出演者インタビュー
掲載日級名お名前
2016/03/04G級沢田 蒼梧くん

演奏を聴いてもらえる喜び

さわだそうご◎1998年生まれ。半田市在住。6歳よりマツイシ楽器ヤマハ教室でピアノを始め、山口延子・山脇一宏講師を経て、現在、関本昌平氏に師事。 ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝大会B級銅賞・C級金賞・D級ベスト賞・Jr.G級銅賞・G級金賞及び東京都知事賞、読売新聞社賞、ヒノキ賞、洗足学園前田賞。福田靖子賞選考会第4位。全日本学生音楽コンクール全国大会中学校の部第2位。ドイツエトリンゲン青少年国際入選。これまでにポーランドシレジアフィルハーモニー交響楽団・山下一史氏指揮中部フィルハーモニー交響楽団・大府市楽友協会管弦楽団と共演。『新人演奏家コンサート』(エメラルドホール)『プロフェッショナルへの期待 今 聴く!秘める10代』(名古屋 電気文化会館ザ コンサートホール/大阪 マグノリアホール)『21世紀あいちの子ども健康フォーラム 子どもの感性を豊かに』(あいち小児保健医療総合センター)等出演。 2014年3月東海中学校首席卒業、浄土宗門主賞受賞。現在、東海高校成績優良特待生として、学業とピアノの両立を目指している。

第2部出演

演奏曲目
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第5番 Op.53

ピアノを始めたきっかけを教えて下さい。

2才の時にヤマハ音楽教室に入り、最初は音で遊んでいたのですが、小学1年生から、エレクトーンのグループレッスンとピアノの個人レッスンのコース生になったことがきっかけです。ただ、ピアニストを目指してピアノに本気で向き合う分岐点となったのは中学2年生の時です。Jr.G級を受けたのですが、その年のコンクールが終わったらピアノをやめようと決めていました。でも同じくJr.G級を受けていた尊敬し憧れの方が、僕を友として気さくに話しかけてくれたことが嬉しく、また全国にピアノ仲間が出来たことで、もう一度皆と同じ舞台に立ちたいと思うようになりました。その直後、当時師事していた先生から、ピアニストを目指しながら医師の道を歩むことも出来ると教えて頂いたことから、ピアノへの気持ちが前向きに変化していきました。今は勉強と両立しながら楽しくピアノに取り組んでいます。

新たなピアノへの取り組み方が見えてきたのですね。今、師事している先生との出会いはどのようなものでしたか?

昨年の夏までは、在籍していた楽器店特別講師の先生のご自宅へ愛知から神奈川まで片道4時間かけて通っていたのですが、高校生になって勉強に必要な時間が増え、今後のピアノと勉強のバランスを考えて「地元の先生を」と、ピティナからご紹介頂き、昨秋から関本昌平先生に習うようになりました。先生はピアニストとしても凄い方ですが、頭も良くて面白く、「こうなりたい」と憧れ、尊敬しています。普段は平日の夜9時ごろから2時間程レッスンをして頂いているのですが、延長すると日付が変わっているなんてこともあります。先生と出会えて本当に良かったです。

初めてコンペに出場したきっかけを教えて下さい。

初のコンペは小学校4年生の時、当時師事していた先生から挑戦しないかと勧められたことがきっかけでした。全国大会まであるコンクールに初めて臨み、いきなり全国大会へ出場できたのですが、津田ホールの舞台袖で緊張のあまり呼吸が出来ずに苦しくなってしまいました。それ以来夏でも手が冷たい等、緊張状態で本番へ臨んでいたのですが、自らピアノのある人生を選んだ中2の秋以降、結果を気にせず本番を楽しめるようになったことで、緊張感を本番の集中した演奏へ上手く昇華させることができるようになり、過度な緊張はしなくなりました。

純粋な気持ちでピアノが弾けるようになったのですね。今年度のコンペ出場も先生の勧めだったのですか?

自分にはG級はまだ早いと考えていたので、受けるつもりは全くなかったのですが、先生から勧めて頂きました。力を認めてくれてた先生の言葉が嬉しく、チャレンジして良いのだと思い、学校の試験やコンサートなど先に決まっていたものだけでも大変な日程だったのに、後のことは考えず、挑戦できる嬉しさのあまり半ば勢いで申し込んだところがあります。

プログラムはどのように選曲されたのですか?

予選で弾いたバッハの平均律は、昨年度Jr.G級でも弾いたのですが、その時出だしから不甲斐ない演奏をしてしまい、リベンジしたいと思い決めました。ショパンのエチュードは、昨年から取り組んでいた曲でしたが、奏法も表現も中途半端なままという思いがあったので、より完成度を高めたいと決めました。その他の曲は先生と相談して決めました。

1次予選後、2次予選へ向けてどのような練習をされましたか?

