ピティナ・ピアノ曲事典 公開録音コンサート
昔のピアノからの「新発見」
~公開録音予告編~


古い楽器を通して得られる体験はまさに温故知新。過去を懐かしむというより『新発見』なのです。モーツァルトやベートーヴェンのピアノ曲を「普通のピアノ」で演奏してきた方、指導してきた方であれば、「目からウロコ」が何枚も落ちるはず。
この「予告編」では平井さんと、音楽評論家の澤谷夏樹さんによるメッセージをお送りします。

★平井千絵さんのコメント 皆様こんにちは!
初めての公開録音コンサート、どきどきしています。
神奈川の自宅から、モーツァルト時代のフォルテピアノ(といってもレプリカで、10歳になったばかりの若い楽器ですが)、東音ホールに運び込むのもわくわくします。
わたしは、モーツァルトやシューベルトの右手部分を、1オクターブ高く移動して弾いたりする変わった子供でした。どうしてピアノの全音域を使わないで、真ん中へんだけで弾くように書いたんだろうと不思議でたまりませんでした。
そのような素朴な疑問を封印しながらピアノライフを送っていた音大生時代のある日、"当時のピアノ"に出会う機会があり、愕然とする(あまりにも"違う楽器"だったので)とともに、子供心に感じていたあのギモンがぱーっと晴れました。
もやもやしている方にはすっきりと、そうでない方には面白がっていただけるようなコンサートに できればと思っております。ぜひ、間近で、古いけれど新しい音を楽しんでいただければ幸いです。
ひらい ちえ(ピティナ演奏会員、演奏表現学会会員。)/ フォルテピアノという、音楽史の中で重要な位置を占める楽器を演奏し、温かみのある音色で多くの作品に命を吹き込む平井千絵。桐朋学園大学ピアノ科在学中に、故小島芳子氏の演奏を通じてフォルテピアノと出会い、卒業後同氏に師事。 【続きを表示する/折りたたむ】
★澤谷夏樹さん(音楽評論)のコメント ピアノ音楽のメインストリームはもはや、フォルテピアノを知らないでは語れないようになりました。たとえばショパン・コンクール。審査員の基準は様式感重視へと動きつつあります。この楽器を知ることは、コンクールの今を知ることと言っても過言ではありません。
そのひとつの表れが同コンクールの覇者ユリアンナ・アヴデーエワの台頭です。彼女が積極的にフォルテピアノに取り組んでいることは、多くのみなさんの知るところです。弾く楽器はモダンでも、表現の根っこはフォルテピアノにあり。この楽器を知ることでみなさんの表現の幅はぐっと拡がっていくはずです。
この動画はそんなフォルテピアノの実力をコンパクトに紹介しています。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、そしてシューマンやショパンにいたるまで音楽家を魅了し続けた楽器の「横顔」を、そっとのぞいてみる。そんなつもりでこの動画をご覧になっていただければ幸いです。
さわたになつき/ 2000年慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業、2003年同塾大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程修了。同年より音楽評論活動を開始。2007年度〈柴田南雄音楽評論賞〉奨励賞、2011年度同本賞をアリオン音楽財団より受賞した。著書に『「バッハの素顔」展』(共著,バッハ展実行委員会, 2009年)、『バッハおもしろ雑学事典』(共著, ヤマハミュー ジックメディア, 2009年)、『バッハ大解剖!』(監修, 同, 2010年)、研究に『J・S・バッハの「任意装飾」研究』がある。日本音楽学会会員。
★予告編ビデオ 「61鍵の世界 - 躍るフォルテピアノ -」

実際のコンサートで使う予定のフォルテピアノの特徴や機能を演奏例つきでご紹介しています。

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