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    <title>みんなのブルグミュラー</title>
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    <updated>2010-11-26T09:22:44Z</updated>
    <subtitle>ブルグミュラー「25の練習曲　op.100」。この曲集を見たことも聞いたこともない、というピアノ学習者はおそらく日本中どこを探しても少ないのではないでしょうか？
なぜそれほどブルグミュラーは、日本で長年にわたり広く受け入れられてきているのでしょうか？その魅力はどこにあるのでしょうか？その秘密や実態をさぐるべく、このコーナーでは、PTNA会員の皆さん、このホームページをご覧の皆さんとともに、さまざまなアンケート調査や取材を通して明らかにしていきたいと考えます。</subtitle>
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    <title>２５曲を斬る！第１３回　 スティリエンヌ</title>
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    <published>2010-11-19T06:56:57Z</published>
    <updated>2010-11-26T09:22:44Z</updated>

    <summary>この曲から後半がスタート！「スティリエンヌ」は「女」か「舞曲」か。</summary>
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        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="05 「25」を斬る" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
<img src="/report/02soc/bma/images/25_title02.gif"></div>

<div class="t1">第十三回　La styrienne　スティリエンヌ</div>

<p>♪<a href="http://www.youtube.com/watch?v=KreNkIeH8A4">第14曲　La styrienne　スティリエンヌ　YouTube</a>　演奏　友清祐子♪</p>

<div class="t2">後半への序曲</div>


<p><span class="koho">広報</span>：私はこの曲で、25の練習曲の後半がスタートするような気がするんです。気持ちが切り替わるというか。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そうですね。間奏曲というか、新たな幕の前奏曲といった感じがしますよね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：14番に配置されてるけど、難易度はけっこう高いですよね。左手の跳躍がいきなり出てくる。これはショパン・ワルツの演奏にもつながるような跳躍ですよ。13小節目の左手の動きなんて、けっこうな事件じゃありませんか？装飾音もあるし。</p>


<div class="furei">
<img alt="譜例１：13小節目の左手の跳躍" src="/report/02soc/bma/images/styrienne13.gif" /><br />譜例１：13小節目の左手の跳躍</div>

<p><span class="kaicho">会長</span>：右手もなかなかですよ。子供の頃にこの曲を弾いてたときは、29小節目のファ--レ--ファが遠くて遠くて。もうレなんてどこにあるのかわからない（笑）。</p>

<div class="furei">
<img alt="譜例２：29小節目&#65374;32小節目の右手の跳躍" src="/report/02soc/bma/images/styrienne29.gif" /><br />譜例２：29小節目&#65374;32小節目の右手の跳躍</div>



<p><span class="fujita">藤田</span>：ああ、そうねぇ。難易度高いですねぇ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ところで、この原題La styrienne は翻訳としてはどうなるでしょうか。かつては「スティリアの女」としてよく知られていましたね。この「女」というのに、個人的には子供心に、なにか色香を感じておりました。最近は「舞曲」と付けている版や、「スティリエンヌ」とそのままカタカナ表記の版も増えていますね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：まぁ、ビゼーの《アルルの女》もL'Arlésienneですからね。「女」という解釈はアリですね。ただ、曲がどう「女」なのか、わかりずらいところはあります。こういう舞曲なのかな、とも考えられますし。"La Sicilienne"で、シチリア舞曲ですから。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：なるほど。しかし子供時代の刷り込みは恐ろしいもので、現行の、「女」を欠いたタイトルに出くわした時は、急に色気がなくなったような気がして衝撃でした（笑）。では、舞曲の可能性もあるわけですし、「スティリエンヌ」とカタカナ書きにして両義的にしておくというのもいいですね。むしろ「女」という方に若干の偏りがあるとか・・・？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：う&#65374;ん・・・そうですねぇ。まぁただ、今までのこのタイトルの流れからすると、あまり中性的なものにするのはどうでしょうね。仮にそれが正しいとしても、解釈の問題としていいのかどうかは別ですね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：流れ的にね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：テキスト解釈の問題から言ってもですね、ひとつのテキストの解釈というのは全体の中ではじめて決定されるものですからね。厳密さを求めることで、解釈が成り立たなくなる場合というのもあるんです。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>・<span class="koho">広報</span>：なるほどぉ！</p>




<div class="t2">華やかなる「学校生活」？！</div>


<p><span class="koho">広報</span>：３拍子でワルツですし、とても優雅ですよね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ええ、ええ、とにかくハイカラなイメージを持っていました。どこか都会的なね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：Mouvement de valse・・・（美しいフランス語の発音で）、grazziosoで華やかですよね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：序奏の半音使いもいいじゃないですか。小粋ですよ。かなり繰り返しも多いですが。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：A-B-C-A-Bという形式ですね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：とにかくお洒落な雰囲気が充満しているんですが、どこがどう、という場面展開のようなものは浮かびにくいですね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：やっぱり次に行くための序曲的な意味合いが強いんじゃないでしょうかね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：私が個人的に抱いていた解釈を述べてもいいでしょうか。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ええ、どうぞ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：この曲はですね、確かにここから後半が始まる印象はあるんですが、やっぱりね、結局その前までのこと（<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/10/22_11584.html">第11回</a>、<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/11/05_11652.html">第12回</a>参照）を、ここでもやっぱり引きずっているんですよ。ここは学校生活で言うと・・・</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>・<span class="koho">広報</span>：学校生活！</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ええ、学校生活でいうと、「さようなら」と「なぐさめ」は夏の時期で、夏休みの恋が終わったところ。で、14番ではもう２学期が始まってる。秋の運動会。この曲は、なんだか、運動会で踊ってるような感じもするのです。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああ、運動会で（驚きを隠せない）。・・・？</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そうなんです。実はこの曲の後も、小学校の年中行事とぴったり重なる解釈もできるんですけど、まぁそれは置いておいて・・・運動会に戻りますと、つまり、出し物の一つで踊っているんですね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：出し物・・・では何か演じている？</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：なぜそのような出し物がここに置かれているかというと、その先の曲を見れば、《バラード》や《小さな嘆き》など、悲しみを引きずり、そしてその痛みをえぐるような曲が続いていますでしょ。しかし悲しみの中にあっても、学校の日常生活では、こうやって運動会で踊ったりもしなくちゃならない、という。そんな想像（笑）。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああ。現実問題としてね。踊らなきゃいけない小学生・・・なるほど（笑）。たしかに、感情的にすごく訴えてくる曲ではないから。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：傍観者的な視線もそこにはあったでしょうね。つまり、「なぐさめ」までで、感情としてはひとつ完結しちゃったじゃないですか。そうしたらもう自分は旅に出るしかない。だから運動会なんかでも、みんなが組体操してるのを、自分は傍観者的に見てる感じ。僕は骨折しちゃったから、僕にはちょっと関係ないな、みたいなね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：（笑）そうですね、なんかそういう引いた感じがあるんですよ、この曲。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：まぁしかしながら、華やかなんですよ。周りはね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ああ。現実は動いていってる、という。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そう、現実は動いてる。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああそういうことありますね！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：華やかな現実の中でこそ感じる・・・孤独。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：なるほど・・・それだから、次に《バラード》が来ちゃうんですね？</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：《バラード》は完全に夜の音楽ですね。これについては次回にまたたっぷりと。</p>





<div class="atogaki">
<strong>＊ 第13回　La styrienne　後記＊</strong>
<hr size="1" noshade>
癒えない傷を抱えていても、「生活」は容赦なく流れ、そして幸福だった日々となに一つ変わらない青空も平然と目の前に広がるものだ。都会的で小粋な曲想もひとつアングルを変えるとクールさの訳が見えてくる。３拍子の弾き方に、もう一つの引き出しを増やす事ができそうだ。
</div>

<br />



<h2>コンサートのご案内</h2>

<div style="padding:10px;border:solid 1px #ccc;">
<div style="font-weight:bold;font-size:14pt;margin-bottom:10px;font-family:times;border-bottom:solid 1px #ccc;padding-bottom:5px">
ぶるぐ協会第<big>3</big>回　トーク・サロンコンサート<br />
<small style="font-size:11pt;line-height:120%;">兄弟対決！F. ブルグミュラー vs N.ブルグミュラー&#65374;ノルベルト生誕200年を祝して&#65374;</small></div>

<div style="float:left;margin-right:10px;text-align:center;font-size:8pt;"><a href="/report/02soc/bma/images/101022chirashi2.gif"><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="チラシ" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/101022chirashi.gif" width="249" height="328" class="mt-image-none" style="" /></span><br />チラシ画像</a></div>


<div style="font-family:times;font-size:12pt;margin-bottom:10px;line-height:180%;">
◆ 2010年<big style="font-size:20pt;font-weight:bold;">12</big>月<big style="font-size:20pt;font-weight:bold;">19</big>日（日）<br />
◆ マルシャリンホール<small>（京王線調布駅東口すぐ　飯野病院7F）</small><br />
◆ 午後2時開演<br />
◆ 2500円　全席自由　（ペア券4000円）<br />
<div style="float:left;margin-bottom:1em">◆&nbsp;チケットご予約：</div><div style="line-height:120%;margin-top:5px;">burgmuller25@gmail.com<br />
<small>（人数とご連絡先を明記して下さい）</small></div> </div>

<p style="font-size:11pt;margin-bottom:0px;">ブルグミュラーには、「天才作曲家」と称された弟ノルベルトがいたことをご存知ですか？ヨーロッパで「ブルグミュラー」といえば、むしろこの弟を指すと言われるほど、才能豊かだったノルベルト。彼はショパンと同い年！ショパン・イヤーに沸いた本年の終わりに、ぶるぐ協会が満を持して、ノルベルト・イヤーを祝う演奏会を開きます！兄弟の秘曲がズラリ登場。ピアノと室内楽をお楽しみ下さい。</p></div>
]]>
        
    </content>
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    <title>２５曲を斬る！第１２回　 なぐさめ</title>
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    <published>2010-11-05T07:17:45Z</published>
    <updated>2010-11-19T06:22:35Z</updated>

    <summary>「さよなら」のすぐあとに「なぐさめ」がある。その深い理由とは</summary>
    <author>
        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="05 「25」を斬る" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
<img src="/report/02soc/bma/images/25_title02.gif"></div>

<div class="t1">第十二回　Consolation なぐさめ</div>

<p>♪<a href="http://www.youtube.com/watch?v=Goe5xZIzvQA">第13曲　Consolation なぐさめ　YouTube</a>　演奏　友清祐子♪</p>


<div class="t2">傷を負った後に・・・</div>

<p><span class="koho">広報</span>：<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/10/22_11584.html">前回</a>の、非常に辛い内容だった「さようなら」に引き続いて、今回は第13番《Consolation》ですね。「なぐさめ」という邦題でなじみ深い作品です。</p>
<p>
会長：「さようなら」に次ぐ「なぐさめ」・・・（ため息）。この曲はとても切なく感じますし、ある意味とても現実的な曲だとも思うんです。冒頭は、属七の和音から始まっていますね。</p>



<img alt="譜例１：冒頭１&#65374;２小節" src="/report/02soc/bma/images/nagusame1.gif" />
<div class="furei">譜例１：冒頭１&#65374;２小節</div>


<p><span class="fujita">藤田</span>：おぉっ、そうですね。これはまた結構なことですよ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：しかも、右手の指番号は４、５、４、５と来ています。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ええ、ええ。もっとも弱い４の指ね。あえて弱い指で始めてるのね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：弱いですから、もう・・・、音にもならないような音というか、音楽が停滞してしまいそうな響きを、むしろブルグは許しているっていう気がするんですよね。そして8、16、24小節目と、3回もin tempoと記述があります。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああ、このin tempoは、「さようなら」で別れ、傷ついてしまった心に「止まりそうになるかもしれないけれど、急がなくていいよ、そのテンポでいきなさい」って、優しく言ってるみたいですね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：でも、「止まりそうになるよね」・・・ていう。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：なるほど。本当のところはもう、失恋でメンタル的にもフィジカル的にもボロボロっていう状態ですね。ボロボロなんですよ。だって、４、５、４、５ですよ？</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そしてさらに、３、４、３、４と続きますよ。４の指、酷使ですよ。本当にボロボロなんですねぇ。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：３、４、３、４、って。もう、ひどいですよ！シューマンは弱い４の指を鍛えようとして傷めたくらいなんですから！あえて、４のきついところを使うなんて。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：このdolce lusingandoは、あまり見ない表情記号ですね。Lusingandoは「媚びるように」といった意味があるようです。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ややっ！それは意外ですね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：え、未練？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：結構未練たらしいですね。悲しんでいるところをチラチラ見せる的な感じでしょうか？</p>

<p><span class="koho">広報</span>：うわっ（苦笑）。でもいるよね、そういう人。「わたし悲しんでます」アピールするの。別れた後も、相手と職場が一緒だとか、どうしても顔を合わせなきゃいけないときとかにアピールする人、いるいる。いやだね&#65374;・・・</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：くっくっくっ・・・（苦笑）。まぁ、その線で解釈できる部分も、多々ありますが・・・</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：確かにいますね、そういう人。でも流れからしてイメージ的には、家に帰って、一人で布団にくるまって一人ボロボロに落ちている、っていう感じだと思っていたんですが・・・まさかのアピール？</p>

<p><span class="koho">広報</span>：う&#65374;ん。私のイメージでは、右手のメロディーが、サワサワしてる音型じゃないですか。だから心にさざ波が立っていて、今私に触らないでっ、触らないでっ、触られちゃうと・・・・</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：泣いちゃうから。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そう！そう言ってるように感じるんですよ。ですから、「媚びるように」っていうイメージはないかもなぁ。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：まぁ確かに、８小節目のin tempoから（四分音符の）旗が上に付いているあたり、見せてきてるかなぁ、という気がしないでもない。</p>




<img alt="譜例２：８小節目" src="/report/02soc/bma/images/nagusame2.gif" />
<div class="furei">譜例２：８小節目</div>



<p><span class="kaicho">会長</span>：ああ、チラチラと、見せてきてますかね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：その前まではレミレミレミレ、ドレドレドレドと二度の間隔でやってたんだけど、気付いてくれないから、４度、５度、６度と広げて見せてきてる、とか（笑）。まぁでも、そこまで言っちゃうと厳しすぎるかなぁ（苦笑）。</p>

<div class="t2">悲しみは見せないで</div>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ぱっと見て、和音は属七の範囲までで収まっていますね。あまり複雑な和音はない。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：調性も、14&#65374;15小節目や22&#65374;23小節目でふとホ短調を覗かせたりしますが、大きく転調する様子はないですね。</p>


<img alt="譜例３：14~15小節目" src="/report/02soc/bma/images/nagusame3.gif" />
<div class="furei">譜例３：14&#65374;15小節目</div>


<p><span class="kaicho">会長</span>：・・・となるとあまり、何かを見せつけようとしている風でもなさそうな・・・</p>

<p><span class="koho">広報</span>：あ、先のlusingandoですが、他の意味を調べてみましたら、「よく見せること」というのもあるようです。となると、本当はまだ落ち込んでるけど「もう、元気だよ」って気丈に振る舞っている風にも受け取れますね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：あ、なるほど！ピンときますね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そっちだったらわかるな。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ですよね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：人に悲しみを見せようとするなんて、子どものやることですからね。そうか、そっちの意味ですよ。だから属七までしか使っていないんだね。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：凝った和音で、卑屈さとかを見せたりしてない（笑）。シンプルな音遣いで平静さを出している。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：「大丈夫だからー。うん、ぜんぜん、ぜんぜん（口をとがらせて）」みたいな。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああ、それであまり大きな転調もないんですね。「そりゃいろいろありましたけどね」ってホ短調を小出しにしたりしつつ。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：・・・耐えてんのね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ああ。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：耐えてんのよ、やっぱり。・・・見習いたいね、こういうところ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>・<span class="koho">広報</span>：笑。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうですね、見習いたいです。見習うところ、いっぱいありますよ、この曲集。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ところで楽譜ですが、版によっては曲の繰り返しをリピート記号で処理して、１ページに収めているものがありますが、私は見開き２ページ使っているのがいいと思うんです。やはり「さようなら」のあとは、時間をかける感じてたっぷりと、２ページで弾きたい。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そうね、この情感は、２ページあると出しやすいね。</p>


<p><span class="koho">広報</span>：形式は序奏-A-A-B-B-コーダとなっていて、AとBは完全に繰り返しているだけですもんね。それにしても、このコーダの終わりの部分、可愛いらしいですね。ソ♯レミソド、って「もう平気だよっ」と言っているみたい。pでね。</p>

<img alt="譜例４：41&#65374;42小節" src="/report/02soc/bma/images/nagusame4.gif" />
<div class="furei">譜例４：41&#65374;42小節</div>


<p><span class="fujita">藤田</span>：この最後の左手も利いてるね。結構、右手との音域が広いですよね。これはプロコフィエフ的ですよ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>・<span class="koho">広報</span>：！！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：非常に広い。とくに子どもが弾く場合は、すごく広がりを感じるんじゃないですか？もう、胸はりなさい！みたいな。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ああ！なるほど。胸はって、もうスッと行きなさい、みたいなね。明日に向かって。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そうそう。明日、明日。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：猫背になってちゃだめだね。未来に向かって。ああ、やっぱりいい曲だなぁ・・・「なぐさめ」。</p>



