コンペ課題曲 オーケストラ伴奏CD発売!

2010/03/04  | トラックバック(0)  | 
コンペ課題曲 オーケストラ伴奏CD発売!
2010年度、初の試みとして、「課題曲併用 オーケストラ伴奏CD」が発売されました。
<サンプル動画>

◎CDをお使いくださる皆様へ(課題曲選定委員長 江崎光世)
この伴奏集は、旋律や和音、場面などによって音色、表現を変えたいという、自発的な「欲」を育てることを目的として企画・制作したものです。
2010年度ピティナ・ピアノコンペティションA2級・A1級・B級課題曲の中から選ばれた15曲に対し、6人の作曲家の先生方が、各曲に無限に存在する色々なハーモニーの可能性・素敵なドラマの一例として、それぞれのインスピレーションを元にオーケストレーションした伴奏です。
楽曲をより楽しみ、イマジネーションを育てるのはもちろんのこと、ピアノを弾きながら他の楽器の音色を聞くことで、アンサンブルの導入教材、またリトルコンチェルトとしてもご活用頂けます。子どもたちの「自発的な表現力」が育つことを願っています。

【お詫び】
A2級近現代課題曲「ぶきょく」のテンポ設定にミスがありました。テンポが遅く、仕上げのテンポとしては不向きですので、あくまでも練習用としてお使いください。各自、演奏者と曲想に合ったテンポをお決めくださいますよう、お願い申し上げます。ご迷惑をおかけいたしますことを、心よりお詫び申し上げます。

各編曲ごとの速めのテンポと、「課題曲CD第1巻」収録の演奏を公開させていただきます。

1.佐藤敏直/ぶきょく
小山和彦編曲

テンポは、およそ四分音符=132(テンポ修正版)です。
2.佐藤敏直/ぶきょく
轟千尋編曲

テンポは、およそ四分音符=140(テンポ修正版)です。
3.佐藤敏直/ぶきょく(原曲)
演奏:中川京子

テンポは、およそ四分音符=208です。


轟千尋
とどろき ちひろ◎東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修士課程修了。作曲を野田暉行、尾高惇忠、松尾祐孝、音楽理論を川井學、電子音楽を辻田幸徳の各氏に師事。2000年第16回かながわ音楽コンクールユースピアノ部門高校生の部本選出場。第24回ピティナピアノコンペティションF級全国大会出場。2004年チェコ「9th International summer courses of composition 」に参加。2005年 韓国「Nong Project 2005」に招待参加。同年 第10回東京国際室内楽作曲コンクール第2位。芸大モーニングコンサートにおいて、自作品「管弦楽のための変容」が初演される。明治安田クオリティオブライフ振興財団より奨学金授与。在学中より映画音楽製作などの経験を積み、現在は室内楽および管弦楽のための作編曲、また、子どものためのアンサンブル小品集などの出版も多く手がけている。21世紀音楽の会会員。当協会指導会員。オフィシャルサイト

このCDの狙いと、どのようにしてできたのかといったことを、編曲者の一人であり、これまでの経験を踏まえ、今回アイディアを提供してくださった轟千尋先生にお話をお伺いしました。

◆ 轟先生は昨年までこの伴奏CDを自主制作されていらっしゃいましたが、作ったきっかけは何でしょうか。

きっかけは大きく2つありました。
一つ目は、作曲をする立場からの、楽譜を見て曲の奥行きを感じ取って欲しいという思い、 二つ目は私自身がメトロノームに対して抵抗があったことです。

2段の譜面には書ききれない作曲家の思いに考えをめぐらせて、ボクだったらどうしよう、と考えるようになって欲しいと思いました。休符の場所にも音楽があり、単旋律の場所にもハーモニーが存在しているということを、身体で理解して欲しかったのです。
ピアノソロは、たとえるなら水墨画のようなものですが、オーケストラは使える音色がたくさんあるパレットのようなもの。
小さい子は、まだ他の音色に触れる機会がない子もいるので、例えばオーボエの音とクラリネットの音がどう違うか、というのがわからない子も多い。フォルテの出し方にしても、トランペットのファンファーレのようなイメージなのか、弦が全員で演奏しているイメージなのかで弾き方が変わると思うのです。
それぞれの楽器の音を知ることでピアノで出す音色の幅が広がる子もいます。頭の中の音の種類が増えることでイメージも膨らむのではないかと思います。
伴奏の音について、先生が「ここは弦楽器の音だね」などと案内してあげることが大切かもしれません。

特に小さなうちは、(私も経験があるのですが、)テンポが保てずどんどん速くなってしまいがちです。そのときにメトロノームに合わせるのは味気なく、私は好きではありませんでした。オーケストラの伴奏に合わせることで練習が楽しくなった、という声をいただくのは、私にとってとても嬉しいことです。

◆ いつからこの試みを始めましたか?

はっきり覚えていませんが、5~6年前からだったと思います。小学校1年生くらいの身近な先生の生徒さんのために作りました。
当時は私にまだ技術がなく、作業環境もまったく異なっていましたので、制作の過程ががらりと変わりました。クラビノーバで作ったものをフロッピーディスクにしていたのですが、今は作業ソフト(=シーケンスソフト)も安く手に入りますし簡単にオーディオ化できます。音色も格段に進歩しました。

作業風景

パソコンで操作するシーケンスソフトには、「デジタルパフォーマー」など、様々な種類があります。私はそうしたシーケンサーのひとつである「ロジック」というソフトを使っています。

一方、音源も無限にあり、音質は音源によってまったく違うものになります。ピアノの音、というのが一番奥深いように思います。いわば奏者選びのようなものですね。

◆ お勧めの使い方は?/使い方は最初から想定していたのでしょうか?

