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ブルグミュラー  :  25の練習曲
Burgmüller, Johann Friedrich Franz  :  25 Etudes faciles et progressives, conposées et doigtées expressément pour l'étendue des petites mains  Op.100
ピアノ独奏曲 [pf/ 練習曲

作品概要

楽章・曲名 演奏時間
1 すなおな心  /  La candeur  1分 20秒
2 アラベスク  /  L'arabesque  1分 00秒
3 牧歌  /  La pastorale  1分 30秒
4 小さな集会  /  Le petite reunion  1分 30秒
5 無邪気  /  Innocence  1分 00秒
6 進歩  /  Progres  1分 00秒
7 清らかな流れ  /  Le courant limpide  1分 00秒
8 優美  /  La gracieuse  1分 00秒
9 狩り  /  La chasse  1分 00秒
10 やさしい花  /  Tendre fleur  1分 30秒
11 せきれい  /  La bergeronnette  0分 30秒
12 別れ  /  L'adieu  1分 00秒
13 なぐさめ  /  Consolation  1分 30秒
14 スティリエンヌ  /  La Styrienne  2分 00秒
15 バラード  /  Ballade  1分 30秒
16 あまいなげき  /  Douce plainte  1分 00秒
17 おしゃべり  /  La Babillarde  1分 00秒
18 気がかり  /  Inquietude  1分 00秒
19 アヴェ・マリア  /  Ave Maria  1分 30秒
20 タランテラ  /  La tarentelle  1分 30秒
21 天使のハーモニー  /  L'harmonie des anges  1分 30秒
22 舟歌  /  Barcarolle  1分 30秒
23 帰り道  /  Le retour  1分 00秒
24 つばめ  /  L'hirondelle  1分 00秒
25 貴婦人の乗馬  /  La chevaleresque  2分 00秒
31分 0秒

楽曲解説

総説 2015年10月  執筆者: 飯田 有抄
 「ブルクミュラー 25の練習曲」と呼ばれ長らく親しまれているこのエチュードは、19世紀の半ばにフランスで誕生した。曲集のタイトルをフランス語の原題どおりに訳すと、『ピアノのためのやさしく段階的な25の練習曲——小さな手を広げるための明解な構成と運指 作品100』である。
 作曲者のフリードリヒ・ヨハン・フランツ・ブルクミュラー(1806〜74)はドイツのレーゲンスブルクに生まれ、デュッセルドルフで育ち、26歳でフランスに渡ってパリで活躍した。当時のパリといえば、産業や鉄道インフラ整備が進み、芸術活動においても華々しい熱気を帯びた国際都市である。外国人のブルクミュラーは、同地の音楽文化の勢いに乗るようにしてピアノ教師、サロン音楽の作曲家、そしてバレエ音楽作曲家として名を馳せた。当時の彼の作品の出版状況やバレエ界から寄せられたコメント、そして時の国王ルイ=フィリップ1世よりフランス帰化許可状が与えられたところを見ると、彼の安定した仕事ぶりはパリの人々から信頼を集めていたことが窺われる。
 「25の練習曲」作品100のエチュードを出版したのは1851年。作曲家としてはバレエ音楽の成功などですでに一定の評価を獲得し、ピアノ教師としてはベテランの域に到達していた45歳の頃である。彼の遺産や自筆譜などの大半は現存していないため、どのような経緯や目的でこのエチュードが作られたのかは定かではない。しかし、性格小品集や練習曲集があまた生まれた19世紀のピアノ文化最盛期にあって、ブルクミュラーは初心者たちのために、当時流行の音楽様式のエッセンスを伝え、同時に基本的なピアノの演奏技術の向上をはかることのできる良質なエチュードを作ろうとしたに違いない。「アラベスク」(シューマンに続く)や「バラード」(ショパンやリストに続く)など、最新のロマン派ピアノ曲らしい標題を取り入れ、「スティリエンヌ」「タランテラ」「舟歌」といった舞曲や性格小品の様式に、「小さな手」のピアノ学習者たちでも親しめるように、さまざまな工夫を凝らした。片手が1オクターブを超えた音域を押さえる曲はない。調号は4つまで(As durの「舟歌」が最多)。初版はどの曲も2ページ以内に収められている。ピアノ教師としての長年の経験から、当時の慣習や楽器の特性に見合ったフレージングや運指が施されている。
 初版はパリのブノワ・エネ社から1851年に発売され、翌1852年にドイツの都市マインツにあるショット社からも出版された。現在ではインターネット上の電子図書館でこれらの初版譜が容易に確認できる。
 なお、作品100は3巻組みを想定して書かれたエチュードのうちの第1巻にあたる。第2巻は「18の練習曲 作品109」(1858)、第3巻は「12の練習曲 作品105 」(1854)である。第2巻の「18の練習曲」は同時代のフランスの作曲家ステファン・ヘラーに、第3巻の「12の練習曲」は当時のパリ音楽院の院長であるD.F.E.オエベールに捧げられている。
 ちなみに、ブルクミュラーはすでに1838年の段階で、3巻本からなる導入期用の教則本をヨーロッパ各地で出版している。このテキストは完全に初歩段階から学べるようになっており、「25の練習曲」は、レベル的にはその続きにあたることにも言及しておきたい。
総説 2017年6月  執筆者: 原 晶穂
〈無邪気〉
 ドイツに生まれ、フランスで活躍した作曲家ヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルクミュラー(1806-1874)の曲。
 〈無邪気〉はピアノ学習者にとってはお馴染みの《25の練習曲》の第5曲として作曲された。強弱の指示(f, p, cresc. dim.)だけでなく、1小節目のgrazioso(優美に)、9小節目のleggiero(軽快に)の音楽表現的な指示も見られ、素朴ながら表情に富む練習曲である。
演奏のヒント 2015年10月  執筆者: 大井 和郎
15.バラード
 主観的な話になってしまいますが、この曲はある程度の速さが無いと弛んでしまうと考えています。ゆえに、速度記号の付点4分音符=104は、決して速過ぎる速度では無いと個人的には思います。とても子供にとっては憧れの曲ではありますが、技術的に困難な箇所が多く、一つ一つ丁寧に部分練習をして行かない限り、良い演奏は望めません。典型的なのは冒頭の左手の旋律です。

