地域の支援を受けて広がる音楽の輪 ~善意はきっと循環する~

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2013/05/10
地域の支援を受けて広がる音楽の輪
~善意はきっと循環する~

4月27日(土)、協賛取得実績をもつ全国12の支部・ステーションの皆様にお集まりいただき、「支部・ステーション連絡会」を開催しました。
ステップやコンペティション、学校クラスコンサートや支部主催入賞者記念コンサート等のピティナの支部・ステーション活動から、NPOや地域の音楽団体としての活動まで、当日出席した各事務局が支援を得ている取り組みは実に多彩。それぞれの取り組み発表の後活発に意見交換がなされ、今後の各地での活動に向けて、前向きなエネルギーあふれる会となりました。
各事務局の取り組みと、連絡会の様子をお届けします。

地域に支えられるコンペティション&ステップ

皆様おなじみのコンペティションやステップも、様々な形で地域社会に支えられながら運営されています。
当日発表された取組みの中から、3つの事例をご紹介します。

「不景気だからこそ」と支えあう 弘前支部(青森):田中みゆき先生
田中みゆき先生

コンペティション弘前予選には、弘前市、弘前市教育委員会、陸奥新報社からトロフィーを提供していただいています。また、弘前観光コンベンション協会へは助成金を申請しており、「音楽家の支援のために」と、本選に10万円の助成金をいただいています。
弘前支部で主催しているコンペティション入賞者記念演奏会には、毎回地域の事業主の皆様からプログラム冊子への広告協賛をいただいています。日頃から地域のつながりや信頼関係があるので、一声かければすぐに広告を出してくださる場合が多いですね。ある不景気の年は広告取得に苦戦していたのですが、「不景気だからこそ頑張りなさい」という言葉とともに快く広告協賛していただいた経験はとても印象に残っています。
このようにお互いに支え合いながら、地域からいただいたお金が循環して市民に還元されるようにしていきたいと思っています。

トロフィーに光る協賛企業名八王子支部(東京):藤田育子先生

支部のメンバーで話し合って作り上げた協賛依頼状を手に、皆で手分けして数多くの企業や団体をまわりコンペティション予選への協賛をお願いしています。今年は約40か所にお願いしたうち、今のところ10の企業・団体・個人の方からご協賛のお返事をいただいています。

協賛をいただいた企業・団体様のお名前は、成績優秀者に授与するトロフィーやメダルに名入れします。トロフィーはコンペが終わったあとも各ご家庭の応接間やピアノ部屋に長く飾られますから、スポンサーの皆様にもとても喜んでいただけることと思います。「またここで予選を受けたい」と思っていただけるような予選を、地域や企業、団体の皆様とともに創り上げていければと思います。

プログラム広告料で調律されているピアノとよかわステーション(愛知):河合成美先生

ステップのプログラム冊子に、毎年10点以上のご広告をいただいています。広告を出してくださっているのは写真屋さんや美容室、印刷会社など日頃お付き合いのあるところばかりで、本当に「日常生活の延長」という感覚です。
いただいた広告料は、ステップで使用するピアノの調律費等に使わせていただいています。地域の方のご支援のおかげで、ステップに参加する子どもたちが美しい響きを体験できています。

ご出席事務局の取り組み
▼支部・ステーション活動
畠山美佳子先生(富山にいかわステーション/富山)
ステッププログラムへの広告協賛で実施した学校クラスコンサートにスポンサーを招待
岡田一美先生(かつらぎステーション/奈良)
教育委員会から学校クラスコンサート予算を取得。また、自主企画として田崎悦子氏によるピアノワークショップ「Joy of Music」を運営、協賛を取得。
新田恵理子先生(鳥取県支部/鳥取)
ピティナ鳥取県支部として県に助成金を申請し、課題曲セミナーとゲスト奏者を招いた入賞者記念コンサートを企画・運営。
荒木惠子先生(伊予しおさいステーション/愛媛)
ライオンズクラブからの協賛やステッププログラムへの広告協賛を経て、教育委員会から学校クラスコンサート予算を取得。
長谷川美智子先生(むなかたステーション/福岡)
ステッププログラムに毎年10点以上の広告協賛を取得しトークコンサートを提供。
石崎久子先生(宮崎支部/宮崎)
宮崎支部全体で、入賞者記念コンサートのプログラムに70点以上の広告協賛を集める。
▼個人・団体としての地域活動
上仲典子先生
上仲典子先生(つくば支部/茨城)
牛久市音楽家協会および市民オーケストラに対する予算を市から取得
酒井郁江先生(Comfortさばえステーション/福井)
NPO法人「Comfortさばえ」にて、施設の指定管理や自主事業の企画、助成金申請等に取り組む。
大喜多恵子先生(観音寺ステーション/香川)
NPO法人「ミュージックサポートネットワークぱぴぷぺぽ」を運営。助成金を取得し、主に高齢者、障がい者、子どもを対象にした音楽活動を行う。

まずは自分たちから貢献しよう!

各事務局からの活動発表のあとは、2グループに分かれてのグループディスカッションを行いました。「ホールなどの音楽施設の再生に貢献したり再建を促すのもピアノ指導者の役割」「地域からの支援を得て実施したステップのトークコンサートにスポンサーを招待して、ステージ上で紹介しよう」など、各事務局の取り組み事例をもとに今後に向けたアイデア交換がなされました。さらに、「広告取得に取り組むうちに、『後援してもらおう』ではなく『地域の人たちのために楽しいことを提供していこう』と意識が変わってきた」との言葉に、「まずは自分たちから与えていこう!貢献していこう!」と一同でエール交換し締めくくりました。

善意が循環する社会を目指して

ピティナでは、すでに年間170地区以上のステップで入場無料のトークコンサートを実施しています。各ステーションが費用を負担して提供しているステップのトークコンサートは、まさに地域へのプレゼントであり、「寄付」でもあります。
また、支部・ステーション活動だけにとどまらず、個人や別の音楽団体としても社会に貢献しているステーション代表者やピアノ指導者も多くいます。ピティナの活動とこれらの活動をかけ合わせることによって、地域や社会における音楽の輪の広がりや人のつながりが倍加します。 自分が受けるモノやサービスに対して対価を支払う「相対(あいたい)交換」だけではなく、誰かのためにした善意が巡りめぐって戻ってくるような「善意が循環する社会」を目指して、各地でのますますの音楽活動の盛り上がりにご期待ください。

今回ご出席の皆様(敬称略)

弘前支部(青森):田中みゆき
つくば支部(茨城):上仲典子
八王子支部(東京):藤田育子
富山にいかわステーション(富山):畠山美佳子、木下紀子
Comfortさばえステーション(福井):酒井郁江
とよかわステーション(愛知):河合成美
かつらぎステーション(奈良):岡田一美
鳥取県支部(鳥取):新田恵理子
観音寺ステーション(香川):大喜多恵子、金山洋美
伊予しおさいステーション(愛媛):荒木惠子、山城優子
むなかたステーション(福岡):長谷川美智子
宮崎支部(宮崎):石崎久子

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