メッセージと写真で振り返る「Jr.G級のためのマスタークラス」のあゆみ

文字サイズ: |
2014/05/02
メッセージと写真で振り返る 「Jr.Gマスタークラス」のあゆみ

ナボレ先生・小山先生と受講生たち(2012年)

2005年にスタートしたJr.G級マスタークラスは今年で6回目。さらに高いレベルで活躍する多くの受講生たちが、ここを巣立っています。「中学生前後の多感なこの時期だからこそ、自分が音楽を勉強する意味を問い、ピアノを弾く喜びを自覚してほしい」という願いのもと、ジュニア教育の世界最前線を行く海外招聘教授のレッスンと、楽譜を読み解く楽しさを親身に伝えてくださる作曲家のアナリーゼクラス、同世代との交流の機会や演奏の場を設けています。






卒業生からのメッセージ
今まで考えてもいなかったことに気づけた機会
2012受講生平間今日志郎さん(2012Jr.G級金賞)

ナボレ先生のレッスンを受ける平間さん(2012)

Jr.G級のマスタークラスを受講するまで、私は感じたまま自由に演奏していました。しかし、ナボレ先生のレッスンを受講し、そして他の受講生のレッスンを聴講して「楽譜に書いてあることを大切にしなければならない」と改めて感じました。その後、楽譜を読むと、様々な発見があったことを覚えています。素晴らしい先生のレッスンを受講・聴講することは、これ以外にも今まで考えてもいなかったことを気付くことができる機会だと思います。

また、4人一組で授業を受けた小山和彦先生のアナリーゼクラスでは、色々な意見を出し合いながら問題を解いていくので、楽しく知識を身に付けることができました。そして、懇親会などで受講生同士が触れ合う機会があり、全国のピアノを頑張る仲間ができることもマスタークラスならではと思います。

音楽の道に進むことを決断したマスタークラス
2010受講生 桑原志織さん (2010Jr.G級ベスト賞、2013特級銀賞・聴衆賞)

イム先生のレッスンを受ける桑原さん(2010)

私はJr.G級で初めてマスタークラスというものを受けました。当時私は中学3年で進路について真剣に考えている時期でしたが、このマスタークラス受講を契機に、「音楽高校に進んでもっと音楽を勉強しよう」とはっきり決断したことを記憶しています。

受講生は私よりも経験豊富で、小さいときから真剣にピアノに取り組んでいる実力ある人ばかりでした。そんな仲間と丸二日間共に過ごし、素晴らしい先生方のご指導のもとで音楽を学び、レベルの高いレッスンを受け、それをお互いに聴き合えたことは、私にとって大変新鮮で刺激に満ちたものでした。二日間、私は楽しくてわくわくしっぱなしでした。

ちょうど予選と決勝の中間地点にマスタークラスがあるので、決勝への目標ができて意気込みが変わりました。途中には懇親会もあるので受講生同士の交流も深まりました。あれから4年経ちましたが、Jr.G級の仲間とは今でも心のどこかで繋がっているような気がしています。

一生の師との出会い、夢の始まり
2008受講生 水本明莉さん(2008Jr.G級銀賞、2010G級銀賞)

カン先生のレッスンを受ける水本さん
(2008)

中学生の時に参加させて頂いたJr.G級のマスタークラスは、私を強く音楽の道へ導いてくれた特別な経験でした。その年にクラスを指導されたチュンモ・カン先生のレッスンを受講し聴講する中で、音楽にふっと命が宿る瞬間を何度も目にした気がして、心から感動したのを覚えています。魔法を胸いっぱいに吸い込んだマスタークラスの帰り、「日本を離れ、カン先生のもとで<音楽と共に生きるということ>を学びたい」という私の夢が始まりました。その夢がかなった今、望んだ環境で日々自分自身と音楽と向き合う幸せを噛みしめながら、私の原点とも言えるあの経験に心から感謝しています。