2次予選の10日前にコンペ曲とは全て違う40分プログラムでコンサートに出演したので、それが終わった後の10日間で何とかしようと一気に集中して取り組みました。コンクールは自分に結果が返ってくるだけですが、コンサートはお客様にお金と時間をかけて来て頂くので、そのコンサートが終わるまでは2次予選曲は4か月全く弾かずにいました。10日間で仕上げられるか不安もありましたが、同じ曲で出演した前年3月のコンサートまでのレッスンビデオを見るなどして調子を取り戻しました。

とてもハードなスケジュールの中で取り組まれたのですね。たまに息抜きはしないのですか?

時々旅行に行ったりしますが、基本的な日常生活ではピアノに取り組んでいる時は勉強が、勉強している時はピアノが息抜きで、二つが相乗効果になっているため、それ以外の息抜きが必要という意識はありません。時間的にはハードですが、どちらも好きなことに取り組んでいるだけですので、精神的には毎日充実していて楽しいです。

全国大会へ向けてはどのような練習をされましたか?

全国大会で初めて人前で演奏したベートーヴェンのソナタに重点的に取り組みました。またコンクールも審査員の先生方やお客様に聴いて頂ける「コンサート」だと思って参加しているので、結果を気にするのではなく、良いホールの良いピアノで弾けることや、素晴らしい審査員の先生方にアドヴァイスを頂けることを楽しみにしていました。

決勝大会当日の演奏はいかがでしたか?

自分でも信じられない程ミスタッチをしたので、僕も先生も苦笑いの演奏でしたが、先生からも「いい所もいっぱいあったし、良かった。」と言って頂けましたし、自分自身も本番までの日々を一生懸命、精一杯取り組んだので、「しょうがない、これも今の自分の実力だ」と納得できました。

金賞受賞を知った時の気持ちを教えて下さい。

びっくりしました。金賞受賞が嬉しいとか凄いとかではなく、ピアニストとして自分が先生と目指してきたものの方向性のまま、これからも進んでいったら良いと審査員の方に言って頂けたので、そういう意味で嬉しかったです。鍛えて高めてくれた先生のお陰だと思っています。

本当におめでとうございます。今年度のコンクールを終えてみて、感じたことはありますか?

ピアノを弾くこと、コンクールを受けることは自分で選んだことなので、時間的には厳しく辛くても、何度も僕の演奏を聴いて頂ける機会を得られて本当に幸せだったという思いです。何よりピアノを弾く事、演奏を聴いてもらう事が好きで、演奏を聴いて「感動した」と言ってもらえることが嬉しく、ピアニストとしてステージで演奏する喜びを味わえるまでに成長できたと思います。またコンサートピアニストを目指す僕にとっては3回の審査を通して審査員の先生方から頂いたご講評やアドヴァイスはどれも宝の言葉なので、そういう意味でもG級に挑戦したことの意義は大きかったと思います。

入賞者記念コンサートではスクリャービンのピアノ・ソナタ5番を演奏されますね。

7月のコンサートで一度演奏した曲です。この曲は他の曲と比べて先生からの具体的な指導が極めて少なかったのですが、「この曲を言葉で指導することはこれ以上出来ない。沢田君自身のインスピレーションと第六感が無いと演奏出来ないものだよ」と、僕の表現力を信じて下さったのが嬉しく、とても挑戦のし甲斐のある曲だと思いました。7月に演奏してみて、フルコンとホールでこそ、この曲の特徴や素晴らしさを想う存分表現できると実感できたこともあり、第一生命ホールという素晴らしいホールと素晴らしいピアノでぜひもう一度、この曲を思い切り表現したいと選びました。

当日への意気込みを教えて下さい。

当日の一瞬一瞬に感じるインスピレーションを大切にして演奏したいです。どのような演奏になるか僕も分からないのですが、その時出せる全力で演奏し、楽しみたいです。来年は大学受験の年なので、ピティナコンペには挑戦しません。入賞者コンサートが高校生ピティナの最後の日という気持ちで臨みたいですが、「僕の演奏を聴いて頂きたい。この曲の素晴らしさを僕の演奏を通して伝えたい。」という純粋な気持ちに徹して、気負わずにいつも通り一期一会の精神で演奏したいと思います。

入賞者記念コンサートで沢田さんの奏でる演奏を楽しみにしています。今後の目標を教えて下さい。

来年は受験勉強とピアノの両立が目標です。大学受験が無事に終わったら、医学部生のうちに特級を受けたいと思っています。そして、ピアノを習う小さい子たちに、ピアノと他のことを両立していくことは可能だよと示すモデルの一人になりたいです。

Youtube - 決勝での演奏

チケット
  • 2016/03/21(月・祝)
  • 第1部 第1部 13:00~開演/2部 17:30~開演
  • 【会員・学生】各部:3,000円 通し券:5,000円
  • 【一般】各部:3,500円 通し券:6,000円
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