幼少期のコンクールで伸ばす子どもの力~A2級に参加すること~

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2014/09/12
ひと夏のコンクールで子どもは育つ A2級に参加すること

「幼稚園生がコンクール」あなたはどう思いますか?
うちの子に、うちの生徒に「コンクールなんてまだ無理!」と思っていませんか?
コンクールに出ることは、決して特別なことや、高すぎるハードルではありません。どの子もみんなスタートは同じ。コンクールを通してひとまわりもふたまわりも成長するのです。
まずは一歩、踏み出してみませんか?

表を見て分かるように、A2級の参加者は、A1級~D級に比べ多くありません。しかし、A2級のみを取り出して過去5年の推移を見てみると、2010年の入賞者記念コンサート以降過去5年で約300名増加しています。

2014年度級別参加人数
(ソロ部門 A2~F級)
のべ参加人数
A2 1801
A1 5740
B 7072
C 5223
D 2944
E 1209
F 896
過去5年のA2級参加者推移
 
小さい頃からコンクールの勉強をしていると、嫌になってやめるのが早くなるのでは?
<2010年A1~A2級参加者の継続年数>

2010年度、初めてA2級入賞者記念コンサートが開催された際にA2級に参加した1275名の次年度以降の動向を見てみましょう。

1275名中、2014年度まで4年間コンペティションに出場しているのは、647名。出場者の半数は、4年後もピアノ続け、コンペティションにチャレンジしているのです。
これが、一つ上のA1級ではどうでしょうか。
2010年度の参加者4024名のうち、2014年度にコンペティションに参加しているのは、1410名。約35%にとどまっています。
実は、2014年現在高校生の過去参加者を見てみると、A2級に参加経験がある人の継続年数は4.6年。対して、参加経験がない人は2.2年と2倍以上の開きがあることがわかりました。
 幼少期のコンクール体験は決してピアノの継続を妨げてはおらず、むしろ継続を生んでいることを表しています。

Interview

参加者の立場から

「自覚のないうち」が緊張に強くなるチャンス
鐵 百合奈さん
A2級から特級まで、これまでソロ部門全級に出場。2014年度特級セミファイナリスト。

私が初めてA2級に出場したのは年中の時で、その時のことは正直あまり覚えてはいません。「コンクール」というよりも「夏のイベント」で、「いいピアノで弾ける」「ホールで、人前で弾ける」「ドレスが着られる」というのが嬉しくて、緊張した覚えもありません。とても印象に残っているのは、A1級で「たんぽぽ」という課題曲を弾いて、休符の位置を間違えて予選落ちをした時です。その時に初めて「間違える」ということを知って、緊張するようになりました。でも、小さい頃は転んでも傷が浅いですよね。まだ自覚していない、緊張もしないような時期からコンクールという場所に立つことで、今、まわりと比べて人前に立つことに抵抗がないし、緊張しなくなっていることを実感しています。例えば学校で、「これ誰かやって」となった時に、「じゃあ私が」と自発的に手を上げることができるんですよね。
今考えると、小さい頃はとても時間の流れが遅くて、成長の幅が大きいですよね。その時期に、夏をだらだらと過ごすのではなくて、「コンクール」という「目標」と「期日」を持って生活ができていたことは、とてもいい経験だったと思います。

プラスαコンクールの通過率や入賞歴も継続年数で変わってくるの?

2014年度にD~F級で全国決勝大会に進出した人数を見てみましょう。
下記の表は、D~F級予選参加人数(※)のうち、A2級~該当級まで、コンクール初参加の級と、決勝進出数、割合を表しています。
※演奏検定を除いた頭数で示しています。

☆ D級 ☆
  全体
(人)
決勝進出
(人)
割合
(%)
A2級~ 368 17 4.6
A1級~ 588 17 2.9
B級~ 431 7 1.6
C級~ 290 4 1.4
D級~ 221 0 0
1898 45  
☆ E級 ☆
  全体
(人)
決勝進出
(人)
割合
(%)
A2級~ 159 7 4.4
A1級~ 216 10 4.6
B級~ 158 6 3.8
C級~ 88 1 1.1
D級~ 75 1 1.3
E級~ 77 0 0
773 24  
☆ F級 ☆
  全体
(人)
決勝進出
(人)
割合
(%)
A2級~ 91 11 12
A1級~ 160 5 3.1
B級~ 96 4 4.2
C級~ 67 1 1.5
D級~ 38 2 5.3
E級~ 37 1 2.7
F級~ 47 0 0
536 25  

幼少からコンクールに参加している人の決勝進出率が高いことが見て取れます。
また、2014年度にA1級~F級でベスト賞以上に輝いた152名のうち2014年度初参加の方は7名。約4.6%にとどまっています。

小さい頃からコンクールに出ることで、何が身に付くの?