<div class="atogaki">
<strong>＊ 第12回　Consolation 後記＊</strong>
<hr size="1" noshade>
隠しきれない悲しみを負った心を、どのような音で表現するか。ブルグミュラーが示したのはこのConsolationだった。健気にも美しいこのシンプルな作品が、13番という曲集中盤で登場する。曲の難易度からすれば、この位置に置かれることは不自然であり（次の「スティリエンヌ」との難易度の差も大きい）、やはり「<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/10/22_11584.html">さようなら</a>」との深いつながりを否定することはできない。堪え難きを堪え、明日へと胸を張るような気持ちで、優しい音で奏でたいものだ。</div>

<br />



<h2>コンサートのご案内</h2>

<div style="padding:10px;border:solid 1px #ccc;">
<div style="font-weight:bold;font-size:14pt;margin-bottom:10px;font-family:times;border-bottom:solid 1px #ccc;padding-bottom:5px">
ぶるぐ協会第<big>3</big>回　トーク・サロンコンサート<br />
<small style="font-size:11pt;line-height:120%;">兄弟対決！F. ブルグミュラー vs N.ブルグミュラー&#65374;ノルベルト生誕200年を祝して&#65374;</small></div>

<div style="float:left;margin-right:10px;text-align:center;font-size:8pt;"><a href="/report/02soc/bma/images/101022chirashi2.gif"><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="チラシ" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/101022chirashi.gif" width="249" height="328" class="mt-image-none" style="" /></span><br />チラシ画像</a></div>


<div style="font-family:times;font-size:12pt;margin-bottom:10px;line-height:180%;">
◆ 2010年<big style="font-size:20pt;font-weight:bold;">12</big>月<big style="font-size:20pt;font-weight:bold;">19</big>日（日）<br />
◆ マルシャリンホール<small>（京王線調布駅東口すぐ　飯野病院7F）</small><br />
◆ 午後2時開演<br />
◆ 2500円　全席自由　（ペア券4000円）<br />
<div style="float:left;margin-bottom:1em">◆&nbsp;チケットご予約：</div><div style="line-height:120%;margin-top:5px;">burgmuller25@gmail.com<br />
<small>（人数とご連絡先を明記して下さい）</small></div> </div>

<p style="font-size:11pt;margin-bottom:0px;">ブルグミュラーには、「天才作曲家」と称された弟ノルベルトがいたことをご存知ですか？ヨーロッパで「ブルグミュラー」といえば、むしろこの弟を指すと言われるほど、才能豊かだったノルベルト。彼はショパンと同い年！ショパン・イヤーに沸いた本年の終わりに、ぶるぐ協会が満を持して、ノルベルト・イヤーを祝う演奏会を開きます！兄弟の秘曲がズラリ登場。ピアノと室内楽をお楽しみ下さい。</p></div>
]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>特別寄稿：ブルグミュラー兄弟と日本~ノルベルト生誕200年を祝して~　前島美保</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/10/28_11610.html" />
    <id>tag:www.piano.or.jp,2010:/report/02soc/bma//31.11610</id>

    <published>2010-10-28T07:27:48Z</published>
    <updated>2010-11-01T01:00:14Z</updated>

    <summary>「25の練習曲」でおなじみフリードリヒには天才肌の弟ノルベルトが。。</summary>
    <author>
        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="03 番外編・資料" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/">
        <![CDATA[
<p><a href="/enc/dictionary/composer/chopin/">ショパン</a>や<a href="/enc/dictionary/composer/schumann/">シューマン</a>イヤーに沸く今年2010年は、同世代を生きた<a href="http://www.piano.or.jp/enc/dictionary/composer/burgmuller_n/index.html">ノルベルト・ブルグミュラー</a>（（August Joseph）Norbert Burgmuller: 1810&#65374;1836）の生誕200年という特別な年でもあります。ノルベルトとは、そう、我々おなじみの『25の練習曲』を作曲した<a href="http://www.piano.or.jp/enc/dictionary/composer/burgmuller/index.html">フリードリヒ・ブルグミュラー</a>（Friedrich (Johann Franz) Burgmuller: 1806&#65374;1874）の四歳下の弟です。</p>

<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="brg_brt.jpg" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/brg_brt.jpg" width="427" height="254" class="mt-image-none" style="" /></span><br /><br />

<p>ノルベルトは1810年2月8日にドイツのデュッセルドルフにて、アウグスト・ブルグミュラー（(Johann) August (Franz) Burgmuller）の末息子として生まれました。幼少の頃よりピアノに才能を示していたノルベルトは、L. シュポーア、M. ハウプトマンにつき作曲を学ぶなど、音楽家となるべく教育を受けたと言われています。しかしながら野心に乏しく世事に疎かったために、狭いサークル内での称賛とは裏腹に、社会的境遇には恵まれず、貧しい生活を送っていたようです。将来を嘱望されつつも、1836年5月8日、訪問先のアーヘンにて26歳の若さでこの世を去ります。その死を悼んで<a href="/enc/dictionary/composer/mendelssohn/">メンデルスゾーン</a>が曲を捧げたという話や、<a href="/enc/dictionary/composer/schumann/">シューマン</a>をして「<a href="/enc/dictionary/composer/schubert/">シューベルト</a>の早世以来、ブルクミュラーの早世ほど悲しいことはない」と嘆かせたということもこれまたよく知られたエピソードです<small>（以上は、『ニューグローヴ世界音楽大事典』（第2版、Richard Kershaw執筆「ブルクミュラー，ノルベルト」の項等参照）</small>。</p>

<p>ノルベルトに関する研究は、とくに本国ドイツを中心に進んでおります。<br />
Klaus Martin Kopitzによる"Der Dusseldorfer Komponist Norbert Burgmuller"（Boss, 1998）や、以下のようなサイト、事典等でもノルベルト研究の最新の成果を知ることができます。またノルベルト作品は楽譜としてもかなり市場に出回っているようです。<br />

<a href="http://www.burgmueller.de/index.php?menu=20">http://www.burgmueller.com/</a><br />
"MGG" (Personenteil 3) </p>

<p>というわけで、詳細なノルベルトの事蹟や研究の最前線についてはそちらを参照していただくことにして、ここではその外伝とも申せましょうか、日本におけるブルグミュラー兄弟のいささか混乱した受容の一齣に光を当ててみたいと思います。</p>

<br />

<h3>戦前戦後の解説</h3>



<p>ブルグミュラー兄弟の日本における紹介は、『25の練習曲』の楽譜解説と共にあったとみてよいかと思われます。初期の例として、<a href="/report/02soc/bma/2006/05/19_6383.html">連載第8回「日本ブルグミュラー事始」</a>でも取り上げた戦前好樂社より出版されたMOHANシリーズの『25の練習曲』を確認しておきたいと思います。</p>


<div style="margin-bottom:20px;"><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="第8回連載後、心ある方よりご寄贈いただいた昭和15年9月出版のMOHAN『25の練習曲』（原隆吉編輯）。" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/norbert200-3.jpg" width="624" height="226" class="mt-image-none" style="" /></span>

<br />【写真１】第8回連載後、心ある方よりご寄贈いただいた昭和15年9月出版のMOHAN『25の練習曲』（原隆吉編輯）。</div>



<p>ここでは『25の練習曲』を作曲したフリードリヒの事蹟について述べた後、最後にノルベルトに関しても触れられています。フリードリヒ作曲の作品100番は『25の練習曲』、105番は『12の練習曲』、109番は『18の練習曲』。ノルベルトについても「スポアやハウプトマンの弟子」と伝えられており、この解説はほぼ事実に即した的確な記述内容となっています。背景にはMOHAN『25の練習曲』が原版とした輸入楽譜の存在が窺われますが、ここで重要なのは、初期においてはフリードリヒとノルベルトが兄弟で別人と捉えられていたということです。この解説箇所は昭和17年版、昭和21年版、昭和22年版でも変わっていません。</p>

<br />

<h3>混乱期の解説</h3>


<p>さて、ピアノがごく一部のみならず一般家庭においても演奏されるようになった戦後は、ある意味『25の練習曲』が日本のピアノ界に深く浸透した時期とも申せましょう。しかし、手近な全音版『25の練習曲』の解説を読むと、MOHAN楽譜とは異なりいささか奇怪な現象が現れます。</p>


<div style="margin-bottom:20px;"><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="写真２" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/norbert200-1.jpg" width="631" height="265" class="mt-image-none" style="margin-bottom:2px" /></span>
【写真２】全音版『25の練習曲』。1963年のクレジットあり。定価130円。</div>

<div style="margin-bottom:20px;float:right;margin-left:15px;width:300px;text-align:center;"><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="『音楽事典』平凡社、昭和32年。" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/norbert200-6.jpg" width="300" height="194" class="mt-image-none" style="margin-bottom:2px;" /></span><br />【写真３】『音楽事典』平凡社、昭和32年。</div>


<p>薄緑の表紙で1963年（昭和38年）のクレジットを持つこの全音版『25の練習曲』の解説を見ますと、「1810&#65374;1836」、「シュポア・ハウプトマンに師事」、「僅か26才で円熟を待たずしてこの世を去った」とあり...そうなのです、すっかりノルベルトの事蹟にすり替わってしまっていることがわかります。またよく見ると「ブルグミュラー」としかなく、ファーストネームに言及がないことにも気付きます。数年前に出版された平凡社『音楽事典』（昭和32年刊）を確認すると、「ブルクミュラー，ノルベルト」の項にはノルベルトの事蹟が載っており（【写真3】）、【写真2】の解説とよく似た内容となっています。ファミリーネームが同じということで、あるいはこのノルベルトの事典項目を参照したのかとも思われますが、推測の域を出ません（なお、この『音楽事典』には「ブルグミュラー，フリードリヒ」は立項されていません）。</p>




<p>一方、私（昭和50年生）が子供時代に使用した全音版『25の練習曲』を見ると、これとはまた別の解説であることがわかります。</p>



<div style="margin-bottom:20px;"><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="写真４" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/norbert200-2.jpg" width="628" height="222" class="mt-image-none" style="" /></span><br />【写真4】全音版『25の練習曲』。定価350円。（ちなみにこれより少し前の定価300円の全音版『25の練習曲』も同内容）
</div>


<p>まずファーストネーム（F.）が復活し、生没年もフリードリヒのそれに変わっています。しかし「シュポア・ハウプトマンに師事し...」の一文は【写真3】のそれをほぼ踏襲しており、基本的にノルベルトの事蹟です。そして「特にピアノの練習曲（Op. 68, 76, 97, 100, 105）は...」では、再びフリードリヒの作品群が列挙されています。つまり、解説文の中にフリードリヒとノルベルトの事蹟が混在していることがわかります。</p>
<br />

<h3>現在、そして</h3>
<p>むろん、今発行されている各社版『25の練習曲』の解説では、フリードリヒの生い立ちからその後の活動まで丁寧に辿られるものが多く、ブルグミュラー兄弟にまつわるこうした混乱は見受けられません。先に引いた『ニューグローヴ』の存在の大きさが偲ばれるわけですが、では、どうして最初期にはなかったような事蹟のもつれが昭和30年代以降起こったのかと考えると、いくつかのギャップが表面化してきます。すなわち、日本における『25の練習曲』の飛び抜けた受容とフリードリヒ研究の立ち遅れ、それに対する世界におけるノルベルト研究の進展です。孫引きの連鎖や同時代の事典情報の挿入を余儀なくされるほど新陳代謝よく『25の練習曲』が発行されつつも、その作曲家研究には直接結びついていかなかったこのケースは、実践と研究の現場が両輪となって動いてゆくことの難しさを暗に示しているかのようです。がしかし、考えてみれば『25の練習曲』の作曲家の事蹟が混乱していてもこれまで問題視されず、受容にもほとんど影響がなかったとすれば、それは一面で、作品それ自体の持つある種の強さ（？）を立証しているとも言えるのではないでしょうか。</p>

<p>お手持ちのブルグミュラー楽譜も、久しぶりに眺めてみると思わぬ発見があるかもしれません。上記に触れたのはそのごく一部。ぜひこの機に、日本におけるブルグミュラー像のゆらぎと存在感に想いを馳せられてはいかがでしょうか。</p>
<br />

<h2>☆お知らせ☆</h2>
<p style="font-size:11pt;">水面下でじわじわ高まってきている感があります（？）ノルベルト・ブルグミュラー生誕200年記念祭。ぶるぐ協会でもいよいよ12月19日（日）にコンサートを開催する運びとなりました！今回は兄弟対決と題し、クラリネット、チェロ、ギター奏者の方々にもご協力いただきます。もちろんノルベルトのピアノ作品も、少し面白い趣向でお聴きいただきます。年の瀬のお忙しい時期とは存じますが、皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。</p>


<div style="padding:10px;border:solid 1px #ccc;">
<div style="font-weight:bold;font-size:14pt;margin-bottom:10px;font-family:times;border-bottom:solid 1px #ccc;padding-bottom:5px">
ぶるぐ協会第<big>3</big>回　トーク・サロンコンサート<br />
<small style="font-size:11pt;line-height:120%;">兄弟対決！F. ブルグミュラー vs N.ブルグミュラー&#65374;ノルベルト生誕200年を祝して&#65374;</small></div>

<div style="float:left;margin-right:10px;text-align:center;font-size:8pt;"><a href="/report/02soc/bma/images/101022chirashi2.gif"><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="チラシ" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/101022chirashi.gif" width="249" height="328" class="mt-image-none" style="" /></span><br />チラシ画像</a></div>


<div style="font-family:times;font-size:12pt;margin-bottom:10px;line-height:180%;">
◆ 2010年<big style="font-size:20pt;font-weight:bold;">12</big>月<big style="font-size:20pt;font-weight:bold;">19</big>日（日）<br />
◆ マルシャリンホール<small>（京王線調布駅東口すぐ　飯野病院7F）</small><br />
◆ 午後2時開演<br />
◆ 2500円　全席自由　（ペア券4000円）<br />
<div style="float:left;margin-bottom:1em">◆&nbsp;チケットご予約：</div><div style="line-height:120%;margin-top:5px;">burgmuller25@gmail.com<br />
<small>（人数とご連絡先を明記して下さい）</small></div> </div>

<p style="font-size:11pt;margin-bottom:0px;">ブルグミュラーには、「天才作曲家」と称された弟ノルベルトがいたことをご存知ですか？ヨーロッパで「ブルグミュラー」といえば、むしろこの弟を指すと言われるほど、才能豊かだったノルベルト。彼はショパンと同い年！ショパン・イヤーに沸いた本年の終わりに、ぶるぐ協会が満を持して、ノルベルト・イヤーを祝う演奏会を開きます！兄弟の秘曲がズラリ登場。ピアノと室内楽をお楽しみ下さい。</p></div>


]]>
        
    </content>
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    <title>２５曲を斬る！第１１回　 さようなら</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/10/22_11584.html" />
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    <published>2010-10-22T08:54:20Z</published>
    <updated>2010-10-25T06:11:33Z</updated>

    <summary>「２５斬」再開！名曲&quot;さようなら&quot;　本当に哀しい時、人は泣けない！？</summary>
    <author>
        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="05 「25」を斬る" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/">
        <![CDATA[<style type="text/css">
<!--
.koho{padding-left:10px;background:url('/css/images/arrow.gif') no-repeat left;color:#9999FF;}
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
<img src="/report/02soc/bma/images/25_title02.gif"></div>

<div class="t1">第十一回　Adieu さようなら</div>

<p>♪<a href="http://www.youtube.com/watch?v=wnHjsSMZ858">第12曲　Adieu さようなら　YouTube</a>　演奏　友清祐子♪</p>

<div class="t2">本当の哀しみには、涙は出ない</div>

<p><span class="koho">広報</span>：久々の鼎談です。12番の「さようなら Adieu」からの再開となります。ここからは、楽曲的にも長めで内容の濃いものが並びます。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：きましたね「さようなら」。とても辛い曲です。Allegro molto agitatoです。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：agitato・・・アジトですからねぇ。アジトって、アジテーション・ポイントって知ってました？</p>

<p><span class="koho">広報</span>：あ、あの「過激派のアジト」っていうときの、アジトですか？そうなんですか？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：僕もあれは日本語だと思ってたんですが、アジテーション・ポイントから来てるんですよ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ほう！「アジ演説」とかも、このアジテーションですよね。煽動するわけですよね、人を。そういう言葉ですね、アジ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：えらい所から入りましたねぇ（笑）</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：アジなのに、Adieuなんです。しっとりとした、「さようなら」ではないですね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：たしかに、このイントロというか、序奏の部分、激しいですもんね。<span class="times">p</span>から<span class="times">sf</span>へいってますから。これは多分、決別ですよね。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="（譜例１~４小節）" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/Adieu1-4.gif" width="650" height="151" class="mt-image-none furei" style="" /></span>