講師より
新緑のように伸びゆく生徒たちと学ぶ喜び
2006,2012アナリーゼクラス講師 小山和彦先生(作曲家・宮城学院女子大学教授)

魅力的な解説に楽譜を覗きこむ生徒たち


小山先生の親身な語りで音楽がどんどん身近に

2006年に開催されたJr.G級マスタークラスで、私はアナリーゼクラスを担当させていただきました。手探りの状態で始めた授業でしたが、逆に生徒さんたちから、若々しいバイタリティを吸収できただけではなく、貴重な音楽的な体験もさせていただきましたので、2012年に再びアナリーゼクラス担当のお話をいただいたときには、嬉しい気持ちで一杯でした。

ご存じの通り、このクラスでは、素晴らしい指導者のもとで勉強している優秀な生徒さんたちが参加し、世界の第一線で活躍している先生のレッスンを受け、夏のコンペティションに臨みます。一昨年はレッスンでどのように参加者たちが変わってゆくのか、また本番でどのような演奏をするのか大変興味がありましたので、マスタークラスでは可能な限りレッスンを聴講し、コンペティションの演奏もすべて聴かせていただきました。本番当日はマスタークラスのレッスンを踏まえて、更に精度の高い演奏、楽曲構造の理解が深まった演奏など、それぞれ成長してゆく姿を拝見出来、とても喜ばしく思いました。

このマスタークラスという場は、単に世界トップクラスのレッスンを知るということにとどまらず、新緑のようにぐんぐん成長するような生徒さんから醸し出される雰囲気から、沢山の刺激を受けることが出来ます。私も、この場で授業をさせていただいた経験のおかげで、彼らと共に少しだけ前進出来た気がします。今年度のマスタークラスも更に新鮮な空気に満ちあふれていることでしょう。

通訳の目から
魔法のような変化の瞬間に立ち会う
2008年より毎回マスタークラスを通訳 千田直子先生(英語通訳・ガイド)

いつでも生徒さんに寄り添う千田さんの名通訳

2008年からJr.G級マスタークラスの通訳をさせていただいていますが、毎回、先生のおっしゃる一言で生徒さんの演奏がぱっと変わる、魔法のような瞬間に立ち会うことができてとても光栄に思っています。先生とのレッスンや交流は、日々努力を重ねピアノに向き合われている若い生徒さんたちにとって、これから音楽を続けていく上での心の糧となる素晴らしい機会だと思います。

指導者より
みんなで子どもたちを育てていくマスタークラス
2012マスタークラス受講生指導者 沢田菊江先生(正会員)

2012年のJr.G級マスタークラスに生徒(岡田柚香さん)が参加することになり、私も2日間聴講をさせて頂きました。全国から集まった才能豊かな方々の演奏を聴かせて頂くことができ、ナボレ先生のレッスンでは「楽譜に忠実に、そしてさらに深く読み込む」という基本姿勢のもと、それぞれの参加者に対してさまざまなアプローチがなされ、大変勉強になったと共に、先生のパワフルさに圧倒された2日間でした。

またアナリーゼクラスを担当された小山和彦先生は、修了演奏会、そして8月の決勝大会の時にも生徒全員の演奏をお聴きくださり、細やかなアドバイスを下さいました。みんなで子どもたちを育てていこうと言う温かなお気持ちに触れ、心に残ったマスタークラスとなりました。また休憩時間などに他の先生方、参加者や保護者の方々と交流が持てたこともとても良い思い出となっています。

保護者より
苦しみを共有する仲間に出会い再びピアノの道に
2012,2014マスタークラス参加沢田蒼梧さん保護者 沢田由紀子さん

2010年の懇親会。佐々木邦雄講師と記念写真

前回に続き、今年もマスタークラスに参加できることとなり、親子ともに喜んでいます。息子が今ピアノに真摯に、そして生き生きと向き合い続けていられるのは、一昨年、マスタークラスプログラムを併せ持ったJr.G級に参加できたおかげです。

