ピティナ・ピアノルームシェアが発進! ~この夏はじまる、新しい活動のかたち~

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2014/08/08
ピティナ・ピアノルームシェアが発進!~この夏はじまる、新しい活動のかたち~

決勝進出おめでとうございます!

ピティナ・ピアノコンペティションは、本選開催真っ盛り。毎日、各地から激戦、熱戦の結果報告が届いています。全国決勝大会に進出した皆さんは、この夏最後の本番に向けて一意専心、仕上げの稽古に心血を注いでいるところでしょう。
さて、とりわけ地方から上京される方にとっては、まず旅程の手配をした後、都内で練習室を探される方も多いと思います。しかし、この時期、お盆休みということで、なかなかグランドピアノの練習室が確保できない・・・という声が毎年聞こえていました。

そんな問題を解決すべく、ピティナでは、自宅のピアノを練習用に提供くださる会員を募集。すると、都内を中心に40名の会員が立候補くださいました。こうして会員活動の新しいかたちである、「ピティナ・ピアノルームシェア」がスタートしたのです。


ピアノルームシェアのオーナーってこんな方たちです

8月8日現在、40名のピティナ会員で、都内35名、埼玉県内3名、神奈川県内1名、千葉県内1名という分布です。

入会年数 若い会員も意外に多いですね。

年齢層 40代までが3分の2を占めます。


ピティナ・ピアノルームシェアを支える会員たち 

会員の活動といえば、演奏、指導、コンペ、ステップ、セミナー、指導者検定・・・とさまざまですが、グランドピアノを保有しているという強みを活かし、「練習場所」「ピアノ利用権」の提供という、新たな活動領域が生まれた、と言えるのかもしれません。今回、そんな試みに快く賛同くださったピアノルーム・オーナーの皆様に話を聞きました。

山崎美保先生(正会員/東京都新宿区)
山崎先生のマンションは、バス停から降りてすぐ目の前のマンション。特に津田ホールでの参加者にとって便利な場所です。玄関に接した位置の部屋なので、気兼ねなく練習できるのでは、と山崎先生。「すでに連弾部門の方から利用申し込みがあり、電話やメールでやりとりしているうちに応援したい気持ちになってきました」。
纐纈まりさん(支持会員/東京都北区)
今回のルームシェアオーナーの中で唯一、支持会員の纐纈さん。ともに大学生になる二人のお子様がピティナのコンペ、ステップに常連で参加しておられました。かつて岐阜県にお住まいだったので、東京で練習場所を探す苦労がよく理解でき、かつ多くの方にお世話になった思い出が、今回のルーム提供につながったそうです。
藤野曜子先生(指導会員/東京都荒川区)
かつて茨城県にお住まいのときは、生徒が本番直前になって都内での練習場所を求めて慌てたり、リーズナブルな価格で探しきれなかったり、という経験をお持ちの藤野先生。防音を施す必要のない環境なので圧迫感もなく、明るく落ち着いた色合いの広めの空間に置かれたベーゼンドルファーで存分に練習できるとのことです。
利用者(申し込み予約をされた方)の声
  • 予約が直前までできなかったり、料金的にも高かったり、東京で練習場所を探すのはとても難しかったのですが、今回は宿泊するホテルからほど近い場所を確保でき、大変安心しております。(大阪府:中学生の保護者様より)
  • 都内の事情はまったく分からないので助かりました。オーナー様からも、メールで気さくで快い言葉をいただいており、心強く思っています。
    (岡山県:小学生の保護者様より)

それ以外にも、オーナーの皆様から応援メッセージが届いています!

石坂美穂先生(神奈川県相模原市)
ファイナリストへの舞台に進んできたピアニスト達の精神を癒せる練習室をご提供しております。夢や目標に向かっている皆様の応援をさせて頂きます。
三輪昌代先生(東京都世田谷区)
全国大会にご出演される皆様こんにちは!この日を目標に今日迄どんなに頑張られた事でしょう。主要ホールへ1時間内の場所にございますので、皆様のお役に立てましたら幸いです。どうぞお気軽にお問い合わせ下さいね。
西東順子先生(東京都世田谷区)
田園都市線駒沢大学駅は半蔵門線直通で便利です。私は地方出身で東京でコンクール前ピアノが弾けない不安がよく分かります。少しでもお役に立てたら幸いです。補助ペダルM-60あります。
椎名恵子先生(東京都江戸川区)
毎日、暑い日が続きますね。本番前の最後の総仕上げ、確認練習などに気兼ねなく使ってくださると嬉しいです。裏にコンビニがありますし、近くには駐車場もございます。是非、ご利用ください。

ピアノルームシェアにまつわるあれこれ
vol.1
「所有」から「利用」へ
最近、「若者の車離れ」ということばをあちこちで見かけます。車は所有しているだけで維持費がかかりますので、贅沢品になっているのかもしれません。けれどそれだけでもなく、「資源は限られているので、可能な範囲で共有し合おう」というエコ意識も「常識」になってきました。 海外発ルームシェアサービスのAirbnbは、まさにそうした時流に乗ったことで、世界中に爆発的に利用者が増え、5年ほどで1,000万件超の宿泊回数に広がっています。大事なのは「自分が所有していること」ではなく「いつでも便利に利用できるかどうか」という、シンプルな原理に価値が置かれる時代になっているのでしょう。
vol.2
新書で読もう、新たな「時代」
安心社会から信頼社会へ 山岸俊男著『安心社会から信頼社会へ』(中公新書、1999年)は、他者から自分のプライバシーを守りあう「安心社会」から、積極的に他者からの応答に応じ、主体的に合意形成に参加する「信頼社会」へ、意識の切り替え図るべきと提案。お互い警戒するより「信頼」してしまったほうがうまくいくよ、ということをゲーム理論を使って解析した先駆的良書です。
広井良典著『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書、2009年)では、「人生前半への社会保障」の充実をキーワードに、若者の職業能力訓練や、幼児・大人(若い親)・老人の3世代が交流する「幼老ケア」を可能にする社会を描出。ピアノや音楽がそのような場の中核となるとよいですね。

ピアノルームシェアのこれから

ピアノルームシェアの可能性は、今回の「コンクールの決勝大会前の練習」に限らないと考えています。ここでは、ピアノルームシェアの将来像を描いてみました。貢献意欲をお持ちの会員ひとりひとりと、全国ネットワークを持つピティナが組めば、この新しい活動空間をさらに広げられるはずです。皆さまのご参加・ご協力をお待ちしています!

練習、リハーサルに利用する ピティナ・ピアノコンペティション以外のコンクール本番前や、会員が演奏会にのぞむ前に練習室として提供することができるかもしれません。 レッスンルームとして利用する たとえば、大学を卒業したばかりの若手指導者に、週に1,2回など、レッスンルームとして提供すれば、指導キャリアのスタートを応援することができますね。
グランドに触れる機会として 自宅には電子ピアノしかないという場合でも、定期的にグランドピアノで練習することを習慣化できる可能性があるのではないでしょうか。 世代間交流を担うサロンとして 幼児から高齢者まで、さまざまな世代が音楽を楽しみながら交流する場をつくれば、育児や一人暮らしによる「孤立」の社会問題を防げるかもしれません。


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