指揮を振り、歌詞をつけ、イメージを膨らませ

C級
小倉悠 さん

★演奏曲目★

ショパン=リスト:「6つのポーランドの歌」より 第1番 乙女の願い

◆ピアノを始められたきっかけは何ですか。

私の幼稚園の先生が、とても上手にピアノを弾く先生だったんです。すごく憧れて、年中の時から始めました。

◆幼稚園の先生からの影響でしたか。では、今、習っている先生とはどのようにして出会われたのでしょう?

澤井先生とは、2歳のときに習っていたリトミックで知り合いました。幼稚園に入って、リトミックはやめちゃったんですけど、ちょうどピアノを習おうと思っていたところへ、先生からお誘いのお手紙をもらいました。それでピアノを始めることになったんです。

◆本当に良いタイミングだったのですね! 初めてピティナのコンペを受けられたきっかけも、先生からのお誘いだったのでしょうか。

はい、幼稚園の年長の時だったのですが、先生に勧めていただいたし、私も、きれいなドレスが着てみたかったから、「コンペに出てみよう!」と思いました。小さいころは、自分の演奏が誰かに認められること、そして楯がもらえることが嬉しくて……。コンペの出場は、大変に思う時もありますが、終わる頃になると、上達している事が実感できて、それ以来、毎年出場しています。

◆毎年のご出場、ありがとうございます。いつも課題曲はどのようにしてお選びになるのですか?

毎年、発表されたら、ほぼすべての課題曲を弾いてみます。それで指が届かないものを除いたり、先生と相談したりしながら候補を絞っていきます。その中から、最終的には自分の気持ちにぴったりくるものを選んでいます。

◆最初に候補を絞ってから、お好きなものを選ぶのですね。4つの時代から、それぞれ曲を選ばなくてはならないので、大変ではないですか?

そうですね。私はバロックが苦手で、いつもロマン派のように歌いがちになってしまって……。あと、バロックらしい音の質を表現するのが難しいので、予選ぎりぎりまでそれを集中的に練習することもあります。

◆時代ごとの弾き分けは本当に難しいですよね。めでたく予選を通過された後は、どのような練習をされたのでしょうか。

予選通過後は、自宅だけではなく、練習室を借りての練習もしました。デュセックのソナチネはオーケストラみたいな曲だったので、自分で指揮を振ってみたりして、「ここはこの楽器だな」とイメージを膨らませました。ブルグミュラーの船頭歌も、歌詞をつけたりして情景や気持ちをいろいろ想像してみました。

◆表現豊かにイメージすると、ますます楽しく練習できそうですね。本選通過後も、そういった特別な練習をされましたか?

気持ちを高めるために、もっと広めの練習室や、一緒に出場するお友達とホールを借りての練習もしました。決勝大会前になると、音のきれいさや響きをさらに磨くように心がけました。それから、今回は決勝の2日前にヤマハホールに行く機会があったので、そこで音の聴こえ方などのイメージをつかみました。

◆「音」にこだわった練習に加え、聴こえ方の研究までされるのですね。そんな練習の成果もあり、見事金賞を獲得されたときのお気持ちをお聞かせください。

ミスを何ヶ所かしてしまったので、ずっと不安でした……。ベスト賞で名前が呼ばれなかったときは、もう、半分諦めていたんです。でも、金賞で自分の名前が呼ばれたとき、まさかもらえると思ってなかった分、余計に嬉しくて、心臓のドキドキが止まりませんでした。

◆諦めていたときに名前が呼ばれると、ますます嬉しくなりますよね。本当におめでとうございました! 入賞者記念コンサートでは「ショパン=リスト/6つのポーランドの歌 より第1番 乙女の願い」を演奏してくださるのですね。

ありがとうございます。入賞者記念コンサートの曲は4分と決まっていたので、弾きたい曲はたくさんあったのですが、条件に合うものを探すのが難しくて……。今回の「乙女の願い」は、先生が提案してくださったものの中から、自分で選んだ曲なんです。

◆もう練習はかなり進まれていますか?

はい。自分に合っているとは思うけれど、弾き方や、いろいろな音色の音を出すのが難しいなって感じています。ショパンの作品は何度か弾いたことがあるのですが、リストは初めてなので、コツを見つけながら仕上げていきたいです。

◆練習、頑張ってくださいね! 当日を楽しみにしています。では、入賞者記念コンサートへの意気込みをお聞かせください。

去年、銀賞を受賞して、入賞者記念コンサートを聴きに行ったとき、「自分とは全然違って凄いな!」って思ったんです。そこに自分も立てることが本当に嬉しいです。「ここはこう弾きたい!」という自分のイメージが、お客さんに伝えられるように、一生懸命頑張ります!

◆ありがとうございました! 最後に、次の目標に向けての抱負をお願いします。

これからも、もっと上の級でも活躍できるように頑張って練習していきたいです!

(取材日:2013/11/24)

演奏動画