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シューマン, クララ/Schumann, Clara
> ピアノ協奏曲 イ短調/Konzert für Klavier und Orchester
シューマン, クララ
: ピアノ協奏曲 イ短調
Schumann, Clara
: Konzert für Klavier und Orchester Op.7
作品概要
楽章・曲名
演奏時間
譜例
1
第1楽章 Mov.1 Allegro maestoso
7分00秒
No Image
2
第2楽章 Mov.2 Romanze: Andante non troppo con grazia
5分00秒
No Image
3
第3楽章 Mov.3 Finale: Allegro non troppo - Allegro molto
11分30秒
No Image
出版情報
作曲年: 1833/36年 出版年: 1836年
作品解説
PTNA編集部
執筆者:
PTNA編集部
1833年、クララがわずか14歳の少女であった時に作曲された協奏曲。この協奏曲は、それまで相互に関連性の薄い小品集ばかりを作曲していたことを考えると、クララにとって大きな成長といえるだろう。これはクララのオーケストラ作品で唯一現存する作品である。
当初ヴェーバーやシュポーアの例に倣って協奏楽章、すなわちピアノと管弦楽のための単一楽章作品として構想されていた。そしてそれを、ローベルトと共同で作り上げようとしていた。1833年11月22日、クララは日記にこう記している。「私は協奏曲を完成した。シューマンは今、私が演奏会で弾けるように、それをオーケストレーションしようとしている。」また残されているスコアの最初のページに、ローベルトの字で「クララによる協奏楽章、ぼくの管弦楽編曲」と書かれている。しかしクララの中で、この頃には協奏曲にしようという考えがまとまっていたようで、1834年2月24日にローベルトがオーケストレーションを終えクララに渡した時、彼女はそれを「フィナーレ」と日記に記した。
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1834年にこの協奏楽章が初演され、他の楽章が完成するまで何度か単独でこの「フィナーレ」のみを演奏し成功を収めた。そして全楽章は1835年にメンデルスゾーンの指揮と、もちろんクララ自身のソロで初演された。
2つの速い楽章と1つのゆっくりとした楽章という、このジャンルの伝統的な構成。これを全楽章アタッカでつなぐという形式は、メンデルスゾーンのト短調の協奏曲(作品25)の影響だと思われる。第2楽章は明らかだが、全体を通してピアノ・ソロの優位が効果的であるが、これは19世紀前半の協奏曲にはよく見られる特徴である。なお、この時代の協奏曲によくあるように、この作品もピアノ五重奏やピアノ・ソナタ用としても出版され、作品の普及に貢献した。
第1楽章
自由なソナタ形式。まずオーケストラが、そしてピアノ・ソロが主要テーマを奏する、慣習的な方法を用いている。テーマがピアノに移ると、そこからはピアノが音楽をリードし、オーケストラは主にピアノを支える。変イ長調に転調した展開部は、ピアノ・ソロが主要テーマを変奏する。そして両手のオクターヴで一気に下行したのち、短縮された再現部へ。主調ではなく属調で、オーケストラによって進められる。ピアノによるアダージョの1小節が、ロマンスへの懸け橋となる。
第2楽章
上品で優しさにあふれるロマンス。冒頭の上行音形は、第1楽章との結びつきを示している。3部形式からなるが、はじめの2部分は叙情的にピアノのみで奏される。そしてオーケストラではなく、独奏チェロに旋律が引き継がれピアノと二重奏を演じる。これはシューマンのピアノ協奏曲やブラームスのピアノ協奏曲での有名なチェロ声部への刺激となったのかもしれない。
第3楽章
ロンド形式。ピアノがfで奏し始めるロンド主題が何度も現れる。356小節と第1・2楽章を合わせた長さよりも長く、規模・内容ともに充実した楽章。締めくくりにふさわしいだけでなく、単独で演奏されたことも納得できる。
それまでよりもオーケストラの重要性が増し、オーケストラの音色の操作、そしてピアノとの対話が光る。先ほども述べたように、ローベルトによるオーケストレーションだが、しかし彼の手が加わっているからといって、クララにとってこの作品の重要性が減少することはないはずだ。またローベルトの初期のオーケストラ書法を知るうえでも貴重な例となっている。
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