パリ発~ショパンを廻る音楽散歩2019

前書き

2019/04/18
前書き

ピアノを愛する人なら、誰もが一度は憧れる作曲家、ショパン~ところが、ショパンの魅惑的な調べを実際の音にしてみると・・・!そのあまりの気難しさに途方に暮れ てしまった方も多いのではないでしょうか? かくいう私自身もその例に漏れず―長い間、私にとってのショパンは、追いかければ追いかけるほど遠ざかってしまう"片想いの作曲家"でした。

革命の狭間で急速に変貌していくパリを舞台に、時代の流れに身を任せながらも
それに翻弄されることなく、独自の美学を貫いて数々の傑作を生み出したショパン―病弱 で体調も思わしくなかったというのに、ショパンはパリで暮らした 18 年間の間に、8 回も 引越しをしています! (勿論、ウィーンで 80 回以上引っ越したというベートーヴェンの比ではありませんが...)

こうして、パリでのショパンの住まいを年代順に辿りながら、ショパンゆかりの地を訪ね、ピアノ界のアイドルとして活躍したショパンを通して、その背景となったロマン派の時代を考える『パリ発:ショパンを廻る音楽散歩』の連載を始めました。

その後、10年の月日が流れ、ショパンに関係したスポットも、それを取り巻く環境も、少しずつ変化していきました。

そこで、今日からスタートする新しい季節と共に、改めて、19世紀というヨーロッパの変革期に、芸術の都として世界で最も輝いていたパリという国際都市で、独自のスタイルを追求していったショパンの軌跡を辿りながら、再び、当時の音楽事情に想いを馳せていきたいと思います。

中野真帆子


フレデリック・フランソワ・ショパン Frédéric François Chopin (1810-1849)

作品のほとんどがロマンチックなピアノ独奏曲であることから「ピアノの詩人」と称される、ポーランド出身のフランスで活躍した作曲家。

クラシック音楽の分野で最も大衆に親しまれ、彼のピアノ曲は今日に至るまで、コンサートやピアノ学習者の重要なレパートリーとなっている。

ワルシャワ郊外で、フランス人の父とポーランド人の母との間に生まれ、生後数か月で家族と共にワルシャワへ移住し、1830年11月、国際的キャリアを積むため、ウィーンへ出発するが恵まれず、一年後の秋にパリへ移住。以後、パリを拠点に活躍し、美しい旋律、斬新な半音階進行と和声によって、ピアノ音楽の新境地を開いた。

中野真帆子
なかのまほこ◎4歳よりピアノを始め、10歳の時、NHK教育TV「ピアノのおけいこ」にレギュラー出演。ウィーン国立音楽芸術大学を経て、パリ・エコールノルマル音楽院コンサーティストを審査員全員一致で修了後、カナダ・バンフセンターにて研鑽を積む。ロヴェーレ・ドーロ国際音楽コンクール優勝をはじめ、アルベール・ルーセルピアノ国際音楽コンクール第4位、及びルーセル賞、マスタープレイヤーズ国際音楽コンクールピアノ部門第1位など、ヨーロッパ各地のコンクール入賞を機に、ソリスト・室内楽奏者としてアジア・カナダ・ヨーロッパの音楽祭に参加。帰国後はフェリス女学院大学音楽学部で後進の指導にあたる傍ら、国内外での演奏、各種コンクールの審査員、TV・ラジオへのメディア出演、音楽雑誌への執筆・翻訳など、多方面で活躍し、2016年秋に国連帰属の世界公益同盟より日本人として初めてのメダル受章。著書に『ショパンを廻るパリ散歩』(2009)、翻訳書に『パリのヴィルトゥオーゾたち』(2004)、『ショパンについての覚え書き』(2006)、録音にキングインターナショナルより『LIVE』(2015)、『ロマンチック・タイム』(2016)。◆ Webサイト