<p><span class="fujita">藤田</span>：決別です。3小節目から、和声短音階で降りてくる所からして、♯ソ-ファの増音程ですから。これはもう、なめらかには降りてこられないんですよ。自然短音階でも降りてこられない。ここにはこの増２度がないと、Agitatoが生きない。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：西洋音楽で増2度というのは、やはり、ここぞといった意味合いがありますかね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうでしょうね、もう「増」というからには。飛躍があるわけですよね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：短から長を超えて増！超えられないものをあえて超える、みたいな。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：その前の<span class="times">sf</span>に行くところ、私の知り合いにミ--レの７度跳躍を弾くのが「恥ずかしい」と言っていた人がいましたね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：恥ずかしい？それはどういうことでしょう。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：おそらく、ここで一気に感情をさらけ出す感じがあるからでしょうか。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：なるほど、最初の2小節はためらいがちだったのに、3小節目でさらけ出す。そこで開放されたから、もう増2度出します、みたいなね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：たしかに、このレは小指に重みがかかりますよね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：5小節目、in tempoになってからは、さざ波のように哀しみがおそってきますね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：徐々に突き上げてくる感じですよね。最初はヒックヒックな感じですが、自分で何か言いながら、嗚咽に向かって泣いて行っちゃうっていうか。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ああ、ああ、わかります。ブツブツブツブツ言いながらね・・・</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ありますよね。そういうの。自分の心えぐっちゃうこと。たとえば８小節目の属七でえぐってます。そして11小節目もすごいです。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="（譜例11~12小節）" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/Adieu11-12.gif" width="300" height="119" class="mt-image-none furei" style="" /></span>

<p><span class="fujita">藤田</span>：右手と左手が一緒にかけ上ってますね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：やっぱりこの、煽動していく力っていうのがありますよ。本当に強い。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：14小節目、15小節目は、しゃくり上げている感じもします。同じ音型が二度も続いて。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="（譜例14&#65374;16小節）" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/Adieu14-16.gif" width="450" height="127" class="mt-image-none furei" style="" /></span>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ここは第二拍目にアクセントがきてるのは、しゃくり上げのようだ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：泣いている描写にも見えますね。しかし私にはこの曲が、男女二人が別れ話をしているまさにその現場を描いているような感じもするんですよね。ちょっと先になりますが、最後のfの和音の終わり方は、「もうこれで、本当にお別れね、もうこれでナシね」と、本当の決別を告げるように終わってますよね？</p>
 
<p><span class="fujita">藤田</span>：ああ、そうね。そして本当の涙は、曲が終わったあとにあるのかもしれない。ここはまだ「私、泣いてないですから」のところ。アジタートでは、人は泣きません。本当に哀しい時って、人は泣けないの！わかります？うぅ&#65374;なんて、泣いてるようじゃあ、まだ哀しくないんだ、それは！！・・・っていうことですよ。（興奮気味）</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああ、そうだ！大人ってそうですね。哀しすぎると、涙は出ない！</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ほんっとにそう！この別れは、ことの事実が衝撃過ぎて、まだ若干唖然としているというか、「今日でお別れね」っていうのが咀嚼しきれていないくらいなんですよ。</p>

<br />

<div class="t2">別れの描写に織り込まれたテク</div>

<p><span class="fujita">藤田</span>：それを考えると、17小節目からのハ長調部分っていうのは、凄いですよね。ここで「もう、スッキリしてますから」みたいな態度を一度取るんですね。しかし、また24小節目でイ短調の戻り「だけど・・・！！」となる。もう言葉にならない思いですよ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そういう感情の揺れ、ありますね。グサっと心にきても、「あ、もう大丈夫になってきた」と思う、というか、思おうとする瞬間があるんですよ。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：でも、フレージングにはその動揺が隠されているんだと思う。版にもよりますが、たとえば古い楽譜の17小節目からは、ソミドラソ、ミドソ、ソファ、ファミレソファレ、となってます。この小さき動揺！</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="(譜例17&#65374;20小節)" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/Adieu17-20.gif" width="650" height="144" class="mt-image-none furei" style="" /></span>

<p><span class="koho">広報</span>：なるほど！残念ながらブルグミュラーの自筆譜は発見されていないので、彼自身がどう書いていたかはナゾですが、もし、このフレージングのように書いていたとしたら・・・</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：これはもう、本人すら気付かないほどの、心の乱れですよ！これ逃して弾けないですよー。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：すごいっ、このフレージング。劇的ですね。ドラマ仕立てにできますよね、これ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：これはやっぱり、基本的にはブルグ君がふられるんでしょうか。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：まぁ、「ふられる」という言い方が正しいのかどうか、という所。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：やむを得ぬ事情・・・とか？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：なんつーんでしょうかね、別れる方が、より発展性があるっていう場合です。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ああ・・・そういう選択かぁ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：お互い別れたくはないのに、別れなくてはいけないという状況、ありますよぉ。それかぁ・・・（小声）</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：意外と合意の上で別れてる感じ。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：切ないよ、これは。そうするとね、5小節目と25小節目のin tempoのメロディーも、二拍目にアクセントが置かれているのも、嗚咽したいのを押さえている風にも見えてくるしね。切ない。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：あっ、ハ長調の終わりにも、増２度使ってますねぇ。23小節目、シ♭ラファレ、のところ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：あ！ここすごく印象的な所なのよね。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="（譜例23&#65374;24小節）" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/Adieu23-24.gif" width="320" height="147" class="mt-image-none furei" style="" /></span>

<p><span class="fujita">藤田</span>：うわっ、こぉれは深いです！和声的に深いです。ドのトニックの上に、減七の和音シレファ♭ラが乗っかってる形ですから。こっ、これは、ラヴェリアンのやり方ですよ！</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>・<span class="koho">広報</span>：らう゛ぇりあん？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：モーリス・ラヴェルのやり方です。すごく色彩的ですよね。響きとして。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：えっ、ということは、ブルグはラヴェルを先んじている？！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：もしこのバスのドを、ソなんかに落としちゃったとしたら、それはもうもう、なんでもない。つまらないものですよ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：しかしながら、ドの上に置いた。ばっちり右手のシと、短２度でぶつかってます！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：この技法はなかなかのものですよ。そして24小節目のハ長調の主和音に解決していくという・・・。これはたいしたものですよ、腕ありますよ、ブルグ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そうですか！よかった！（笑）</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：しかも、前半はイ短調のなかに臨時記号で♯系の音をたくさん使っていますが、ここはハ長調の中で、ハ短調の♭系の音を借りる。♭系というのは、柔らかみがありますから、今度は増２度を柔らかいもので作り出しているという・・・けっこう考えてありますよね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：こんな小曲の中に、意外とテク入れてますね、ブルグ！こういうテクに、みんな気付かないうちに、惹かれてるんですね。今まで誰も語ってないけれど。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ちょっとしたスパイスが利いてますね。すごい。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：喫茶店で待ち合わせして、会って話してしまうと、二人は終わる。ハ長調で理性的に、「この別れは二人にとって、いい別れなんだ」と明るい方に持っていって考える。しかし、またニ短調に戻ってしまうのは、やはりふとした瞬間に、哀しみがさし込んで来てしまうんですね。</p>
<p>
藤田：そりゃあもう、さし込んできますよ。だって、この最後の37小節目からの左手の動きなんてねぇ、これは涙なしには語れないですよ。なんだか、動揺してるじゃない。あっちいったり、こっちいったり。ね。</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="（譜例37&#65374;41小節）" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/Adieu37-41.gif" width="650" height="150" class="mt-image-none furei" style="" /></span>

<p><span class="kaicho">会長</span>：すごいですね。右手の音型ラドシラドミラも、けっこう執拗に繰り返される。でも別れの時って、自分を納得させるために、何度も何度も「これでいいんだ、これでいいんだ」と言い聞かせるんですよ。左手で「でも・・・」と動揺しつつ、右手で「いいんだ」と言い切って行く、みたいな。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：・・・辛いね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：最後はもう、同じことばっかり言うもんなんですよね。延々と。「よかったんだよ、これでよかったんだよ」と。コーヒーに口をつけては、また「よかったんだよ」と。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうそう。確認していくしか残されていないんだよね、二人には。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：で、この最後の二つのfの和音は、もうお店の人に「閉店ですよ！」って言われちゃった、みたいな。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：なるほど、店員の声は普通のトーンであっても、<span class="times">f</span>に聞こえるでしょう。容赦ないね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：実は店員はこのカップルの一部始終を見ていて、店じまいしたいから、はやく終わらないかなぁ・・・と。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああ、もう他者の声がピシャっと響くわけですね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そういうところ、リアルですよね、ブルグ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ですね。ここでリアリティーにパッと目覚めるんですよね。そして現実に戻った後が、また辛かったりするんです。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ああ、次回の「なぐさめ」も、実は一番つらい曲だったりする・・・。</p>


<div class="atogaki">
<strong>＊ 第11回　Adieu　後記＊</strong>
<hr size="1" noshade>
この25斬り鼎談を楽しみにしていて下さった読者の皆様、お待たせいたしました。いよいよ後半スタートです。<br />
<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/04/16_10607.html">第10回</a>の「やさしい花」「せきれい」であぶり出された、男女二人の肖像。その行く末がこの「さようなら」にある。あまりに複雑な心理描写が、密かにこの小品に込められていたという事実に気付いた今、改めて演奏したい一曲である。</div>


<br />



<h2>コンサートのご案内</h2>

<div style="padding:10px;border:solid 1px #ccc;">
<div style="font-weight:bold;font-size:14pt;margin-bottom:10px;font-family:times;border-bottom:solid 1px #ccc;padding-bottom:5px">
ぶるぐ協会第<big>3</big>回　トーク・サロンコンサート<br />
<small style="font-size:11pt;line-height:120%;">兄弟対決！F. ブルグミュラー vs N.ブルグミュラー&#65374;ノルベルト生誕200年を祝して&#65374;</small></div>

<div style="float:left;margin-right:10px;text-align:center;font-size:8pt;"><a href="/report/02soc/bma/images/101022chirashi2.gif"><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="チラシ" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/101022chirashi.gif" width="249" height="328" class="mt-image-none" style="" /></span><br />チラシ画像</a></div>


<div style="font-family:times;font-size:12pt;margin-bottom:10px;line-height:180%;">
◆ 2010年<big style="font-size:20pt;font-weight:bold;">12</big>月<big style="font-size:20pt;font-weight:bold;">19</big>日（日）<br />
◆ マルシャリンホール<small>（京王線調布駅東口すぐ　飯野病院7F）</small><br />
◆ 午後2時開演<br />
◆ 2500円　全席自由　（ペア券4000円）<br />
<div style="float:left;margin-bottom:1em">◆&nbsp;チケットご予約：</div><div style="line-height:120%;margin-top:5px;">burgmuller25@gmail.com<br />
<small>（人数とご連絡先を明記して下さい）</small></div> </div>

<p style="font-size:11pt;margin-bottom:0px;">ブルグミュラーには、「天才作曲家」と称された弟ノルベルトがいたことをご存知ですか？ヨーロッパで「ブルグミュラー」といえば、むしろこの弟を指すと言われるほど、才能豊かだったノルベルト。彼はショパンと同い年！ショパン・イヤーに沸いた本年の終わりに、ぶるぐ協会が満を持して、ノルベルト・イヤーを祝う演奏会を開きます！兄弟の秘曲がズラリ登場。ピアノと室内楽をお楽しみ下さい。</p></div>
]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>２５曲を斬る！第１０回　 やさしい花／せきれい</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/04/16_10607.html" />
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    <published>2010-04-16T09:22:59Z</published>
    <updated>2010-04-16T09:27:41Z</updated>

    <summary>かわいらしい小品に隠された男女の物語。あまりに切ないそのドラマ</summary>
    <author>
        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="05 「25」を斬る" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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        <![CDATA[<style type="text/css">
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
<img src="/report/02soc/bma/images/25_title02.gif"></div>

<div class="t1">第十回　並ぶ２枚の肖像？！&#65374;花と鳥&#65374;</div>




<p>♪ 第10曲目　<a href="http://www.youtube.com/watch?v=Jqtuzv4wtg8">Tendre fleur やさしい花：YouTube</a> 　演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a> ♪</p>


<div class="t2">「やさしい花」に見る女性性</div>
<p>
<span class="kaicho">会長</span>：「やさしい花」っていうと何を思い浮べます？</p>

<p><span class="koho">広報</span>：原題はTendre fleurですね。フランス語のtendreというと、英語のgentleに近い感じですか？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：いや、tenderですね。Love Me Tenderの。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああ、そうか。もうちょっと色っぽい感じですね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そうですね。だから、この「花」っていうのは女性のことだと考えるのがいいでしょうね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：なるほど。となると、この女性はもしかして・・・・私たちの検証では前回話に出た、9番の「狩猟」にすでに影を落とし、12番「さようなら」で登場する、あの女性なのではないでしょうか？（<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/02/18_10285.html">第九回</a>をご参照下さい）</p>

<p><span class="koho">広報</span>：！！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：うわぁ。それはもぅ、前回の内容に引き続き、抱えきれないほどの悲しさですよ？！そこまで気付いちゃ、いけなかったんじゃないの？</p>

<p><span class="koho">広報</span>：私ももうコックリさんやってるぐらいの怖さを感じてきました。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：いいの？これ、気付いちゃっていいの？</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：またこの、右手と左手のこの寄り添い方がね・・・。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああ、間違いなく女性と男性に思えてきました。やっぱり左手がブルグミュラーなんじゃないでしょうかね。右手がお相手の女性です。とくにこの中間部、左手のブルグ君が一生懸命女性に語りかけますが、女性はふわり、ふわりとしていますね。答えようかしら、答えないでおこうかしら、みたいな。</p>




<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="《やさしい花》中間部" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/25-10-01.gif" width="500" height="139" class="mt-image-none" style="" /></span>
<div class="furei">譜例：《やさしい花》中間部11&#65374;13小節</div>



<p><span class="fujita">藤田</span>：ああ。そうね・・・（しばし、言葉が出ない）・・・いやもう、2曲先の「さようなら」という結末を知っているだけに、今や非常に悲しく響きますね。ニ長調だしね・・・</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そうなんです！私も思ったんです。ニ長調ですから！</p>

<p><span class="koho">広報</span>：？？といいますと？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ニ長調というのはね、弦楽器のね、ヴァイオリンが非常によく響く調ですから。そしてヴァイオリンという楽器は、女性の象徴でもありますから。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああじゃあ、もうこれは間違いなく女性の曲ですね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：・・・（ため息）・・・いやもう、胸が痛いね。痛すぎる。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：・・・知りたくなかった。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：右手の女性がまたよく動くんだな。左手の男性はあまり動かない。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そう。でも最後にはかなり接近するんですよね、右手と左手が。</p>


<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="《やさしい花》終結部" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/25-10-02.gif" width="477" height="135" class="mt-image-none" style="" /></span>
<div class="furei">譜例：《やさしい花》終結部21&#65374;24小節</div>


<p><span class="fujita">藤田</span>：（ため息）</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうとう大人の曲ですよ。実はこの曲が一番泣ける曲になってしまいそうです。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：この曲はもはや、書き方がどうのっていう問題じゃないですね。しかし、冒頭の表情記号もdelicatoですからね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そうdelicato！とても大切に思っていたんですね・・・。</p>

<p>（しばし3人、絶句）</p>

<p><span class="koho">広報</span>：「やさしい花」は過酷すぎて、もうほぼみなさん、絶句なので、次に進みましょうか。</p>



<p>♪ 第11曲目　<a href="http://www.youtube.com/watch?v=6dOjxPVC_P0">La bergeronnette　せきれい：YouTube</a> 　演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a> ♪</p>


<div class="t2">花に寄り添う鳥、せきれい</div>

<p><span class="koho">広報</span>：冒頭のリズムを、タカタン、タカタンと固く捉えるのでなく、あまり音を立たせずに一息でピョロロン、ピョロロンっとすばやく流す意識で弾くと、鳥っぽく響いてかわいいですね。メシアン研究がご専門の藤田さんの前で言うのもなんですが、メシアンの鳥の声のごとく、本当に鳥の鳴き声のように聞こえてきます。</p>
 


<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="《せきれい》冒頭" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/25-10-03.gif" width="495" height="165" class="mt-image-none" style="" /></span>
<div class="furei">譜例：《せきれい》冒頭1&#65374;6小節</div>


<p><span class="fujita">藤田</span>：ほんとそうね。写実的な感じがしますよね。メシアンの鳥もそうなんですが、音楽家はたまに、鳥にすごく象徴的な意味を持たせることがあります。単に音楽的に描写する以上の意味が、鳥によってはあるんです。例えば、ひばり。ひばりは朝に鳴く鳥なんですね。旋回しながら歌っていって、天上で歌い方を変えて、もう一回降りてくる。ですから、ひばりは精霊の象徴なんです。昔から天高く舞う鳥としてとらえてきました。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：それで「ひばり」をテーマとした曲が多いんですね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ですから、セキレイも、何かの意味があるのかもしれませんね。メシアンの作品中にはセキレイは出てこないですが。</p>

<p>（この鼎談後の調べにより、セキレイはギリシャ神話の愛の女神アフロディテからの贈り物として登場する、「愛」の象徴であることがわかりました。）</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：それにしてもこの「せきれい」、前の曲と併せて考えてみると、「花」と「鳥」という並びですよ。花鳥風月ではないですけど、何か、意味があるようにも思います。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：これは、花である女性と、花に寄る鳥の男性、二人の自画像と考えるのはどうでしょうか。初版の楽譜がどういう組み方をしていたかはわかりませんが、「さようなら」の直前に、二人の肖像である2曲を見開きで置いたというわけです・・・。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：・・・「さようなら」の前の、二人の肖像画？！</p>

<p><span class="koho">広報</span>：うわ。それ、辛いですね。痛いですね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：耐えられない辛さです！（自分で提案しておきながら、めずらしく声を張る）子どもが弾くには刺激が強すぎやしないか！
</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：もし「せきれい」がブルグミュラー自身の投影だったとすると、なにかこう、この曲調は、自分を道化的に描いているようにも思えますね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうですね。軽やかな音型は、あえておどけて見せているようにも見えます。そして、曲自体の存在感は、控え目ですね。ああ、せつない。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：となると、なおさら次の「さようなら」は、本当に重い曲です。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：「せきれい」から「さようなら」を弾き始めるまで、気持ちの持って行き方がこれまでよくわからなかったのですが、このドラマ性に気付いてしまった今、大変な重みがあるように思えてきました。</p>



