亀井 聖矢×ポローニア・クァルテット インタビュー

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2020/03/19
亀井 聖矢×ポローニア・クァルテット インタビュー

入賞者記念コンサートの掉尾を飾る亀井聖矢さんとポローニア・クァルテットが、3月9日、東京巣鴨のピティナ本部事務局で初合わせ。
桐朋音楽大学に在学するフレッシュな5人が、ドヴォルザークのピアノ五重奏曲をリハーサルしました。

練習後のインタビューでは、一つの音楽を作り出す5人、それぞれの考えや人柄が窺える、和気あいあいとした時間が流れました。

左から:(敬称略)
亀井聖矢(ピアノ、2019特級グランプリ。桐朋学園大学1年)
◆ ポローニア・クァルテット
東 亮汰(第1ヴァイオリン、第88回日本音楽コンクール第1位。桐朋学園大学2年)
岸 菜月(第2ヴァイオリン、桐朋学園大学2年)
小林 未歩(チェロ、桐朋学園大学4年)
堀内 優里(ヴィオラ、桐朋学園大学2年)

イベントの延期や中止が相次ぐなか、入賞者記念コンサートは映像配信での開催になりました。学生として、音楽家として、みなさまの生活にどのような変化を感じていますか。

3月18日のアグネスホテルでのポローニア・クァルテットとの共演の延期、3月21日の入賞者記念コンサートが一般のお客様なしでの開催など、これまで経験のないことが続いています。お客様がいない中で、いかに気持ちを高め、本番に臨むかということを考えなければいけません。その他、エネルギーを向けてやってきたものが延期・中止となっても、自分が崩されないように、勉強できる時間が増えたと思って頑張っています。

これまで、世界情勢が自分の生活に影響する事はあまりなかったのですが、今回は、実際に身の回りに影響が及んでいて、とても驚いています。しかし、今回こうしてライブ配信で皆様に音楽をお届けする経験が出来ることを大変嬉しく思います。

配信という形で演奏をお届けできることは楽しみですが、本音では生の演奏を聴いてほしかったです。演奏会が延期や中止になるのは大変残念ですが、開催したところでお客様がいらっしゃるか心配ですし、いらっしゃったとしても感染が起こる不安もあり、とても考えさせられる一か月でした。早く事態が終息してほしいです。

ニュースで中国の様子が報道されていたときは、自分の近くに関わるものと、初めは思いませんでした。しかし、これほど本番が延期・中止となると、他人ごとではなくなってきて・・・。今回のライブ配信は、こういうときだからこその機会。移動にも気を遣う時期ですから、家でライブ配信で聴いていただけるのは、すごく嬉しいことだと思っています。

最初はここまで身近に影響するものとは思っていませんでした。参加を予定していた3月のコンクールも、1年延期になりました。とくに音楽や舞台に携わるような、表に出る方に大きな影響が及んでいます。ライブ配信といった家で楽しんでもらえる機会を作り、皆で協力していかなければいけないな、と思います。

亀井さんとポローニア・クァルテットの4名は桐朋学園大学に在学中。普段、交流はありますか。

人数も多いので、普段授業での交流はないです。こうやって、弾く場で会う感じ。

僕は初めて。緊張してます。(笑)

みなさん、どのくらいの頻度で通学されていますか?

1年目なので毎日。

前期は週2~3回。後期は週1の時も(オケしか行っていなかった)...

前期は週3は行っていました。

大2なので週5で行っていた。

週4・・・かな。

亀井さんとカルテット。お互いの印象はどうでしたか?

演奏している音や姿から繊細な人だと想像していましたが、普段はもっと落ち着いたというか、18歳にしては、肝が据わっているという印象を受けました。

みなさんとは、ほぼ「はじめまして」だったのですが、カルテットで合わせていくなかで、みなさんの雰囲気の良さを感じました。

私たちは年上なので、しっかりしなきゃと少し緊張していたのですが、実際にお会いしたらとても優しそうな方で安心しました!

演奏動画を観て、きれいな音だなあと思ったりはしていましたが、実際にお会いしてまず感じたのは、1年生でしっかりしているなあ、ということでした。

4歳差と聞いて驚きました。落ち着いているけれど、笑顔も多くてすごく楽しかったです!

