審査員からコンペ参加者へのメッセージ

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2012/07/13
審査員からコンペ参加者へのメッセージ

2012年のピティナ・ピアノコンペティションは予選がもうすぐ終了。参加者、指導者、保護者の方それぞれの思いをもって、ピアノに取り組まれていることと思います。多くの地区をめぐって指導、審査ともに深い経験をお持ちの審査員の先生方から、メッセージを頂きました。この機会に、コンクール、ピアノ、そして音楽との関わりに思いを寄せてみてはいかがでしょうか。

和田弘子先生 結果だけにとらわれない。練習したことそのものに意味がある 平田博通先生 何も褒賞をもらえなかった...そんな時こそチャンス 競争そのものも大事。しかし競争のあり方はもっと大事
和田弘子先生(通算審査回数81回)
最近のコンペは全体のレベルが上がってきていると感じます。 コンクールを目指すことで、普段のレッスンではできないところまで、深い内容の指導をすることができます。一年に一回、お子さん、保護者の方、そして指導者が三位一体になって取り組める機会は貴重です。
一方で、結果だけにとらわれてはいけませんね。例えば、前に良い結果がでた時と同じくらいの演奏ができたとしても、同じ点数がもらえるとは限りません。違う結果がでることも珍しくはありません。せっかくのコンクールですから、競争意識も必要ですが、結果そのものではなく、良い結果を目指した「過程そのもの」に価値があると思って頂きたいです。
コンクールを受ける子と受けない子、それぞれの事情がありますから、受けることを強制はしませんが、受けた子の「伸び」はやはり素晴らしいです。子供たちにとっても、良い目標になっているのですね。しかし無理をすれば続きません。以前、自ら望んでピアノを習い始めた子が、全国大会に出場が決まった際に指導者が練習を頑張らせ過ぎてしまい、その後一切ピアノに向かわなくなってしまった、という事例を知っています。そのようなこともあって、できるだけ、子供の自主性に任せるようにしています。
音楽を続ければ、自分の感情を表す道具を手に入れられます。楽しいこと。悲しいこと。感情を豊かに持つことが、豊かな人生につながります。結局は「人」を育てることだと考えています。
平田博通先生(通算審査回数68回)
近頃のコンペは、昔より「底が上がった」という印象はあります。小さい子の級ではまさに舌を巻く、感嘆することが多々あります。D級以上では、切磋琢磨、情熱にあふれた演奏を聴くことができます。指導者の皆様方のたゆまぬ努力の結果ですね。
誰もがコンクールを利用するべきとは思いませんが、自分本位の演奏ではなく、人と比べられること、点数をつけられることを意識できるようになることには意義があるでしょう。コンクールに出るのであれば、結果をどれだけ真摯に受け止められるかが肝要です。例えば「本選に行きたい」という気持ちは練習する際の原動力にはなりますが、なんでも順風満帆にはいきません。私が各地の講評でお話する際には「褒賞を得られなかった方はむしろチャンスと思って頂きたい」と伝えています。よくない結果をうまく受け止め、自分の糧にすることが大事です。
音楽を勉強することは「自身の確立」につながります。専門家になるかどうかはともかく、器楽の演奏を習得することは、すばらしいコミュニケーションツールを手に入れることです。音楽は楽しいばかりではなく辛いこともありますが「かけただけのことはある」ものだと思っています。
深谷直仁先生(通算審査回数88回)
昨今、ピアノを習っている人は減っているかもしれませんが、レベルは上がっていますね。以前から小さい子の級は素晴らしかったですが、例えばEF級などを聴いていても、最近の出場者は「基礎的なことはおさえられているな」と感じることが多くなりました。
ピティナのコンペでは審査員のコメントがもらえますが、私はどんな受講者に対しても、たいていの場合は褒めるようにしています。全体として水準に達していない演奏であっても、必ず良いところはありますから。一方で、よく弾けている参加者に対してはもちろん高い点数をつけますが、むしろ比較的厳しい言葉をかけることもあります。
私の教室では、コンクール直前でもそれほど普段とレッスン日程を変えたりはしません。結果を求めて練習やレッスンを限界までやって生徒を追い込み、のちのち弊害がでることを避けたいからです。競争することも大事ですが、競争のあり方には気をつけなければなりません、順位や点数ではなく、学ぶことこそが大切ですから。そのためには、レッスン上で音楽的に本質を突いた指摘を行い、生徒さんや保護者の方にご納得頂くことが必要ですね。
そして、音楽の勉強を続けるには、音楽に感動していなければなりません。演奏会やCDなどでとにかく音楽に触れ、鑑賞することを身につけ、良いスタートを切ることが大事だと思います。
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