スタート!ピアノ教室

スタート!ピアノ教室 Vol.02 武藤 友紀先生

2017/11/09
楽器店勤務を経て、手探りで教室を立ち上げる。

出産をきっかけに教室拡大の道を発見!

学生時代、悩んだ末の進路

小5の頃に漠然とピアノの先生になりたいなと思ったことがあり、両親に相談したのがスタートでした。国立音大付属中学校を受験して、高校・大学と進学しました。正直、目の前の課題をこなすことに精一杯の毎日で、将来のことを考える余裕はなく...。大学生も後半に差し掛かった頃、友達が続々と就職説明会に参加しているのに気づいてふっと我に返ったんです。「自分も進路を真剣に考えなければ!」と焦りました。正直,演奏家として食べて行くことは難しい。かといって一般就職もやりたいことではない。自分が本当にやりたい仕事は何か?という問いの最終的な答えが、ピアノ指導者だったんです。

新卒で働くなら、目一杯学べる環境がよかった

当時は個人のピアノ教室は生活が苦しいと言われていたので、新卒で就職するなら楽器店講師として就職しようと思いました。中でも大企業のヤマハなら、長年蓄積されたノウハウが必ずあるはずで、研修制度も手厚いことから、多くのことを学べる環境があると考えました。ただ、ヤマハのシステム講師の受験にはヤマハのグレードが必要なので、ゼロから勉強しましたね。友達が一般企業向けの就活をしている間、私はグレードの取得に全力を注ぎました。
ヤマハのシステム講師はグループレッスンなのですが、本当は個人レッスンの方がやりたかったので、個人レッスンの研究もやりました。近隣の楽器店に片っ端から電話して、「ピアノの先生になりたいので、個人レッスンを見学させてもらえませんか?」と頼み込んだのですが、意外にも協力的で。5店舗くらいで見学させてもらえた上、公民館で高齢者向けのレッスンもあるよ、などと追加情報も教えてもらえました。社長さんが出てきて相談に乗ってくれたこともありました。

最終的に複数の楽器店から内定をもらっていたため迷ったのですが、「新卒で就職するなら、研修制度がしっかりしている職場に入るべき」という理由からヤマハに決めました。この意思決定は大正解だったと今でも思います。

就職後は、近所の楽器店に配属されました。最初は生徒は少なくお給料も低かったのですが、入社してすぐ5日間の宿泊研修があるなど、厳しくも充実した研修を受けることができました。例えば、子どもの耳は何歳から育ち、手は何歳から育つなど、発育に関する知識も叩き込んでもらったので、今でもレッスン内容を効率的に考える材料となっています。

就職から1年半で個人教室として独立

実は就職したての5月に、偶然、近所の女の子がピアノを習いたいと言ってくれたので、低価格で実家で教え始めました。有難いことに地域の保護者の方々が「若い先生を応援しよう」というスタンスでいてくれたので、紹介が紹介を呼び、1年半ほどで独立することができたんです。

ただし、教室運営は完全に手探りでした。机を買うところから始まって、音楽教室経営のための本を読んで勉強しながら運営していました。数年間はそれほど大きな問題もなかったのですが、ひとりで40名ほど教えていたときは、ひとりひとりを丁寧に見ることができず、もどかしい思いを抱えていましたね...。

自身の出産が、教室のターニングポイントに 

ひとりではなく複数名で運営するようになったのは、6年前に出産したことがきっかけでした。産休の間私の代わりに指導してくださった先生が、生徒と意外にもよく馴染んでいたんです。それを見て「この先生なら、今後も生徒を任せられそう」と感じ、これからも教室にいてほしいとお願いしました。講師2名体制になったのですが、その先生が産休に入ってしまうとまた1人に戻ってしまうため3名体制を整えました。
結果的には、この3名体制が最適な形だったんです!3人いれば1人抜けても無理なく回るし、私が余裕を持って管理できる人数も3人くらいが限界です。今は3人で50人の生徒を教えています。とってもバランスがいいフォーメーションですよ。

ピアノの先生は日中はレッスンがないので、保育園に預けられないんです。そのため復帰直後は、子どもと共に日中を過ごし、15時~18時は託児所に預けてレッスンを行うというスケジュールでした。赤ちゃんのうちは大変でしたけれど、幼稚園に通い始めるまで育てば、実家の母でも世話ができるようになりました。 今ではレッスンがある日は、母が面倒を見てくれています。両親とも夫とも何度も話し合って理解してもらったからこそ、このように育児と仕事を両立することができています。

生徒、指導者、保護者。全ての立場を経験し、
「教える立場」として大切にしたいこと    

生徒を教える立場として、大事にしていることが2つあります。
ひとつめはお互いに礼儀やマナーを軽んじないことです。生徒・指導者・保護者全員の気持ちが分かるからこそ、お互いに礼儀を保ち、相手にしっかり感謝を伝えることの大切さを実感しています。

ふたつめは丁寧にコミュニケーションを重ねることです。生徒だけではなく、保護者とも対話を重ねることを大切にしています。例えば、練習して来ない生徒には、練習しない理由を必ず聞くようにしています。他にも3つくらい習い事があるとか、運動会で疲れているとか...。家庭によってはピアノの優先順位が一番ではないことも多いですしね。何か理由がある場合がほとんどなんですよ。

ピアノの先生は、一家に喜びをもたらせる仕事 

ピアノ指導者は、「生徒自身の努力によって、生徒だけではなく一家に喜びをもたらせる」という魅力があると考えています。ピアノに対する優先順位は家庭によって様々ですが、「発表の場」だけはどの家族も同じように感動するものです。なので、発表会には毎回命をかけています(笑)。
また、1年や2年ではなく10年単位で子どもを預かる仕事でもあります。自分の関わり方が生徒の人生に影響をもたらすことになるので大変責任がありますが、やりがいでもありますね。
さらに、出産や育児などで仕事量をセーブしたいときには自分で調節できますし、落ち着けば少しずつ戻すことだってできます。企業と比べて定年もありません。長い目で見たときに、これほど融通が利く職業は珍しいのではないでしょうか。

武藤 友紀 むとう ゆき

国立音楽大学器楽学科ピアノ科卒業。卒業後はポーランド、ワルシャワにて開催のショパンアカデミー学院セミナーに参加。現在、ヤマハ音楽教室システム講師を経てYukiMutoPianoSchoolを主宰。ヤマハ指導グレード、ピアノ演奏グレード取得。リトミック研究センター指導資格取得。中学校、高等学校教諭一種免許状(音楽)取得。


ピティナ編集部
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