入賞者記念コンサートで演奏するドヴォルザーク。リズムや陰影に富んだ一曲ですが、聴きどころや難しい箇所をお聞かせください。

リズムの絡み合いの部分が難しいです。言葉で説明が難しいのですが。

それぞれの楽器のかけ合い。

4楽章のからみとか。

2連符、3連符、5連符、様々なリズムが交錯していて、なぜこう書いたのか、と考えさせられます。6連符でも書けたのに、なぜそうしなかったのかと。ほかの楽器でもそれがあるなかで、しっかり歌わせなければいけない。

第3楽章の5連符

クァルテットとクインテットの違いは?

どの曲もそうですが、それぞれやっていることは異なれど、一つのイメージを目指すことが重要になります。そこがカルテットよりも人数が増えるクィンテットの難しさです。もちろん、カルテットでも難しいですが。

これまで4人で合わせてきましたが、ピアノが入ることによって安心感がありました。やっぱり、ピアノが入ってきたほうが弾きやすい。

コンチェルトともまた違うのでしょうか。

コンチェルトとは違って、弦4本をピアノで全て支える場面があり、4人のそれぞれの音を聴きながら、時に音色やバランスを調和させ、時にピアノの音を立てて主張し、音楽をまとめる必要があります。ここはオケの全体の中で弾く場面、ここはソロ、と分かれているわけでもない。

役割の幅が広い。

より自分の音色なども重要になってくる。

みなさまの楽器についてお聞かせください。始めたきっかけは・・・

ヴァイオリン:指揮者になりたかったことが始まりです。4歳で指揮者に憧れを持ち、そのためには何かしら楽器が弾けなくてはいけない、オーケストラを振るわけだから何かオケの楽器をやるべき、と。母が趣味でヴァイオリンをやっていたので、ヴァイオリンとチェロに興味をもったが、ヴァイオリンを選びました。アマチュアオケの練習に連れて行ってもらって、生でオケを聴く機会があり、大きな影響を受けました。そういう経緯でヴァイオリンを始めました。指揮もいつか。楽器はストラディヴァリウスを弾いています。
※一般財団法人ITOHから貸与。1716年製

ヴァイオリン:両親はまったく音楽をやったことがなく、私がヴァイオリンを始めるまで何も知らない状態。きっかけは、家にインテリアとして飾ってあった小さいサイズのヴァイオリンでした。母は、ピアノかヴァイオリンをやらせたかったようですが、ヴァイオリンは仲間と一緒に演奏出来るイメージだったらしく、ヴァイオリン習ってみない?と私に聞いたそうです。よく覚えていないのですが、私は「やる」と答えたらしいです。

チェロ:姉と叔母といとこ、全員ヴァイオリンをやっていて、クリスマス会などをやるたびに、カスタネットかタンバリンを叩いていました。素晴らしい楽器なのですよ!でも、それが嫌で(笑)。みんなと同じ楽器というのも嫌でした。
それであるとき、姉のセミナーでチェリストを見るや、あの楽器が良い!と。分数楽器が身長100cmにならないと始められず、1年待って、やっと100cmになったのが、年長さん。それと同時にチェロと始めました。

ヴィオラ:普段はヴァイオリンも演奏しますが、ヴァイオリンは母親が趣味で少しやっていたので自然と始めていました。
ヴィオラを初めて弾いたのは高校のオーケストラのとき。最初はこのクァルテットのヴィオラパートを誰が弾くかは決まっていませんでしたが、クァルテットとして師事した先生が、東京クァルテットでヴィオラを弾いていた磯村和英先生で、その影響でヴィオラの音色が大好きになりました。

ピアノは今日みたいにアンサンブルやコンチェルトもできるので、練習室に一人こもって、というイメージもあると思いますが、僕はリビングでピアノを弾いていたりとか、お客さんの前で弾いたりで、孤独は感じませんでした。
気づいた時にはピアノを弾いていたので、ほかの楽器をやろうと思ったことはありません。ピアノは楽器の王様。音域も広いし、弦楽器の音を追求したり、管楽器の音を追及したり、民族楽器のような音もタッチひとつで表現できる。多様な音色を追求していけるのは面白いです。

当日、配信をご覧になる方へ向けてメッセージをお願いいたします。

(みなさん協議中...)

