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バルトーク  :  3つの練習曲
Bartok, Bela  :  3 Etudon  Op.18
ピアノ独奏曲 [pf/ 練習曲

作品概要

楽章・曲名 演奏時間
1 No. 1. Allegro molto   2分 00秒  -- 
2 No. 2. Andante sostenuto   3分 30秒  -- 
3 No. 3. Rubato - Tempo giusto capriccioso   2分 00秒  -- 
7分 30秒
作曲年:1918

楽曲解説

総説 2016年1月  執筆者: 舘 亜里沙
 1918年に書かれたこの作品は、ピアノの技術的難易度が極めて高い。1912年から1914年にかけて、生涯で最も精力的に民俗音楽の調査旅行を遂行したバルトークは、作曲家としてはしばし息をひそめていた。だが1915年、《ソナチネ》に代表されるルーマニアの民俗音楽の編曲を手掛けた後、彼は1916年から1922年にかけて特徴的な作品を次々と発表する。この《3つの練習曲》もそうした一連の作品の一つであり、バルトークの作品中ピアノ曲の伝統と革新の双方を窺わせるものとなっている。

 この時期のバルトークは、しばしば同時代のウィーンの作曲家シェーンベルクの影響を受けているとも言われる。2人が直接コンタクトを取ったという史実は確認されていないが、確かにシェーンベルクが1910年代に入って本格的に調性を放棄した作品を書いていたことと、バルトークが1910年代後半に入って調号を放棄した前衛的な響きの作品を残すようになったことは、時期的に一致している。実際、少々先立つ1916年に書かれた《ピアノ組曲》Sz. 62で音列技法へと接近したのに続き、バルトークはこの《3つの練習曲》も調性を回避した半音階的な響きを多用している。一方で、練習曲というジャンルで本格的な演奏会用のレパートリー足りうる作品を創作するという姿勢は、ショパンやリストといった19世紀のピアニスト兼作曲家達から受け継がれたものであり、この練習曲は特定の作曲家からの影響というよりも、様々な前時代ないし同時代の作曲家達の慣習を受け継いだものと捉えるのが、妥当であろう。

 3曲は全体で急―緩―急の構成をとる。第1曲(アレグロ・モルト)では半音階的なピッチが音域の高低差をつけて配置された音の層の中で、不協和な和音の跳躍が野性的な印象を強めるが、楽曲そのものは再現部の縮小された三部形式をとっている。第2曲(アンダンテ・ソステヌート)はいわゆる緩徐楽章の役割を担い、クライマックスの和音の重なりを除いて、息の長い旋律と技巧的な伴奏が明確に分けられている。第3曲(ルバート‐テンポ・ジュスト・カプリチオーソ)は、序奏を伴う三部形式(A-B-A')で書かれており、3曲中形式については最も把握しやすい。中間部に明確な旋律線が現れるのに対し、AおよびA'部分では、幅広い音域をジグザグに動き回る左手の16分音符と不定周期で現れる右手の和音が、拍子感を崩すような緊張感を生み出す。

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