調布市立柏野小学校クラスコンサート(9/26林由佳・北嶋信也)

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2007/10/25

070926kashiwano06.jpg調布市立柏野小学校の音楽室にて、調布市在住のピアニスト・林由佳さんと、テノール歌手の北嶋信也さんが初のクラスコンサートを実施した。ピアノのすぐ近くと遠くで聴いて音色の違いを感じてもらったり、テノールの恋の歌では、学校の先生に恋人役で出演してもらうなど、工夫の凝らされたステージ。「あたたかい雰囲気の中であっという間に時間が過ぎた」という林さん、「子ども達1人1人の顔を見ながら歌うことができて幸せだった」と語る北嶋さんからの感想をお届けする。

♪コンサート情報-----------------
会場:調布市立柏野小学校 音楽室
日程:2007年9月26日(水)
時間:10:40~11:25/11:30~12:15
演奏:林由佳(指導者会員)・北嶋信也(テノール)
参加者:調布市立柏野小学校4年生3クラス
時間:音楽

●林由佳さん(ピアノ)
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今回クラスコンサートに伺った学校は調布市立柏野小学校です。
4年生対象のクラスコンサートは音楽室で10:40~/11:30~と2回公演となりました。3クラス合同で1クラスを半分ずつといったグループ分けでした。1グループ目はみんな明るく、反応も良かったのに対し、2グループ目は全体的に大人っぽい印象があり、自己主張が強い生徒がみられました。どちらにしても、あっという間の45分で、とても楽しくクラスコンサートを終えることが出来ました。

プログラムは
~ピアノ「森のささやき」
~うた『愛の妙薬』より「何ときれいで、何と可愛い人」
~ピアノ「小人の踊り」
~うた「千の風になって」
~みんなで「校歌、夏の日の贈り物」

始めにピアノを演奏する前に、ピアノの歴史と仕組みについて話しました。みんなにピアノの周りに集まってもらい鍵盤や弦、ペダルなどの説明をした後、昔の面白く、変わったピアノをいくつか絵や写真で見せた所で、森のささやきを聴いてもらいました。 少しでも作曲者を理解してもらえるように、リストの自画像や当時のリストの演奏風景などの絵も見せ、説明をしました。

次は北嶋くんにバトンタッチ。
070926kashiwano04.jpgその場面を演技付きで行い、先生(女性)にアディーナ役になってもらい、恋の歌をうたいました。先生が役を演じてることが生徒たちは面白かった様で、クスクスと笑いが...。 そのあとまたピアノで「小人の踊り」雰囲気を想像してもらいながら聴いてもらい、近くと遠くで聴くピアノの音色の違いや、想像力を養ってもらいました。

最後は千の風になってを歌い暖かい雰囲気になり、その雰囲気のままみんなで校歌と夏の日の贈り物を合唱しました。 みんなからの質問コーナーもあり、生徒のみんなと近くなれたと感じた瞬間でした。

コンサートを終え、私たちが校門を出て帰ろうと歩き出したら、窓から生徒たちが顔だし「さようなら~」と大きな声で挨拶してくれて... 心から幸せを感じました。(林由佳)

●北嶋信也さん(テノール)
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私にとって今回の学校コンサートは久しぶりだったので楽しみにしていました。
コンサートでは、ピアノと歌と言うことで子供たちにとって一般的で親しみのある編成だったと思いますが、言い換えると目新しくないとも言えます。しかし、ひとたび林さんのピアノソロの演奏が始まると、いつも音楽の授業で使用されてるピアノの音がしなかったのか子供たちの顔が真剣な顔に変わっていくのが横で見ていてよく分かりました。

私が歌った時も子供たちの反応は本当に正直でこちらが真剣に歌うと、私の方を見て真剣に聴いてくれました。大きなホールや舞台では歌手と観客が目と目が合うことはほとんどありませんが、子供たち一人一人の顔を見ながら歌うことができ、暖かみのあるサロンコンサートのような雰囲気になって逆に私の方が子供たちから喜びを頂いた気がします。

070926kashiwano05.jpg音楽の授業数が減り、音楽に触れる機会が少なくなってきている子供たちが、私達の演奏で少しでも何か感じとったり、心の栄養がもし取れたとしたら演奏家冥利に尽きます。

今まで私自身、音楽に助けられ、たくさん音楽から学び、喜びをもらいました。これからも演奏家として問題意識を常に持って子供たちに音楽のもつ力、楽しさを少しでも伝えていきたいと思っています。今回はこのような機会を与えてくださりありがとうございました。(北嶋信也)


♪演奏者プロフィール

林由佳(ピアノ)
hayashi.jpg桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学演奏学科ピアノ専攻を卒業。第11回大曲新人音楽祭、最年少で優秀賞を受賞。第45回全東北ピアノコンクール1位、併せて文部大臣賞受賞。2001年ローゼンストック国際コンクール3位。多数のコンクールで受賞歴を持つ。秋田県にてソロ・リサイタルを開催、ワルシャワにてショパンアカデミー学院教授陣推薦コンサートに選ばれるなど多数のコンサートに出演。2004年日本ショパン協会主催コンサートに出演する。2005年にはブルガリア大使館公邸での演奏を始め様々なコンサートにソロ・伴奏者として参加。これまでにピアノを二宮裕子氏、若松マキ各氏に師事。副科チェンバロを渡邊氏に師事。


北嶋信也(テノール)
kitajima_shinya.jpg秋田県出身。東海大学教養学部芸術学科音楽学課程卒業、同大学在学中に海外派遣留学生としてベルリンのフンボルト大学に留学。声楽を梶井龍太郎、H.F.フェッター、H.クレッチュマンの各氏に師事。第73回読売新人演奏会など多数のコンサートに出演のほか、東京オペラプロデュース(TOP)公演「ルイーズ」古着屋、(TOP)公演「天国と地獄」メルキュール、さいたまシティオペラ公演「メリーウィドウ」カスカーダで出演。'06東京オペラシティ・リサイタルホールにてソロリサイタルを開催。第2回ルーマニア国際音楽コンクール声楽部門第2位入賞(1位なし)。日本声楽発声学会、TOPサブメンバー。


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