このピアノ・ソナタは、それまで米国、パリで暮らしていたプロコフィエフがソビエトに戻り、彼の創作活動の円熟期ともいえる時期に作曲された作品である。演奏者に高度な技巧を要求すると同時に、強烈な印象を与えるダイナミックさと美しい叙情性を見事に兼ね備えている。ピアノ・ソナタ史の中でも特筆すべき傑作であり、新しい可能性をもたらした作品と言えるだろう。
プロコフィエフは未完成のものを除き生涯で9曲のピアノ・ソナタを書き残しているが、第2次世界大戦中に書かれた第6番から第8番が「戦争ソナタ」と呼ばれる。これらの3作はいずれも完成度が高く、特にこの第7番は発表された当時大きな反響を呼んだ。大戦やソヴィエト体制の深刻な社会状況が当然作品に反映されていると考えられるが、隙のない構成美、野性的な活力といったプロコフィエフの音楽的魅力が余すことなく発揮されており、作品それ自体で圧倒的な存在感を持っている。
第1楽章 Allegro Inquieto (速く・不安に) 緻密なソナタ形式になっており、リズミックな主題と旋律的な主題が対照的に現れる。
第2楽章 Andante Caloroso (程好く速く・熱情的に)叙情的で重厚な響きになっているが、微妙なテンポの揺れやリズム感も織り込まれている。
第3楽章 Precipitato(猛烈に)ピアノ曲には珍しい7拍子の曲で、八分音符単位で2-3-2の組合せによるリズムで書かれている。エネルギッシュな勢いを持ち、クライマックスへと突進する。