<div class="atogaki">
<strong>＊ 第十回　Tendre fleur、La bergeronnette　後記＊</strong>
<hr size="1" noshade>
　<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/02/18_10285.html">前回</a>に引き続き、この二曲についての発見もあまりに切なく、３人は何度となく言葉につまり、ため息をついた。前半の頂点とも言える作品、第12番「さようなら」に向けて、密かに築き上げられていたドラマ性と、かわいらしい小品に隠された男女の姿。軽やかな花びらに、不安定に身を寄せきれない鳥は、まるで自嘲するかのように、小さく歌い始め、何かの主張を残すかのようにフォルテで終わったのだろうか。鼎談での話の流れから、今回は２作品続けての内容としました。</div>


]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>２５曲を斬る！第０９回　La chasse　秘められた痛み</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2010/02/18_10285.html" />
    <id>tag:www.piano.or.jp,2010:/report/02soc/bma//31.10285</id>

    <published>2010-02-18T07:59:45Z</published>
    <updated>2010-04-02T08:18:08Z</updated>

    <summary>ブルグ２５斬「狩猟」。この良作の中に忍び込んだ異質な「悲しみ」とは？</summary>
    <author>
        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="05 「25」を斬る" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
<img src="/report/02soc/bma/images/25_title02.gif"></div>

<div class="t1">第九回　La chasse&#65374;秘められた痛み</div>

<p>♪ 第９曲目　<a href="http://www.youtube.com/watch?v=vNElw-J5nmQ">La chasse　狩猟：YouTube（音声のみ）</a> 　演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a> ♪</p>


<div class="t2">腑に落ちない"異質"なもの</div>

<p><span class="koho">広報</span>：さて、狩猟です。ここでまたちょっと雰囲気がガラリと変わります。この曲から見開き２ページになる版も多いのではないでしょうか。そしてまた、出だしの和音でファンファーレというものに出会うんですね。まぁ活き活きとしています。構成にもメリハリあって、よく作られていますよ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：いや、ちょっと待ってください。このイ短調の中間部（29&#65374;36小節目）、ドレンテdolente。ここは一体、何を思い描いているんですかね？</p>



<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="譜例：狩猟27小節目&#65374;" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/25-9_furei01.gif" width="489" height="248" class="mt-image-none" style="" /></span>
<div class="furei">譜例：狩猟27小節目&#65374; </div>


<p><span class="fujita">藤田</span>：そうね。ドレンテってけっこう重いですよ。「悲痛に」ですから、楽典の回答的に言えば。そんなに狩がイヤだったのか？</p>

<p><span class="koho">広報</span>：確かに、曲の展開としては面白いのだけど、何がいきなり起こったのか、想像しにくいですねぇ。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ここは謎ですね。本当にね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：その前にハ短調に転調している部分（13&#65374;20小節目）がありますけど、ここはまだわかりやすいよね。例えば、奥深い森の中に入って行ったのかなぁ、とか。</p>
 


<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="譜例：狩猟、13小節目からハ短調に移調" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/25-9_furei02.gif" width="493" height="230" class="mt-image-none" style="" /></span>
<div class="furei">譜例：狩猟、13小節目からハ短調に移調</div>



<p><span class="kaicho">会長</span>：そうそう。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：でもこのイ短調のところはハッキリしない。何かの追憶のようにも思えるけれど、狩をしに来て、一体何を追憶しているのか？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：しかも、表情をかなりつけろってわけでしょ？ドレンテという強い指示ですから。ちょっと天気が悪くなったぐらいには思えない表情ですからね。ここは。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：内省的ですしね。どうしたんだろう。情緒不安定？</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：なんとなく、「死」のイメージすら漂いますよ。だって、「悲痛」なんですよ。痛いんですよ。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：う&#65374;ん・・・</p>

<p><span class="koho">広報</span>：失恋？</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>・<span class="fujita">藤田</span>：？？？</p>

<p><span class="koho">広報</span>：だって、胸が痛む状況なんて、失恋とかぴったりじゃないですか？誰かを忘れるために狩に来てるとか。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：う&#65374;ん。あるいは、狩につれてきた狩猟犬が、発砲事故で死んだとか？！あ、痛すぎるか。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：それは痛すぎるね。やっぱりそれだったら、葬送のリズムが来るでしょう。タタタターン、タタタターン・・・とか。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そうか。これどうしたらいいかな。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：その前のハ短調への転調のところにも、ウン・ポコ・アジタートun poco agitato（少し激して）ってありますね。アジタートってところが何かひっかかります。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：いい所に気がつかれましたね。ブルグがアジタートを使うときって、相当なんですよ！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：でしょう？</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：私ちょっと検証したんですよ。アジタート使う曲をね。メンタル的に相当きてるような感じなんですよ。なんつったらいいかな。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：なんか背負ってる感じですかね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そうそう。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：う&#65374;ん、でもまだなんか、つかめない。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ストンと落ちないですね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：とにかくすごく明暗のはっきりした曲ですね。躁鬱ぐらいな。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：dolenteのところはしかも、繰り返し記号がついていますからね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：う&#65374;&#65374;ん、わからないなぁ！！</p>

<div class="t2">隠された暗号の発見</div>

<p><span class="kaicho">会長</span>：あ・・・今ふと思ったんですが、ここの悲痛の種というのは、もしかして、2曲飛んだ先の作品12番「さようなら」と関連しているといったことはないですかね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：えっ！！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：あっ！！</p>

<p><span class="koho">広報</span>：もしや・・・別れの悲劇を予見している？！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：その可能性はあるね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ある！</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ありますか？！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：だって、見て下さい。この伴奏形は、確実に近い！</p>

 

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="25-9_furei03.gif" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/25-9_furei03.gif" width="448" height="115" class="mt-image-none" style="" /></span>
<div class="furei">譜例：狩猟27&#65374;30小節目</div>


<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="25-9_furei04.gif" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/25-9_furei04.gif" width="500" height="121" class="mt-image-none" style="" /></span>
 
<div class="furei">譜例：さようなら17&#65374;18小節目</div>

<p><span class="koho">広報</span>：和声もI-IV-Iという動きで同じ。あ、しかも、この旋律・・・。ミーラードーシーラと、ソーミードーラーソ・・・どこか相似関係にあるというか。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：よく似ているね・・・調性的には明と暗のコントラストだ。ひょっとして、この２曲は結びついているのでは？だってそうじゃないと、おかしいくらいですよ。「狩猟」でこれほどのドレンテをおくのは、不自然になりますから。</p>
 
<p><span class="kaicho">会長</span>：しかも、「狩猟」で登場したun poco agitatoが、「さようなら」ではモルト・アジタートmolto agitato（もっと激して）となって再び現れていますね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：やはり。関連性はもはや否定できないですね。明らかにこの「狩猟」の中でのイ短調ドレンテは異質なんですよ。これは、回想です。まさに、失われた時を描いているんです。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：え、でも、９番「狩猟」の方が12番「さようなら」よりも先に登場する曲ですよ？別れの予見、ということではなく、むしろ回想なんですか？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そこです。本当はもしかしたら、「狩猟」の中にこのdolenteの部分はなかったかもしれません。</p>

<p><span class="koho">広報</span>・<span class="kaicho">会長</span>：ええっ！？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：最初のページ、28小節目のすぐ後に、45小節目からの角笛のコーダがすぐに続いても違和感なく終われます。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：本当だ！むしろその方が、「狩猟」という曲の雰囲気としては自然な気すらします。13小節目ですでにハ短調への転調が置かれているわけだから、もうイ短調への転調は、構造的にはとくに求められていないはずです。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：しかし、あえて登場したイ短調ドレンテは、あまりに突然で異質。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ええ、すごく違和感があります。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：これは明らかに書き足した可能性が強い。恐らくは、後の「さようなら」で、語り尽くせなかった深い悲しみを、秘密の暗号のようにして、後からこの「狩猟」の中に挿入したのかもしれない。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：なんという重構造！！そして、それほどまでの深い悲しみとは！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：このリピート記号も、本当に繰り返してくれというよりも、「ここに秘密のメッセージがあるんだよ」という視覚的な効果をねらったものに見えてくるよね。
</p>
<p><span class="koho">広報</span>：確かにそうですね。曲の流れからしても、繰り返す必要性はあまりないんじゃないかという気持ちになる。1回でも十分なインパクトだし。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：実際のピアノのお稽古だったら、繰り返しは省略というパターンは多いんじゃないかな。子供の頃、繰り返して弾いていた記憶はない。でも・・・今となっては、繰り返したい所ですね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そしてこの「狩猟」のラドミラ（36小節目）、と「さようなら」のラドミラ（16小節目、36&#65374;39小節では繰り返し登場）がね・・・。</p>
 

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="25-9_furei05.gif" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/25-9_furei05.gif" width="200" height="133" class="mt-image-none" style="" /></span>
<div class="furei">譜例：狩猟35&#65374;36小節目</div>


<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="25-9_furei06.gif" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/25-9_furei06.gif" width="199" height="159" class="mt-image-none" style="" /></span> 
<div class="furei">譜例：さようなら16小節目</div>

<p><span class="koho">広報</span>：本当だ&#65374;・・・明らかに関係性を示していましたね。なんかもう怖い。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：気持ち悪い・・・なんて、言っちゃいけない。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：先読みになりますが、「さようなら」の類似箇所、ハ長調の部分（17&#65374;24小節目）は、逆にイ短調の暗さの中に投げ込まれた、明るい異質の音楽ですね。愛する人と別れる以前の日々を回想しているのです。むしろここは、短調で行くことはやっぱりできない。そこまではできないんですよ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ああ、深い！なんという深い悲しみ！</p>

<div class="t2">25の練習曲は１曲ずつ切り離すことはできない</div>


<p><span class="kaicho">会長</span>：これは学会発表並みの発見なのでは？！「狩猟」は、もともとはきっと、その前までの曲と同様に、短い半ページの曲だったんですね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：実際弾いてしまえば、調性関係的には自然だし、曲にメリハリも付くので、結果的には曲としてなんとなく弾けてしまう。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：でも、解釈をしていくと、ここは本当にわかりにくかったところ。そしてさらに「さようなら」という曲の重要性も増しますね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：全部で 25曲ですからほぼ中間に位置するのが「さようなら」です。この曲はキーとなる曲なのかもしれないね。この鼎談での検証はまだ先になりますが。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：これまで検証を進めてきて感ずるに、どうやらこの２５の練習曲は、1曲ずつだけを見ていたのでは、完結できない要素がありますね。「狩猟」というこの1曲だけでは見えてこないものは、一種の、隠された引用ですよね。フェデリコ・モンポウの作品に、ショパンの前奏曲のテーマを用いた変奏曲（「<a href="http://www.piano.or.jp/enc/dictionary/composer/mompou/001308.html">ショパンの主題による変奏曲</a>」）があるんですが、あの作品でも途中にエヴォカシオンといのがあって、そこだけ幻想即興曲のテーマが突然ポッと現れるんですよね。つまり、「ぜんぜん関係ない」っていう断絶が感じられる、そうした亀裂をあえて置くことで、生まれてくるものがあるんですよね。その効果を、ここでも思い出します・・・。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：背中がぞくぞくする話です。ブルグが墓から蘇って後ろにいるような気がします。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ブルグミュラーからの強烈なメッセージに、われわれは今気付き、受け取ってしまったのですね。彼が「さようなら」一曲だけでは語りきれなかったほどの心の痛みが、気付いてくれと言わんばかりに、この「狩猟」に込められていたんですね・・・（半泣）。</p>




<div class="atogaki">
<strong>＊ 第九回　La chasse　後記＊</strong>
<hr size="1" noshade>
　「狩猟」と「さようなら」の関係性が楽譜から浮き上がった瞬間、３人はほぼ同時に絶句した。文字には置ききれない驚愕、狼狽、そして共鳴を感じ取っていただきたい。ブルグミュラーの亡霊がささやくかのごとく、異質に配置されたその音楽から、彼の抱えきれなかった悲しみを、私たちは今受け取った。「さようなら」へとつづく次回の作品はTendre fleur「やさしい花」。ここでも３人はまた、作曲家の心の内へとさらに一歩を進めることになるのだった・・・。次回もお楽しみに。</div>]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>２５曲を斬る！第０８回　La gracieuse 優美</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2009/12/29_10056.html" />
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    <published>2009-12-29T02:49:50Z</published>
    <updated>2010-04-02T08:16:01Z</updated>

    <summary>「優美」なのに、どこかダサい？！</summary>
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        <name>admin</name>
        
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        <category term="05 「25」を斬る" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
<img src="/report/02soc/bma/images/25_title02.gif"></div>


<div class="t1">第八回　La gracieuse 優美</div>

<p>♪ 第８曲目　<a href="http://www.youtube.com/watch?v=yN96c4zFhEQ">La gracieuse 優美：mp3</a> 演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a> ♪</p>



<div class="t2">「優美」なのに、どこかダサい？！</div>


<p><span class="koho">広報</span>：今回は「優美」です。実はこの曲、かつてこのコーナーでアンケートを取ったとき、いまいち人気のない曲でした。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：ほう。少しとらえにくい感じがあるんでしょうか。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：譜面的にもちょっとね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：32分音符、これが子供のころ読みにくかったですね。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：このタータタタタ　タータタタタがなぁ・・・。これってお洒落なんですか？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：いやぁ・・・あんまりお洒落に感じないですね、正直なところね。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：そう。なんかちょっとダサいんですよ。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：うん、でもタイトルは「優美」っていう、このちぐはぐな感じ。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：特にダサいの、7小節目の左手、ドソ♭シの和音が3回続くあたり。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>・<span class="kaicho">会長</span>：あ??（笑）。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：確かに。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：ダサいねぇ。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：残念な感じです。ここもうちょっと変えてくれれば・・・。La gracieuseっていうのは、やっぱり「優美」なんですか？Laってことは、人を指しているってことはありえます？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：あり得ますね。形容詞を名詞化するという方法で。優美な人。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：それだとまだ少し、ピンとくるというか。ブルグ君にとって誰か特定のイメージの人がいたとか・・・</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：（かなり小声で）La gracieuse・・・貴族の階級かなんかで特定の呼び方としてあったのかなぁ、ま、でもここは素直に受け取ってあげたい気もします。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：あと、ここのソも気に食わないなぁ。（12小節目最後の音）</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：そうそう！これね。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：なにこれ？</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：らしからぬ感じがする。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：もしや、この曲も、シニカルな批判的な曲？つまりその、貴族のちゃらちゃら、ふりふりした感じ、でも中身からっぽ、みたいな・・・。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：あ、たしかに、32分音符はふりふりしてます。中身ない感じの。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：・・・いやでもね！素直に受け取ってあげたい気もする。でも・・・</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：揺れますね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：ブルグだったらやっぱりこのあたり（12小節）、少し和声変えてもいいはず。それを単純に、タンタラララ、タンタラララ、ハイ、ハイ、みたいなことにしている。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：あ、この右手と左手のソとソは、「ハイ、ハイ」という返事なんですね？！その前の32分音符が「あたし、綺麗でしょう？綺麗でしょう？」と訴えてくることに対しての・・・</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そう。仕方なく「ハイ、ハイ」と。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：適当な合いの手入れてますねー</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：まずいですね。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：またシニカルな方向に来てしまいましたね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：前回の「澄みきった流れ」で、自然の美しさに対し本当に素直に心を開いているブルグを知った後なので・・・</p>
<p><span class="koho">広報</span>：やっぱり、人工的なものすべてに批判的なのかもしれません、ブルグ。</p>
<br />


<div class="t2">貴族のレッスン風景の描写？！</div>

<p><span class="fujita">藤田</span>：やっぱりこれは、ある階級の、ある「優美な人」なんだね、きっと。その人はブルグのところにピアノを習いに来ているのかもしれない。着飾った貴族の娘さんに対して、教師であるブルグが「ピアノ弾くときに、そのちゃらちゃらした帽子はないだろう？」と、内心思ってるんですよ。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：でも口に出して言えない（笑）。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：それで、このソ、ソ（12小節目）に、呆れて面倒くさい様子が出ているんですね？！でも、こうやって左で裏拍のリズムを取ってあげないと、貴族のお嬢さん、上手に弾けないんですよ。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そう。つまりこのLa gracieuseという曲は、貴族階級のふりふりしたお嬢さんに、ピアノのレッスンを付けてあげている、そういう場面を風刺的に描いている曲なのです。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：左手はきっとブルグ自身なんですね・・・。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：11とか15小節目なんて、もう投げやりだもんね（苦笑）。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：この左手の単純さはね、いかにも怪しいですよ。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：「澄みきった流れ」の左手の単純さとはワケが違う。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：「優美」、これはまた化けの皮をはがしたような気がしますね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：やっぱり素直にばかり、見ていくわけにはいきませんね。「優美」というものの中にこめられている、貴族階級、格差社会に対する見方ですよ。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：またしても「社会」ですね（笑）</p>
<p><span class="koho">広報</span>：どうしても透けて見えてしまうんですね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：いやでも、子供の頃は気付かなかった。でも何か直感的には思うんです。ずいぶんと華美だなぁ、とか。なにか見せ掛けっぽさを感じていたというか。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：うん。それでなのかな。あまり心に残らなかったのは。</p>

