2008
4.レポート


8月26日(火)コンペ全国決勝大会の興奮も冷め遣らぬなか、久々の「徹底研究」シリーズとして、海外招聘審査員としてロシアからお招きしたヴラディーミル・トロップ教授によるチャイコフスキー「四季」全曲の公開レッスンが行われた。会場には朝から、全国のピアノ指導者、熱心なピアノ愛好者が詰めかけ、トロップ先生の繊細で優美な音楽と含蓄のあるレクチャーを味わった。

「132年もの間、世界中の皆様に親しまれているこの小品集<四季>ですが、ロシアとならんで、特にこの作品を愛してくださっているのが、この日本の皆様なのです。今日はその日本の皆様にこの曲をレクチャーできることを、大変うれしく思っております。」声色のみからでもあたたかな人柄が伝わってくるようなトロップ教授のレクチャーは、この一言から始まった。モデル受講生は、山田真琳、佐藤元洋、鈴木美祐、矢野雄太、高尾奏之介、中村芙悠子というコンペティション入賞経験のある学生6名。客席には、コンペティション決勝大会・表彰式直後に訪れた全国からの熱心なピティナ会員が多く、連日も疲れも見せずにトロップ先生の熱心なレクチャーに聞き入った。

トロップ先生のレクチャー・レッスンは、十八番のレパートリーである「四季」を、豊富な実演を交えながら、少ない時間のなかで、丁寧に説明していく。その実演は、これが本当のピアノの音!と感嘆を叫びたくなる最高の美しさ。隣りで聞き入る受講生も、そのエッセンスを少しでも吸収しようと、じっくりと耳を傾ける。
「四季」という12曲1セットの大曲の中での位置づけ、前後の曲との連関、描写されているこまかな情景を大切にしつつ、それを具体的な演奏に落とし込んでいく奏法や解釈にも言及し、この作品が100年以上愛奏されている魅力をぞんぶんに引き出していく。トロップ先生のレクチャーを通じて、「四季」の偉大な芸術性が明らかにされる時間を、受講生・聴講生ともに感動をもって見守り、久々の「徹底研究」は、たいへん充実したセミナーとなった。