「楽しいものを」「休符にも音楽があることに気づいて欲しい」という思いで開始した当初、 使い方の詳細まで考えていたわけではありませんでした。実際に作って、周りの先生に使ってもらいながら使い方が出来上がっていきました。(⇒使い方 ジャケット内側)
合わせやすい編曲についてのヒントも、沢山のユーザーから勉強させていただきました。たとえば、「弦の伸ばしの部分は子どもは合わせにくい」といったことは、使った方の声でわかったことです。

効果的な使い方とねらい
【イマジネーション、耳を育てる】
ピアノと合わせる前に、どんな楽器が活躍しているのかよく聴きましょう。弾きながらでは聞き取れない、細かい表情を感じ取ることができます。
【片手練習に効果的】
オーケストラの音をよく聴きながら、片手ずつ練習することで、単旋律でも自然 と表情が生まれてきます。片手だからこそ、オーケストラを聴く余裕が生まれ、 各手とも音楽的に重要な役割を担っていることに気づくでしょう。
【テンポを一定に保つことができる】
オーケストラの流れにのることにより、滞りなく音楽を進めることができます。 片手練習の後、音を聴きながらゆっくりと両手で弾けるようになったら、オーケ ストラに合わせて、少しずつテンポを上げてみてください。ただし、オーケスト ラにごまかされて、ミスを聞き逃したり、雑な演奏にならないように気をつけま しょう。
【自分の音を聴く。そして、楽器を想像する「習慣」がつく】
最終的には、オーケストラの伴奏から離れ、自分のオリジナルのテンポ感、音色 感を見つけ出すことが大切です。このアレンジは、1つのヒントにすぎません。 オーケストラに耳を傾けたように、自分の音に耳をすませ、背景に鳴らす楽器の 音色を想像しながら演奏してみてください。ピアノの楽譜にはたくさんの音色の ヒントが隠れていることに気づくはずです。
◆ 一通りの伴奏で練習するとイメージが固定されてしまうのでは、という心配はありますか?

同じ音を聴いても感じることは一人一人違うはずだと思います。また、音色は意外と正確に記憶していないもの。頭の中で鳴っている音に、すでに個性が反映されているのかもしれません。
絵を描いてみたり、色を塗ってみたり、曲に対する自分のイメージをはっきりさせるような工夫を重ねていくうちに、曲に対する思いが生まれてくるのではないかと思います。

今回のCDでは、1曲につき2通りの編曲が収録されていますので、よりイメージを膨らませることができるのではないでしょうか。

心配に思うことは、練習のときにCDに合わせてばかりだと、自分の音を聴かなくなってしまうことです。ある程度距離を置いて「活用する」ことが必要になると思います。

◆ これまでの反響はどうでしたか?

嬉しかった声がいくつかあります。

・子どもがステージの上でオーケストラの音が聴こえて気分がよかった、と言っていた。
・前奏を聴いてから弾きだすので、テンポがつくれるようになった。
・オーケストラに合わせて気持ちよく弾けるように練習したい、と思ってくれた。
・休符の後の入りのタイミングがつかめるようになった。

などです。
とりわけ、練習したい、と思ってもらえたことが、何より嬉しかったです。

◆ このCDに対しての思いはなんでしょうか。

課題曲は、ちょうどよい長さで、ドラマがあり、楽しく勉強しがいのある曲が選ばれています。つまり、発表会や、普段のレッスンにも適した曲ということです。コンクール用に限らず、幅広く活用してもらえたらうれしいです。

編曲者のコメント

秋 透先生
「牧歌」・・・題名に適したユッタリとした楽想を自然に楽しめることを心がけて編曲しました。レガートに注意した指使いで、流れるようなフレーズを感じて演奏して下さい。
「小人のパレード」・・・可愛らしく、にぎやかで楽しいパレードを想像した音楽です。正確なテンポと、軽やかなアーティキュレーション(表情)でいきいきと演奏して下さい。
飯田 真樹先生
テキストのイラストから発展させたドラマを効果音付きで描いてみました。「かわいいひよこ」は村祭りの途中での突然の雷雨、「バンドの行進」は楽隊が街を練り歩く途中で遭遇するハプニング。場面を想像しながら楽しんで演奏ください。
小山 和彦先生
コンペティション課題曲には時代、作曲家別にいろいろなスタイルの作品があります。オーケストラ伴奏CDの制作では、出来るだけそれぞれのスタイルに合ったアレンジをするよう心がけました。オーケストラの響きを楽しみながらお使い頂けましたら幸いです。
轟 千尋先生
CDから聞こえるいろんな音に耳を傾けてみて下さい。弾きながら色々な音を聞くことができるようになってきたら、それはきっと上手になってきた証拠。 CDを卒業した時に、自分のピアノの音にも耳を傾けられて、きっとぐんぐんいい演奏になっていくと思います。これで楽しく練習してもらえたらうれしいです。
原川 健先生
課題のピアノと向き合い、その曲が何を主張し、どんな気持ちで書かれたかを想い、オーケストラの想像を膨らませる喜びは、捨て難いものがあります。皆さんもオーケストラの一員になって楽しく演奏してください。
春畑 セロリ先生
CDと合わせるのは、ひとりで演奏するのとどうちがう? 2タイプある伴奏はどんなふうにちがった? テンポがちがうと曲のイメージが変わる? もしCDでなく生の伴奏だったら、またちがう? 楽しむところがたくさんありますね!

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