スタート!ピアノ教室

スタート!ピアノ教室 Vol.16 桃原 聡子先生

2019/01/21
一度は離れたけれど、やっぱりピアノを教えたい

研鑽を続けて指導者ライセンス全級取得! 

一度は学校の先生に。でも、やっぱりピアノを教えたい

母がピアノ指導者をしており、幼少時からピアノを習っていました。
ピティナの指導者賞を何度も受賞しており、週末は東京や大阪まで勉強会に出かけるなど非常に勉強熱心だった母の姿を見て、ピアノ指導者に求められるレベルの高さをぼんやりと感じていましたね。

学生時代は、将来指導者ではなく演奏家として活動していきたいと思い、大学院まで進みました。しかし、長年にわたる長時間の練習で体を壊してしまい、一度ピアノから離れようと思って小学校の音楽専科教諭として就職したのです。
実際に先生になってみると、やはり自分が専門として学んできたピアノを教えたいという思いが強くなりました。そのため学校の先生を1年で辞め、ヤマハの指導・演奏グレードをともに4級まで取得。また、自身の研鑽のために先生に師事し、その先生から楽器店のピアノ講師の仕事を紹介していただきました。

楽器店には4年勤めて、導入教材に関する知識や指導のポイントなど、レッスンのノウハウを身に付けました。この間、並行して小学校のサポートティーチャーも行っていましたね。
サポートティーチャーとは、授業中、進度が遅れている子を助けるなど、授業全般の補助を行うものです。子どもにとってはもちろん「先生」ですが、普通の先生よりは近しい存在になる必要もあって、先生の一面と生徒の一面を併せ持つ存在でした。この仕事で培った子どもとの距離感の取り方や子どもに伝わりやすい声かけの仕方、言葉の選び方などは、指導の上で非常に役立っています。

自身の教室を開講!自作Webサイトで生徒数が倍増

楽器店のピアノ講師を務めるなかでやはり独立したいと思い、2014年9月に教室を開講しました。自作のチラシ200枚を自らポスティングしたのですが、そのうち教室を訪れてくれたのはたったの1人...!その後もぽつりぽつりと入会していただき、全部で生徒さんは5人になりましたが、その後一向に増える気配はありませんでした。
これではダメだと危機感を持ち、その年の年末年始に教室のWebサイトを自作しました。初心者でも無料でWebサイトを制作できるサイトを見つけて、丸2日作業して完成させましたね。そうしたら年明けから生徒さんが増え、1年目で20人くらい教えていました。その後生徒さんがお友達を紹介してくださったり、口コミで評判が広まったおかげで、現在は55名の方に通っていただいています。

生徒さんの学びを大切に

月に1回教室通信を書いて、生徒さんの取り組みやピアノに関するまめ知識を紹介しています。今年の夏にピティナ・ピアノコンペティションに初めて参加して予選奨励賞をいただいた生徒さんがいるのですが、彼女は、練習時間・練習内容・練習した曲の反省点・翌日に向けての課題を毎日、練習ノートに記載していたのです。実は、これは私自身が大学生の時に行っていた練習方法で、レッスンのときに話したのがきっかけでした。
その内容を通信で紹介したところ、他の生徒さんも自主的に練習ノートをつけてくるようになりました。生徒さんが自発的に学べる環境づくりをするのも指導者の大事な仕事だと思っています。

レッスン室の壁には、先生がまとめたコンクール情報や、発表会までの日めくりカレンダー、れんしゅうキャンペーンなど、生徒さんの興味を惹く工夫がたくさん!
コンペで入賞した生徒さんは、自由研究でピアノの歴史についてまとめた。他の生徒さんにとっても勉強になる内容なので、レッスン室に飾っている。
レッスン室に置いてあるグランドピアノは、母校である徳島県立城東高校からの奨学金で購入したもの。複数回のプレゼンテーションの結果、奨学生に選ばれた。
指導者ライセンスで学び続ける

先日、ピティナの指導者ライセンスで全級合格を達成しました。
ベテランの先生にまじって楽器店で教えていた頃、「まだ若いけれどもこの先生はしっかり勉強していて、よい指導をする」と保護者の方に思っていただけるようになりたいと悩み、師事していた金子勝子先生に勧められて受検を始めたのでした。最初に受検早見表を見た時は、こんなに多くの試験に合格しなければならないのか、と愕然としましたが、全級合格すれば大きな自信になると思い、受検を続けました。
一番印象深かった試験は、公開の場で初対面の生徒さんを10分~15分指導する「指導実技」です。最初は、教える内容や会話などをすべて事前にシミュレーションして、思い描いていた通りにレッスンすることに固執していました。なので、特に指導が合わなかったときは、生徒さんが暗い雰囲気で終わってしまうことも多くあり、つらかったです。しかし、回数を重ねてきて自分でもよい指導ができたなと思ったときは、生徒さんも笑顔になり、会場で見学していた先生方もうなずいて聞いてくださったりして、雰囲気があたたかく変わるのを感じました。また、それまで自分は心のどこかで「指導と演奏は別物」と思っていたのですが、指導実技の受検を通して、レッスンで自分が演奏することでしか伝えられないものがあると再認識することができました。これからもよりよい指導ができるよう、指導者ライセンスも活用しながら、研鑽を続けていきます。
ライセンス受検を勧めてくださった金子勝子先生には現在でも師事しており、演奏と指導法を学んでいます。自分自身テクニックが不十分で体を壊してしまったので、生徒さんには同じ思いをさせないよう、金子先生に教えていただいた指の支えをつくるメトードを、それぞれの学年や習熟度に合わせて取り入れて、指導しています。

ライセンスに向けて、勉強用のノートを何冊も作っていた桃原先生。中には書き込みがびっしり!

ピアノ指導者を目指した当初は、自分が専門的に学んできたことを活かして、うまく弾けなくて困っている人の役に立ちたいという思いが原動力でした。今もその気持ちに変わりはありませんが、ピアノを教えることを通して、生徒さんの心の成長に寄り添うことができるのが一番嬉しいです。これからも、音楽という素晴らしい世界を広めていきたいと思います。

桃原 聡子

武蔵野音楽大学大学院ピアノ専攻修了。2007年ブラームス音楽院マスタークラス修了。2008年ウィーン国立音楽大学マスタークラス修了。第31回TIAA全日本クラシック音楽コンサート優秀賞。第10回長江杯国際音楽コンクール第3位。第5回北関東ピアノオーディションさいたま市長賞及び読売新聞社賞。第15回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール最高位。第2回イタリアピアノコンコルソ ダル・プブリコ(聴衆)賞。第2回デザインKピアノコンクール第2位。第25回、第26回日本クラシック音楽コンクール本選優秀賞、全国大会出場。第18回大阪国際音楽コンクール入選。ピティナ(全日本ピアノ指導者協会)指導会員。ヤマハPSTA会員。ピティナ指導者ライセンス全級合格。中学、高校(音楽)専修免許取得。ヤマハ音楽能力検定 指導グレード4級、ピアノ演奏グレード4級取得。ヤマハ音楽能力検定ピアノ演奏グレード認定試験官。現在、ぽこあぽこピアノ教室 主宰。


ピティナ編集部
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