<div class="atogaki">
<strong>＊ 第八回　La gracieuse 優美　後記＊</strong>
<hr size="1" noshade>
この曲にそこはかとなく漂う、何かぎこちない美・・・貴族社会がたしなみのためにピアノを弾く姿を風刺しているなどとは、これまた大胆な発想ではありますが、右手と左手の対話がより鮮明に浮き彫りにできるかもしれません。華美な娘さんと、若干シニカルなピアノ教師。一人二役を演じてみようではありませんか。（広報）</div>]]>
        
    </content>
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    <title>２５曲を斬る！第０７回　Courant limpide　清い流れ／澄みきった流れ</title>
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    <published>2009-11-13T06:18:21Z</published>
    <updated>2010-04-02T08:15:34Z</updated>

    <summary>再び歌が流れ出す？大人のためのブルグ第7回は「清い流れ」</summary>
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        <name>admin</name>
        
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
<img src="/report/02soc/bma/images/25_title02.gif"></div>


<div class="t1">第七回　Courant limpide　清い流れ／澄みきった流れ</div>

<p>♪ 第７曲目　<a href="http://www.youtube.com/watch?v=3hzlBgXcuKY">Courant limpide　清い流れ／澄みきった流れ：Youtube</a> 演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a> ♪</p>



<div class="t2">抽象の中にある具象の「流れ」の意味とは？</div>


<p><span class="koho">広報</span>：今回は第7番です。昔ながらの邦題では「清い流れ」。非の打ち所のない綺麗な曲ですよ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：中間部の左手の旋律が綺麗ですよね。前半は左手はソレソレだけなのに、これがまったく投げやりな感じがしない！<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2009/09/11_9315.html">第５回で検証した「無邪気」</a>の♭シド♭シドと比べると、大きく違いますよ。このソレソレは、けっこう勇気がある。８小節続くわけですから。そして後半で動き出す。ブルグって、よく左手がいいんですよ。で、左利きなんじゃないかっていう・・・。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：おお。左利きねぇ。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：左利きの作曲家、っていう系譜って、あります？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：いや、わかんないっすね（笑）いや、ま、確かにブルグは、ピアノの中音域というか、テノールのラインを綺麗に歌わせることしますよね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：ええ。お決まりの「左手は伴奏」みたいなのは、意外と少ない。でも彼の左利き説は、どう検証したらいいの？</p>
<p><span class="koho">広報</span>：かなり難しいでしょう（笑）</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：左利き的感性というのが、あるのかどうか・・・</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：ところで（開き直る）、原題のフランス語limpideとはどんな意味でしょう？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：まぁ、透き通った、という感じですか。新しい邦題は？</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：「澄みきった流れ」です。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：ああ、それは確かにいいですね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：これ、小川な感じえすか？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：ああ、そうでしょうね、Courantですから、そんなにでっかい川ではないでしょう。この曲はやっぱり、前の曲との対比というのが、すごく大きな特徴でしょうね。この曲自体としては特別変にひっかかるようなところはないし、本当にもう素直に書かれていますから。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：前の曲の<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2009/10/12_9506.html">「進歩」は前回検証したとおり</a>、驚くべきかなブルグが歌うのを止めてしまった曲でしたね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そうです。その分この「澄みきった流れ」は、開放されたかのように非常によく歌っています。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：ちなみにこの曲の前後をよく見ると、「<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2009/09/11_9315.html">無邪気</a>」→「<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2009/10/12_9506.html">進歩</a>」→「澄みきった流れ」→「優美」となっていて、前の2曲と後ろ1曲のタイトルは非常に抽象的。その中で「澄みきった流れ」だけは具象的な情景が見えますね。水の描写的なものが。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：そうか。ページをめくるから、抽象の中の具象というこの曲のあり方に気付いていなかったけど、確かにそうですね。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：ええ。無邪気、進歩、優美、この抽象3兄弟のなかに、「流れ」がぽこんと投げられているんです。この役割を考えると面白いですね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：まぁやはり、「<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2009/10/12_9506.html">進歩</a>」でせき止められていた"歌"の流れが、もう一度流れ始める、というのが大きいのではないかと。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：なるほど！</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：フランス語でね、マルグレ・モア malgré moiっていう表現があるのね。「私にもかかわらず」っていう意味なんだけど、「わが意に反して」なんて訳すんです。まさに前回の「進歩」は、歌をせき止めたことで、ブルグがブルグであるにも関わらずブルグであることを止めた曲なんですよ！その後に、もう一度"歌"を・・・みたいなのがこの第7番なんです！</p>
<br />


<div class="t2">自分に戻るとき、人は小声でつぶやき、出直す。</div>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そうか！そうなったときに、つまり、ブルグにもう一度戻るときに、"小川"とか、そういう方向へ行く感じがいいですよね！メンタルなところに向かったりしないあたりが。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そう！すぐに「優美」には行ってしまわないあたりがね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：すぐには行けないんですよね・・・きっと。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：曲の出だしを見ると、ピアニッシモから始まっています。わが意に反したところから、またもとの自分に戻るとき。これはやっぱり、ピアニッシモから入らないと！</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：そう（小声）。回復するにはね、やっぱりこう・・・下げて・・・</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：それでmormorendoなんですよ。まだモゴモゴいい始めるところから回復する。前の曲との関係性から、ここはどうしてもmormorendoなんです。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：そうだよね。「<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2009/10/12_9506.html">進歩</a>」はあんな乱暴なフォルテで終わっちゃったからさ！</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：ああそうか。すごい対比だ。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：実はものすごく劇的な展開だよね、ほんとに。<a href="/enc/dictionary/composer/beethoven/">ベートーヴェン</a>だったら、ここでハイリゲンシュタットの遺書ですよ！</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>・<span class="koho">広報</span>：なんとっ！！</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：今日から出直す！みたいな。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：おお・・・</p>
<p><span class="koho">広報</span>：すごい・・・そんな深遠な心がこの「清い流れ」に込められていたなんて！今まで気付きませんでした。この曲集は25曲中21曲がピアノから始まるんですが、ピアニッシモから始まるのは、この曲とあと「舟歌」だけです。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>："水"に関係する曲なんでしょうかね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：なるほど。今回も発見がありましたね。</p>
<br />


<div class="atogaki">
<strong>＊ 第七回　Courant limpide　後記＊</strong>
<hr size="1" noshade>
malgré moi・・・せき止めてしまった"歌"を、もう一度歌い出そうとする時、その流れは静かでありながら、限りなく澄みきっている・・・。水の流れに見せかけて、それは本当は心の歌の流れだったのかもしれない。美しいト長調の流れを、静かに淡々と紡ぎ出したいものです。（広報）
</div>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>２５曲を斬る！第０６回　Progrès　進歩</title>
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    <published>2009-10-12T06:21:06Z</published>
    <updated>2010-04-02T08:14:59Z</updated>

    <summary>「歌うブルグミュラー」の曲から歌が消えた！？第6番「進歩」</summary>
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        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="05 「25」を斬る" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
<img src="/report/02soc/bma/images/25_title02.gif"></div>


<div class="t1">第六回　Progrès　進歩</div>

<p>♪ 第６曲目　<a href="http://www.youtube.com/watch?v=2QvvnOroEao">Progrès 　進歩：Youtube</a> 演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a> ♪</p>

<div class="t2">とつぜん襲来する抽象的な曲</div>


<p><span class="koho">広報</span>：この曲は、「前進」という邦題を付けている版もたくさんありますね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：このタイトル、どうにも前衛的な感じがします。5番までの曲とはテイストが違う。それを前衛と言っていいのかどうかはわかりませんが・・・。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：「進歩」と言われても、まったく意味不明ですよね。「進歩」を曲のタイトルにしようっていうのが、まずよくわからない。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：原題のProgrèsっていった場合、どうですか？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：まぁ単に、進むっていうことですね。非常に抽象的です。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：楽譜によっては、この曲の挿絵に宇宙の絵が描いてあるんですよね。宇宙服着たキャラクターが付いていたりとか。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：宇宙・・・やっぱり抽象的。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：いわゆるピアノのお稽古的な解釈をしようと思えば、今まで１から5番までを通して、音階も弾けるようになったし、スタッカートもできるようになって、進歩してきたよ、さぁこの曲もやってごらん、みたいなのはありそうね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：一番まっとうな解釈ですかね。進歩というのを自分に引き付けて、自分の領域だけ、ピアノだけに関して捉えた場合ですね。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：そうです。しかしこの鼎談では、ひとつの曲に「世界の縮図」を見てしまうこともあります。今回はいかがでしょう。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：あまりに抽象度が高すぎてね・・・。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：曲の内容を見てみると、出だしの右と左が三度で駆け上がる音型はすごく印象的なんですが、実は全体に4回しか出てきてないんですね。それよりもスラーとスタッカートによる音型の方が多い。後半のシンコペーションのリズムとかも特徴的。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：ここ、ちぐはぐになるんだよね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：手ごわいですね。しかし、解釈もなかなか足をつかませてくれない曲だな。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：私が常々この曲に感じてきたことを申し上げてもいいですか？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>・<span class="koho">広報</span>：ええ、どうぞ。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：１番の「すなおな心」から5番「無邪気」までは、ヨーロッパの香りが漂うなぁと思うんです。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そうですね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：しかし、この「進歩」を聞いたとき、急に「アメリカが来たな！」という感じが。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>・<span class="koho">広報</span>：アメリカ！！</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：すごく違和感を覚えたんですよね。「あれ、ブルグミュラーって、いつのどこの国の人だっけ？」と急にわからなくなったというか。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：なるほど。ちょっとニューヨーク気取ってる感じ？</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：当時のパリから見たアメリカの印象、とでも言おうか。曲が書かれたのは1851年。アメリカは、発展途上だったかな。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：かなり力をつけて来ている頃じゃないですか？ドヴォルザークがアメリカにわたるころにはもう、アメリカが交響曲の主題にもなるくらいですから。<br />　となると、この「進歩」という曲、資本主義的なにおいがしてきましたね。ベルトコンベアー的な感じとか。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：資本主義的！そうですね。これらのスタッカートの音型もマシーンのような感じで、スラーの音型も、まさにベルトコンベアーで運ばれていくような。その意味で、宇宙の絵を付けたくなるのもわかります。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ああ、NASA的なね。じゃあ、タイトルは「資本主義」ということで。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>・<span class="koho">広報</span>：（爆笑）</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：この曲はとっかかりのないところが、とっかかりのようですね。これまでの曲は人間的な解釈ができたんですが、この曲はそういう余地がない。このシンコペーションも非常に人工的な感じがするんですよ。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：そうなんです。ですから、ここに気持ち寄り添うことができないんです。最後の小節のミミミミミとかなんて。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：チャップリンの映画の《モダンタイムス》で、機械に挟まれて運ばれちゃうシーンのイメージ。機械がカチカチいって。それがここのシンコペーション。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：勝手に運ばれて行っちゃう感じ。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：ヨーロッパの古い世界から見た新しい世界が、どう見えていたかって言う。その意味でのProgrès。そういう裏の意味がある。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：つまりこれは、資本主義の機械的な流れに対して警鐘を鳴らしている曲なのでは？！</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そうかもしれない！いや、そうですよこの最後のシンコペーションの意味が今わかりました。ここは弾きにくいよね。違和感あるよね。おそらくアメリカ文化の中で育った若者にとっては、どうということもないのかもしれない。しかし、もっとこう、人間的な文化の中に育ったからには、どうしても違和感がある。つまり、進歩には違和感が伴うんだっていうことを示している。強烈な政治的主張ですよ、これは！</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：すっごいメッセージがこめられてました（笑）。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：一種の、裏側からのアンガージュなんです。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：これ、シニカルな曲だったんすね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：しかしだね、ブルグとしたら、ここに非常に機械的な曲を配置することで、むしろ「音楽というのはテクニックじゃないんだよ」ということを、裏側から提示してるんですよ。6番まで来て、「君ちょっと、鼻高くなってない？」みたいな。「テクニックだけで作っちゃうと、こうなっちゃうんだよ！」という。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：シンコペーションだって、こんなに弾きにくくなっちゃうんだよ！と。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：それで、次の「清い流れ」に行くわけ。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：おお。よどみなく流れる「清い流れ」ね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：これはすごいよ。もう、構成美だよ。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：私は今日、反省することがたくさんあります。私はある意味「アメリカ文化」の中で育ちましたよ。資本主義の流れの中で、音楽だって某音楽教室でシステマティックに合理的に学びましたし。ですから、正直この「進歩」は好きな曲でした。弾いていて気持ちよかったし。シンコペーションだって、のりのりで弾いてました。でも今気付きました。いやぁ、危なかった（笑）。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：よかった、気付いてくれて。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：広報は北海道育ちで、ある意味アメリカンな文化あるよね？開拓的な、フロンティアな土壌。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：そうね。疑問もたずに。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：私は埼玉ですから、埼玉からすると、この曲は突然の「アメリカ」なんですよ。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：黒船が来ましたか。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そうね、合理主義という名のアメリカがね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：だから、気持ちより添えない曲だった。前の「無邪気」までは気持ちで歌えてたのに。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：そうか。私は大人になってから、この曲弾きにくくなったな。子供だと、それこそ無邪気に弾けた。でも大人になって、資本主義の怖さがわかったのかな。格差も味わってね。負ける気持ちとかも知るようになって、弾きにくくなったのね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：大人になってからのほうが弾きにくい、っていうのはあるね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：そう考えると、邦題は「前進」よりも、「進歩」がいい感じします。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：「前進」だと、ムダにポジティヴな意味が入っちゃうものね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：うん、「進歩」の方が、深い。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：警鐘を鳴らす批判的な曲ですからね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：人工的な香りに満ちた曲ですからね。</p>
<br />

<div class="t2">ブルグから"歌"が消えた？！</div>

<p><span class="kaicho">会長</span>：この曲、表情付けるの難しいかも。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：無表情でいくしかない。無表情であることがこの曲の表情、みたいな。恐ろしいね。だって、歌が消えた曲ですよ？</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：しかも、ブルグなんて歌わせてナンボっていう作曲家でしょう？彼の曲から歌が消えたっていうのは、これはもう大事件ですよ！よっぽどのことですよ！</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：いかばかりの傷の深さか。ブルグらしからぬ、っていうところが大きいね。だからむしろレッスンとかでも「ここはもっと歌って」とか、先生が楽譜に書き込んだりしちゃどうか、っていう。「歌っちゃダメ」って書かないと。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：ノン・カンタービレ。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：「今歌っちゃったでしょ。ダメよ、歌っちゃダメ。」そんな厳しいレッスン、むしろすごい。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：それできたら、むしろすごい表現の幅が広がるでしょう。なんでもかんでも「歌って」ですから。突然「歌っちゃいけない」なんて言われたら、子供にとっては青天の霹靂でしょう！</p>
<p><span class="koho">広報</span>：感情を押し殺すような、そういうコントロール力を鍛えられますよ。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：いやぁ。そこまでやらせるか、ブルグ・・・。やはり、真の芸術家たろうとするならば、本当に信じたときにだけ、歌う。「今は歌えないんだ！」っていうことがないとだめ。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：その主張ができるって、大事なことですよね？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：だから、ブルグもここで試してきてるね。歌わなきゃいけないんだと思っているところに、歌えないような曲を持ってくる。これすごい。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：ある意味賭けですよ。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：その意味では、これは前衛的な曲ですよ。なんでも歌歌歌歌って言われているロマン派の時代にあって、抽象的なProgrès　って。自分のロマン性をいかに剥ぎ取れるかっていう実験は、なかなかできないことですよ。自らが生まれ育った文化を、自らが否定してるわけ。これは、相当芯が強くないとできない。また、そうした歌の文化に相当強い愛がないと、できない。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：25曲の中でもやっぱり異質ですね。挑戦状のようなものですね。</p>

<div class="atogaki">
<strong>＊ 第六回　Progrès　後記＊</strong>
<hr size="1" noshade>
　まさかの挑戦状を受け取った。これまでの鼎談の中でももっとも過激（？）な議論となったこの「進歩」。その人工的な無表情の「表現」に、「今は歌えないんだ！」という強い意志をもって臨みたい。（広報）
</div>]]>
        
    </content>
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    <title>特別番外編　祝！ハノン生誕190年記念　第０３回</title>
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    <published>2009-09-18T07:51:19Z</published>
    <updated>2009-09-18T09:14:25Z</updated>

    <summary>「ハノンピアノ教本」いわゆる「ハノン」にみる、体力と根気と集中力</summary>
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        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="03 番外編・資料" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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<table summary="タイトル" class="t1"><tr><td>
第3回　『ハノン』検証
</td></tr></table>

<div style="text-align: right;font-size:1.2em;margin-bottom:10px;">ぶるぐ協会会長　前島　美保</div>

<p><a href="/report/02soc/bma/2009/09/04_9284.html">前回</a>触れたようなハノンの作品は、通常我々の目には触れないものです。普通「ハノン」と言えば『ハノンピアノ教本』（Le Pianiste Virtuose。以下『ハノン』）を指します。私は子供時代から音大受験まですっかり『ハノン』にお世話になった一人ですが、この教本自体をじっくり検証する機会がこれまでありませんでした。毎ページごと飛び込んでくる真っ黒な16分音符に圧倒されてしまって、実際それどころではなかったのも事実です。今回は一歩ひいたところからこの曲集を眺め渡し、作曲家ハノンに肉薄していきたいと思います。</p>