2名の指導者へのインタビューを通して「A2級からコンクールに参加すること」で得られることをみていきましょう。

佐々木諭子
Interview

指導者から

コンクール練習が演奏と心の「基礎力」をつくる
佐々木諭子先生(指導会員)
2014年度A2級入賞者記念コンサート出場者臼坂玲音さんの指導者。2011年、2013年にそれぞれA2級入賞者記念コンサート出演者を指導。

これまでにお教室から3名、A2級入賞者記念コンサートに出演しました。出演した生徒たちはみんな揃って「楽しかった~」と言って帰ってきます。お教室の先輩が出演したコンサートの様子をビデオで見て、「ここに出たい」「次は自分がこのステージに上るんだ」と、頑張っていましたね。3人とも、環境は変わってもいますが今もピアノを続けコンクールにも参加し続けています。
A2級の生徒たちにはイメージを膨らませて曲にのぞめるようにお話を作ったり、メロディに歌詞をつけたり、伴奏を付け加えたりします。
A1級・B級と年齢が上がってくると頭で考える部分が多くなりますから、感覚が鋭い幼少時に感覚の引き出しをたくさん作ってあげることは、後々にものすごく影響してくると思います。A2級に参加して、色々な感覚を養う経験ができることは、心のある音楽を奏でるためにかけがえがないことだと思っています。

Interview

参加者、そして指導者の立場から

「舞台にひとり」の経験が成長を生む
水野真紀先生(正会員)
自身もA2級の参加経験があり、現在は指導者として、2013~14年度でA2級に9名生徒を参加させている。これまでに指導者賞を3回受賞。

私は、教室の年中~年長の生徒さんにはA2級に出るように進めています。コンクールでは、舞台上には一人きりですよね。舞台に出ていって、お辞儀をして、演奏をして...と、幼稚園生の子がそれを一人でするのです。その経験はとても貴重なものだと思います。夏を超えると、コンクールに出た生徒は飛躍的に変わっていると感じます。夏を過ぎてそれまでやっていた曲に取り組んでみると、「あれ?簡単」と生徒自身が驚くこともあるようです。難しい課題曲に深く取り組みますから曲の幅も広がりますよね。また、一度一人でステージに立つ経験をすると小さいからかすぐに場馴れするし、立ち居振る舞いも自然と覚えられるようです。 私自身、出ていた当時のことを思い出しながら、その時の気持ちや、失敗談を交えながら指導しています。自身の経験から、生徒には必ず、「なにかアクシデントがあったときのことも考えておいて」と言っています。なので、小さい頃から先取りして物事を考える力も身に付くと思います。

<おわりに>

小さい頃から「コンクール」という場所に立つこと。4~5か月に及んで厳しい練習を重ねることは小さい子には酷に感じられることもあるかもしれません。しかし、その経験を通して得られることも多いことを少しでも感じていただけたなら嬉しく思います。
ひと夏を超えた子どもは、きっと大きく成長しているはず。次回に是非チャレンジしてみてはいかがですか?

おまけ1A2級入賞者記念コンサートって?

2014年8月19日(火)、全国決勝大会各級の精鋭たちが鎬を削る中、浜離宮朝日ホールではのべ1801名の予選参加者の中から本選で優秀な成績を収めた63名の「リトル・ピアニスト」による「A2級入賞者記念コンサート」が行われました。「A2級入賞者記念コンサート」は、2010年から全国決勝大会に代わり行われるようになったもので、入賞者による演奏に加えて、「入賞者へのプレゼント」として特別企画が用意されています。
今年度は2013年度特級グランプリに輝いた浦山瑠衣さんの演奏を身近で聴いたり、加納裕生野さんによる「表現」のワークショップを体験したり...笑顔の溢れる一日となりました。

A2級入賞者記念コンサートでは、「その日・その年の入賞」ではなく、「入賞したこれから」を応援することをモットーとしています。夏のコンクールを通した経験、入賞者記念コンサートでの経験が、ピアノ人生だけではなく、今後の人生そのものにとって素晴らしく、また役立つものになることを願っています。

おまけ2「連弾プレ初級」新設!

来年度から、「連弾プレ初級」として現在の「連弾初級A」より低い年齢を対象とした連弾部門を準備中です。
「コンクールで成長できることはわかったけど、やっぱりソロを受けさせるのはちょっと...」と思う先生方、お友達と一緒に、楽しんで参加させてみてはいかがでしょうか。
もちろん、「ソロだけじゃなくて連弾も合わせて出てみたい」「A2級は出たことがあるから次は連弾!」といったチャレンジもお待ちしています♪

連弾プレ初級:概要

参加資格:2人とも小学2年生以下

  • これに伴い、連弾区分が一部変更になる予定です。

詳細は、後日発表予定。お楽しみに!


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