第38回:横浜市立美しが丘東小学校 2006年6月6日(火)

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2006/06/06

横浜市4校目の学校は、美しが丘東小学校の4年生3クラス。演奏は関春絵さんとクラリネットの渡邊あきさん。亜麻色ってどんな色?リコーダーとクラリネットの穴はいくつ?という問いかけにも次々と自分の考えを答え、2人の説明にも「じゃあ、これは?」と知恵を働かせてさらに質問を投げかけるなど、活発な時間となった。



亜麻色の髪の乙女ってどんな感じの人?

ころころと楽しく転がるようなショパンの『小犬のワルツ』でみんなを楽しませた後、「これからドビュッシーの『亜麻色の髪の乙女』を弾きます。」と関さんが話すと、「知ってる!この間テレビでやってた。」「うーん、それはね、たぶん歌謡曲のものかな。何年か前に、同じタイトルの歌謡曲が流行ったの。でも、これはドビュッシーさんというフランスの人がそのずっと前に作った全然違う曲なんだよ。」

「ところでこの"亜麻色"って、どんな色かわかる?」と尋ねると、「赤!」「緑!」「ピンク!」「水色!」と、それぞれに好きな色を言い出す。「ヒントは、"亜麻色の髪"って言っているところだね。ピンクの髪の毛とかってちょっとないよね。」「じゃあー、黒!」

「残念。ドビュッシーさんはフランス人なので...」と言うと、「金髪!」「茶色!」と答える。「そう。例えば、こういう女の人を想像してください。」と、ルノアールの金髪の少女の絵葉書を出す。関さんは絵葉書を渡すと、『亜麻色の髪の乙女』を弾き出す。みんなは、その絵葉書を隣同士で回しながら、静かに聞き入った。


『凱旋行進曲』は勝利のお祝いの曲

「次の曲は、ヴェルディという人が作った『アイーダ』というオペラの中の曲なんだけれど、みんなきっと聴いたことがあるはずです。」と『グランドマーチ(凱旋行進曲)』をクラリネットで演奏。演奏が始まると、「あっ!」と、隣同士で顔を見合わせる子どもたち。首をふってリズムを取る子も。

「この曲はオペラの中では、戦いに行って勝って帰ってきた時に、勝利を祝って演奏される曲なんだけれど、みんなはどこで聴いたことがあったかな?」と尋ねると、「サッカー!もうすぐワールドカップだよ!」と男の子が嬉しそうに叫ぶ。折りしもワールドカップ開幕直前。「そう。本当は勝ってから演奏する曲なんだけれど、サッカーでは試合に行く前、入場する時に演奏しているよね。」と説明する。

次に人気の曲『インマー・クライナー』を演奏すると、演奏中に分解されていく楽器がしまわれていくたびに、席を立ち上がってケースを覗きに来る生徒たちも。自分のリコーダーを出して、分解してよく見てみたり、ふいてみたり。。色々と実験する子もいた。

そしてみんなでリコーダーで『エーデルワイス』を、そして合唱で『たんぽぽ』と、小さなかわいらしい花の曲を2曲、かわいらしく、そしてたくましく共演してくれた。


生徒さんたちの感想?

私のいとこが中学の吹奏楽でクラリネットを吹いていて、借りて吹いてみたのですが、あまり強い音が出なくて、ヒョロヒョロの音しか出ませんでした。私は、中学になったら吹奏楽に入って、クラリネットを吹きたいので、また教えてほしいです。(4年 1組)

クラリネットで演奏をした時とてもあこがれてしまいました。なぜかと言うと、リズムをとりながら、笑顔で演奏していたからです。(4年1組)

ヴェルディ『グランド・マーチ』が好きです。私はこの曲を聞いてとても楽しくなりました。(4年1組)

一番おもしろかったのは、クラリネットが5こにわかれた所でした。ぼくの予想は4こでした。まちがえても、クラリネットを知る事は初めてだから、次にそなえてわすれないようにしたいと思います(4年1組)

