作文コンテスト結果発表 -2- 特選2作品

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2018/01/11
ピティナ・ピアノコンペティション作文コンテスト結果発表

2017年度コンペ作文コンテストの入賞作品を、毎週2作品ずつご紹介いたします。今回は、特選に選ばれた2作品を全文掲載します。 入賞作品の結果一覧はこちら

ピティナ・ピアノコンペティション作文コンテスト

作文:特選
中谷 優愛
ひときれのパイナップル
中谷 優愛(大阪府・小学2年生・A1級に参加)

わたしの先生は、カボチャのにものと、パイナップルが大すきです。

じつは、先生にもらった、たったひときれのパイナップルが、この夏一ばんの思い出、「全国大会」につながりました。

地く本せん前のホールレッスンで、カンツォネッタのさい後のフレーズが、うまくひけなかったとき、先生に、
「音をきいて!、つまらない。」
といわれたけど、どうやってなおすかわかりませんでした。そしたら先生がおべんとうを食べているときに、
「先生はね、カボチャのにものが大すきなの。」
と、言ってパクッと食べました。それから、
「あぁおいしかった。やっぱりおいしかったなー、先生は、今お茶をのみたくないなぁ。」
「どうしてかわかる?」
と、聞かれました。わたしが、
「のどがかわいていないから?」
と、こたえると、先生は、
「ちがう。先生はあじわっているの、おいしいなーってまだあじわっているから。だからね、さい後の音をおいしいなーってあじわうみたいにひいてね。」
と、言いました。

それを聞いて、わたしは、大すきなママのスペアリブを、あじわう気もちでひきました。上手にひけたかわからなかったけど、先生は
「そう!」
と、言ってくれました。

ホールレッスンの後、先生がデザートのパイナップルを一切れ食べさせてくれました。

先生は、パイナップルも大すきです。先生に、食べさせてもらったパイナップルは、とてもあまくて、口の中いっぱいにかじゅうがひろがって、とくべつにうれしくて、いつまでもあじわっていたい、と思いました。

わたしは、その日から、にが手なさい後のフレーズは、パイナップルを思い出すことにしました。

先生は、その気もちをわかっていてくれて、全国大会のちょく前のホールレッスンでも、
「そこはパイナップル!」
とさけんでくれました。すると、わたしは、あのおいしいあじを思い出すことができて、音を大切にきき、うまくひけました。

食べものをあじわうことと、音をきいて大切にかんじるのは、よくにていると思います。わたしは、「音をあじわう」という言ばがピッタリだと思いました。わたしが、音をあじわってピアノをひくと、きいてくれているたくさんの人の心にもそのあじがとどくことがわかりました。

この夏は、大切なことを教えてくれた一切れのパイナップルと、大すきな先生に、わすれられない思い出をもらいました。

これからは、ただひくだけじゃなくて、わたしの耳で一つ一つの音を大切にあじわってきいてくれる人にも、あじわってもらえるような、すてきな音楽を、ひいていきたいです。

作文:特選
鈴木 天
ピアノは伝えてくれる
鈴木 天(兵庫県・中学1年生・D級に参加)

ピアノは孤独な楽器だなと思った事がある。数十人で演奏するオーケストラの曲さえ演奏できる楽器なのに演奏はたった一人だったりする。

今年の本選で四年越しの再会をした。彼女の演奏は当時から美しく、大変聴き心地が良い。今回も変わらず素晴らしい演奏で、見事一位で本選を通過していった。僕はというと、全国大会に0.02足らずの悔しい結果だったが、彼女の懐かしい演奏とその結果にとても嬉しい気持ちになった。

同じ日の帰り道、一歳年上の知人に偶然ばったりと会った。彼女は飛び級でこれからE級本選とのこと。彼女の笑顔から、ピアノを心から楽しんでいるのがすぐに分かった。彼女の演奏はいつも迫力があって聴き応えがある。女性らしく端正な彼女の顔立ちや印象とは真逆のその演奏は、男の僕より男性的で、とにかくカッコいい。暫く立ち話をし、「本番、頑張って」と笑顔でその場は別れ、今日もどんなにカッコいい演奏をするのだろうかと楽しみになった。

「予選、神戸前期に出ておられましたね。貴方の演奏がまた聴けて嬉しくて、つい。」

面識のない女性に本選演奏後、そう声をかけられた。横には控え目な色のドレス姿の女の子がにっこりと笑って立っている。しかし、僕は今年、予選を神戸前期で受けていない。おそらく人違いだなと思い、そう伝えたところ、女性と女の子はにっこりと笑って「去年の予選です。貴方に間違いないです。演奏を聴いたから分かるんです。」と答えてくれた。が、本当にそんな風に僕が言って貰っているのか?と思った。一年前の僕の演奏を覚えていて、再び僕の演奏を聴けるのを楽しみにしてくれていた人がいた...。とにかく驚いた。

今まで、ピティナの予選や本選、その他のコンクールで沢山の演奏を聴いてきた。演奏者の曲への想いが音で伝わってくる。どれも聴く人へ伝える何かを持っている。一方で、自分の演奏がどう受け止めてもらえているのかなど、考えもしてこなかった。しかし、その女性の一言で自分の演奏がたった一人にでも感動してもらえていたのだと知り、純粋に嬉しかったし、考えさせられもした。

毎年、コンペ参加者数を聞いて、驚く程の人達がピアノを学んでいるのを改めて知る。コンペに参加しなかった人達を加えると一体何人もの人がピアノを学んでいるのだろう。

今年の本選の日に再会した人達が教えてくれた。曲を想い、聴いてくれる人を想い、演奏する。その想いは必ず誰かが受け止めてくれる。たった一回の演奏でも聴く人の数だけ受け止めてくれるのが音楽だ、と。沢山の人の心を繋いでくれているから、ピアノは決して孤独な楽器ではないのだ。聴いてくれる人のためにも、これからも僕の想いを一生懸命ピアノの音と一緒に伝えたいと思う。


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