
まるで生き物のように脈打つ「拍子」の波の上を、「和声」の色彩が大 きく流れていく。その流れの上で、「リズム」や「メロディー」が、自由な 気持ちで解き放たれていく……、そんな音楽の光景が、目に浮かぶよ うなレッスンだった。音楽を広く捉え、音楽を大枠から構築していく多 喜靖美先生の音楽観に魅了され、「音楽作りの根本」を学びたいと、今 多くの指導者が、多喜先生の元に集まっている。 12 月9日、東京都八王子市にある多喜先生のレッスン室に、2人の現役のピアノ指導者が訪れた。表現欲を内に抱きつつも、“こうであらねばならない”という過去のレッスンの重圧の中で、表現する気持ちも体も固まっていたという、井上先生。レッスンで言われたことを器用にも順応できてしまっただけに、自分自身では何も考えてこなかったとい う、山崎先生。そんな先生方に、多喜先生が願うことは、ただ1つ。「ピアノを心から楽しんでいる先生の姿を見せながら、ピアノを心から楽しむ子どもたちを育ててほしい」ということだ。
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