 指番号は121432 121432 で良いと思いますが、これがなかなか言うことを聞いてくれないのですね。ここで効果的な練習方法を1つお教えします。

 左手5の指をFに置きます。(もちろん5の指もFも実際には使わないのですが、この問題は多くの場合、指の独立の問題から発生している場合が多く、まずそこから直していかなければなりません)。指を置いたままその旋律を弾いてみてください。とても弾きにくくなりますね。

 次に5の指の他、1の指もCに置いたままにします。その状態で、まず2と3の指でHとAのトリルを弾いてみてください。トリルといってもわりとゆっくり、しっかりと鍵盤の奥深くまで到達させ、フォルテで弾いてください。それをしばらく行い、次に3と4の指でAとGのトリルを弾きます。2と3に比べとても弾きにくいのではないでしょうか。今度は、全く同じことをするのですが、2と3のトリルを弾く時、4の指をGに置きっぱなしにします。つまり、5がF、4がG、1がCと、3本の指を置いた状態にして、トリルを行います。先ほどよりも辛いですよね。次に、5をF、2をH、1をCに置いたまま、3と4の指のトリルを行います。さらに弾きにくくなるはずです。その他、あらゆるコンビネーションを使って、部分練習を行います。

 これら、辛く退屈な作業を5分でも良いので行ってみてください。そして、再び普通に弾いてみてください。格段に弾きやすくなっているはずです。これを毎日行い、この左手のパッセージを楽に動かせるようにトレーニングすることで、テンポを上げることができます。

 右手、左手に出てくる和音のスタッカートはとにかく短く、鋭く弾きます。最後のCodaでは、右手と左手がオクターブで旋律を演奏しますが、ここももちろん左右のズレがないようにします。

 旋律の16分音符が、どれほど速く弾けるかにより、ここのテンポをもとに、全体のテンポを決めれば良いでしょう。
演奏のヒント 2015年10月  執筆者: 大井 和郎
25.貴婦人の乗馬
 この「貴婦人の乗馬」を弾くことは、子供にとってある種の夢であったり憧れであったりするものですね。しかしこの曲もすんなりとは弾けない曲で、学習者はまず、40小節目以降のCodaに出てくる音階が弾けないことには、この曲は悲惨な結果になります。まず、40-43小節間をなんとか弾けるようにしなければなりません。それには、特に左手が遅れることのないようにハノンなどの地道な練習が必要になってくるかもしれません。指導者の皆さんは、まずこのCodaが、生徒さんの実力でこなせる箇所かどうかを判断した上で曲を与えると良いでしょう。

 次に、典型的に起こりうる問題を挙げていきます。1小節目、スタッカートはとにかく短く。これが重たくなると疲れ切った人が弾いているように聴こえてしまいます。次に2小節目、1-2拍目の問題です。学習者はここに書かれてある右手の5つの音、EDCisDHに対して全部の音に1回ずつ力が入ってしまいます。最初のEは装飾音ですので、これは次のDとほぼ同時に、「1つのモーション」で弾きます。さて、次のCisですが、これも次に待っているDの装飾音だと思って、ほぼ同時に、1つのモーションで弾いてください。その時、Cisには絶対に力を入れず、Dのみ、少しアクセントをつけます。次に来るHも、その次に待っているAの装飾音だと思い、ほぼ同時に、1つのモーションで弾きます。
 そうすると、結果アクセントの付く場所は1拍目のD、2拍目のD、3拍目のAの3つだけで、他の音は決して力を入れずに、あたかも装飾音のように弾いてください。これで全く演奏が変わってきます。2小節目以降、今と同じパターンが出てきたら、同じ方法で演奏します。

 その他の注意。7小節のcrescendoは、8小節目の3拍目、最後の音であるCがゴールの音ですので、ここまでcrescendoします。9小節目、左右の3連符、決してズレることのないように。ここはフォルテで弾き、4拍目以降、10小節目全てPにします。20小節目は、レゾネンス(余韻)です。あまり力はいりません。37-38小節間の3連符は遅くならずにテンポどおり演奏してください。もちろん、次の40小節目からの16分音符も同じです。

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  アラベスク   Neil A. Kjos Music Company
  バラード   Neil A. Kjos Music Company
  狩 ~「25の練習曲」より~   Neil A. Kjos Music Company

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