中村香織さん(グランミューズ会員)がアメリカのアマチュアコンクールで受賞

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2013/09/04
中村香織さん
中村香織さん(グランミューズ会員)
アメリカのアマチュアコンクールで受賞

中村香織さん(グランミューズ会員)が2013年8月6~11日にコロラドスプリングス(米国)で行われたロッキーマウンテン アマチュアピアノコンペティションにて古典派作品賞、印象派作品賞の2賞を受賞されました。

海外のコンクールに参加して感じられたことなど、ご本人からコメントをいただきましたのでご紹介いたします。

◆中村香織さんからのコメント

ファイナリスト6名:ファイナル終了後の表彰式
ファイナリスト6名:ファイナル終了後の表彰式

今回の日本人参加者5名全員で
今回の日本人参加者5名全員で
私は以前より、日本のアマチュアピアニストが世界のなかで一体どういうレベルの位置にいるのかを、自分の目でぜひ確認したいという気持ちがあり、このたびコロラドスプリングス(米国)で行われたロッキーマウンテン アマチュアピアノコンペティションに参加して参りました。幸運なことに6名のファイナリストに選出されることができ、また、Best Classic Performance Award(古典派作品賞。全演奏者のなかで1名選出)、Best Impression Performance Award(印象派作品賞。全演奏者のなかで1名選出)という時代別の部門賞の2賞を頂いて帰ることができました。
海外では「アマチュア」の概念が日本とは異なっており、大学でのダブルスクールが認められていることもあって「医大と音大を両方同時に卒業している」とか「(同一大学内で)経済学部と音楽学部の両方の学部を同時に卒業している」という方が少なからずおられます。また「高齢で引退したピアノ指導者」「子育て期間で休職中のピアノ指導者」というような経歴の方もアマチュアのコンクールに当然のように出る資格を持っています。米国では現在、ボストンやシカゴ、ワシントンなど多くの主要都市でアマチュアピアノコンクールが開催されておりどこも大変な大盛況ですが、ファイナルに残ってくるようなトップ層のメンバーはそれらのコンクールでほぼ共通する同じ顔ぶれらしいということもわかってきました。
今回のコロラドスプリングスのファイナリストたちはそれぞれ、医師であったり大手投資銀行やコンピューター企業で仕事をする身でありながら、若い時期には音楽専門教育機関で学んだ経験者ばかりです。過去に一度も音楽専門教育機関で勉強した経験がないのはファイナリストでは私だけ、という状況の中、彼らの高いメカニックに圧倒されるばかりか、バロックから現代までの時代様式を当然のように全部網羅する幅広いレパートリー、ファイナルの演奏時間30分を集中力を保ったまま演奏できる高い精神力などにも、ただただ感嘆するばかりでした。こうした現状のなか、時代別の2賞を頂けたことは大変な幸運であったと考えています。
一方で、日本において私が常にアプローチの基軸としている楽曲分析については、圧倒的なメカニックを持つ海外のアマチュアピアニストたちを前にしても、場面によっては彼らの指さばきよりも強い印象を観客や審査員の先生に与えることが可能になるという実感を得ることができたことも大きな収穫でした。
他のファイナリストたちに比べて自分の立ち位置の低さを歯がゆく思うことも多かった今回の滞在ですが、今後自分がグローバルな視点で「アマチュア」としてピアノを続け、更なる高みを目指して行きたいと考える上で、どのような点に補強が必要であるか、またその具体的な課題などが明らかになったと感じています。
中村香織
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