ソロ・デュオ2冠のガッツポーズ!

C級&連弾初級B
村木遼伍くん

★演奏曲目★

≪C級≫シューマン=リスト:献呈
≪連弾初級B≫ビゼー:「子供の遊び」より こま、 隅とり鬼ごっこ

◆ピアノを始められたきっかけは何ですか?

お母さんがピアノの先生だったので、赤ちゃんの頃からピアノにはおもちゃのように触れていたんです。それに、幼稚園では毎月、プロの演奏家によるコンサートが開かれていて、僕もあんなふうに弾けたらいいな、と憧れていました。

◆ごくごく自然にピアノを始める環境にあったのですね。ずっとお母さんに教わってたんですか?

いえ、レッスンを通い始めることになるんですけれど、きっかけは、4歳の誕生日を記念してピティナ・ピアノステップに参加したことです。そこで、今も教わっている平間百合子先生から、アドバイザーとしてあたたかいコメントを貰えて、「この先生のレッスンが受けたい!」と思ったんです。それで、山形の自宅から、平間先生のいる仙台までレッスンに通うことになりました。

◆ステップが出会いの場となったようで幸いです。5歳になる年(2009年)から、毎年コンペに出場されていますが、きっかけは何だったのでしょう。

はい、幼稚園の年中の時でした。平間先生から勧められたのがきっかけです。予選を通過することができ、「大好きな曲をもう一度弾けるんだ!」というのが嬉しくて。あの喜びが忘れられなくて、毎年受け続けています。

◆ありがとうございます。それでは、今年の課題曲は、どのようにして選ばれたのでしょうか?

まず、全ての課題曲を弾いてみました。それからレッスンを受けてみて、最後は自分が好きと思った曲を選びました。特にお気に入りの曲は、「J.S.バッハ/フランス組曲 第3番 サラバンド」です。とてもきれいな曲ですよね。迷ったのはロマン派の課題曲で、ブルグミュラーとグリーグで……グリーグにしたんですけれど、やっぱり決め手は、どっちが気に入ったかでした。

◆好きな曲だからこそ練習にも身が入りますよね。ところで、ソロだけでなく、連弾でも見事、金賞を受賞されていますね。連弾だとパートナーがいるので、「好き」で決めるのが難しくないですか?

いやそれが、これも「好き」で決められたんですよ。音源を聴いたり楽譜を見たりしながら、パートナーの横山君と、お互いに気に入った曲をいくつか出し合いました。そうしたら、ちょうど予選用と本選用で1曲ずつ、二人の意見が一致したんです。

◆すごい! 感性ぴったりのお二人だったんですね。ソロも連弾も、ご自身が気に入った曲を選ばれたということで、それが、村木さんの演奏の魅力になっているのかもしれないですね。それで予選通過の後、本選までの間には、どんな練習をされましたか?

本選で演奏したハイドンとグリーグは、どちらも初めて弾く作曲家でした。だから、古典派とロマン派という時代の違い、2人の作曲家の置かれた背景の違いというものを、どうしたら表現できるか……、というのを、強く意識して練習しました。

◆なるほど、「四期を学ぶ」というテーマについて、明確に意識して取り組まれたのですね。では、本選から決勝までの間に特別な練習はされましたか?

ソロの決勝では4曲を通して演奏するので、体力と集中力を最後まで持続させられるかが鍵でした。だから、とにかく4曲通して弾く、っていうことをたくさん練習しました。

◆では、連弾の練習で苦労した点は?

パートナーの横山君とは、住んでいるところが離れているんです。だから、合わせの練習をできる機会が少なくて苦労しました。ちょうど夏休みなので、片道1時間半かけてお互いの家を行き来し、練習していました。あとはピアノが無いところでも、二人並んで息を合わせる練習をしていました。

◆指導者の平間先生とも、パートナーとも離れていたのですね。そんな困難を乗り越えて、見事ソロと連弾でのダブル受賞、おめでとうございます。

ありがとうございます! 決勝大会では、ソロはとても楽しく弾けたし、連弾も、今までで一番上手く弾けたんです。でもまさか、賞をもらえるとは思っていなかったので、結果が発表された時はビックリしましたが、それ以上に嬉しくて、思わずそこでガッツポーズをしてしまいました。

◆喜びが伝わってきますね。さて、結果が出てからそう間もなく、すぐに入賞者記念コンサートの曲目を決められたと思いますが、どのようにして選ばれましたか?

ソロは、「シューマン=リスト/献呈」を選んだんですけれど、これは平間先生から候補を出してもらった中から選びました。っていうのも、コンサートで何度も聴いたことがあって、お気に入りだったので、「この曲が弾きたい!」って強く思ったんです。連弾は、フランスものを中心に候補がけっこう挙がりました。2人の希望を出し合ったところ、二人で楽しく弾けそうで、演奏時間も丁度良かった2曲に決めました。

◆村木さんの演奏、2回も聴けるのが楽しみです。そんな入賞者記念コンサートに向けての意気込みを、お願いします。

昨年の出場時、とても楽しかった想い出があるので、今からすごくわくわくしてます。グランプリの菅原さんと一緒に写真を撮ってもらえたのが、嬉しかったです! 今年も、他の出演者の演奏が聴けたり、皆さんと話し合えたりするのが楽しみです。ソロで演奏する「献呈」は、ピアノ独奏用に編曲された元・歌曲なので、“ピアノで歌う”ということや、リストの編曲による華やかさが表現できるよう、大事に練習しているところです。当日は、他の参加者の皆さんと一緒に、来てくれた方にとっても自分にとっても楽しい1日になるよう、頑張ります!

◆“ピアノで歌う”素敵ですね。意気込みをありがとうございました! 最後に、今後の目標を教えて下さい。

今までは、自分が弾きたい曲を楽しんで弾いてきました。これからは、素敵な曲を弾いて感動した時の気持ち、嬉しい気持ち、楽しい気持ちを、お客さんにまで伝えられるような演奏ができるようになりたいです!

(取材日:2013/11/14)

演奏動画≪C級≫