NYカーネギーホールにピティナっ子出演、大成功収める

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2005/06/15

050605_carnegie.JPG6月5日(木)ニューヨークのカーネギーホール(ザンケルホール)で行われた、6人の若手演奏家によるコンサート"THE PASSION OF MUSIC"(※AADGT主催)に、関本昌平さん、小林愛実さん、角野未来さんが出演し、大成功を収めた。詳細は下記レポートをご参照頂きたい。

なおこのコンサートの様子は、Tokyo MXTV(東京メトロポリタンテレビ)で放映予定。
 6月16日(木)『TOKYOアフタヌーンサプリ』(14:00~14:30)
 6月17日(金)『TOKYOモーニングサプリ』(8:15~8:20頃)、同日『TOKYO MX NEWS』

またフランスのテレビ局でドキュメンタリー番組が組まれることになった。これは全ヨーロッパに放映される予定である。日本の子供達の質の高い演奏とピアノ教育が、世界で注目されつつある証といっても良いだろう。

※AADGT:American Association for the Development of the Gifted and Talentedの略。ニューヨークに本部を置く非営利団体。代表エレーナ・ロスマン。特別の才能を有する若手演奏家を発掘・育成し、世界に羽ばたいていくためのサポートをすることを主な活動目的とする。

<詳細リポート>
笹山順子先生(ピティナ正会員・AADGT日本代表)

「ピティナっ子カーネギーホールで熱演」

050605ny.JPGウォー!というどよめき、総立ちになる聴衆、会場に響き渡るブラボーと拍手の嵐・・・。
6月5日、ニューヨークのカーネギーホール(ザンケルホール)で行われたAADGT主催の6人の若手演奏家によるコンサート"THE PASSION OF MUSIC"が大成功のうちに終った。
このコンサートでピティナっ子3人(関本昌平さん、小林愛実さん、角野未来さん)が熱演、賞賛と驚嘆と感動の渦を巻き起こした。
一行は6月1日にニューヨークに入り、ニューヨーク郊外の邸宅でのホームコンサートなどで演奏した後、いよいよ6月5日のカーネギーホールでの本番を迎えた。
最初の出演者は6歳の角野未来さん。まるでお人形が登場してきたのかと思わせる可愛らしさに会場は思わずどよめいた。小さな手から紡ぎ出される素晴らしいリズム感のある"フンメルのロンド"に続き、大きな声で会場に向かってアンコール曲の紹介。「ポップコーン!」。表情豊かな演奏で聴衆を惹きつけ見事トップバッターを務めた。
次に登場したのは9歳の小林愛実さん。シーンと静まり返る会場に"ショパンのノクターン"が流れ、子供の演奏とは思えない情感溢れる演奏は人々の心に響いていく。続いてのプログラムは雰囲気をガラッと変え、力強い"ベートーヴェンのソナタ5番"。小さな身体から湧き出てくる意志のある素晴らしい演奏にだれもが彼女の才能に驚き、信じられないと言った様子、ブラボーブラボー!アンコールは「ショパン・エチュードゥ!」、愛実さんは自信に満ちた声で会場に伝えて見事に弾ききった。
ソロの最後は、関本昌平さんによるショパンのソナタ2番とアンコールの英雄ポロネーズ。そのスケールの大きい気迫に満ちた演奏に聴衆はぐいぐいと引き込まれ、魅了されていく。演奏が終った瞬間、賞賛と感動で会場が大きくどよめき、スタンディングオヴェーションとブラボーのかけ声!惜しみない大きな拍手が送られた。
コンサートのフィナーレを飾ったのはピアノ(関本さん)、バイオリンとチェロ(ノルウエー人)、そしてビオラ(アメリカ人)によるブラームスのカルテット。息がぴったり合った4人の演奏は若さと才能がほとばしり、親しみやすい旋律と相俟って、NYの聴衆を興奮の渦に巻き込んでいった。
全ての演奏が終ったあと演奏者全員が舞台で手をつないで挨拶すると、聴衆は総立ちとなり、熱狂的な拍手とブラボーの叫びがいつまでも鳴り止むことはなかった。それは恰も聴衆一人一人が「感動を与えてくれて有難う!」とでも言っているようで、演奏者と聴衆がまさに一体となった感動的なシーンであった。
カーネギーホールという世界最高の舞台で力を出し切ったピティナっ子達。
ニューヨークの地に多くの感動を残し、心地よい疲れとともに帰国の途についた。


<聴衆の声>
NYの聴衆からも多くの感想が寄せられました。その一部を抜粋でご紹介します。

●出演者の皆さんの素晴らしい演奏を、大変嬉しく思います。彼らは、優れた音楽家達とともに世界の檜舞台に立つ資格があります。この演奏会に来てくださった方に心よりお礼申し上げます。
Elena Rossman(AADGT代表)

●(関本昌平さんの演奏を2000年と2002年に聴きましたが)今回彼は『21世紀初めを代表する、偉大な音楽家の一人』としてNYに戻ってきました。今回の演奏会は、才能ある若い音楽家の演奏を聴く類稀な機会となりました。年齢、文化背景、楽器こそ異なりますが、皆クラシック音楽への情熱で結ばれていました。
Natalia Krassii-Watson(ピアニスト/NYウエストチェスター音楽院主任教諭)

●NYの音楽愛好家は、毎日のように繰り返される世界一流の演奏会にすっかり耳が慣れてしまっており、もはや彼らを驚かせることは至難の業といってもよいでしょう。しかしこの"Passion for Music"はまさに特筆すべきものであり、長く記憶に残る演奏会となりました。(中略)AADGTは、まだ知られてはいないが若く才能ある演奏家を世に送り出し、演奏を聴いてもらい、コンサート活動を始めるきっかけを与えるという、大変重要かつ志の高い活動をしていると信じています。
Dr.Nina Lelchnuk(ピアニスト/コロンビア大学教授)

●6歳の角野未来さんは集中力と自信あふれる演奏で、聴衆のスタンディング・オベーションを誘いました。9歳の小林愛実さんの弾いたベートーヴェンソナタは、力強く情感あふれる音、鮮やかなテクニック、そして各楽章で見事なコントラストを見せました。ショパンのノクターンは美しいフレーズ、豊かなディナーミク、全てが完全にコントロールされていました。アーティキュレーションも見事で、その動きはまるで指揮者のようでした。また彼女よりずっと年上の音楽家と肩を並べるほど、成熟していました。
関本昌平さんはショパンのソナタ第2番を力強く、しかし大げさになりすぎず、常に繊細さと知性をもって演奏しました。彼のタッチは感情表現において抜きん出ており、それは素直で人間的な演奏解釈をもたらしていました。
Irina Krivonos(ルーシー・モーゼス音楽学校、アメリカ特別音楽学校教諭)


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