<p>まず「序」。<br />
ここではピアノ学習者にとっての指の訓練の大切さが切々と説かれています。毎日の訓練により、指や手首の堅苦しさや疲れから解放されるとのことで、全巻は一時間で弾けるとあります。「あとがき」ではさらに進んで、一日に一度、全60番を弾くすすめが説かれます（英語版を見る限り、「全部」とは言っていないような気がしますが......）。そうすることでピアニストとしての技術面での上達が約束されるとありますが、無意識に技術面だけでなく精神面での充実も目指していたような気がします。注目に値するのは、ハノンがこの練習曲を作曲した時点で、数台のピアノで同時に弾くことを想定していたらしいことです。なかなかスケールが大きいと言わざるを得ません。全巻を数台で連弾したら、一体どんな音空間が広がるのでしょうか。また「序」には、無味乾燥さをふせぐため曲の面白さを考えて曲集を作った、ともあります。後世の我々が抱く『ハノン』のイメージとは異なる作曲意図が感じられ、非常に興味深いです。<br />
「序」に続いて「変奏例」が並びます。注目したいのは、各練習曲を移調して練習するよう促していることです。こうすることでこの曲集は無限の広がりをもちます（なお、ペータース版では、別に社独自の変奏例も掲載されていたりします）。また、見逃せないのは、ハノンが崇拝するパリ国立音楽院べリオ教授が大変賞賛したという練習法が紹介されていることです。実は、この先もページをめくっていくと思わぬ人物に遭遇します。まず<a href="/enc/dictionary/composer/mozart_a/">モーツァルト</a>。46番に、<a href="/enc/dictionary/composer/mozart_a/">モーツァルト</a>がトリルの練習に用いていたという指使いが紹介されています。この「モーツァルト」が<a href="/enc/dictionary/composer/mozart_a/">W. A. モーツァルト</a>（1756&#65374;91）だとすると、ハノン（1819&#65374;1900）にとっては歴史上の人物です。<a href="/enc/dictionary/composer/mozart_a/">モーツァルト</a>の運指法の伝承が何らかの形で伝わっていたのでしょうか。また、46番の最後には<a href="http://www.piano.or.jp/enc/dictionary/composer/thalberg/index.html">タールベルク</a>のトリルの指使いというのも見えます。<a href="http://www.piano.or.jp/enc/dictionary/composer/thalberg/index.html">S. タールベルク</a>（1812&#65374;71）は、ハノンと同世代で、当時リストと張り合うほどのヴィルトゥオーソとして有名だったピアニストです。かつての著名な作曲家や同時代の演奏家による指の訓練法や運指法をも収載し、再構成したのが『ハノン』と言えるのかもしれません。</p>

<br />


<div class="t2">46番（最後）（<a href="/enc/dictionary/composer/mozart_a/">モーツァルト</a>と<a href="http://www.piano.or.jp/enc/dictionary/composer/thalberg/index.html">タールベルク</a>の運指に注目！）</div>


<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="ハノン　第3回譜例" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/090918_furei.gif" width="650" height="324" class="mt-image-none" style="margin-bottom:30px" /></span>


<p>やや横道に逸れました。さて、次からが本編。あらためて見てみますと、この曲集は全体が三部構成になっていることに気づきます。第一部は半ページずつで20番まで。5指の独立を目指したおなじみの練習曲がならんでいます。21番からは第二部となり、第一部に準じた練習曲が続いた後、音階・アルペジオの練習が目白押し。44番から第三部となり、同音連続、三度和音、オクターブの音階練習と続き、難易度と手にかかる負荷は最終ページに向かって増していきます。ご存知のように、とにかくこの曲集は全編ストイックです。至るところに繰り返し記号が付され、必要に応じて何度でも繰り返すことができるように工夫されています。いや、ハノンはそれすら細かく指示を与えてきます。たとえば、2番が弾けるようになったら、1番2番を続けて4回練習せよとあります。3番の練習に入る前に1番2番を止まらずに1，2回弾きます。3番4番5番が練習できたら、3番4番5番と続けて4回弾きます。徹頭徹尾このような具合で、少しも我々の気の緩む暇がありません（私は試みにこの曲集を片手に入浴し、ハノンの指示に従ってページを繰ってみましたが、最後には完全にのぼせました）。<br />
そんなストイックの権化ハノンですが、少し人間的な一面を見せる曲があります。最終曲60番のトレモロです。32分音符の厚みのある両手和音のトレモロにはゆるやかな和声付けと細かな強弱記号が付されており、そのグラデーションの妙を指から感じ取ることができます。この曲は大きくA(C dur) -B (a moll) -A (C dur) で構成され、短調の長く深い（左手は鍵盤最低音にまで達します）中間部から再びAに戻ってきた時の安堵感とCodaへ向けての昂揚感は、この曲集の最後になってようやくハノンからもらえた肉体的疲労をともなった最高のご褒美のようですらあります。</p>


<br />

<div class="t2">60番（冒頭）</div>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="ハノン第3回譜例２" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/090918_furei2.gif" width="650" height="431" class="mt-image-none" style="margin-bottom:30px" /></span>

<p>我々にこれほど集中力と忍耐力を強いる『ハノン』には脱帽するばかりです。これを作曲するのも相当の体力と根気と並外れた集中力がいったに違いありません。もちろんさきほど述べたように、この曲集は一部先人や同時代人などのノウハウを継承した跡がみられることからすべてがハノンの独創とも思われませんが、このように体系的に編集し再構成すること自体容易なことではなく、1番から60番までページを繰ってみると、ハノンもまた心血を注いでこの曲集を生み出したことが改めて痛感させられるのです。<br />
しかし、ハノンはなぜそこまでしてこのピアノ教本を書いたのでしょうか。その動機や経緯の詳細は依然なぞのままです。またPhilippe Rougierが言うように、この教本は同類教本に比べて本当にシンプルなものなのでしょうか（<a href="/report/02soc/bma/2009/09/04_9284.html">第2回</a>参照）。彼の生涯と作品の全貌、そして彼をとりまく時代や環境を見通したときに初めて『ハノン』が位置づけられる気がします。我々は今後も引き続きハノンについて追跡していくつもりです。</p>

<div style="text-align: right;">（文・前島美保）</div>
]]>
        
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    <title>２５曲を斬る！第０５回　Innocence　無邪気 ~ 対比からちらつく&quot;Innocence&quot;とは</title>
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    <published>2009-09-11T06:55:14Z</published>
    <updated>2010-04-02T08:14:20Z</updated>

    <summary>無表情な♭シド♭シド。そのココロは「もう、しらない！？」</summary>
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        <name>admin</name>
        
    </author>
    
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
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<div class="t1">第五回　Innocence　無邪気&#65374;　対比からちらつく"Innocence"とは</div>


<p>♪ 第５曲目　<a href="http://www.youtube.com/watch?v=IV3B60ELCEs">Innocence　無邪気：Youtube</a> 演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a> ♪</p>

<div class="t2">「無邪気」っぽさの演出？！</div>




<p><span class="koho">広報</span>：さぁ、「無邪気」ですね。</p>
<p>（一同しばし沈黙）</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：...うぅん。まぁ、よく書けてるんじゃないですか？</p>
<p><span class="koho">広報</span>：いいですよね。前半の半音使いなんかは洒落てます。ただ私はですね、中間部のですねぇ...</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：（吹き出し笑い）</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ああ。このダンス。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：はい、そうです。2番括弧のあとの10小節目からの、なんというか、バカっぽさみたいなのが、ちょっと気になりますねぇ。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：なりますなります。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：確かに。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：ここは、右手もさることながら、左手がね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：左がね！！！！</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：だって、前半でさんざん左手は和音で語ってきたのに。これ・・・♭シド♭シド♭シドって、キツぃ・・・</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：この無表情っぷりはないよね！たまたま昨日、ラン・ラン（※中国人ピアニスト。表現力豊かな演奏で人気。特に弾いている最中の顔の表情はものすごい）の演奏をテレビで見たんだけど、ここはちょっと、ラン・ランでもどうしようもないんじゃないの。♭シド♭シド始まったら、ちょっとここだけは映さないで、みたいな。ぼく顔できないから、みたいな（笑）。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：こまりますねぇ。ここの表現は、どうしたらいいんでしょうか。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：前半には本当に豊かな内声がありながら！どうしましょう、これ。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：明らかにここの4小節が...</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：これ、違う人が書いたんじゃないの？</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：（爆笑）ここだけ？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：いや、この4小節だけっていうより、後半全体が非常に薄いと思うんですよ、前半の力に比べたら。
<p><span class="kaicho">会長</span>：そう！</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：これはまるで、モーツァルトのレクイエムを聴いて「あ、ここからは別の人が書いたな」ってすぐにわかるように、何かそういう違いすら感じますねぇ。ホントは前半の9小節目までだったんじゃないの？この曲。でも出版の都合で「1曲1ページで」とか言われて、ちょっと足したとか。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：なるほど。じゃないと解せないですね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：だいたいね、10&#65374;11小節の右手の繰り返しを、12&#65374;13小節目で単に１オクターブ上げるだけっていうのも、なんかブルグらしくないんですよ。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：そうですよ、らしくないですよ。１オクターブ上げるだけなんて。そんな手では、ごまかされないですよ、こっちは。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そんなこと、する？ブルグ。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：あ...でも、それがむしろ、狙いかな。だって、「無邪気」ですから。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：...あああっ！！そうね。「無邪気」ですからね。あああ。なるほど！</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：うん。「みんなほら、いろいろ裏読もうとするでしょ？でも『無邪気』なんだよ」みたいな。...苦しいかな。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：いや、その線はあるね！ブルグ、自分が無邪気なんかじゃないこと、わかってるから。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：うん。わかってるから。「『無邪気』って、こんな。でしょ？」みたいな。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そう！「こんな感じだろ？『無邪気』って」って。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：...意外と冷笑家だね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>　<span class="kaicho">会長</span>：（爆笑）</p>
<p><span class="koho">広報</span>：すごい。怖い曲になってきたー。この連載「大人のため」だけに、こんな話、子供には聞かせられないよ（笑）</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：早すぎる早すぎる（笑）</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：いやむしろ、こういうことを、自分で実感して見つけられるようにならないとダメね。大人から聞いて、口真似だけするようではね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：うん。そう。でも案外、子供はわかってるから。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：ああ、そうね。子供は結構わかってるんだよね。</p>

<br />

<div class="t2">タイトルは「もう、知らない」？！</div>

<p><span class="fujita">藤田</span>：この前半の書法ね。例えば、冒頭の右手なんかは、ただ降りてくるだけじゃなくて、行きつ戻りつしながら降りてくる。7小節目では半音を使って特徴的なアクセントの音型が出てきたり、こういった作り方っていうのは、ショパンと同類の非常に繊細なピアノ書法ですよね。だからこそ、この後半との対比が目立っちゃう。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：目立ってますねぇ、かなり。ワル目立ち。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：これさぁ。わざとじゃない？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：うん。これ、わざとじゃないとは言えないね！</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：ね。後半、どれだけ「バカっぽさ」を出せるかっていう。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：なるほど。後半の14節目を見ても、単なる順次進行でただ降りてくる。前半は行きつ戻りつで「ためらい」を見せていたのに。どうも、途中で何かに気が付いて、前半でのこと、後半でぱたっと「やめた」って感じがします。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：ああ、ほんとですね。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：人間あるじゃないですか、そういうこと。一生懸命いろんなこと考えてきて、仕事したり、人に対して気を遣ったりさ、ああ自分は毎日こんなに頑張ってるなぁ、なんて思っても、あんまり報われなかったり周りが自分勝手だったりだと、ある瞬間キレて、「あああもぉやめたやめた！！」ってなること。あるじゃないですか。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：ああ、そうね！あるある（笑）</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：確かにね！</p>
<p><span class="koho">広報</span>：大人だって、キレるんですよ！もうやめてやる！って思う瞬間もあるんですよ！どんなに頑張ってきてもね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：そうですよ！そんな状況ならもう、♭シド♭シドだよ！</p>
<p><span class="koho">広報</span>：ええ！もう、バカバカしくって、♭シド♭シドですよ！前半のためらいなんてもう捨てて、後半は♭シド♭シド、「もういいんだ！もういいんだ！」ってなりますよ！</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：なるほど！</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そうか。では、曲のタイトル Innocenceは、「もう、知らない」、だね。 </p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：！！！ </p>
<p><span class="koho">広報</span>：タイトルは「もう、知らない」！そうか！そういう意味だったのか！？</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そうです。この前半と後半の対比の意味を解釈したら、もうそれしかあり得ません。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：いやぁ...驚いた。「もう、知らない」...か。そっか、そうですよね。後半ちょっと、気がふれてる感じありますもん。前半まったく匂わせてないのに。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：そうよね、ものすごくエレガントですよ、前半は。大人としてちゃんと振舞えてるもん。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：そう。2番括弧までは振舞えてます。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：でも10小節目で突然キレた。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：そりゃleggieroにもなるよね（笑）。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：自由になっちゃった。最終小節は、最後の16&#65374;17小節は、もう投げやりな気分すらあります。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：「もう、知らない！」の和音です。出だしからすると、この曲最後はこんな風に終わるなんて予想がつかない。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：25曲中、他の曲は結構まとまりがあるのにね。</p>
<p><span class="kaicho">会長</span>：見渡せてない感じがある。これだけは、「もう、知らない」ですよ。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：あぁ、今回も気付いてしまいましたね。</p>
<p><span class="fujita">藤田</span>：気付いてしまいましたよ、これは。ちなみに原題のフランス語Innocenceには、「無罪」っていう意味もあるんです。</p>
<p><span class="koho">広報</span>：「もう、知らない！僕は悪くないもん！」、で、無罪（笑）。</p>
<br />






<div class="atogaki">
<strong>＊ 第五回　Innocence　後記＊</strong>
<hr size="1" noshade>
前半と後半の対比は、楽譜を眺めれば眺めるほど歴然としてくる。左手の和音の薄さだけでもなんと明白なことか。でも、そんなことがあってもいい。時には投げやりになる日があってもいい。大人になりきれなくたって、時には「無邪気」に振る舞うことも人生には大切なんである。これは、そんなことを教えてくれる一曲なのかも知れない。最後の「もう、知らない」の和音ですが、演奏上は投げやりにならず、丁寧に弾きましょう。それが大人ってものです。

</div>

<br /><br />

<h3>※コンサートのお知らせ</h3>
<p>ぶるぐ協会では、来る2009年9月23日に第二回目のコンサートを開催します。今回はC.L.ハノンの生誕190周年を記念し、おそらく今日ほとんど聞かれることのない彼の練習曲以外の作品をお楽しみいただきます。ブルグミュラー作品は12と18の練習曲、そしてバレエ音楽にもなっている「レーゲンスブルクの思い出」など。連弾あり、トークありの盛りだくさんの２時間です。</p>

<p>とき：2009年9月23日（水・祝）午後1：30会場　2：00開演<br />
ところ：東京文化会館４階音楽資料室鑑賞室（JR上野駅公園口すぐ）<br />
入場：無料　（お席に限りがございます。整理券予約はburgmuller25@gmail.comまで）<br />
演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a>・<a href="/enc/pianist/0194.html">須藤英子</a><br />
お話：飯田有抄（ぶるぐ協会広報）<br />
企画構成：前島美保（ぶるぐ協会会長）</p>

]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>特別番外編　祝！ハノン生誕190年記念　第０２回</title>
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    <published>2009-09-04T05:49:29Z</published>
    <updated>2009-09-04T04:35:59Z</updated>

    <summary>ハノン生誕190年記念特集第２回　その生涯と知られざる作品に触れる！</summary>
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        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="03 番外編・資料" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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<table summary="タイトル" class="t1"><tr><td>
第2回　ハノン、その人とその作品
</td></tr></table>

<div style="text-align: right;font-size:1.2em;margin-bottom:10px;">ぶるぐ協会会長　前島　美保</div>
<p>
<a href="/enc/dictionary/composer/burgmuller/">ブルグミュラー</a>や<a href="/enc/dictionary/composer/bayer/">バイエル</a>同様、<a href="/enc/dictionary/composer/hanon/">ハノン</a>が作曲家であると認識したのは小学校を卒業してからでした。いや正直なことを申し上げれば、『ハノンピアノ教本』（以下『ハノン』）以外の作品に触れなければ何やら人間とは解しがたい、私にとってハノンは一貫してそんな存在でした。今回はハノンの生涯と作品に触れながら、人としてのハノンを造形していきたいと思います。</p><br />


