの名曲群のほんの一部に触れたに過ぎません。

私たちは、一回一回のコンサートを、まとまりのよいものにしたいと思っています。 毎回違った内容を考え、選曲と曲順は特に慎重に検討します。お客様にお配りするプログラムは、何年経っても、読み返せばそのコンサートを思い出せるものになるよう、心がけています。コンサートにお越しにならなかった方で も、プログラムによって2台ピアノの世界に広がりを感じていただけるならば、 これほどうれしいことはありません。 この連載では、これまでのPCCのコンサートから、一回のコンサートを選び出し、その折のプログラム(PDF)を掲載してご紹介を進めていくつもりです。

いっぽう私たちは国内外の作曲家、演奏家や、そのご家族の方々との交流を広げる中で、ピアノデュオにまつわる印象的なお話、感動的なエピソードを数多く伺ってきま した。ときにはプログラムご紹介から離れ、日本を含めた世界の先人たちがピアノデュオの世界に築いてきた功績、足跡の一端をお伝えしたいと考えています。

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さて、最初に皆様にご紹介したい楽曲として、私たちは迷わず、カール・チェルニーの2台ピアノ作品を挙げます。「新しいチェルニー」と題するコンサートで扱った作品です。

おなじみの 「チェルニー40番練習曲」(「速度練習曲」作品299)には、チェルニー自身が第二ピアノを付けた版(作品299b)が存在します(「ピティナ・ピアノ曲事典」にも載っています)。これまで多くのピアノ学習者が弾かされ、苦痛だったりつまらなかったりしたはずの練習曲に絶妙な第二ピアノパートが加わったとき、突如として、信じられないほど新鮮で爽快な音楽が姿を現します。チェルニー自身も、レッスンの折々に第二ピアノを弾いたとすればどうでしょう。第一級の作曲家、ピアニストでありながら、同時に、誰よりも生徒思いの親身な教育者でもあったという、生き生きとしたチェルニー像が浮かび上がって来るのではないでしょうか。

記事・資料提供 グループPCC ホームページ


動画
CZERNY
"VELOCITY ETUDE" op.299b

ホームページ http://www16.ocn.ne.jp/~pccpiano/
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