コンサートってどんな場所? ~名義後援コンサートの調査より~

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2011/11/17
コンサートってどんな場所?
~名義後援コンサートの調査より~
【出演回数ランキング】
氏名 回数
1 PCCピアノデュオ(益子徹、西原昌樹) 36
2 赤松 林太郎 インタビュー 20
3 久保山 菜摘 15
4 ディーナ・ヨッフェ 11
5 横山 幸雄 10
6 鈴木 直美 インタビュー 9
6 石川 悠子 インタビュー 9
6 若林顕 9
9 川田 健太郎 8
9 レ・クロッシュ(宇宿真紀子&宇宿直彰) 8
       ・・・ピティナ会員

コンサート活動を応援するピティナの名義後援。現在年間で約350件のコンサートを後援しています。
対象コンサートには音源の紹介、チケット販売などの広報を幅広くサポートしています。 今回は2009年度以降で出演回数の多かった方を対象に、コンサートを開催することにどんな意味があるのか、インタビューしました。ピアニストの想いがつまったコンサート、是非今後も会場でお楽しみください。

インタビュー後援実績曲目ランキングデータ

インタビュー
赤松林太郎先生
リサイタルを数多く開催している
赤松林太郎先生の場合
ライブの持つ爆発力

コンサートにおいてピアノのコンディションや会場の湿度、聴衆もその時によって異なります。コンサートはその時に起こる「化学反応」を共有するコミュニティであり、ピアニストにとっては「ウソをつけない空間」です。意外と現実社会ではそういう場がないですが、「本心を伝える力」ってこういうところで身につくんだと思います。本番一発限りの「爆発力」もライブならではでしょう。そこで演奏することがピアニストの存在証明だと考えています。たとえミスがあっても、それもピアニストの痕跡。後からツギハギができるCDの演奏とは全く違いますね。ピティナ公開録音コンサートは本番のライブ感を保存しつつ、誰にでも視聴可能な音源を残していく。これは21世紀のコンサートですよ(笑)、こういう企画をずっと待ち望んでいました。

レパートリーを増やす≒本の乱読

指導する立場としては、弾いたことがない曲があることにある種の「危機感」を覚えます。楽譜だけでは分からないことも多いですから。それに加えて一曲弾いただけでもその作曲家の音楽の真価は分からない。本の乱読のように、数多くの本(作品)を読むことで作家(作曲家)が見えてくると捉えています。

編曲もアイデンティティ

アマオケに参加していた両親の影響で、幼い頃からオーケストラが身近にありました。交響曲や弦楽四重奏をピアノに編曲して弾いて遊んでいたのが高じて編曲もするようになりました。リストがトランスクプリプション作品を残したように、編曲もピアニストのアイデンティティだと思います。ピアノからピアノではない音を出す。実はピアノの音そんなに好きじゃないんですよ(笑)

鈴木直美先生
数多くの生徒さんをコンペ・ステップに参加させている
鈴木直美先生千葉外房ステーション代表)の場合
生徒はピアニストになりたい

ピアノの演奏だけでは暮らしていけない、という現状がありますが、それでもピアニストになりたい生徒達はたくさんいます。門下生など、サポートしてくれる人がいればリサイタルもできるんだ、ということを示してあげる必要があると考えています。生徒は「先生はコンサートで弾いていて当たり前」と思っていますので、そのイメージを壊さないように...。

弾く人の気持ちも大事に

聴き手の気持ちと弾き手の気持ち(緊張や練習の苦労や本番での失敗など)を両方分かってあげられるためには、自分が舞台に立つ以上のものはありません。コンサートに足を運ぶ人も時代と共に変わりますし、以前自分も経験した、というだけではリアルタイムな感触は伝えられません。
聴く人と弾く人、双方の観点から指導すると生徒も納得しますし、実際にそういう指導で、長く続く生徒も多いように思います。最近演奏会用のドレスを作るようになりましたが、これまで以上にお母さん達の気合い(笑)が肌で感じられるようになって、一緒に舞台を演出する側にも回れるようになりましたね。