<div  class="t2">生涯</div>
<p>とはいえ、今のところ典拠は限られています。ここでは『ニューグローヴ世界音楽大事典』（第2版）の「ハノンの項目（Philippe Rougier執筆）を拠りどころにとりあえず話を進めていきます。
Charles-Louis Hanon （シャルル・ルイ・アノン。日本ではもっぱら「ハノン」と呼ばれてきました）は、1819年7月2日フランスのルヌスキュールで生まれました。1820年生まれ説もあるようです（『音楽大事典』平凡社）。敬虔なカトリックの家に生まれ、地元のオルガン奏者に就いて学んだ後、1846年27歳の時にブーローニュ・シュメール・メールに移り、1853年まで合唱指揮者兼オルガニストを勤めました。その後は兄弟で歌やピアノを個人的に教えたり、時にはオルガンを弾いたりしていたようで、この頃から自分の作品を世に送り出したとみられています。フランシスコ派の第三階位や国際的慈善事業団体の聖ヴァンサン・ドゥ・ポール協会の会員として、敬虔で奉仕的人生を送ったその背景には、彼の「極端に保守的な性格（ultra-conservative in nature）が見え隠れするようです。ハノンの作品はすべて教育的配慮の行き届いたものや大衆性をめざしたもので、その発想は宗教的で道徳的なものが多いとPhilippe Rougierは述べています。その実、ピアノやオルガンの伴奏法のメソッドや教会用の賛歌の作曲が知られており、単旋聖歌の伴奏法を著した『Systeme nouveau pour apprendre a accompagner le plain-chant』（1859）という教本の功績から、ローマ法王より「マエストロ」の称号を授かっています。『ハノン』（Le Pianiste Virtuose）もこうした教本の一。『ハノン』は1873年、ハノンが54歳の時に地元ブーローニュで出版されました。この出来事は彼にとって転機となったに違いありません。というのも、この曲集、ハノン存命中よりパリ音楽院で用いられた上に、頻繁に版を重ね、諸言語に翻訳されているからです（英語版は1894年）。『ハノン』が受け入れられた理由を、Philippe Rougierは、当時のほかの教則本よりもシンプルだったからと分析しています。ハノンは教本類のほかにもイタリアオペラのアリアや、ドイツ作曲家のサロン曲なども編曲していたようです。1900年3月19日、90歳で亡くなるまで、ブーローニュ・シュメール・メールで暮らしていたと思われます。</p><br />

<div class="t2">大英図書館所蔵のハノン作品</div>
<p>さて、今、最も我々の興味関心をひくのはこうした教本類というよりむしろ、ハノンがある想いや感情を託した作品群ではないでしょうか。記念年の今年、こんな機会はめったにないということで、大英図書館からハノンの楽譜をいくつか取り寄せました。教則本やオルガン曲などを除く7本、計121ページ。取り寄せた楽譜は以下の通りです。</p>

<ul class="list">
<li>Le Bourriquet de la Mere Gregoire, rondo brillant pour Piano (1865)</li>
<li>Souvenirs de Suisse, fantasie pour Piano (1865)</li>
<li>You, you, pastorale pour Piano (1865)</li>
<li>Stella Napolitana, tarentelle, caprice de genre pour Piano (1866)</li>
<li>Souvenirs de Bretagne, fantasie brillante sur des airs populaires Bretons, pour Piano (1868)</li>
<li>Un Reve de Bonheur, caprice pour Piano (1872)</li>
<li>Six Fantaisies elegantes sur les plus beaux Motifs de Bellini et de Rossini (1876)</li>
</ul>


<p>そう、これ、19世紀サロン音楽です。まぎれもなくハノンも人の子。同時代のオペラを見聴きし、ブルターニュやスイスを旅していた様子が窺えます。あまりにも有名な『ハノン』の陰で、こんな作品が眠っていました。<br />
緊張しながら封を覗きます。それはそうです。あれだけのストイックな指の訓練をさせるハノンの性格的小品が、今まさに眼前に立ち現われようとしているのですから。まず驚いたのが表紙。どの譜もタイトルにふさわしい絵が実に丁寧に描き込まれています。コピー譜なので原本に着色があったのかどうかわかりませんが、色を入れたらとても映えるだろうと思われます。</p>

<div class="img_left" style="width:180px;"><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="『Stella Napolitana, tarentelle, caprice de genre pour Piano 』の表紙" src="/report/02soc/bma/images/hanon_090904_01.gif" width="174" height="250" class="mt-image-none img" style="" /></span><br />『Stella Napolitana, tarentelle, caprice de genre pour Piano 』の表紙</div>
<p>作曲の全体的な特徴としては、まず、予想に反して（というのも、私は『ハノン』の60番の中間部の印象から、ハノンは短調好きだと想像していたのです。）長調の曲が目立つということ。しかし中には、『Un Reve de Bonheur』（d moll）のように哀切漂う作品もあります。ちなみにこの曲は、1906&#65374;10 年に出版されていた楽譜を一覧にしたFranz Pazdirek『Universal-Handbuch der Musikliteratur』（1967）にも掲載されています。取り寄せた大英図書館の楽譜は第二版。当時、一定の需要があったものと推測されます。また、いずれの曲にもモチーフを数回繰り返す傾向が見出せるほか、『ハノン』で練習したパッセージを確認できるような作品もあり（『Souvenirs de Bretagne』コーダの左手トレモロなど）、ハノンの音楽語法を見る思いがします。そして見逃せないのが、以上の楽譜すべてが地元ブーローニュ・シュメール・メールで出版されていること。土地の伝説や民謡にインスピレーションを得て作曲されたような曲もあります（『Le Bourriquet de la Mere Gregoire』、『You, you』など）。地元密着型の音楽家の風情です。一曲ずつ詳細にみていきたいところですが、紙面も尽きてしまいました。最後にこれらの中から『Souvenirs de Bretagne』をお届けしたいと思います。</p>


<div  class="t2"> 『Souvenirs de Bretagne, fantasie brillante sur des airs populaires Bretons, pour Piano』 を聴く</div>


<div class="img_right" style="width:180px;">
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="『Souvenirs de Bretagne, fantasie brillante sur des airs populaires Bretons, pour Piano』の表紙" src="/report/02soc/bma/images/hanon_090904_02.gif" width="179" height="250" class="mt-image-none" style="" /></span><br />『Souvenirs de Bretagne, fantasie brillante sur des airs populaires Bretons, pour Piano』の表紙</div>

<p>「ブルターニュの思い出&#65374;ブルターニュの旋律によるピアノのためのファンタジー・ブリランテと題されたこの曲は、1868年、ハノンが49歳の時に出版されました（『ハノン』が出たのはこの5年後です）。全13頁。「敬愛なるジョセック博士」に献呈されています。下の写真の通り、表紙には土地の名跡や風景画が並び、まるで案内記のようです。これらは、ハノンがブルターニュで実際に見聞したものでしょうか。</p>


<p>曲はEs durの序奏にはじまり、聖アンヌ教会の巡礼者たちのテーマ、貧しい人々の描写、ドローンを鳴らしながら弦楽器で古びた旋律を奏でる流し、羊飼いの歌、六月祭の盛り上がりなどをオムニバス的につないだ後、最後はテーマ曲の華々しいフィナーレで終わります。場面場面は嵐のようなカデンツァで区切られ、テンポよく情景が切り替わります。<br />
それでは、19世紀のブルターニュ地方に、そしてハノンや『ハノン』に思いを馳せながら、どうぞお聴きください。</p>


<div class="ongen">
<div >♪</div> <a href="http://www.piano.or.jp/enc/audio/tomokiyo/hnn_souvenir.m3u">「ブルターニュの思い出<br />&#65374;ブルターニュの旋律によるピアノのためのファンタジー・ブリランテ」</a><br /><span style="font-weight:normal;">演奏：友清祐子</span></div>


<div class="oshirase">
<strong>☆お知らせ☆</strong><br />
<a href="http://www2.piano.or.jp/fmi/xsl/concert/info.xsl?-db=concert&-lay=list&-max=25&webflg=1&concertID=20073862&-find" target="_blank">第2回サロンコンサート</a>を9月23日（祝）に開催します！今回は、ブルグミュラーとハノンに焦点をあてておおくりする予定です。大英図書館から取り寄せたハノンの作品も演奏します。みなさま万障お繰り合わせの上、お越しくださいませ。</div>


<p>次回、第3回はいよいよお待ちかね（？）『ハノン』を検証します。</p>


<div style="text-align: right;">（文・前島美保）</div>]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>２５曲を斬る！第０４回　Petite reunion ~ 人生の縮図</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2009/08/28_9249.html" />
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    <published>2009-08-28T08:03:31Z</published>
    <updated>2010-04-02T08:13:09Z</updated>

    <summary>子供の集会？小さな集会？秘密結社？はたまた学童保育？</summary>
    <author>
        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="05 「25」を斬る" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
<img src="/report/02soc/bma/images/25_title02.gif"></div>


<div class="t1">第四回　Petite reunion&#65374;人生の縮図</div>


<p>♪ 第４曲目　<a href="http://www.youtube.com/watch?v=vJBsw2Jz1MA">Petite reunion　子供の集会：Youtube</a> 演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a> ♪</p>

<div class="t2">子供はいるのか、いないのか</div>

<p><span class="kaicho">会長</span>：来ましたねー、「子供の集会」。好きなんですよ、非常に。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：正直僕はね、この曲わからないところがあるんですよ。まず、原題のPetite reunionというのが、「子供の集会」なのかというのは、かなりひっかかりますよねぇ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ほう。どういう感じでしょうか。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：reunionは、やはり「集会」になりますよね。ま、パリ・コミューンとは恐らく関係はないと思いますけど。で、「子供の」という言葉はどこにもない。Petiteはただ「小さい」と言っているだけだから。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうですね。<a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2006/03/24_5637.html">各社版のタイトル</a>を見ますと、まだ「子供」の姿があちこちに見られますが、新しい音楽之友社や全音さんの版では「小さな」と訳していますね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：この「子供の」としちゃったのは、なぜでしょうね。曲の印象、イメージでやっちゃったのかな。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：もしも、普通に「子供の集会」をフランス語で表したらどうなりますか？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：Reunion des enfantsでしょうかね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：なるほど、じゃあやっぱり「子供の」というdes enfantsは付けたいですよね。そしたらこの原題はやっぱり、単に規模の小さな集会みたいな感じになるんですね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そうですね。ふつうに「小さな集会」ですから。アパートの住人が集まる、みたいなね、小さめの。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：え、これ、サロン？（笑）しかし昭和ピアノ少年少女は、どうも「子供の集会」という昔ながらの邦題が染み付いているところがありませんか？もう刷り込まれちゃってて、子供が出てきちゃって出てきちゃってしょうがない。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そう、もう、子供がワラワラしてるよね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：うん。「子供の集会」というは、決して悪い訳じゃないと思うんですよ。曲の感じは、まぁガッサガッサいますわねぇ子供が。会長のこの曲はどういうイメージなんですか？</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そうですね、「学童保育」。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：（爆笑）</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：学童保育？？すみません、何ですか？学童保育って？</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：え、ご存知ないですか？</p>

<p><span class="koho">広報</span>：私の育った小学校では、「今日、学童？」みたいに省略形で使ってましたよ、みんな。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：えええ？？そんなに共通用語？？</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そうです。そうだと思ってました。ええと、「学童保育」とは、授業が終わったあとに、子供たちが家に帰らないで、ちょっと預けられる所。学校の付属施設であったり、近くの民間の施設であったり。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：われわれの世代（昭和49年生）って、まだお母さんが専業主婦っていうのが多かったけれど、いわゆる「共働き」の家庭のために子供が2時&#65374;4時くらいまで預かってもらえたんだよね。「ねーねー、今日放課後あいてる？」「あ、ダメ、今日、オレ学童だからさ」とか（使用例）。専業主婦の家の子にしてみれば、「学童」ってなんだかよくわからない秘密めいた組織に思えた。「学童」じゃない子は「学童」の敷地内では遊べないの。それはタブー、みたいな。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ええ、ええ、そんな、イメージです（笑）。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ああー、なるほどね。要するに一種の秘密結社っぽい感じですね？となると、このイメージもだいぶ湧きますよ。でも秘密結社だと、ちょっと曲にブラックな匂いもしてくるね。冒頭の旋律が、呪文に聞こえてくる。で、右手の降りてくる和音がキャッキャッキャッキャッっていう笑い声、みたいな。ごめんなさいね、ちょっと怖い感じが・・・。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：あー、ちょっと、<a href="/enc/dictionary/composer/berlioz/index.html">ベルリオーズ</a>、入ってますね！（笑）</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そう、幻想交響曲の終楽章「魔女の夜宴」ですか、みたいな。いや、ごめんなさい、これは冒涜ですね！これは、ブルグに即した解釈ではないです！この曲に沿ったテキスト解釈ではないです！</p>

<p><span class="koho">広報</span>：いや、でもそれも面白いですよ。もともと見えないものが、変なイメージが横から入ると読めてきちゃう、みたいな。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ウンベルト・エーコが言うところの「テキストの解釈と利用の違い」、ですね。今のは「利用」ですから。ちゃんと「解釈」はしないと。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：なるほど。でもわかります、この曲の少しブラックな感じも。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ええ。「学童保育」の子は、お母さんと会えるのがちょっとだけ遅くて、寂しくなる感じ、とか。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：まぁ私の感覚では、7小節目のテーマが始まるところで、やっと「学童保育」の敷地に入った感じがある。その前までは、「学童」の敷地に入る手前の道。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：あ、ちょっと切なくなってきた。前奏部分は、学校終わってみんなお家に向かって「バイバイ、バイバイ」（右手の3度）って帰っていくんだけど、「学童」の子は残らなきゃならないから。左手の子、「ソーラシドーミファソー、みんなばいばーい、オレ今から『学童』あっから―」って言ってるような。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：かなしいねぇ！その解釈は悲しいわ！今その解釈聞いて、この曲の深い悲しみに気づきました！なるほどね。そりゃあ声も低めになっちゃって、左手も低音から始まるわけだ。これが１オクターブ上だったら、他の子と一緒に帰るんだけど。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：いや&#65374;会長、言い得て妙ですよ、この曲が「学童保育」というのは。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：やっぱりそうですか？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：かつて僕はどうもこの曲、うまくイメージが湧かなくて苦手でしたけど、「学童保育」というタイトルが付き、「学童保育」の何たるかを知れば、かなり接近できます。実はタイトル、「学童保育」だったんじゃないの？</p>

<div class="t2">19&#65374;22小節目にみる、人生の厳しさ</div>

<p><span class="koho">広報</span>：「子供の集会」、まぁ大人目線のタイトルですよね。でも自分が子供のころ弾いてたときは、自分も子供なわけだから、「集会」というところにだけ意識があったようにも思うんです。夕方にピアノの練習をよくしてたんですけど、西日がちょうど差してくる。「集会」の中で、スポットライトを浴びてるような気分。感動的な意見をクラスの前で発表して、みんなが「賛成！」と声をあげてくれているような、かなり大規模な子供の集会のイメージもありました。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ああそうか、右手の三度、2と4の指だけで駆け上がっていって、スフォルツァンド！ っていうね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうそう。ピアノのレッスンでも「『子供の集会』なんだから、右手と左手の掛け合いは、子供たちが意見を出し合ってるのよ」なんて習ったものでしたよね。学級会みたい。でも、もしPetiteが単に「小さな」という意味なら、特に大人目線というわけじゃなくなりますね。内から目線という感じにもなる。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そうですね。ただ、「小さな」という割には、けっこうたくさん人がいすぎる感じがします、さっきから。たぶんPetite reunionを文字通りにとれば、2,3人の会みたいな感じですけど、それよりは、もうちょっと過密。少なく見積もっても、15人は超えてる。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：あ&#65374;やっぱり「学童保育」規模だな（笑）</p>

<p><span class="koho">広報</span>：「学童保育」は年齢縦割りですから、1年生から6年生までの子が一箇所に集うのよね。小さな子なんて大きな子に「意見」したって消されちゃうよね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：それが、19&#65374;21小節目の左手「♭ラーソ、♭ラーソ」だね！！ここは「えー・・・意見言えっていわれてもぉ」みたいな音型ですよ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああ、いるんですよね必ず。そういう子も。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：しかもこの音形、2回出てくるけど、右手の応答はなく、2回ともスルーされてる。さらに3回目の「♭ラーソ」が左手に出てきてもよかったんですよね。もう一オクターブ下で。和声的に問題はない。しかし、3回目はなかった！ということは、これはもう、かき消されたんですよ！！（声、裏返る）</p>

<p>会長・<span class="koho">広報</span>：おおお！！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：でしょ？3回目の「♭ラーソ」、これは心の中でしか鳴っていない。しかも、作者の心の中でしか鳴っていない。 21&#65374;22小節目左手の休符、これを単なる休符だと思ったら、大間違いだ！！</p>

