デュオの効用 ~連弾に挑戦して視野を広げよう!

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2012/02/24
デュオの効用 ~連弾に挑戦して視野を広げよう!
2012年度コンペデュオ部門全級変更点
全国決勝大会の褒賞を変更

全国決勝大会の褒賞をソロ部門同様、各級ごとの表彰に変更します。

従来2012 年度~
最優秀賞 デュオ部門から1 組
優秀賞  各級1 組※
奨励賞  各級若干名
※最優秀賞が出た級は該当なし
※連弾各級について
金賞 各級1 組
銀賞 各級1 組
銅賞 各級1 組
ベスト賞 各級若干名

3月1日、2012年度ピティナ・ピアノコンペティション参加要項発表がせまってきました。今年度の大きな変更点として、デュオ部門(連弾)の全国決勝大会褒賞が大きく拡充されることがあります(右表)。デュオ部門の歴史やデータを紹介し、「連弾」の効用を、指導者・参加者の皆さんにインタビューしました。
他人と協調し、「アンサンブル」を奏でることが求められるこれからの時代。「連弾」に挑戦して、指導の、演奏の、そして心の視野を広げてみませんか?

歴史とデータでみるデュオ部門
★沿革
1987(第11回)
デュオ部門新設。初回は94組の参加
1999(第23回)
本選課題曲を設定
2001(第25回)
連弾初級Aを新設
2003(第27回)
現グランミューズ部門にDカテゴリー(連弾)設置
2004(第28回)
連弾初級B~上級に年齢制限を設定
2005(第29回)
デュオ参加組数が2,000組を突破
2007(第31回)
デュオ参加組数が2,500組を突破
2008(第32回)
「ジュニア2台」を新設
2009(第33回)
2台ピアノ初/中/上級を設定し、2台は隔年開催に
★データでみるデュオ部門
デュオの組数内訳
デュオの組数内訳
①どんな人とペアを組む?

2011年度コンペティションでは、家族(きょうだい)以上に、同学年のお友達とペアを組む参加者が多く見られました。
お友達の家に泊まりに行って練習すれば、それだけでかけがえのない夏の思い出ができます。

20代の2011年度
ステップ参加者
20代の2011年度ステップ参加者
②連弾は継続のもと?

ステップに参加している(=大人になってもピアノを続けている)20代の皆さんのうち、3人に1人がコンペの連弾に参加していることがわかりました!
連弾参加者がソロほど多くないなかで、これは大きな割合といえるでしょう。
「連弾」の楽しみが、長くピアノを弾くことの楽しみに通じています。

ソロ/デュオ参加経験の比率
ソロ/デュオ参加経験の比率
③ソロ、デュオ、どっちに出る?

ソロ部門のみにチャレンジする参加者が大半ではありますが、11%(10人に1人!)はソロとデュオの両方に挑戦しています。
また、連弾のみに参加している方が5%(母数にして7,000人以上!)もいらっしゃるというのは驚きの結果です。

④連弾に挑戦する年齢、今からでも遅くない!
連弾だけの人の初参加年齢
連弾だけの人の初参加年齢

★参加者に聞く!「同門の先輩とデュオを組んで」
西口彰浩さん
西口彰浩さん(高3)

幼少の頃よりコンペソロ部門・デュオ部門に参加。岩井良裕さんとのデュオで2009年グランミューズ部門Dカテゴリー第1位、2010年デュオ部門最優秀賞受賞

私が小学生だった7年前から、同門の先輩である岩井良裕さんとずっとペアを組んで連弾をしています。自分から「岩井さんと連弾したい!」と申し出たのがペア結成のきっかけでした。

年齢が一回り離れているため、私の成長が追いつくまでは体格やタッチの強さにもかなりの差がありましたが、岩井さんがいつもバランスを取ってくださっていました。 音楽に対して「こう弾きたい」という意志がまだはっきり芽生えていなかった幼い自分にとって、岩井さんの「こう弾こうよ!」と提案してくださる内容や姿勢は本当に勉強になるものでした。

西口さん・岩井さん
2010年コンペティションにて

岩井さんが大学生、社会人...と忙しくなるにつれて合わせて練習できる時間も自然と限られてきましたが、だからこそ、「短時間でも密度の濃い練習」を心がけるようにしています。

相手の音を常に聴くこと、自分の音を聴くこと、高音と低音のバランスを取ること―連弾によって養った「音を聴く」力は、声部の弾き分けなどソロでの演奏の際にも大いに役立っています。

江崎光世先生
効用とポイント~江崎光世先生に聞く
「聞く」から「聴く」に育てるには?
 ~「自分の音をよくきいて!」

日頃、レッスンの中でピアノの先生方は、この言葉を何回唱えていることでしょう。「聴く」ということは、音楽をつくっていく上で、最も大切な課題ですね。しかし、生徒自身は「聞いているよ」と答える場合がほとんどです。では、無意識の「聞く」から、意識的な「聴く」に育てるためには、どのようにすれば良いでしょう。その一番の近道は、相手の音を「聴かなければ」音楽が成り立たないアンサンブル、中でも最も手軽な「連弾」に取り組んでみることがおすすめです。まず連弾で合わせるためには、お互いに相手の音をよく聴いて、自分の音を調和させていくことが必要です。さらに一つの音楽を二人で分担して作り上げていく過程で、左右のバランス、フレージング、ディナーミク等にお互いの耳で「聴く」「感じとる」という集中力が要求されますので、自然と「聴く」という力が育まれていくことでしょう。

何歳から始められるでしょうか?