たいへんな時だからこそ、ライブ配信を通じ、家にいながら音楽を楽しみ、不安を忘れたひと時を過ごしていただきたいです。画面越しでもみなさまに曲の魅力がしっかり伝わるよう、そして皆さんを元気づけられるよう、頑張ります!

<おまけ>インタビューこぼれ話
亀井 聖矢さん
亀井さん作のカルボナーラ
(提供:亀井聖矢さん)

趣味は謎解き、マジック、料理。
一人暮らしになってから話し相手がいないさみしさもあって、YouTubeを観ることが増えたそう。勉強している曲を聴くこともあれば、他愛ない動画で息抜きすることも。

東 亮汰さん

趣味は映画鑑賞(最近はスターウォーズを鑑賞。)、サッカー観戦。とくに海外サッカーが好き。ワールドカップの年は全試合観る勢いなので練習との両立が大変とのこと。
好きな演奏家は、ジャニーヌ・ヤンセン、マキシム・ヴェンゲーロフ、ツィンマーマン。

岸 菜月さん
クリスマス模様のモスクワ、ボリショイ劇場。
(提供:ポローニア・クァルテット)

趣味は映画鑑賞と食べること。特に冬は食欲が止まらないくらい食べることが好き。高カロリーなものに目がない。YouTubeでは演奏動画で弓使いだけでなく奏者の表情も勉強。
チャイコフスキーやプロコフィエフなどロシアの作曲家が好き。モスクワ旅行では、ボリショイ劇場でくるみ割り人形を観劇。バレエに憧れるがスキップが苦手。

小林 未歩さん
路線パズル
(提供:ポローニアクァルテット)

趣味はパズル。家には路線図パズルが鎮座。立体パズルを始めようとして机に広げるも、出来上がりサイズに対して机が小さすぎることに気づき、やる気を喪失。
馬が好きで乗馬を時々している。
うさぎ(名前はレオ)を飼っているが、うさぎアレルギーなので相当の覚悟を持って触っているとのこと。
大学1年の時、クレヨンしんちゃんにハマる。のほほんとした平和な感じが好きとのこと。特技は、しんちゃんの物まね。インタビューで新旧声優2パターン!を披露し、一同の笑いをかっさらいました。 好きな作曲家はブラームス、シューベルト、アレンスキー。

堀内 優里さん

読書、ゲームが好き。好きな作家はドストエフスキー。ゲームはファイナルファンタジー。 YouTubeでは海外のコンクールを観るかたわら、大食い動画も。自分はやりたいけれどできないこと、料理が綺麗になくなるのを観るのが好き。
好きな作曲家はバルトーク。細部まで計算された作曲に魅かれるという。

■ 室内楽共演者
ポローニア・クァルテット(弦楽四重奏)

東 亮汰(第1ヴァイオリン)
岸 菜月(第2ヴァイオリン)
堀内 優里(ヴィオラ)
小林未歩(チェロ)

桐朋学園大学並びに女子高等学校音楽科に在学する4名で2016年に結成。学内の成績優秀者による第100回、第101回室内楽演奏会に出演。桐朋学園大学の入学式・卒業式などで式辞演奏を行う学校を代表するクァルテットとして活躍。桐朋学園大学・梅津学長の著書がドイツで翻訳・刊行された祝賀会で行ったゲスト演奏は、会場に集まった音楽関係者(ホール主催者、マネージャー、批評家、指揮者、大学教授等々)に絶賛され、大きな話題を呼んだ。これまでヴァルフリート・シュトレーレ、池田菊衛、佐々木亮、塩貝みつる各氏に指導を受ける。磯村和英、山崎伸子各氏に師事。結成以来「クァルテット・ドゥ・レーヌ」として活動してきたが、このほど学長より「ポローニア・クァルテット」と命名され、活動している。

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