<p>会長・<span class="koho">広報</span>：爆笑</p>

<p><span class="koho">広報</span>：はい、そうです。そのとおりです。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：だから、ピアノの先生は、この左手休符のところにさらに低い「♭ラーソ」を書き込めばいいのです。そして「心の中でちゃんと鳴らしなさい」と。「そうすれば、右手もどう弾けばいいか、わかるでしょ」と。「わかんなかったら、『学童』に行ってきなさい！」と。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：（苦笑）・・・わたし、身につまされる思いです。どっちかというとガキ大将だったので、「みんなー、おいでよ、いくぞー！」とか威張って仕切ってたんです。でもその間に、「僕は&#65374;・・・」とか弱々しく言ってる子の意見をスルーしてたかもしれない。その子はもう一回「僕は&#65374;・・・」って言ったのに、「ほら、もう、みんな上っていくぞー」って・・・。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：だから、今気づいて！！そういう子が過去にいたってことを、今気づいて欲しいの！！</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうか！！！それはすみませんでしたっっ！！いや、でも、ガキ大将だって、20小節目で「あれ、今だれか何か言わなかった？レミファ&#65374;」って、1回聞き返してるよ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そうね、フォルテからピアノに落として。耳傾けてる感じがあるよね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>： でも、聞こえなかったんだね。「あ、気のせいか、じゃ、行こう！」ってなっちゃう。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：それがね！！また悲しいよね！！どうせね、聞いてくれないんだったら、最初っから気にかけてくれないほうが、こっちはまだ救われるのに！</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：逆にね、少し気にしてくれちゃった分、余計グッと心の内にくるんだよね！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：「気にさせちゃった&#65374;（焦）！」みたいな。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：それはもう、音出ないわ！もう、もう、無理！！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：無理！！無理！！で、休符。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうだったんだー！ごめーん！！今気づいた！！</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：・・・いっやぁ・・・あるよね。でも、こういうことは、子供の世界だけのことじゃない。人が集えばこういうことは起きます。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そうですね。子供だけじゃない。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：あ。となるとこれは、普遍的な曲なんですね？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：もう、世界の縮図だね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうかぁ！！！縮図だったんですね？！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：いやぁ、もうこれは、子供の曲としては弾けませんね。もはや。厳しい曲ですよ。ちゃんとここの19&#65374;22小節目だって、「消えるやつは、消えるんだ！」という厳しさをもって演奏しないと。優しさだけではダメです。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ここで学ばなければなりませんね。人生を。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そんな厳しい曲だったとは知りませんでした。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そりゃもう、2と４で指固めていかなきゃ無理だよね。人生渡っていけません。これは、人生の縮図です。</p>
<br />


<div class="atogaki">
<strong>＊ 第四回　Petite reunion　後記＊</strong>
<hr size="1" noshade>
毎回のことながら、これほど楽曲について見方が展開するとは驚きである。一見これほど明るい曲に、秘められた人生の厳しさを見るとは思わなかった。21、22小節目の休符には今後、抑圧され、かき消された声を心のうちに感じ取りたいものだ。
</div>

<br /><br />

<h3>※コンサートのお知らせ</h3>
<p>ぶるぐ協会では、来る2009年9月23日に第二回目のコンサートを開催します。今回はC.L.ハノンの生誕190周年を記念し、おそらく今日ほとんど聞かれることのない彼の練習曲以外の作品をお楽しみいただきます。ブルグミュラー作品は12と18の練習曲、そしてバレエ音楽にもなっている「レーゲンスブルクの思い出」など。連弾あり、トークありの盛りだくさんの２時間です。</p>

<p>とき：2009年9月23日（水・祝）午後1：30会場　2：00開演<br />
ところ：東京文化会館４階音楽資料室鑑賞室（JR上野駅公園口すぐ）<br />
入場：無料　（お席に限りがございます。整理券予約はburgmuller25@gmail.comまで）<br />
演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a>・<a href="/enc/pianist/0194.html">須藤英子</a><br />
お話：飯田有抄（ぶるぐ協会広報）<br />
企画構成：前島美保（ぶるぐ協会会長）</p>

]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>２５曲を斬る！第０３回　Pastorale パストラル　愛と悲しみの牧歌</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/2009/08/14_9189.html" />
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    <published>2009-08-14T04:41:34Z</published>
    <updated>2011-09-28T03:16:36Z</updated>

    <summary>第３曲「牧歌」。「異様な」和音にこめられた思いとは。。</summary>
    <author>
        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="05 「25」を斬る" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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<div style="text-align: center;margin-bottom:10px">
<img src="/report/02soc/bma/images/25_title02.gif"></div>


<div class="t1">第三回：牧歌</div>

<div class="t2">情景が浮かびます</div>


<p>♪第３曲目　<a href="http://www.youtube.com/watch?v=qZ7gsbwyec8">Pastorale 牧歌：Yourube</a> 演奏：<a href="/enc/pianist/0219.html">友清祐子</a>♪</p>


<p><span class="koho">広報</span>：さて、パストラルまたは「牧歌」、まいりましょう。実は私は、とくにこの曲に思い入れとか無かったんですけど、この前ぶるぐ協会で演奏会をやった際に（2009年3月）、ピアニストの人にこの曲では「ハイジになって下さい」と無茶なお願いをしてみたら、その一言に意外と効力があったらしく（笑）、急に最初の2小節の右手の旋律を一音一音歌ってくれるようになり、それからこの曲すごく好きになりました。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：うん、なるほどね。確かに優美な曲ではありまさぁね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：うん、最初の2小節、やっぱりここはいい。よく音が動いてます。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：遠くの方から響いてくるような感じもしますね。ハイジだか、ペーターだか...すいません、よくわかりませんけれども（笑）。このタタタタタタタタタタタタ♪（すばやく1〜2小節目を歌う）はどういう状況なんですかね。一音ずつ少しずつ視線をあげっていって、3小節目のタ〜♪からは、山々が見えてくるような、そういう風にも感じます。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ほんとだ。映像付けたいね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：で、そうすると、このタランっという前打音は、ちょっとこう、牛の鐘ですよ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：あ〜、カウベル、なるほど。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ほぉぉぉ！牛。うんうん、絵が浮かびます。</p>

<div class="t2">15小節目Cis （♯ド）に何が起こったの？！</div>

<p><span class="koho">広報</span>：今ちょっと、中間部を見てたんですけど、「ラ〜　ドミレシ〜　レ♯ドレラ〜　ドミレシ〜」と来ます。で、次の・・・</p>

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/brg100_03.jpg"><img alt="brg100_03.jpg" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/assets_c/2009/08/brg100_03-thumb-250x117-2917.jpg" width="250" height="117" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そうっ！！ </p>

<p><span class="koho">広報</span>：「レミレ♯ド〜」、左手「♭シシシラソ♯ファ〜」のとこね。ここ、急に曲調変わって、どうかした？って訊いてやりたくなります。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：そう、よく考えたら、ここ何が起こったの？（笑）。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：うん、この15小節目のCis（ドの♯）、何でコレ♯ついてるの？って感じだよね（笑）。「あれ？」みたいな、「あ、ゴメン、なんか気に障ること言っちゃった？」みたいな。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>・<span class="koho">広報</span>：（笑）</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：ううむ。ここの和声、減七ですからねぇ（注：a-cis-c-g-bという属九の和音の根音省略型）。これ、強いですよ。ここは演奏上でも、ちょっと肝ですね。余裕と見せかけて、実は余裕のない感じ。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：見せかけておいて...どうしたんですかね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：牛がどうかしましたかね。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：心配です。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：僕はこの、テヌートっていうのも気になりますよねぇ・・・（注：12小節目と14小節目のｈ。版によってはこのテヌートが無いものもある）。必ずしも長い音ではないじゃないですか。最初のテーマの3小節目のｄなんかにもテヌートが付いていたらわかるんですが、そこには付いていないのに。</p>

<p><p><span class="koho">広報</span>：うん、なんだろうね。</p></p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：少しこう、内にこもった感じしますよね、このテヌートは。なんかちょっと、「思い出しちゃった...」的な。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：過去の暗い記憶をちょっと思い出しちゃったんですね？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：やっぱりね、ベースに悲しみがあると思うんですよ、ブルグは。ベースの悲しみを全部、覆い隠すと、これになるんですよ、このテヌートに（声裏返る）！</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>・<span class="koho">広報</span>：おおお！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：だけど、ちょっと気を抜くと、すぐ出ちゃうんだよ、悲しみは！それがこの15小節目のCis（ドの♯）なんですよ（楽譜をたたく）！テヌート・・・テヌート・・・ド♯―！！！みたいな！やっぱりこのCisは強い。ここはある種の高ぶりなんでしょう。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：（拍手）...すごい。この説、いただきます。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：なるほど、深い！テヌートはノーマークでした。版によってはないんだけれども（苦笑）。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：ああ、しかしもう私はテヌートなしには考えられなくなってしまいました。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：でも、このテヌートの二つのｈとCisは、長2度の関係じゃないですか。長2度だけの跳躍っていうのが、これまた慎ましいですよね。このCisの代わりに、もしオクターブ上で「♭シー！！」とか鳴らしてたら、それはもう、やりすぎだから。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：やりすぎやりすぎ！だって、そしたらもう牧歌じゃなくなっちゃう。戻れなくなっちゃう。まぁ長2度で、「あ」と思い直したように、戻っていくんですよ。それがいいんですよね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そっか。ブルグらしい。長2度で十分なんだね。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：とはいえ、やっぱりここは表現としては、かなりキツい。減七の和音ですからね。</p>

<div class="t2">抑えきれない「属九の和音の根音省略型」！</div>

<p><span class="kaicho">会長</span>：減七っていうのは、やっぱり相当ですか？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：（ため息まじりに）やっぱりそれはもう、調性音楽の中ではもう肝というか、かなり強い表現です。だってしかもここ、根音省略ですよ。属九和音の根音省略型ですよ！</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：「ゲンシチワオン、コンオンショウリャク」、確かに並々ならない感じがします（笑）。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そうでしょ、根音省略、和声の記号書くときだって、横線入れるくらいの代物ですよ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：ああ、確かに昔、和声学の先生から「こんなところでは使ってはいけない」などとよく注意されたものです、属九和音の根音省略。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：そうか、強い表現だけに、いたずらには使っちゃいけない...。</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そう。強いだけに、飼いならすのは難しい和音。そんな強い和音をやっぱり抑えきれずに、ついぞ出してしまうあたりがブルグミュラー、生まれながらの音楽家ってやつですよ。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>・<span class="koho">広報</span>：おおお！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そうですよ、こんなの意識的に使うようなものじゃないんですよ本当は！</p>

<p><span class="koho">広報</span>：といいますと？</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：要するにね、減七の和音を用いると、システマティックにどんな調性にも転調できるじゃないですか。となると、リヒャルト・シュトラウスみたいな人間が「ほらどうよ、この減七から、ほらこんな転調、すごいだろー」みたいに使い出すんですよね。でもね、そういうんじゃ、だめなんですよ！そぉんなんじゃ！湧き上がって来た時にだけ、こうスッと使わないと。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：おお！必然ですね？！</p>

<p><span class="fujita">藤田</span>：そう、必然よ必然。だからね、深いよね、この15小節目もね。</p>

<p><span class="koho">広報</span>：深く、そして強い。確かにブルグにしては、ここからテーマまで立て直すのに3小節を要して時間かかってますもんね。この3小節を経ないと、戻れない。</p>

<p><span class="kaicho">会長</span>：それほどまでに、強い表現をもった曲だったとは！いやはや牧歌、恐るべし。</p>



<div class="atogaki">
<strong>＊第三回　パストラル（牧歌）Pastorale後記＊
</strong>
<hr size="1" noshade>
楽曲のポイントは、やはり出だしの2小節、そして減七の和声が現れる15小節目。それにしても、こんなにのんびりとして、おだやかな風景を漂わせる作品に、隠された悲しみとその開放を見出してしまうあたり、この鼎談ならではの顛末か。そんな意識であらためて弾いてみるのも、悪くはないだろう。
</div>

<br />

<h3>※コンサートのお知らせ</h3>
<p>ぶるぐ協会では、来る2009年9月23日に第二回目のコンサートを開催します。今回はC.L.ハノンの生誕190周年を記念し、おそらく今日ほとんど聞かれることのない彼の練習曲以外の作品をお楽しみいただきます。ブルグミュラー作品は12と18の練習曲、そしてバレエ音楽にもなっている「レーゲンスブルクの思い出」など。連弾あり、トークありの盛りだくさんの２時間です。</p>

<p>とき：2009年9月23日（水・祝）午後1：30会場　2：00開演<br />
ところ：東京文化会館４階音楽資料室鑑賞室（JR上野駅公演口すぐ）<br />
入場：無料　（お席に限りがございます。整理券予約はburgmuller25@gmail.comまで）<br />
演奏：友清祐子・須藤英子<br />
お話：飯田有抄（ぶるぐ協会広報）<br />
企画構成：前島美保（ぶるぐ協会会長）</p>

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    <title>特別番外編　祝！ハノン生誕190年記念　第０１回</title>
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    <published>2009-08-07T08:37:12Z</published>
    <updated>2009-08-07T08:52:05Z</updated>

    <summary>のっけから告白しますが、「ハノン」を誤解し続けてきました</summary>
    <author>
        <name>admin</name>
        
    </author>
    
        <category term="03 番外編・資料" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
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<div style="float:right;margin-left:15px;text-align:center;padding:5px 10px;border:solid 1px #cccccc;"><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="ハノンの肖像画" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/hanon_090806_01.gif" width="81" height="123" class="mt-image-none" style="" /></span><br />
ハノンの肖像画</div>

<p style="text-align:center;"><span style="font:bold 0.9em/100% sans-serif;">&#65374;はじめに&#65374;</span></p>
<p>このところ作曲家の記念年について話題になることが多いように感じます。2009年の今年、微妙に記念年にあたるのが、<a href="/enc/dictionary/composer/burgmuller/">ブルグミュラー</a>と同様、我々にとっておなじみの<a href="/enc/dictionary/composer/hanon/">ハノン</a>（C. L. Hanon: 1819&#65374;1900）。当サイトでは、この完全ノーマーク（？）のハノン生誕190年を記念して、番外編の記事をお届けしたいと思います。（全３回）</p>

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<br />

<table summary="タイトル" class="t1"><tr><td>
第1回　日本における『ハノン』現象：嫌よ嫌よも好きのうち
</td></tr></table>


<div style="text-align: right;font-size:1.2em;margin-bottom:10px;">ぶるぐ協会会長　前島　美保</div>

<p>のっけから告白しますが、私は二十数年来、ハノンを、そして日本における『ハノンピアノ教本』（以下『ハノン』）受容を誤解し続けてきました。あの『ハノン』を、自分を含め、みな嫌いなのだとばかり思っていたのです。思い起こせば子供のころ、ピアノの練習の最初に『ハノン』のトンネルをくぐり抜けなければブルグミュラーは弾けない、とばかりにとり憑かれたように音階練習をしては、親から「早く・曲を弾いて」と言われたりしたもので、そんな一コマもどこかで遠因しているのかもしれません。高校時代にハノンの指示通り毎日1番から60番までさらっていた、なんて奇特な御方も存知あげてはおりますが（365日、『ハノン』を聞かされ続けた親御さんの心中は如何ばかりかとお察しいたします）、大概の場合、『ハノン』は嫌いな練習曲の代名詞だと今日まで認識して参りました。しかしながらよくよく振り返って考えてみると、嫌なら練習しなければよいものを、強迫にも似た力で我々をそこへと向かわせた『ハノン』には、ブルグミュラーとはほぼ真逆の魅力に包まれているのではないかとも思われてきたのです。無機質、機械的、同じパターンの繰り返しには、ストイックで変化に乏しいがゆえの恍惚感が漂います。ある種のミニマルな時空間が生まれ、結果として、我々は何ものからも解放されていたような気すらします。'究極的肉体の苦痛からくる精神的解放の極致'とでも言いましょうか。事実、そのことを自覚してか否か、『ハノン』を遮二無二弾きながら一日の出来事を振り返って内省したり、明日の予定をたてたり、これからの未来を夢想していたなんて経験を持つ人は案外多いのではないでしょうか。技術的レベルでの向上はもちろんですが、我々を「無」にし、リセットし、解き放ち、強力なベクトルでもって音楽へ集中させる装置（＝精神修行・鍛錬）として『ハノン』が機能していたと、その存在意義を認めることはあながち不自然ではないように思われます。<br />
このハノンの術中にはまってしまっているのでしょうか、我々は今なお『ハノン』から離れられずにいます。それは楽譜コーナーに佇めば一目瞭然。『ハノン』に依拠した練習曲は店頭に驚くほど並んでいます。『おとなのハノン』『こどものハノン』『はじめてのハノン』『よくばりハノン』等々。『たのしいハノン』『やさしいハノン』『あきない！ハノン』『コンパクト・ハノン』からは、『ハノン』それ自体はこれらタイトルとは正反対の性質のものだ（内実はどうであれ、少なくとも一般認識として）という印象を容易に与えますし、『コードで楽しむハノン』『ブルース・ハノン』『ぐるぐるハノン』『トンプソンのハノン』などは、『ハノン』を十二分に活用・応用した作品集と見えます。それだけではありません。『ベース・ハノン』「コントラバス・ハノン」など、その影響はピアノ以外の楽器にまで及んでいます。それだけハノンの曲集にそもそも汎用性が備わっていたということでありましょうが、しかし一方で、そろそろ『ハノン』から離れて全く新たな指の練習曲を作ってもよいような気もするのです。つまりは「嫌よ嫌よも好きのうち」。我々はあの手この手で『ハノン』を好きになろうとし断念してはまた向かう、ということを繰り返しています。結局のところ、気になって仕方のない存在なのだとも言えるでしょう。こうした現象に我々がブルグミュラーとはまた別の魅力で『ハノン』に惹かれている証をみても、それは決して見当外れではないのではないでしょうか。</p>

<p style="border-bottom:dashed 1px #cccccc;margin-bottom:30px;">次回は、人としてのハノンと『ハノン』以外の作品に触れます。</p>

<table style="border-collapse:collapse;"><tr><td>
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="＊『ハノン』のいろいろ" src="http://www.piano.or.jp/report/02soc/bma/images/hanon_090806_03.gif" width="170" height="331" class="mt-image-none img_left" /></span>
</td>
<td style="vertical-align:top;">
<div class="t2">『ハノン』のいろいろ</div>

<p>写真一番上は、ご存知全音の『全訳ハノンピアノ教本』。一番下は、昭和21年10月に好樂社から出版された『ハノンピアノ教本』第一巻（全三巻のうち）。</p>
</td>
</tr></table>




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