作品解説
- 執筆者: 飯田 有抄
- …続きを読む湯浅の創作活動における思想的スタンスとして、「始原」「起源」といった言葉が一つのキーワードとして重要な意味を持っている。もともとイギリスの美術評論家ハーバート・リードによる言葉である「内触覚的宇宙」をタイトルとしたこの作品も、音楽が発生する根源的な場に立ち返るという意味合いが込められている。湯浅は現在までに、このタイトルのつく作品を全部で五曲作曲しており、I とIIはピアノ、IIIは二十弦筝と尺八、IVはチェロとピアノ、Vはオーケストラのためにそれぞれ書かれている。
自らの「アーケオロジックな態度を宣言する」(作曲者によるライナー・ノート)最初の作品となったこの作品は、不協和ながらも柔らかな、テクスチュアの薄い音響が支配的。その中で、時折現われるユニゾンの明確な旋法的な旋律線や、スタッカートでのリズミカルな動機、木魂のような一音の反復など、さまざまな様相が繰り広げられる。
□□楽譜情報□□(2008年4月現在)
日本ショット「湯浅譲二:内触覚的宇宙1」
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