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Tchaikovsky, Pytr Il'ich  :  18 Morceaux  Op.72
ピアノ独奏曲 [ pf / 曲集・小品集

作品概要

楽章・曲名 演奏時間
1 即興曲 ヘ短調  /  "Impromptu" 音源検索  -- 
2 子守歌  /  "Berceuse" 音源検索  -- 
3 やさしい非難  /  "Tendres reproches" 音源検索  -- 
4 性格的舞曲  /  "Danse caracteristique" 音源検索  -- 
5 瞑想曲  /  "Meditation" 音源検索  -- 
6 踊りのためのマズルカ  /  "Mazurka pour danse" 音源検索  -- 
7 演奏会用ポロネーズ  /  "Polacca de concert" 音源検索  -- 
8 対話  /  "Dialogue" 音源検索  -- 
9 少しシューマン風に  /  "Un poco di Schumann" 音源検索  -- 
10 幻想的スケルツォ  /  "Scherzo-fantaisie" 音源検索  -- 
11 火花のワルツ  /  "Valse-bluette" 音源検索  -- 
12 いたずらっ子  /  "L'espiegle" 音源検索  -- 
13 田舎のエコー  /  "Echo rustique" 音源検索  -- 
14 悲しい歌  /  "Chant elegiaque" 音源検索  -- 
15 少しショパン風に  /  "Un poco di Chopin" 音源検索  -- 
16 5拍子のワルツ  /  "Valse a cinqtemps" 音源検索  -- 
17 遠い昔  /  "Passe lointain" 音源検索  -- 
18 踊りの情景、トレパークへの誘い  /  "Scene dansante, invitation au trepac" 音源検索  -- 
作曲年:1893
出版年:1893
初出版社:Jurgenson

楽曲解説

総説 2014年10月  執筆者: 舘 亜里沙
チャイコフスキー(1840‐93)が最晩年の1893年に遺したピアノ作品であり、彼の有名な交響曲第6番《悲愴》の創作期間中に書かれました。完成後、作品は出版商であり友人でもあったP. ユルゲンソン(1836-1903)のもとに持ち込まれています。「小品」という名のもと、ほとんどの楽曲が小規模な音楽作品によく用いられるA-B-A´の三部形式で書かれていますが、長さは5分前後とある程度のボリュームがあり、中には演奏者にかなりの技術を求めるものもあります。
 三部形式のAとBの部分は楽譜上でも明確に分けられており、聴き手の耳にもはっきり感じられるため、それぞれの楽曲におけるコントラストが聴きどころです。また、A´部分がA部分とどのように変わっているのかも興味深い点で、例えば第17番<遠い昔>では、A´部分がA部分の美しい変奏となります。終曲の第18番<トレパークへの誘い>のみ三部形式をとらず、冒頭のモティーフが次々と華やかさを増してゆきます。
 楽曲のタイトルは、いわゆる器楽曲のジャンル名を指すもの(第1番<即興曲>など)と、パロディー的なもの(第9番<少しシューマン風に>など)と、舞曲の名前がつけられたもの(第7番<演奏会用ポロネーズ>など)と、その他の具体的なテーマを持ったもの(第8番<対話>など)の4パターンに分けることが出来ます。こうしたタイトルの付け方は、シューマンの組曲《謝肉祭》を彷彿とさせますが、《謝肉祭》のように作品全体を統一する構成要素があるわけではなく、むしろ18の独立した世界観を持つピアノ曲が集まっています。
 チャイコフスキーはこの後に完成する交響曲第6番《悲愴》では、「人生」や「死」といった非常に切迫したテーマに挑んでいた一方で、その直前の時期にはバレエ《くるみ割り人形》やオペラ《イオランタ》といった、ロマンティックなおとぎ話のための作品を書いていました。この《18の小品》には、そうした彼の創作の両極が巧みに入り混じっています。
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