レッスン風景
楽曲への探求心

弾きたい曲は山ほどありますが、私の場合、舞台に載せないと新しいレパートリーがなかなか増えませんので、コンサートは自分の研鑽という意味も大きいです。演奏プログラムには弾いたことのない曲を多く入れるよう心がけています。

地元の活動も大事な情報

例えば私の事を知らない方が私のコンサートを知った場合、私の名前をインターネットで調べる方もいらっしゃるでしょう。その時ウェブサイトに掲載されていると名刺代わりにもなるのでピティナで後援していただけることはありがたいです。地元での活動であっても情報は全国の方に見ていただけますよね。

石川悠子さん
アンサンブルピアニスト
石川悠子さんの場合
ソロ→室内楽へ

師事していた先生の方針と、留学時代、伴奏者奨学金の制度があったので、室内楽を以前から学んでいました。ソロ活動もしていたのですが、ピアノ以外の楽器の音を知っていると音楽的な引き出しが増えるので、次第にアンサンブルの方が魅力的に思えてきました。今まで共演してきた方々をすべて合わせると、オーケストラが出来てしまうくらいになります。そう考えると室内楽の可能性は大きいですね。

伴奏者ではなくデュオ

「伴奏者」というと脇役、パンフレットの隅の方に小さく載っているイメージがありますが、ピアノという楽器が加わることで音楽は大きく変わるので、そのイメージは払拭したいと常に思っています。実際にレベルの高い楽器奏者ほど、ピアノを「伴奏」ではなく、「デュオ」として捉えています。

アンサンブルは人間社会そのもの

コンサートホールだけでなく、公共の場で演奏することも多いですが、クラシック愛好家だけでなく、できるだけ多くの方に足を止めてもらえるようにプログラムを考えています。アンサンブルは単純に音楽であるだけではなくて、言葉のないコミュニケーションです。自分の音を大切にしながら、相手の音にも応える。これはとても人間的な事ではないでしょうか。震災で心に傷を負ってしまった方々にも、アンサンブルを通して「協力することの大切さ」を伝えていきたいと思っています。


コンサート後援実績
コンサート後援実績
曲目ランキング
順位 回数 曲名
1 52 ショパン:バラード 第1番 ト短調
2 43 ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」
3 40 ショパン:舟歌 嬰ヘ長調
4 39 リスト:パガニーニ大練習曲集より 「ラ・カンパネラ」
4 39 ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調
4 39 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調「月光」
7 31 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 「熱情」
8 30 ショパン:バラード第4番 ヘ短調
9 29 ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想」
10 28 ショパン:バラード第3番 変イ長調
11 27 ショパン:スケルツォ第1番 ロ短調
12 25 ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調
13 24 リスト:巡礼の年報 第2年「イタリア」 より ダンテを読んで
13 24 ショパン:バラード第2番 ヘ長調
15 22 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調「悲愴」
15 22 リスト:愛の夢第3番
15 22 J.S.バッハ=ブゾーニ:シャコンヌ BWV1004
17 21 ショパン:エチュードOp.10-12「革命」
17 21 ショパン:ノクターン Op.9-2
17 21 ショパン:幻想即興曲
17 21 リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調

昨年がショパン生誕200年、今年がリスト生誕200年ということで例年にも増して数多くの作品が演奏されました。その中でベートーヴェン/3大ソナタ、バッハ=ブゾーニ/シャコンヌのランクインが光っています。全曲は演奏されませんでしたが、ショパン/エチュード、リスト/ハンガリー狂詩曲、シューマン/幻想曲、ドビュッシー/ベルガマスク組曲も多く演奏されました。来年のドビュッシー生誕150年ではどのようになるか楽しみです。


コンサートの形式
コンサートの形式

室内楽・アンサンブルでの公演が22%と大きな比重を占めています。
アンサンブルに挑戦するピアニストが増え、聴衆が求めるものも徐々に変わってきているようです。

開催エリア
開催エリア

関東圏での公演が圧倒的に多いですが、地方に住む方々がコンサートに行く機会を求めているのではないでしょうか。
地域に密接した地元のコンサート活動も応援しています。

会員・非会員率
会員・非会員率

会員が出演しているコンサートは全体の半数。近年海外アーティストなどの公演も増えています。
会報へのチラシ封入が広報として使われています。

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