タランチュラの猛毒と、薔薇の花のような華やかさと

A1級
水谷碧 さん

★演奏曲目★

プロコフィエフ:「子供のための音楽」より タランテラ Op.65-4

◆ピアノを始められたきっかけは何でしたか?

お母さんがピアノを教えていて、いつもピアノが身近にあったので、2歳になると自然にピアノを始めました。最初は、お母さんにピアノを教えてもらいました。

◆2歳とは早いですね! それ以来、今でもお母さんにピアノを習っているのですか?

いえ、今は弓削田優子先生のレッスンに通っています。お母さんからは、私が産まれる前から先生のことを知っていて、「絶対にこの先生に習わせたい!」って思っていたって聞いています。私がまだ1歳半のときに、セミナー講師にいらしていた弓削田先生を出待ちして、声をかけたそうです。びっくりしながらもお話を聞いてくれて、4歳になる年にレッスンを始めましょう、と言ってくれたそうで。それで、幼稚園の年中になった4月から、レッスンに通い始めました。

◆お母さんが出待ちまでされるなんて、魅力的な先生なのですね。コンペティション出場は先生から奨められたのがきっかけですか?

「コンクールに出場しよう!」っていうのは、ピアノを始めた時からの目標だったんです。コンクールといえばピティナで。今年は3回目で、毎年受けるのが当たり前になってきました。

◆レッスンを始めた4歳の時から、コンペに挑戦してくださっているのですね。ありがとうございます。今年3年目となる出場ですが、水谷さんの、課題曲を選ぶポイントって何かありますか?

いつも、自分の弾いてみたい曲を先生と相談しながら選んでます。でも、弾きたい、というだけで選ぶと、全部似たような曲ばかりになってしまうので……、だからたとえば、長調と短調、速い曲とゆっくりの曲、元気な曲とおだやかな曲……、というように、コントラストを考えながら選んでいます。

◆曲のコントラスト、というのは、聴く側にも退屈させない工夫がされているようで、重要なポイントですね。今年の課題曲も、それを意識して選ばれたのでしょうか。

はい! 予選の曲は、バスティンの元気な感じと、テレマンの内容が濃くて気品のあるところを表現したいと思って選びました。悩んだのは本選の2曲で……、ディアベリのアレグレットは絶対弾きたいって思ったんですけど、もう1曲を、ケーラーのポルカかマイカパルのワルツかで迷ってしまって。どちらもディアベリと似ている部分があるんです。結局、似てるけれど、マイカパルのほうに決めました。

◆予選では2曲のコントラストを見事に表現できましたが、本選では、似た2曲になったのですね。そうすると、ここではどんな練習をされましたか?

本選に向けては、よく似ている2曲を、それでも弾き分けようと意識して練習しました。似ているけれど、時代の様式の違いや、拍子の違い、国の違い、舞曲かどうかなど……、どうしたら全く違う2曲に聴こえるようになるか、たくさんたくさん、考えました。

◆似ている2曲だからこその弾き分けを考えなくてはならないということで、すごく勉強になったのではないでしょうか。常に“コントラスト”を意識されて、見事決勝に進まれたのですね。では、本選から決勝までの間に、特別に練習したことはありますか?

“曲の終わりのきめポーズ”の練習をたくさんしました! お母さんと一緒に、今までの受賞者の人たちの演奏動画を視ていて、金賞の人たちはみんな、曲の終わり方がかっこいいな、と思ったんです。だから私も、自分の曲を自分らしくすてきに終わることにこだわって、たくさん研究しました。最後の休符を終える時までしっかり味わいきって自分なりの演奏ができるよう、先生のアドバイスを大切に考えながら練習しました!

◆それは面白い観点ですね! 過去の入賞者の動画を見る中で、その点に着目されるなんて。本番の“きめポーズ”は、うまくいきましたか?

はい!“きめポーズ”の後に、膝に手を置く瞬間までとっても楽しく弾けました!

◆素晴らしいですね。金賞受賞、おめでとうございます。結果発表の時はどんな気持ちでしたか?

ありがとうございます! 「やれることは全部やった!」って思っていたので、金賞じゃなきゃ嫌だったんです。少しミスをしてしまったから、心配だったんですけど……。だから結果が発表された時は、本当にうれしくて! 夢が叶ったと思いました。

◆水谷さんの喜びいっぱいの笑顔が浮かんできました。さて、入賞者記念コンサートへのご出演が決まり、曲目を決めていただきましたが、今回はどのようにして選ばれたのでしょうか。

いつもは長調の曲を弾くことが多いんですけど、今回は短調の曲が弾いてみたいな、って思って、先生と相談して決めました。中間部がとても気に入っています。

◆なるほど、ちょっと違う一面が表現されるんですね。そんな入賞者記念コンサートへの意気込みをお願いします。

今回演奏する「タランテラ」は、毒グモのタランチュラにかまれて、猛毒にもがき苦しむ情熱的な踊り、と教わりました。とても危険な猛毒と、薔薇の花のような華やかさとの両方を、まるで映画を観ているみたいに、会場の皆様にお伝えできるように演奏したいです!

◆最後に、水谷さんの今後の目標を教えてください。

来年は、コンペティションはお休みして、テクニックをつける機会にしたいと思っています。たくさん練習して、次はB級に挑戦できるように、頑張ります!

(取材日:2013/11/18)

演奏動画