私は『小犬のワルツ』の曲の、速くなったりおそくなったりする所が好きです。(4年1組)

『小犬のワルツ』もとても速くて指が見えないくらいでした。なのに、とてもていねいにひいていて、すごいなと思いました。(4年1組)

私はピアノを習っているけれど、あまり速くひけません。けれど、しつもんした時に関春絵さんが、「何回も練習すれば速くひけるようになるよ。」とアドバイスをし てくれました。その日から私は、1回目はゆっくり、2回目は少しゆっくり、3回目はゆっくり、4回目は少し速く、5回目は速くひくようにしました。そうすると、次の日はすらすらひけるようになりました。(4年1組)

ぼくは、わたなべさんやせきさんの音楽をきいて、ピアノやリコーダーは、練習をいっぱいしてうまくなっていくということをしりました。ぼくは音楽がすきで、中でも歌がすきです。でもリコーダーなどをもっと練習すればいろんな楽器がひけるよう になると思います。(4年1組)

音楽の先生の感想

大規模な鑑賞会とは違い、子供たちは学校の音楽室で音楽に身近にふれることができました。 見て、聴いて、体で感じて、生の迫力に子供たちの目が輝き、表情も生き生きとし て、あっという間の45分間でした。興奮さめやらぬ子供たちからのサインの依頼にも きさくに応じて下さり、心が通い合ったひとときも過ごさせて頂きました。 生の音、すばらしい演奏に加え、お二人のあたたかいお人柄、ソフトなお話にも接す ることができました。今回の貴重な感動経験を今後の音楽教育に生かしていきたいと思います。感性をはぐくむ機会を下さいまして、厚くお礼申し上げます。


演奏者

♪ ピアノ 関 春絵(せき はるえ)
横浜市在住。6才よりピアノを始める。桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ科卒業。同大学研究科にて研鑽を積む。 第45回全日本学生音楽コンクール東京大会中学校の部第2位。第22回ピティナ・ピアノコンペティション特級の部グランプリ。併せて審査員特別賞他を受賞。また、伴奏者として読売新人演奏会、演連コンサート等に出演、日墺文化協会フレッシュコンサートにて最優秀共演者賞受賞。これまでに東京ニューシティ管弦楽団、日本フィルハーモニー交響楽団と共演。 現在演奏活動の傍ら、後進の指導も行なっている。 これまでに狩野美紀子、深沢亮子、上野久子の各氏に師事。
♪ クラリネット 渡邊 あき(わたなべ あき)
横浜市出身。10歳よりクラリネットを始める。第11回かながわ音楽コンクール管楽器部門にて総合第2位。受賞者演奏会にて神奈川フィルハーモニー管弦楽団と協演。桐朋学園大学卒業演奏会、ヤマハ主催管楽器新人演奏会、第71回横浜新人演奏会に出演。第5回日本クラリネットコンクール入選。桐朋学園大学音楽学部研究科を修了後、ウィーン音楽大学に学ぶ。ウィーン音楽セミナー主催Dichler=Satoコンクール第1位。ルーマニアにて国立オラーディアフィルハーモニー管弦楽団、オーストリアにてハンガリーのゲオーフィルハーモニー管弦楽団と協演。2002年第71回日本音楽コンクール第3位。同年CD『W.A.Mozart』を制作。小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトに参加。2004年日本に帰国。現在、ソロ・室内楽・指導など各地で幅広く活動。

プログラム

1.ショパン:小犬のワルツ(ピアノ)
2.ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女(ピアノ)
3.ヴェルディ:『アイーダ』よりグランドマーチ(クラリネット)
4.シュライナー:インマークライナー(クラリネット)
【生徒さんとの共演】
5.ロジャース:エーデルワイス(リコーダー)
6.たんぽぽ(二部合唱)

協力: 横浜市立美しが丘東小学校/後援:横浜市教育委員会/主催・問合:ピティナ学校クラスコンサート係

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