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メシアン  :  幼子イエスに注ぐ20のまなざし
Messiaen, Olivier  :  Vingt regards sur l'enfant Jésus
ピアノ独奏曲 [pf/ 曲集・小品集

作品概要

楽章・曲名 演奏時間
1 父なる神のまなざし  /  "Regard du Père"  8分 00秒  -- 
2 星のまなざし  /  "Regard de l'étoile"  3分 00秒  -- 
3 交換(神と人との成り代わり)  /  "L'échange"  3分 30秒  -- 
4 聖母のまなざし  /  "Regard de la Vierge"  5分 30秒  -- 
5 御子に注ぐ御子のまなざし  /  "Regard du Fils sur le Fils"  8分 00秒  -- 
6 そのかたによりて、すべては成された  /  "Par Lui tout a été fait"  11分 00秒  -- 
7 十字架のまなざし  /  " Regard de la croix"  4分 30秒  -- 
8 高きところのまなざし  /  "Regard des hauteurs"  2分 30秒  -- 
9 時のまなざし  /  "Regard du temps"  2分 30秒  -- 
10 喜びの聖霊のまなざし  /  "Regard de l'esprit de joie"  9分 00秒  -- 
11 聖母の初聖体拝領  /  "Première communion de la Vierge"  7分 30秒  -- 
12 全能の御言葉  /  "La parole toute-puissante"  2分 30秒  -- 
13 ノエル  /  "Noël"  4分 30秒  -- 
14 天使たちのまなざし  /  "Regard des anges"  5分 00秒  -- 
15 幼子イエスの口づけ  /  "Le baiser de l'enfant Jésus"  14分 00秒  -- 
16 預言者たち、羊飼いたち、東方の三博士たちのまなざし  /  "Regard des prophètes, des bergers et des Mages"  3分 00秒  -- 
17 沈黙のまなざし  /  "Regard du silence"  5分 30秒  -- 
18 恐るべき終油の秘蹟のまなざし  /  "Regard de l'onction terrible"  7分 00秒  -- 
19 われは眠る、されど心は目覚め  /  "Je dors, mais mon coeur veille"  11分 00秒  -- 
20 愛の教会のまなざし  /  "Regard de l'église d'amour"  14分 30秒  -- 
132分 0秒
作曲年:1944

楽曲解説

総説 2014年1月  執筆者: 平野 貴俊
 独奏ピアノのための曲集《幼な子イエスにそそぐ20のまなざし》(1944)は、テーマおよび規模の大きさという点で、《鳥のカタログ》(1956-1958)と並んでメシアンの最も重要なピアノ作品である。メシアンはこの曲の創作を通して独自の音楽語法を体系化し、それを組織的・全面的に動員することによってキリストの神性を象徴的に表現しようと試みた。1941年にパリ音楽院和声クラス教授に就いたメシアンは、傑出した音楽能力をそなえたピアニスト、イヴォンヌ・ロリオと出会う。このころメシアンの関心は、信仰をテーマとする音楽を、教会ではなく演奏会に持ちこむことにあった。《アーメンの幻影》(1943、2台ピアノ)と《神の臨在のための3つの小典礼曲》(1943-1944、ピアノ、オンド・マルトノ、女声合唱、管楽器を含まないオーケストラ)では、神に関連する主題を作品のなかで循環的に用いたり、神への愛を歌い上げる歌詞を合唱に委ねたりしている。本曲集もこの延長線上に属しており、メシアンはイエスの降誕をめぐるさまざまな「まなざし regard」に着目し、それぞれに独立した音楽を付して全20曲からなる巨大なサイクルを完成させた。メシアンによれば、「まなざし」という語はドン・コルンバ・マルミオン(1858-1923) の著作『神秘のなかのキリスト』と、この曲集の成立にかかわったモーリス・トエスカ(1904-1998) のアイディアに由来するという。
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1) アイルランド出身の修道士。カトリックに関する著作はヨーロッパで広く読まれた。2000年にヨハネ・パウロ2世により列福された。
2) フランスの作家。第2次世界大戦でドイツ軍がフランスを占領していた時期(メシアンが《まなざし》を作曲したのはその末期である)、パリ警視庁で対独協力的な活動を行っていたと伝えられる。
成立背景 2014年1月  執筆者: 平野 貴俊
 本曲集はもともと演奏会用の音楽ではなく、ラジオで放送される詩の朗読の付随音楽として構想された。ドイツ軍占領下のパリでは、レジスタンスに共鳴する文学者・音楽家たちが、ナチスのラジオ局に対抗してフランス国営ラジオを立ち上げた。彼らがラジオ放送の方針として重視していたのは、聴取者に芸術のさまざまな側面を紹介し、それによって聴取者の教養を高めることであった。こうした企図にもとづいて、文学、音楽、演劇など芸術の諸ジャンルを横断した「ラジオ芸術」の創作が奨励されるようになる。音楽放送の最高責任者に内定していた作曲家アンリ・バロー(1900-1997) は、イエスの降誕の物語を詩と音楽で表現するクリスマス用の番組を企画し、1943年末、テクストと音楽の創作をトエスカとメシアンにそれぞれ依頼する。対独協力的な活動を行っていたとされるトエスカにバローが委嘱を行った理由は定かではないが、1944年2月ころメシアンとトエスカは計画について具体的に話し合っている。作品名は《12のまなざし》に決まり、メシアンとトエスカはその後連絡をとり合うことなく各自の創作を続けた。パリが解放された1944年8月、メシアンの創作はほぼ終わりに近づいていたが、このとき彼が作曲を完了した「まなざし」の数は20を超えていた。メシアンは9月11日、知人ドラピエールの家にトエスカらを呼び、私的な初演をみずからの演奏で行った。結局当初予定されていたクリスマス用番組は放送されず、最終的に曲数は20に落ち着いた。献呈されたロリオによる全曲の公開初演は1945年3月26日、サル・ガヴォーで行われ、ここでメシアンは4ページの解説を配布し、各「まなざし」の演奏に先立ってそれを読み上げている。スコアは1947年デュラン社から出版された。

1. 父のまなざし Regard du Père
2. 星のまなざし Regard de l’étoile
3. 交換 L’échange
4. 聖処女のまなざし Regard de la Vierge
5. 子にそそぐ子のまなざし Regard du Fils sur le Fils
6. その方によって万物はつくられた Par Lui tout a été fait
7. 十字架のまなざし Regard de la Croix
8. いと高きところのまなざし Regard des hauteurs
9. 時のまなざし Regard du temps
10. 喜びの聖霊のまなざし Regard de l’Esprit de joie
11. 聖処女の初聖体拝領 Première communion de la Vierge
12. 全能のことば La parole toute puissante
13. 降誕祭 Noël
14. 天使たちのまなざし Regard des Anges
15. 幼な子イエスの口づけ Le baiser de l’enfant-Jésus
16. 預言者、羊飼い、東方三博士のまなざし Regard des prophètes, des bergers et des Mages
17. 沈黙のまなざし Regard du silence
18. 恐るべき塗油のまなざし Regard de l’Onction terrible
19. 眠っていてもわたしの心は目覚めています Je dors, mais mon cœur veille
20. 愛の教会のまなざし Regard de l’Eglise d’amour

コンサート この曲が演奏されるコンサート

  ジョイントピアノリサイタル「Nの会」
 [後援]  [ピティナ会員]
2017年11月25日 17時30分
大阪/ カワイ梅田コンサートサロン”ジュエ”
  ジョイントピアノリサイタル「Nの会」東京公演
 [後援]  [ピティナ会員]
2017年12月2日 17時30分
東京/ Hall 60 (ホールソワサント)

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