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バッハ  :  組曲 ト短調
Bach, Johann Sebastian  :  Suite g-moll  BWV 822
ピアノ独奏曲 [pf/ 組曲

作品概要

楽章・曲名 演奏時間
1 序曲  /  Overture   3分 30秒  -- 
2 アリア  /  Aria  3分 00秒  -- 
3 ガヴォットとロンドー  /  Gavotte en Rondeau   1分 00秒  -- 
4 ブレー  /  Bourree   1分 00秒  -- 
5 メヌエット I  /  Menuet I  0分 30秒  -- 
6 メヌエット II  /  Menuet II   1分 00秒  -- 
7 メヌエット III  /  Menuet III   1分 00秒  -- 
8 ジーグ  /  Gigue   1分 30秒  -- 
12分 30秒
出版年:1904
初出版社:Peters

楽曲解説

演奏のヒント 2017年5月  執筆者: 大井 和郎
メヌエット ト長調 BWV822-7

 このメヌエットは3声で書かれてある部分がありますね。故にそのポリフォニーを尊重する演奏法が望ましいと思います。3声に聴かせるためにはアーティキュレーションに工夫が必要になってきます。順番に書いていきましょう。これはほんの一例に過ぎません。ご参考まで。

小節数:

1 全ての音符はスタッカートにします。

2 右手はレガートで最後の音符は短めにします。左手は付点2分を3拍分伸ばし、4分音符を2つともスタッカートにします。

3 右手は全てスタッカート、左の1拍目4分音符は長くても短くても構いません。

4 右手はレガートで3拍目のみ短く切ります。左手は1-2拍間スタッカートで3拍目はレガートで次の小節に繋ぎます。

5 右手全てレガートで。左手音価分伸ばし、休符を守ります。左手をスタッカートにしないのは、4分音符が単独で現れているからです。

6 5と同じ

7 右手レガートで3拍目のみスタッカート、左手は音価分伸ばします。

8 全てレガートで、左手3拍目のみ短く。

9 音価通り

10 右手4分音符スタッカートで2分音符は音価分伸ばします。左手は1-2拍間音価通りで3拍目はスタッカート。

以下同様にアーティキュレーションを守ります。このアーティキュレーションのポイントは、例えば2小節目のように、左手で付点2分音符を伸ばし、もう一方の声部をスタッカートにすることにより、解りやすく2声に聴かせることができます。13小節目の左手も、付点2分を伸ばし続けた上で、2拍目をスタッカート、3拍目をレガートにすることでハッキリと2声に聴かせることができます。お試し下さい。

 なお、ダイナミックですが、途中D-durに転調しますね。D-durのほうが原調のG-durよりもテンションを高くしますので、D-durの音量を若干大きくするようにすれば良いでしょう。

 細かい事になるのですが、5-6小節間の右手の素材をご覧下さい。D CHAG E CHAG は、必ず後の方の小節(この場合6小節目)をほんの少しだけ前の小節(この場合5小節目)より大きく弾きます。同じパターンが14-15小節間、22-23小節間にもありますので同様の処理をします。これらペアの小節は同じ音量にならないように気をつけて下さい。
総説 2008年4月  執筆者: 朝山 奈津子
 旧バッハ全集には拾遺されず、新全集においても「他者作品の編曲」と注釈された作品。唯一の資料はバッハ存命中の1743年という日付を持つとはいえ、筆写者不明のものである。が、様式の上からはバッハの初期作品としての特徴をよく備えており、真作である可能性は高い。
 最初の楽章はフランス式序曲、すなわち緩急緩の3つのセクションに分かれている。第1セクションは山形の動き、すなわち直線的で華麗な上行音型と付点による緩やかな下行が繰り返される。第2セクションは逆に谷型の軽快な動機をいくつも連ねてフーガ主題としている。最後の緩徐部分は10小節と短いが、第1セクションの直線上行の装飾を排除して落ち着きのある締めくくりとしている。
 この楽章のおもしろさは、調の推移にある。中間のフーガ部分では、g-Mollから始まってB-Dur(第38小節)、F-Dur(第46小節)、d-Moll(第57小節)、Es-Dur(第68小節)を通り、ここからなんとフラット6つのGes-Dur(第76小節)へ進む。転調の勢いはなお収まらず、遂にはフラット7つのas-Moll(第84小節)に到達する。ただし、このあたりの調は長く保持されず、まもなくEs-Durへ戻り(第90小節)、やがてg-Moll(第104小節)へと回帰して安定する。これらの転調はV度圏を利用して推移するものである。フーガ部分は下行の模続進行一辺倒で動機労作はやや退屈であるが、それだけに一層、こうした調の色合いの豊かさと変化が楽しめるだろう。
 第2楽章は堂々たるアリア。装飾音がすべて書き出されている。前半はあくまで穏やかに進むが、反復記号の後で急に下属短調c-Mollへ転じる。ここから主調へ戻る際、第13小節第1拍のフェルマータ付き和音、および第14小節での偽終止は、このアリアの表出的な効果をさらに高めている。
 第3楽章は〈ロンドによるガヴォット〉というタイトルを持つ。この曲の中で扱われるのは、第2小節第2拍までの山形の舞曲リズムによる動機と、いわゆる「溜息」動機による順次的な下行、および最初のクプレで登場した四分音符と八分休符を含む動機である。短く単純な形式のロンドだが、動機の転回をよくこなしている。
 続くブレでは、ガヴォットの各動機が再び用いられる。溜息動機は反復記号以降にようやく現れるが、全体にこの2曲の関連は明確である。
 3つのメヌエットのうち、最初の2曲は転回関係にある。つまり、メヌエットIで右手にあったものがメヌエットIIで左手に、また左にあったものは右へ移される。メヌエットIIIは対位法からは自由になるが、関連する動機が扱われている。メヌエットIIとIIIはメヌエットIをダ・カーポするよう指示があり、これを守るとロンドによるメヌエットが完成する。
 終楽章はジーグで、フーガになっている。ただし主題はわずか半小節の差で模倣されるため、緊密なテクスチュアが生まれる。また、付点と同音反復を組み合わせた8分の6の主題は、鍵盤楽器で演奏するとではややしつこい印象を与えるが、おそらく落ち着きのあるテンポを選ぶことで解決されるだろう。なお、ジーグに付点リズムを用いるのはフランスの様式である。

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