何歳からでも、ピアノを習い始めて、なるべく早く連弾を体験してみると良いでしょう。導入期には、先生や年長者とあわせてみると、音楽の流れに乗ることを体感しやすいですね。先生のパートで、リズム・ハーモニーを補うことで、導入期から音楽的充実感を味わってレッスンを進めることができると思います。また、ペアを探すのが難しい場合には、前後のレッスンの生徒同士で、5分・10分からでも合わせてみると、取り組みやすいですね。

連弾のテクニックで求められるものとは?

第一に、音をよく聴くこと呼吸音のバランスが大切です。コンペティションで連弾を審査する際にも、このポイントがどの程度出来ている演奏かどうかが、まず大事なチェックポイントになります。その上に、二人で考えた音楽作り、構成力などによって、二人だけの素敵な音楽が生まれていくことでしょう。

<各テクニックのポイント>
呼吸について

連弾では、出だしをはじめとして、随所でお互いに合わせなければならないところが沢山あります。フレーズ感やリズム感の合わせ、同時打鍵などのために、二人の呼吸を合わせることが大切なポイントになります。

◎音のバランス

4手連弾は、20本指のオーケストラ、または混声4部合唱と考えてみるとバランスの決め方のヒントになります。ソロの場合、バランスはメロディーを主に受け持つ右手に傾きますが、連弾の場合、プリモ・セコンドによって、右手・左手の役割が変わります。プリモの右手:ソプラノ、左手:アルト、セコンドの右手:テノール、左手:バスと4手で各々の声部の役割を意識し、美しい響きのバランスをコントロールしましょう。

※その他、アンサンブル・テクニックについての資料を、3月2日課題曲説明会(デュオ部門)にて配布いたします。

練習する時のポイントは?

まずは、楽譜を切り貼りして、プリモ・セコンド上下のスコア譜にしましょう。4手の楽譜を縦に読むことにより、音の重なり、各々の手の役割を感じやすくなります。そして、お互いに譜読みが出来たら早い段階で合わせ、音楽のアウトラインをつかみ、自分のパートの役割、腕のぶつかり合い、指の接近、譜めくり等、お互いのチェックポイントを確認しておくと、その後の練習がより効率的でしょう。

連弾の意義

二人で音楽を作っていく過程は、はじめは相手や曲への期待と希望に夢があり楽しいものですが、時には、練習時間の調整や、合いにくい箇所、解決策の検討など、大変なこともあります。しかし、練習を積むことで得られる理想像に近く合った時の喜びや満足感、充実感は、一人より二人だからこそ、より大きなものとなるでしょう。この経験は、お互いの人間的成長を高めることができ、音楽の楽しさ、ピアノの楽しさを感じることができる、連弾の醍醐味だと思います。こうして連弾で育まれたテクニックは、必ずソロの演奏の上達にも大いに役立つことでしょう。

伊井 光子先生
伊井 光子先生
(名古屋東ステーション代表)
連弾を活用している指導者に聞く!
~伊井光子先生
パートはどう決める?

私はどの生徒にも、ソロだけでなく連弾も経験してほしい!と推奨しています。
連弾に取り組む効果としてまず挙げられるのは、「音を客観的に聴けるようになる」ということです。それは相手の音だけでなく、自分の音も含まれます。
プリモとセコンドで役割も違いますし、特にセコンドは拍子・リズム・テンポ・ペダル・ベース等、色々とコントロールしながらプリモとのバランスを考えなければいけないので、勉強になると思います。曲を選んでいざパートを決める時は、まず両方のパートを練習してきてもらい、お互いがよりしっくりくる方のパートに決めるようにしています。

連弾のペアはどう組む?

「ペアのお友達に迷惑をかけてはいけない」「練習の日程を合わせるのが大変だから」という理由で兄弟でペアを組みたがる方が多いのですが、お友達と組むことも勉強になるように思います。兄弟ですと上の子と下の子のテクニック面の開きをカバーするのが大変ですし、お友達同士で組むことで、練習の仕方や物の考え方など、自分になかった部分を吸収して成長してくれているのを実感しています。
ペアは年齢的にある程度近い子同士で組んでもらうことが多いですが、音楽的な相性(プリモ向き同士・セコンド向き同士にならないように)も考えますし、頑張り屋さんで引っ張っていくタイプの子もいればどっしり構えて安定感があるタイプの子もいますので、性格的なバランスも考慮します。コンペに出る場合には、全国大会を目指すのか、楽しむことを目的とするのか、それぞれのお家の考え方が一致していることも重要な要素になってきますね。

デュオならではの楽しみ

中学生になって、ソロ部門へはなかなか参加できなくなってしまっても、デュオだけは出たい!と言ってくる生徒も多いです。一緒に練習したり、一緒にドレスを選んだり、一緒にステージに立てる連弾ならではの楽しさが、ピアノを続ける後押しになっているようです。

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