このノクターンの成立年代については諸説あるが、20世紀のショパン研究者たちの多くは1837年とみている(M. J. E. Brown, 1872 ; K. Kobila?ska, 1977)。そうだとすれば、このノクターンは《二つのノクターン》作品37(第11、12番)と同時期の作である。この曲に関しては、完全な自筆譜が一点、スケッチが二点残されており、前者にショパンの筆跡で「ノクターンNocturne」と書き込まれているので、これが現在、第21番としてノクターンの中に数えられている。この曲が出版されたのは20世紀に入ってからのことで、1939年にワルシャワで出版されたのが最初である。
この曲の形式は、生前に出版されたノクターンに比して一風変わっている上に、曲の規模も小さい。曲は、すべて4小節ずつにフレーズが分かれている。それぞれのフレーズは、旋律・和声の特徴から、a, b, c, dの4種類に分けることができる。…続きを読むこれを図式化すると、以下のような構造がみえてくる。