現在高1の息子は、小学生の頃は、弾くこと、練習することが大好きで、ピアノを中心に自分の生活がまわっていることに何も疑問を抱いていませんでした。ところが中学生になり、精神的な成長に伴って、他人と比べて自分の生活を客観視できるようになると「なぜ学校の友だちは部活がない時は遊べるのに僕は遊べないの?」「ピアノのせいでいつも時間に追われてる。何のためにピアノを頑張っているのかわからない」などと疑問を口にし始めました。「今の自分の生活に納得がいかないならピアノをやめたら?」「じゃあやめる」という会話が親子の間で幾度となく繰り返され、前回2012年、Jr.G級の夏でピアノを卒業するという話にまでなっていたのです。

2012祝賀会での記念撮影シーン

ところが祝賀会からの帰り道、「ピアノやめるんだよね」と尋ねた私に息子は「やめない。だってまたJr.G級の皆と同じステージに立ちたいもん」と答えました。それから息子は、一緒に参加した皆さんと楽しくおしゃべりしたこと、ずっと憧れだったお友達が自分を友人として認めてくれたことなど、「あ~楽しかった!」と、まるでコンクールなどなかったかのように楽しい思い出ばかりを語り続けました。

2012年の懇親会。福田専務理事のメッセージ

同門下に自分の数歩先を歩んでいる先輩や愚痴を言い合える同年代の方もいない息子にとって、初めてピアノで苦楽を共有し切磋琢磨し合える仲間ができたことが何より嬉しかったのでしょう。演奏後の楽屋でピアノ男子が集まってお喋りし、表彰式会場でJr.G級の皆さんと写真撮影したときの息子の笑顔。それらを思い返した時、息子が精神的に苦しかったのは、ピアノに追われる生活そのものではなく、その生活の大変さを真に共有し愚痴を言い合える仲間の存在が一人もいなかったことなんだと、初めて私は息子の苦しみを理解できたのです。

携帯アドレスを交換しあうのもすっかり恒例

ピアノの練習はとても孤独です。Jr.G級出場者の演奏曲目はとても大人びた難曲が多いですが、演奏者自身は思春期をむかえたばかりの子どもたちで、たった一人でその難曲に立ち向かい続けることは精神的にとても大変です。でも、日本全国で自分と同じように頑張っている仲間に思いを馳せると「よし、自分も頑張ろう」という勇気とエネルギーをもらえるようです。今年もまたマスタークラスから始まる新たなピアノ仲間との出会いをとても楽しみにしています。

Jr.G級マスタークラス アーカイブ♪
年度 内容 講師
2003 コンペティションに「Jr.G級」設置  
2005 決勝大会の期間までに学習機会を提供しようと「Jr.G級マスタークラス」が始まる。当初より、洗足学園音楽大学のご協賛・ご協力を得る ボリス・ペトルシャンスキー(イモラ国際ピアノアカデミー教授)、諌山隆美(正会員)
2006 第2回マスタークラス実施 タチアナ・ゼリクマン(グネーシン音楽大学教授)、小山和彦(正会員)
2008 第3回マスタークラス実施 カン・チュンモ(韓国国立芸術大学(当時)教授、現ジュリアード音楽院教授)、秋山徹也(正会員)
2010 第4回マスタークラス実施 イム・チョンピル(韓国国立芸術大学教授)、佐々木邦雄(正会員)
2012 第5回マスタークラス実施 ウィリアム・ナボレ(コモ湖国際ピアノアカデミー主宰)、小山和彦(正会員)
2014 第6回マスタークラス開催予定 アンドレア・ボナッタ(エッパン国際ピアノアカデミー主宰)、西尾洋(指導会員)

【GoogleAdsense】
ホーム > ピアノコンクール > ニュース > > メッセージと写真で振...